仮面ライダーウィザード in第四次聖杯戦争 作:T氏@pixiv
聖杯戦争...それは万能の願望機、聖杯を巡る魔術師たちの血塗られた戦い。
セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー...7人のサーヴァントとそれを使役するマスターたちは最後の一人になるまで戦い続けなければならない。
この地で4回目の...聖杯を巡って熾烈な戦いが行われいた。
「...」
だがこの男、言峰綺礼は時臣の令により、聖堂教会の個室で待機する日々が続いていた。
「実に退屈そうな様子だな...綺礼」
「アーチャーか...アサシンを隠す関係上、ここで待機せざるを得ないのだよ。」
「その割には何度か勝手に出かけているようだが、まぁいい。」
部屋にやってきてソファに寝転ぶギルガメッシュ。
綺礼は彼に特に会話を投げかけることはせず、ただ問われたことに返す機会と化していた。
「綺礼様。」
「どうした?アサシン。」
椅子に腰かけていたところ、目の前に黒い影で骸骨の仮面を被った男、アサシンが現れる。
「お伝えしたいことがありましてこちらに参りました。」
「ほう...」
「常に女と行動しているセイバーが単独で行動しているのを捉えました。」
アサシンの報告に首を傾げる綺礼。
「器である女の傍にいないとは...今、感覚を共有することは可能か?」
「可能でございます...」
感覚共有をした綺礼は意外そうに少し驚く。
「確かにセイバーのようだな...」
「綺礼。」
「なんだアーチャー?」
突然、何の興味も示さなかったギルガメッシュが立ち上がり、綺礼の方へ向く。
「綺礼様!」
「勘違いするなよ、雑種...この俺を差し置いて勝手に盛り上がるのが実に不快だから
な。」
その行動に反応してアサシンが綺礼を庇うように動くが、ギルガメッシュはその波紋から
出てくるものに笑みを浮かべる。
「これは...」
「ドア...!?」
二人の目の前に置かれたのはピンクのドア...
「お前が先ほど見た場所を思い浮かべ、扉を開けろ...それだけだ。」
「...これはもしや『どこでもドア』、という奴じゃないのか?」
「ほう...この財の真名を知っているとは...して、なぜそこまで狼狽えているのだ、綺礼。」
少し気まずそうな表情を見せる綺礼。
「アーチャーよ、それは我々の世界を作ったType-moonよりも前に存在した『ド●えも
ん』という作品に出てきたものだ。あまりそう簡単に出されると困るのだが...」
「土左衛門?滑稽なことを言うものだ。」
「...それは水●体のことでございます。」
「ほう...この財はあくまで想像上の存在と言うわけか。それよりもセイバーを見せてくれるのではなかったのか?」
「...出してしまった以上は仕方がない。」
ギルガメッシュに脱線状態から引き戻された綺礼は開き直って扉のハンドルを握り、開
く。
「これが例のセイバーだ。」
「モキュモキュ...モキュモキュ...」
マ●ドナルドの店内、3人が陰から見ていたのは一人のセイバー...
「おい、綺礼よ。俺にはただの瓜二つなジャンキーな雑種にしか見えんが。」
「一応、クラスがセイバーではあるが?」
「服装はともかく、その金髪の少女という要素は同じだと思いますが...」
黙々と数十個のビック●ックを頬張るセイバー?に確信している二人だが...
「馬鹿か雑種ども...あやつはセイバーであってセイバーではない!!」
「どういうことだアーチャー?」
「あれは聖杯の泥に飲まれたセイバー...セイバーオルタだ。」
「「セイバーオルタ?」」
「確かに金髪美少女のアルトリア顔...というかそのものだが!あれを見ろ!」
セイバー?に近づいて彼女の瞳に指を指すギルガメッシュ。
「よく見ろ、綺礼。セイバーはどういう見た目なんだ?」
「金髪碧眼の美少」
「そう碧眼だ!...こやつの目はただの金色!金色は輝きはあるがどこか品がないものも
あり、さらにロクな奴がいない!」
(それを言うならお前も該当してしまうのだが...)
(『ま、待て…! 待つのだ剛! 偉大な私の頭脳を、この世から消してはならない!』)
心の中でツッコミを入れる綺礼とふと脳内に知らない人物が浮かんだアサシン。
「そして、こやつには『アホ毛』がないのだ!あのアホ毛こそ至高の財に...」
「おいアーチャー、そろそろ撤収を」
「黙って聞いていれば好き勝手言ってくれる...」
ギルガメッシュが熱弁している間に彼らの周囲にいた客が離れていく。
そして、肩を震わせて口にバーガーを運んでいた手はいつの間にか剣が握られていた。
「すまない、アーチャー!!」
「
「...というわけだが、どうだ綺礼...?」
語り終わったギルガメッシュは二人の方を向くといつの間にかいなくなっていることに困
惑する。
「おい雑種ども!どこへ」
「光を呑め!
「な!?」
どす黒いエネルギーがギルガメッシュを呑み込む。
そして店内は人が全員退避したものの、ボロボロになってしまった。
「はぁ...」
彼女は再び席につき、残ったビック●ックを手に取る。
(知らないやつにボロクソに言われた上にジャンクフードが台無しになった時も、ビック
●ックを食べた。)
「まったく...困ったものだ。」
「...」
なんとかギルガメッシュを置いておくことで命からがら逃げることに成功した綺礼とアサ
シン。
「アーチャーには悪いが、まずは帰還しようではないか...」
「そうですね...ん?」
アサシンはこめかみに指を当てる。
「どうした、アサシン?」
「.綺礼様。どうやら我々の内一人がまたセイバーを発見したようです。」
「...本当だろうな?」
アサシンに対して眉間に皺を寄せて怪訝な顔を浮かべる。
対してアサシンは首を縦に振り、それを見た綺礼は感覚を共有して様子を見る。
「...確かにセイバーのよう」
彼の目には劇場の中、舞台で華麗な動きで舞うセイバーが映る。
「アサシン。」
「なんでしょうか?」
「セイバーが劇場の『観客』として見に来ているのであればまだ理解できる...」
目を少し見開く綺礼はアサシンに顔を向ける。
「だが、舞台に立って演じるなどありえないのではないか?」
「...ですが、あの顔は完全にセイバーとしか言えないのではないでしょうか?」
「それは認めるが...仕方がない。実際に私の目で確認するしかないな。」
綺礼はアサシンに導かれ、セイバー?がいると思われる劇場へと足を運んだ。
「ここが例のセイバーが演じている会場だな。」
「はい。」
劇場の入り口の前に着いた二人は取っ手を握り、扉を開く。
「答えよ...そなたが余のマスターか?」
「これは...固有結界でしょうか?」
そこにはまるでローマの劇場『ドムス・アウレア』そのものであった。
観客席には多くの人々で賑わっており、舞台の中央ではセイバー?と一人の青年が何かを
演じている。
「...分からん。だが、これだけの魔力で展開しているとなるとセイバーもなかなか侮れ
ない相手だ。」
「綺礼様、ここは撤退しましょう。」
劇場の出入り口の扉の取っ手に触れる。
「開かない!?」
「余の劇場から去ろうとしておるのか?」
振り向くと舞台の中央にいたセイバー?が二人に視線を向ける。
「アサシン...扉を破壊して脱出することはできそうか?」
「綺礼様、この空間内だと定められたルールにより私の筋力が低下させられています...
結界を破壊することさえ不可能です。」
「余は聞いておるのだが?」
コソコソと話し合う二人を不快に感じたのか鋭い視線を向ける。
「も、申し訳ございません...私たちはお手洗いに行きたいと思っておりまして...」
(綺礼様!?そんな言い訳通るはずないじゃないですか!?)
手に汗握る二人。
「ほう...考えれば、余の劇場に厠がないのは確かに不便であるな。」
二人の前にある扉の両サイドに謎の部屋が2つ生成される。
「こ、これは...」
「さぁ!存分に用を足し、余の舞台に速やかに戻るがよい!」
「「は、はい...」」
勢いに流されてトイレに入って行く二人。
「綺礼様...一応、なんとか切り抜けましたが...てえぇ!?」
「なんだアサシン?」
「ほ、本当に行きたかったんですか!?」
小便器で用を足し始める綺礼。
「ほう...これが連れションというやつか。」
「ア、アーチャー!?」
綺礼の横に実体化したかと思えば、彼と同様に用を足し始めるアーチャー。
「うるさいぞ雑種...それよりも綺礼。俺を置いていくとは実に不愉快なことだ。」
「それは申し訳ないがアーチャー...だが、俺やアサシンではあのセイバーオルタの暴走
にお陀仏となっていた。逃げるのも道理だろ?」
「...まぁ、ひとまず許してやろう。」
備え付けられた手洗い場で清めた綺礼に対して、ギルガメッシュは取り出した財で手を清
める。
「...それよりもアーチャー、お前に質問があるが?」
「行ってみるが良い。」
「あの娘はセイバーで合っているのか?」
トイレから出てきた綺礼はセイバー?に指を指す。
「おい綺礼よ。俺にはただ瓜二つな芸術バカの雑種にしか見えんが?」
「余を愚弄するとは何様のつもりじゃ!」
ギルガメッシュの声が聞こえてしまい、再び視線を集めてしまう3人。
「一応、クラスがセイバーではあるが?」
「服装はともかく、金髪の少女という要素は同じだと思いますが...」
睨みつけられているにもかかわらずセイバー?に疑いがあれどそう思わざるを得ない二人
だが.....
「馬鹿か雑種ども...あやつはセイバーであってセイバーではない!!」
「どういうことだアーチャー?」
「余を無視するとは何事か!!」
セイバー?に対して無視していたためか、真紅の剣を構える。
「この愚か者が!!貴様のような皇帝風情がこの俺に口を挟むでない!」
「「こ、皇帝!?」」
顔をしかめるギルガメッシュに対して目を見開く二人。
「はぁ...この節穴な雑種どもにお前の名を教えてやれ。」
「...まぁいい。そなたは余の正体をすでに看破しておろうしな。」
剣を舞台に突き刺し、3人に向かって口を開くセイバー?
「余は皇帝、ネロ・クラウディウス!.」
「ネロ・クラウディウス...セイバーの真名」
「言ったではないか綺礼...やつはセイバーであってセイバーではないのだ?」
ギルガメッシュが口を挟み、続ける。
「確かに金髪美少女のアルトリア顔...だが、あれを見ろ!」
彼の指先はネロの胸へと向かう。
「あやつの胸はセイバーと比べて大きすぎる...あんな爆乳ではまともに戦えないではな
いか?」
「き、貴様!何を言っておるのだ!!」
「アサシンよ...また嫌な予感がしないか?」
「はい...」
綺礼とアサシンは彼にバレないように少しずつ距離をとる。
「それに加えてあのアホ毛...いくらアホ毛がチャームポイントだからとは言え、長けれ
ばいいという話ではないわ!」
「一応、警告しとくぞアーチャー!」
綺礼の話を聞くこともせず、セイバーに対する詳しい解説とネロへの悪口は止まらない。
「我が才を見よ、万雷の喝采を聞け!しかして讃えよ……」
そんな彼の様子とネロの宝具の展開を目にした綺礼とアサシンはすぐにギルガメッシュか
ら逃げる。
「──所詮は派生キャラでしかないお前がこのFateの顔であるセイバーに」
「黄金の劇場を!
「!?」
赤く火柱を立てる大火が剣を纏い、ギルガメッシュへと襲い掛かった。
「はぁ、はぁ...いったい何が起きているというのか。」
「分かりません...こうも立て続けにセイバーのそっくりが3人も現れるとは。」
『ドムス・アウレア』を模した空間からなぜか脱出し、現在二人は冬木の住宅街まで逃げ
てきた。
「もうこりごりだ...協会に今すぐ戻り、この馬鹿々々しい事態を我が主に報告しなけれ
ばなるまい。」
「そうですね...綺礼様。」
彼らは教会に向かい始める。
「綺礼様。」
「どうしたアサシン...どうせセイバーに似たサーヴァントが出てくるんだろう?」
「いやそれが...」
黙り込んでしまったアサシンに綺礼は首を傾げる。
『烈火抜刀!ドラゴン一冊斬り!ファイヤー!』
「ぬぅ!?」
「アサシン!?」
突如、背後から燃え盛る剣がアサシンを襲い、なすすべもなく十字に斬られて消滅する。
「あれは...なんだ?」
「綺礼様、報告する予定だった存在です。」
消滅したアサシンの固体の代わりとしてまた別人格のアサシンが綺礼の傍に現れる。
「再生!?...アルターライドブックがないということは本体は別か!」
「アルターライドブック?」
よく分からない用語を発するその相手は先ほどの金髪美少女の姿、ではなく仮面で素顔を
隠した騎士であった。
(ステータスは...ないだと!?)
(見たところ、あの剣士の持つ能力は私を遥かに超えております...セイバークラスと同格
かと。)
綺礼はその直後眉をひそめる。
「くっ!?」
急接近した騎士は傍にいたアサシンを剣で斬りかかるも、短剣で直撃を防いで後退する。
「あんた、大丈夫か?」
「!?」
だが、騎士は綺礼に襲い掛かることはせず、まるでアサシンから守るように剣を構えて立
つ。
(私が襲われていると思われている...のか?アサシン、お前は一旦退散しろ。)
(承知いたしました、綺礼様。)
「ま、待て!」
思念伝達を受けたアサシンは騎士の前から気配遮断によって退散する。
「...あなたはいったい?」
「俺は仮面ライダーセイバー。」
「仮面ライダー...セイバー!?」
本日3度目のセイバーに加えて、サーヴァントでもないことに頭を抱える綺礼。
「またもや滑稽な出来事に巻き込まれているではないか?綺礼。」
「!?」
突如、綺礼の背後に現れたギルガメッシュにセイバーは剣を構えて警戒する。
「...メギドじゃない?」
「俺はそのような本から生まれた魔の獣ではない...俺は英」
「待てアーチャー!?」
綺礼は必死に口を押え、ギルガメッシュは不満そうにそれを払いのける。
「何様のつもりだ?綺礼。」
「お前の真名は主から隠すように言われている。」
「...時臣め。俺の名を隠すとはな。」
悪態をつくギルガメッシュを宥める綺礼の様子に困惑するセイバー。
「えっと...仲間?」
「...そうだ。」
(厳密には違うのだが、一旦そうしておくとしよう。)
セイバーは綺礼の返答に違和感を感じるもののなんとか飲み込む。
「仲間とはずいぶん図々しい表現だがお前に免じて目をつむって」
「貴様は...」
マッ●シェイク片手に角地からセイバーオルタが現れる。
「はぁはぁ...余の舞台を荒らしたこと後悔させて見せようではないか!」
また別のところからギルガメッシュを追いかけてきたネロ・クラディウスが走ってくる。
「え?いったい何が...!?」
「おい,綺礼!どこへ行くのだ!」
隣にいたはずの綺礼がいつの間にか走っていったことに拍子抜けするセイバーに対してギ
ルガメッシュは綺礼を追いかける。
「食事を害した貴様を逃しはしない!」
「余の劇を壊すもの...許すまじ!!」
それを追うように剣を構えてギルガメッシュを追うセイバーオルタとネロ。
「なぁ!?お、置いていくな綺礼!!」
「爆弾を抱えたお前から逃げるのは当然の義だ!アーチャー!」
...世の中には同じ顔をした人物が3人いるという。
(...肝心のセイバーはいったいどこにいるというのだ。)
では、綺礼達の探すセイバーはどうしているのか...
「ハム...ん~♪」
「あらぁ、お嬢さんは気に入ってくれたかしらぁ!」
「はい!このドーナツはとてもおいしいです!」
ど~なつ屋はんぐり~で新作のドーナツを口にする金髪美少女。
「あなたは食べないのですか?フォーリナー。」
「俺にはこれがあるんでね、セイバー。」
指輪をはめたフォーリナーが頬張ったプレーンシュガーを掲げる。
「まったく...こんなおいしいドーナツがあるというのにいつも同じものを食べると
は...」
「そうなのよぉ~、晴君新作食べてくれないのよぉ!」
指輪の魔法使いに誘われて食事をするセイバーなのであった。
元ネタは「ネット版 仮面ライダーウィザード イン マジか!?ランド」の魔法ライダーをさがせ!シリーズです