仮面ライダーウィザード in第四次聖杯戦争 作:T氏@pixiv
「ほう...もうそろそろショーの幕が上がるようだな。」
集まって話し合うサーヴァントたちを船から見下ろすアーチャー。
(失った令呪を取り戻すために璃正神父と謀ったキャスター討伐のはずが...)
彼らの様子を見て苦痛な表情を浮かべる時臣。
「ねぇ、お父さん。」
「...なんだね、桜?」
焦る時臣だが、常に余裕を以て優雅であろうと落ち着いて桜に対応する。
「雁夜おじさんはそんなに悪いことしたの?私を思って助けてくれたんだよ?」
「...桜、才能に恵まれているお前の輝かしい未来を奪ったとも言えるのだ。」
またかと呆れた視線を向けるアーチャー。
「私の父としての思い...分かってくれないか?」
「...」
お互い理解し合えないもどかしさを面白そうにアーチャーはにやつく。
「あなたは本当に桜を見ているの?」
「...桜?」
突如、雰囲気の変わり、瞳が桃色になった桜に困惑する時臣。
「ほう、その小娘の指輪に宿っているものか貴様は?」
「...そうよ。」
「指輪?」
時臣は娘の手を見ると桃色のリングが目に入る。
「私はコヨミ...間桐雁夜に召喚された晴人のために桜にいさせてもらっているわ。」
「あのフォーリナーの...この指輪はまさか!?」
「もともとそれはお前たちの世界の賢者の石、といったところか?魔法使いの指輪よ。」
桃色に輝く宝石に惹きつけられる時臣は手にしようとする。
「!?」
「触らないで!」
はたかれて拒絶された時臣は唖然とする。
(中身は別物だというのに...なぜ私は)
「時臣よ、常に余裕を以て優雅たれ、ではなかったのか?」
動揺する時臣にアーチャーは愉快に声をかける。
「あなたは確かに娘のために動いていたかもしれない...でも、さっきの桜の顔を見たら何か分からないの?」
「それで、君もまた桜を凡俗に陥れろというのか?」
眉をひそめる時臣に対しコヨミは静かに口を開く。
「桜と私は同じ...そしてあなたとお父さんも同じなの。」
(「お前はコヨミの姿をした人形だ!」)
(これ...お姉さんの記憶?)
コヨミの回想を桜は垣間見る。
「あなたは桜に魔術師としての理想を押し付けているだけ!」
「私がエゴだと...遠坂の悲願を」
「魔術師の栄光なんて望んでない!ただ、家族の皆と過ごすのが彼女の希望なの!」
彼女の叱責に口を閉じる時臣。
「桜にとりつく悪霊の分際で....」
「もういいよ。」
「桜か?」
再び瞳の色が元にもどり、その視線は冷たいものであった。
「雁夜おじさんを探さなきゃ...」
「待て!桜」
静止を聞かず、アーチャーの元へ歩き出す。
「お兄さん、私船から降りたい。」
「...気に入ったぞ、小娘。」
アーチャーは船の高度を落とし、ビルの屋上の高さまで降りる。
「ありがとう、お兄」
「待て雑種。」
降りようとする桜を止めたアーチャーは時臣に視線を向ける。
「時臣、お前が降りろ。」
「え、英雄王!?」
「父親を嫌いになった娘を見てあげてるのだ...俺の恩情をいい加減受けろ。」
情けない姿を見せながら、時臣はアーチャーの船から降りて行った。
「セイバーの宝具はもし俺がしくじった時の保険にしてくれ。」
「了解した、フォーリナー。」
4人のフォーリナーがキャスターが出現すると思われる船の方へと向く。
『セットアップ!』
赤のフォーリナーが腕時計をベルトにかざす。
『ファイナルタイム!オールドラゴン プリーズ』
「4人のフォーリナーが宙に...」
四人のフォーリナーが背後にそれぞれの色の魔法陣を出現させる。
青の魔法陣によって尻尾が、緑の魔法陣によって翼が、黄の魔法陣によって爪が赤きフォーリナーに装着される。
「合体...というのか?」
最後に胸に龍の頭が出現する。
「あれか...あの真下!」
「御意!」
信号弾が打ちあがり、ウェイバーの指示に結界内に戻るヘタイロイの騎士。
すると、上空から巨大なキャスターの怪物が下りてくる。
「やっと、勝機を見出したか。」
それとともにライダーが戦車に乗って上空に現れる。
「すべての魔力を一つに...俺が最後の希望だ。」
翼のはためきとともに飛び上がるフォーリナー。
「はぁ!」
襲い掛かる触手を衝撃波で退ける。
「たぁ!」
再度、尻尾の打撃とともに辺り一面を凍らせる。
「蹂躙はしているが、大丈夫なのか!?」
「まぁ、待て小僧。」
心配する一同に対してライダーは黙って見届ける。
「ここが中心だな!」
体を回転させ、爪で怪物の肉壁を削っていく。
「お、お前は!?」
「宇宙旅行をしてもらおうか!」
「!?」
尻尾で姿を現したキャスターを打ち上げる。
「フィナーレだ!」
下にいる海魔を踏みつけ、4色の魔法陣を展開する。
「タァー!!」
魔法陣から出てきた4色の龍がキャスターの持つ
「わ、我が友の魔導」
キャスターは本を失ったことに嘆く暇もなく、フォーリナーの天に突き上げる蹴りを喰らう。
「まさか!?」
「地上から追い出すとはまた...」
地上のサーヴァントやマスターたちは見上げていた。
「ランサー!こいつを!」
「あぁ!」
キャスターの宝具をランサーの方へフォーリナーは投げ捨てる。
「これで終わりだ!
紅の軌道が魔導書を突き抜け、破裂する。
「消えた...」
キャスターがいなくなり残った海魔の集合体も消滅していく。
「ふぃ~。」
岸に着地し、静かになった海を眺める。
「なかなかのショーだったぞ、魔法使い。」
「アーチャーか。」
アーチャーの船がサーヴァントが集まるところへ降りてくる。
着陸したと同時に紫色の少女がフォーリナーの元へ走り出す。
「桜ちゃん、どうしたんだ?」
「...雁夜おじさんがぁ!」
泣き出し抱き着く桜を見て、彼はリングを取り出す。
「まずいな。」
『コネクト プリーズ』
バイクを取り出し、桜にヘルメットを被せるフォーリナー。
「アーチャー、お前は手を出さないって言ったよな?」
「あぁ、だが時臣が手を出した。」
アーチャーの平然とした様子にため息をつくフォーリナー。
「ランサー、お前も早くマスターの元へ戻ってこい。俺は悪いが先に帰らせてもらうぞ!』
バイクで去っていくフォーリナーを見届ける一同。
「フォーリナーの言う通りだな...失礼するぞ、セイバー。」
「あぁ、構わん。」
ランサーも霊体化してその場から消えていった。
「ん...ここは!?」
目が覚めるとキャスターは宇宙空間の中を高速で飛んでいった。
「無限に続く闇...ぬぅ!?」
大きな影に隠れていた強烈な光がキャスターを襲う。
「太陽...まるであの時見た。」
彼の脳裏にジャンヌが教会で祈りを捧げていたときの光景が流れる。
だが、徐々に近づくにつれてキャスターの体中で発火が起こる。
「こ...れが、ジャンヌの...」
体がただれていくため、うまく声に出せない。
目に焼き付けたかつて火にあぶられ処刑されたジャンヌの姿を想起する。
(だが、この業火の美しさは...)
焼かれる苦しみが来ると同時に包み込まれる紅炎に見とれる。
(この熱こそが...彼女を包んだもの。神よ...ジャンヌのあの顔はこういうことだったのですね。)
霊核が神聖なる太陽の熱により溶け、聖杯の中へと帰っていった。
次回、仮面ライダーウィザード
「間桐雁夜を助けるなど...我が主の仇となる。」
「私とランサーに繋がりはないの!?」
「主に対して説法を!」
「エリンの戦士として、そして貴公らの槍として、新たなる『
「さぁ、ショウタイムだ。」
第17話 栄誉の果て