仮面ライダーウィザード  in第四次聖杯戦争   作:T氏@pixiv

16 / 27
第15話 未遠川血戦

「英雄王...」

 

「...お前は実につまらないやつだな。」

時臣を見て不機嫌なアーチャーは王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から五つの宝具を射出する。

 

「なっ!?馬鹿な...」

 

まるで光弾のように怪物の体を突き抜けるも、再生してその穴は塞がる。

 

「お前への賜物は先ほどの宝具五つだ。」

 

「英雄王!まだ」

 

「時臣、義理立てを含め我の財である宝剣宝槍を五つも使い捨てた...穢れた以上は、もう二度と回収する気にもならぬ。俺の寛容を安く見るでない。」

 

食い下がる時臣に不機嫌な顔を向けるアーチャーは持っていた杯に口をつける。

 

「あの怪物を倒しうる英雄は、御身しかあらせられませぬ!あれほどの再生力がある以上、奴の総体を一撃のもとに消し飛ばすしか他にない。それが叶うとすれば英雄王、御身の乖離剣において」

 

「痴れ者がッ‼我が至、宝たる『エア』をここで抜けと?弁えよ時臣!王に対してその妄言、刎頸にも値するぞ!」

 

杯を投げ捨て叱責するアーチャーに時臣は頭を下げる。

 

「くっ...」

 

父親の苦しそうな表情を何も感じずに眺める桜だった。

 

 

 

 

「なんだ...あれは?」

 

F-15戦闘機に搭乗するディアボロ i のパイロットの仰木一尉は未遠川の怪奇な惨状に言葉を失っていた。

 

『6時方向にも妙な光が浮いてます!』

 

「なに?」

 

共に駆けつけたディアボロ ii の小林の無線に耳を傾けた仰木の目には川を覆う霧の上に光り輝く飛行物体が映る。

 

『コントロールよりディアボロI。状況を報告されたし』

 

「報告は...いや...その。」

 

本部からの通信に応えようとするもあまりの現実離れに言葉が詰まる。

 

『もう少し高度を下げて接近してみます!』

 

「ま、小林、待て!」

 

小林の乗るディアボロ ii が制止を無視し、霧の中へ突っ込んでいく。

 

『もっと間近からの視認なら、あれが何なのか』

 

小林からの通信が途切れた瞬間、巨大な触手に絡みつかれた戦闘機が霧から出てくる。

 

「小林ぃ!!」

 

姿を現した巨大な軟体動物のような怪物が口を開き飲み込もうとする。

 

『コネクト プリーズ』

 

「消えた?」

 

突如、現れた緑の魔法陣によりディアボロ ii が消失する。

 

『コントロールよりディアボロI...いったいどうなっている!』

 

「そこいら中に目が」

 

突如、戦闘機が揺れ、仰木は上を見上げる。

 

「ひぃー!?ひ、人が...」

 

「待て待て。」

 

仮面をつけたものと槍を持った男が上から見下ろしていた。

 

「ランサー、後は任せたぞ。」

 

「フォーリナー、かたじけない。」

 

仮面の人物はどこかへ飛び去り、槍を持った男と目線が合う。

 

「現代の空の戦士よ...飛べない俺に力を貸してあの化け物を一緒に倒してほしい。」

 

「た、倒す!?」

 

「時間がないのだ!お前の守る市民に犠牲が出てしまうぞ!」

 

唐突に語りかけられた仰木はパニックになるも男の真剣な眼差しに何か決意する。

 

「...協力します。」

 

「感謝する...貴殿は攻撃を考えず、撃ち落されずに接近することに専念してほしい。」

 

「分かりました。」

 

本部からの通信が耳に入らず、男を乗せたまま戦闘機は怪物の元へ接近していく。

 

破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)!!」

 

紅き槍を突き立てた男により、怪物の肉壁が解けて、通り道ができる。

 

「す、すごい...」

 

「やはりしぶといな...」

 

対抗できた男に感心する仰木に対し、槍の男は不安な様子だった。

 

 

 

 

 

「おっと。」

 

再び沿岸に降り立つ晴人の姿はフレイムドラゴンに変わる。

 

『ドラゴタイマー!』

 

コネクトでドラゴタイマーを取り寄せ、腕に装着する晴人は時を刻む。

 

『セットアップ スタート!』

 

(マスターがいるはず...)

 

晴人は人が多く集まるところへ走り出す。

 

「くっ!?」

 

セイバーは触手に叩きつけられる。

 

『ウォータードラゴン!』

 

「たぁ!」

 

再び襲い掛かろうとする触手の前に水面の青い魔法陣から登場した

 

晴人が切断する。

 

「そこにいたのですか!フォーリナー!」

 

『ハリケーンドラゴン!』

 

「ここにもいるぞ。」

 

空中に出現する魔法陣から同様にライダーに襲い掛かる触手を晴人が刻む。

 

「フォーリナーが二人!?」

 

「ふーむ、アサシンの真似事か?」

 

助けられたライダーとウェイバーは二人の晴人に困惑する。

 

「説明は後だ!」

 

「そうだな、フォーリナー!」

 

水中、水上、空の3点からキャスターに攻撃を浴びせ続ける。

 

「見つけた!」

 

目の前の光景に釘付けになり、あまりの出来事に唖然としていた野次馬の中で心地よさそうにこの光景を楽しんでいた青年。

 

『ランドドラゴン!』

 

「死んで、死んで、死にまくる!毎日ひっきりなしに」

 

突然、目の前に土壁が遮り彼の視界を遮る。

 

「早く逃げろ!」

 

「そ、そうだ...」

 

「こんなことしてる場合じゃないわ。」

 

ランドドラゴンの晴人は岸に沿って土壁を生成し続け、我に返った観客たちはこの場から逃げ出す。

 

「さぁ、令呪でキャスターを辞めさせろ。」

 

キャスターのマスター、雨生龍之介にウィザーソードガンを銃モードで突き付けるフレイムドラゴンの晴人。

 

「...毎度、毎度俺と旦那の邪魔をしやがって...まだ見たことない腸を」

 

「!?」

小さな破裂音とともに龍之介と晴人の周囲が静かになる。

 

「まさか...」

 

「え、どうしたんだ?」

 

手をついて仰向けに倒れこんだ龍之介はお腹に手を当てる。

 

対して晴人は狙撃手を探す。

 

「...うわぁ、すっげぇ綺麗...」

 

手に着いた血を見て目を輝かせる龍之介。

 

「そっか...灯台下暗しとはよく言ったものだぜ。」

 

「おい待て、まだ...」

 

「誰でもねぇ...俺の中に。」

 

晴人は病院へ連れて行こうとするも、龍之介は聞く気がなく自分の腸を嬉しそうに眺める。

 

「あれか!」

飛んでくる銃弾をウィザーソードガンで弾く。

 

弾丸の軌道の先を目で追うと一隻の船に乗る小さな影が立っていた。

 

(...ただ、僕の願いのためなら厭わない。)

 

晴人の脳裏にセイバーのマスターがよぎる。

 

「あいつか...これは!?」

 

龍之介の手の甲に刻まれた令呪が消える。

 

「くそ!」

 

「最高のクゥールを!!」

 

突如、キャスターの召喚した巨大な怪物の動きが激しくなる。

 

終わりの見えない戦いとやるせない気持ちに晴人はため息をついた。

 

 

 

 

 

「戻ってきたぞ、ライダー。」

 

「遅いぞ...お主のうちどれが本物なのだ?」

 

赤・青・緑・黄の4人のフォーリナーが最後のサーヴァントとして岸に集まる。

 

「「「「全員、本物だ。」」」」

 

「あぁ、分かった...いいか皆の衆、この先どういう策を講じるにせよ時間稼ぎが必要だ。」

 

めんどくさくなったライダーは本題に入る。

 

「ひとまず余が、王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ )に奴を引きずり込み、数分の間に...英霊たちよ、勝機を掴みうる策を見出してほしい!」

 

「おい!僕は...」

 

戦車から摘まみだされるウェイバー。

 

「貴様は残れ。いざ結界を解いた時、余は外の様子を把握したい。強く念じれば、伝令を遣わす。」

 

「うん。」

 

納得したウェイバーから目を離し、戦車を動かす。

 

「後は頼んだぞ...セイバー、ランサー、それにフォーリナー!」

 

彼らの頷きを目にした後、駆け抜けていったライダーは固有結界を展開して消えていった。

 

「...どうする?アインツベルンやフォーリナーは何かいい手はあるのか?」

 

黙り込むセイバーとアイリ。

 

「策はある。」

 

「ホントか!?」

 

「あ!...え、と。」

 

アイリは自身の鳴りだした携帯にパニックになる。

 

「これどうするのかしら。」

 

「貸してごらん。」

 

鳴り響く携帯を受け取ったフォーリナーは電話に出る。

 

『アイリか?』

 

「残念ながら俺は魔法使いだ。」

 

『...まぁ、いい。キャスターを消滅させたのはライダーの仕業か。』

 

「あぁ...」

 

『ライダーのマスターに固有結界を解除した時、中身を狙った場所に落とせるか聞いてくれ。』

 

スピーカーモードで聞こえていたのかウェイバーが小声で伝える。

 

「せいぜい100mの範囲で落とせるだろうって言ってるぞ。」

 

『なら、後で僕がタイミングを見計らって信号弾を打ち上げる。その真下でキャスターを開放しろとライダーのマスターに伝えろ。』

 

頷くウェイバーを一瞥するフォーリナー。

 

『加えて、ランサーにセイバーの左手には対城宝具があると言ってやれ。』

 

「おい!」

 

直ぐに電話が切られる。

 

「どうしたのだ、フォーリナー。」

 

「ランサー、セイバーの左手に対城宝具があると言ってる。」

 

皆に見られ、気まずそうな表情を浮かべるセイバー。

 

「セイバー、キャスターの怪物を一撃で仕留めうるものなのか?」

 

「可能だろう...だがランサー、我が剣の重さは誇りの重さだ。あなたと戦った結果の傷なら誉れであっても枷ではない。」

 

左手を軽く動かすセイバー。

 

「この左手の代替にディルムッド・オディナの助勢を得るなら、それこそが万軍に値する。」

 

「...なぁセイバー、俺はあのキャスターが赦せない。奴は諸人の絶望を是とし恐怖の伝播を悦とするもの。騎士の誓いに賭けて、あれは看過できぬ悪だ。」

 

地面に破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)を突き刺し,必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)を横に構える。

 

「ランサー、それは駄目だ!」

 

「いま勝たなければならないのはセイバーか、ランサーか?否どちらでもない。ここで勝利すべきは、我らが奉じた騎士の道...そうだろう?英霊アルトリアよ。」

 

「かっこつけてるところ悪いが...あんたの宝具を破壊する必要はないぜ、ランサー。」

 

自身の存在ともいえる宝具に力を加えるランサーだが、フォーリナーに止められる。

 

「...やつを止めるのではなかったのか?」

 

「言っただろ...俺にもあるってな。」

 

彼の腕に装着された大きな腕時計がいかにも主張していた。

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

「...それで、君もまた桜を凡俗に陥れろというのか?」

 

「あなたは本当に桜を見ているの?」

 

「ほう...もうそろそろショーの幕が上がるようだな。」

 

「すべての魔力を一つに...俺が最後の希望だ。」

 

 

「さぁ、ショウタイムだ。」

 

 

 

第16話 四属性を纏めし龍

 

 

 

 

 

 




~個人的なFate/zeroの悩みについて~
初めまして、この二次創作を書いてるT氏です。
急に作者が自我を出すのが嫌な方がいらっしゃったら、本編に関わる内容がないため無視していただいて構いません。
私自身、この作品が初めてではないのですが、前の作品がエタッてしまったので今度こそ最後まで書き上げるつもりです。
今回、私がFate/zeroのクロスオーバーを書くうえで悩んでいるのが2つあります。

1.遠坂時臣の心情について
 この第14話を投稿する頃にはすでに桜に対する彼の反応を今回や次話で書いてしまっていると思われますが、この点で書くのに迷っています。
 本編では、桜に対する臓硯の仕打ちを知らない為にあんな感じになったのだと思いますが、彼がこのことを知った時に雁夜と同様に親として動くのか、それとも魔術師として遠坂家の宝である桜を傷つけたと捉えて動くのか、そこら辺に皆さまはどう思われますか?

2.ランクの扱いについて
 私自身、Fate/staynightとFate/zeroのアニメしか知らないのでランクの描写についてはあまり理解できておらず、今回の作品ではまるっきり無視して書いてます。そのためヘラクレスの宝具の描写がある staynight のクロスオーバーを諦めてzeroを書いているのですが、もし詳しい人がいらっしゃいましたら教えていただけると幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。