仮面ライダーウィザード  in第四次聖杯戦争   作:T氏@pixiv

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第5話 謀略の夜

真夜中の山道を一台の車「メルセデス・ベンツェ300SL」で走っていたセイバーとアイリ

 

だが、突如現れたキャスターこと「ジル・ド・レェ」にドライブを邪魔されていた。

 

アルトリアであるセイバーをジャンヌと勘違いしており、話を聞かず意味の分からない持

 

論を述べるジル。

 

それに立腹していたセイバーは風王結界(ストライク・エア)で彼を掠らないよう

 

に地面を抉って威嚇する。

 

「われら英霊、すべての祈りをそれ以上愚弄するなら次は斬る!さぁ、立て!!」

 

いきなり威嚇してきたセイバーにジルは少し唖然するが、

 

「そこまでに心を閉ざしておいでかジャンヌ。致し方あるまい...それなりの荒療治を準

 

備してまいりましょう。」

 

落胆していたジルは立ち上がるのに対し、セイバーは見えない剣を構える。

 

「誓いますぞ...必ずやあなたの魂を神の呪いから解放して差し上げ痛!?」

 

「やっと追いついたか。」

 

ジルの背後に火花が飛び散り、その後ろから一台のバイクがやってくる。

 

「フォーリナー!?」

 

「セイバーもいたのか。お取込み中すまないがキャスターを撃たせてもらう。」

 

撃たれたジルは追いかけてきたフォーリナーに顔を向け、肩を震わせる。

 

「龍之介との戯れを邪魔をし、挙句の果てにはジャンヌとの再会に水を差すとは...なん

 

と腹立たしい!!」

 

ジルは螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)を取り出し、フォーリナー

 

に指をさす。

 

「この不届きものに罰を!!そしてジャンヌに目覚めを!」

 

「「待て!」」

 

『バインド プリーズ』

 

フォーリナーは鎖を召喚して捉えようとするも霊体化したジルに逃げられてしまう。

 

「この魔物は!?」

 

「キャスターの召喚した化けものだ!」

 

道路から現れたヒトデのような黒い化け物に対して銃撃を放つフォーリナー。

 

「あんたらは早く逃げろ。」

 

「いや、こちらも助立ち致します!」

 

フォーリナーに襲い掛かる海魔に斬りかかるセイバー。

 

「じゃあお言葉に甘えるか。」

 

剣に変化させてセイバーとともに海魔たちを華麗な体術を混じいて斬りつける。

 

「あなたの剣筋はなかなか面白いものです。まるで剣舞をしているようだ。」

 

「それはどうも。だが、こいつはすべてを破壊しない限り復活し続けるぞ。」

 

「なるほど...ではこうしよう!」

 

セイバーの剣を中心に風が纏い始める。

 

「おれもそれに乗ろうか。」

 

『ハァリケーン プリーズ』

 

ハリケーンスタイルにスタイルチェンジし、剣に指輪をかざす。

 

『ハァリケーン スラッシュストライク』

 

風王結界(ストライク・エア)!!」

 

二本の剣によって放たれた嵐が海魔達をミンチにして爆散する。

 

「ふぃー...」

 

フォーリナーは生じた炎を吸収する。

 

「フォーリナー、あのキャスターはいつもあんな感じなんですか?」

 

「それは分からないが、やつは普段、殺人鬼のマスターとともに子供を誘拐している。」

 

「...それは見逃せないな。情報を感謝する、フォーリナー。」

 

剣をしまい、元のスーツ姿に戻る。

 

「礼には及ばないさ。じゃあな、セイバー。」

 

バイクにまたがり、セイバーたちの元から離れ山を下って行った。

 

「ねぇ、セイバー。フォーリナーはいったい何がしたいんだろう。」

 

「...それは分かりませんが、少なくとも悪人ではないと思います。」

 

アイリとセイバーはアインツベルン城の方へと戻っていった。

 

 

 

 

セイバーが晴人と山道で会う最中、雁夜はニュースを目にしながらこれまでの自分につい

 

て考えていた。

 

(「私は透視できるし、戦うのは晴人ができる。それ以外にあなたのできることを考え

 

て...」)

 

桜というよりコヨミが自分に向けた言葉が脳内にこびりつく。

 

(俺にできること...晴人みたいに戦えるほど強くない...コヨミさんみたいに索敵できる

 

ほど俺の技量は高くない...俺はただ黙ってみるしかできないのか!)

 

改めて自分の無力さに嫌気がさす雁夜は苦虫を嚙み潰すかのようだ。

 

『冬木市湾岸地区の倉庫街で原因不明の爆発事故が発生しました。』

 

ダイニングの向かい側に座っている桜はつまらない様子でテレビを見ていた。

 

「...ねぇ、桜ちゃん。」

 

「どうしたの?雁夜おじさん。」

 

テレビが流れたまま、桜の瞳は雁夜に向けられる。

 

(「...これ見てると、お父さんを思い出すよ。」)

 

桜の中指にはめられたホープリングを目にし、時臣のことを懐かしむあの時の顔が思い浮

 

かぶ。

 

「...やっぱりお父さんに会いたい?」

 

「別に...もう私のことは関係ないって思われてる...」

 

濁った瞳が彼女の本心を隠す。

 

「おじさん、本当は桜ちゃんのお父さんのことを恨んでたんだ、葵さんを愛していたん

 

だ...だけど、俺は臓硯を言い訳にして自信のない俺は葵さんを諦めたんだ。」

 

「お父さんのこと憎んでるの?」

 

「...うん、たぶん憎んでる。どうして葵さんや凛ちゃん、桜ちゃんを不幸にしているん

 

だってね。」

 

俯いていた彼だが、再び目線を桜に合わせて口を開く。

 

「だけど俺では幸せにできない。だから、君を開放したら絶対お父さんに会わせて返

 

す。」

 

「...うん。」

 

雁夜のボロボロな体でも強い瞳に桜は少し頼もしさを覚えた。

 

「ただいま、雁夜に桜ちゃん。」

 

「帰ってきたか晴人。」

 

赤い魔法陣が出現し、晴人が帰ってくる。

 

「決めたよ俺...時臣に、遠坂家に絶対桜ちゃんを返すって。」

 

「...分かった、雁夜。まずは臓硯についてどうにかしないとな。」

 

雁夜の決意した様子に微笑む。

 

「とりあえず景気づけだな。」

 

『コネクト プリーズ』

 

晴人は例のドーナツ屋はんぐり~の紙袋を取り出す。

 

「また、例のゲテモノドーナツはないだろうな?」

 

「...いや、今回は普通に」

 

紙袋を開く晴人は硬直している。

 

「どうしたんだ?晴人。」

 

「カスタード?」

 

覗き込む桜は三つの真っ白なドーナツを見て首をかしげる。

 

「黒いのは海苔?か」

 

「しまった...寄りにもよって仁藤のものと入れ替わるとは...」

 

顔面蒼白になる晴人。

 

「これって何ドーナツなの?」

 

「...マヨドーナツ。」

 

マヨという言葉に雁夜と桜は困惑する。

 

「マヨって...あのマヨネーズか!?」

 

「あぁ、そのマヨネーズだ...」

 

愕然とする雁夜と肩を落とす晴人に対して...。

 

「...おいしい。」

 

「「えぇ!?」」

 

桜は目を見開くほど食べ進めていた。

 

「ん...確かにこれは。」

 

「...まじか。」

 

おいしそうに食べる桜に釣られ、雁夜は食べると意外と口に合うようだ。

 

「あぁ...俺のプレンシュガー。」

 

仁藤にマヨをかけられる未来が見えた晴人なのであった。

 

その後に三人で食事を終え、前回の英霊の集結について話す晴人と雁夜。

 

「ということは晴人はライダーと協力するということか?」

 

「深入りまではしないが俺は悪くないと思っている。英霊をあそこまで集めることができ

 

たのはあの状況もあるがライダーのセンスと言ってもいいからな。」

 

「さすがアレクサンドロス大王ね。」

 

いつの間に桜と入れ替わったコヨミが会話に入ってきた。

 

「コヨミさん、桜ちゃんは...」

 

「寝かせてるわ。他の陣営はどう?晴人。」

 

セイバーやランサー、アーチャーなどの姿が水晶に映し出される。

 

「アーチャーは戦った感じ底が見えなかったが油断を誘えばいけなくもないな。」

 

「マスターは遠坂時臣...か。」

 

桜もといコヨミをぼーっと見る雁夜にコヨミは困った顔をする。

 

「心配してるみたいだけど、遠坂はアーチャーに好まれてないのか普段から傍にいないみ

 

たいよ。それにこの子を連れて行けばそうそう引き渡す際の問題ないと思うわ。」

 

「幸い、遠坂とアーチャーはあまり戦闘に出ない...まずは臓硯の問題を解いてからだ

 

な。」

 

「あぁ。」

 

水晶が映し出すホテルの窓からケイネスとその妻、ソラウ、そしてランサーが話し合う様

 

子が見られた。

 

「ランサーはよく分からんが、セイバーに一応有利を取られてるみたいだな。」

 

「あぁ、彼の宝具でセイバーに痛手を負わせてる。」

 

「そうすると、セイバー陣営はすぐに手をうちたいだろうな。」

 

車から降りるセイバーと白髪の女性が映し出される。

 

「今日、キャスターとセイバーに接触して一緒に戦ったんだが...あいつ、よほど風の魔

 

術で剣を隠したがってたな。」

 

「ランサーに魔力を解かれて垣間見えたときは黄金に輝いていたけど...コヨミさんはな

 

にか分かるか?」

 

「...分からない。でも、ランサーは正体を見破って騎士王と呼び、自身もブリテンの王

 

と名乗ってる。」

 

晴人は湖の騎士(ランスロット)から託された指輪を取り出す。

 

(「...私は此度の聖杯戦争に参加するアーサー王に問いたいのだ。」)

 

「どうしたんだ、晴人?」

 

「え?あぁ、アーサー王って女だっけ?」

 

ぼーっとしていた晴人の発言で驚愕する一同。

 

「アーサー王ってエクスカリバーで有名な人物だよな。...男だったような気が。」

 

「その辺は一度置いておいて、問題はそのマスターよ。」

 

映し出されたのは白髪の女ではなく、死んだ目の男だった。

 

「コヨミ?マスターはあの女の人じゃないのか?」

 

「私は晴人に送られてくる魔力を辿って大聖杯を介して誰がマスターかを探っていたらこ

 

の男が出てきたの。」

 

ホテルの前で避難する人混みを横目にタバコを加える男。

 

「なぁ、このホテル。ランサーが滞在しているところに似てないか?」

 

「確かに...コヨミ、ランサー陣営が泊ってる階は?」

 

「最上階...貸し切ってるみたいね。」

 

迎え撃つ様子のランサー陣営に対し、男は携帯をいじり始める。

 

「...まさか。」

 

『コネクト プリーズ』

 

「どこに行くんだ、晴人。」

 

「助けに行く。あいつはホテルを爆発させる気だ。」

 

「え?」

 

魔法陣に飛び込む晴人に驚く二人。

 

その瞬間、ホテルに爆発が連続し明かりが消える。

 

「これは...。」

 

「爆弾!?...セイバーのマスターは何をしてんだ。」

 

まるでビルの解体工事をするかのように綺麗に崩れていく冬木ハイアットホテル。

 

 

 

 

冬木ハイアットホテルに滞在していたケイネス一行は下の火災を人払いによるセイバー陣

 

営の襲撃と考え、最上階で迎え撃つ気でくつろいでいた。

 

ランサーを配置し最上階のフロアごと魔術工房にしているため、ケイネスはワインを嗜み

 

ながら妻のソラウに自信を語っている。

 

「私が情けないという指摘、撤回してもらうよ。」

 

「えぇ。期待してるわよ。」

 

ソラウは彼の自信を内心で嘲笑するも、ランサーの身を案じていた。

 

そんな彼女の様子を見て、ケイネスはランサーに対する不信を募らせる。

 

「!?」

 

下から轟音が鳴り響き照明が落ちる。

 

「ランサー!」

 

「待てソラウ!」

 

ランサーを心配して部屋を出るソラウを静止するケイネスだったが、突如床が抜ける。

 

「こちらに掴まれ!」

 

自由落下する最中、月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)を展開して落下に

 

備えるケイネスはソラウに手を伸ばすも、彼女はこちらを掴もうとしない。

 

『ハァリケーン ドォラゴン』

 

下から風圧が発生し、やかましい呪文が流れる。

 

「貴様は!?」

 

「話は後だ。」

 

ケイネスの目の前で緑のフォーリナーが気絶するソラウと男性一人を抱えていた。

 

『ディフェンド! プリーズ』

 

「マスター!」

 

土煙が舞う中、瓦礫だらけの真下に風が発生しフォーリナーは安定して着地する。

 

対してケイネスはランサーに抱えてもらい魔力を込めた水銀をマットにしてランサーの着

 

地ダメージを抑える。

 

「ほいよ、ランサー。」

 

「フォーリナー、ソラウ様を助けていただき感謝する。」

 

「良いって、俺はお節介な魔法使いだからさ。」

 

気絶しているソラウを渡すフォーリナーにケイネスは困惑した様子であった。

 

「フォーリナー、そなたは敵であろうになぜ私たちを助ける?」

 

「俺か?言っただろ。お節介な魔法使いだってな。」

 

フォーリナーは背を向け、男を抱えながら飛行する。

 

「奥さんを大事にしとけよ。」

 

土煙が翼に払われ、どこかに消えていった。

 

「マスター、この後は?」

 

(考えればランサーの黒子程度の呪いではソラウの高い対魔力で防げるはずだが...)

 

ソラウがランサーに助け舟を出していた時を振り返るケイネス。

 

「マスター?」

 

「すまない。考え事をしていた。」

 

抱えるランサーに声を掛けられ、ケイネスは気を失っているソラウの方を見る。

 

「ソラウ...君は」

 

 

 

 

人々が爆発によるホテルの倒壊に釘付けされる最中、衛宮切嗣は咥えていたタバコを捨て

 

て携帯片手にホテル周辺から離れるように歩んでいた。

 

「舞弥。」

 

『最後まで標的に動きがありませんでした。ホテルの外には脱出していません。』

 

「150mの高見からの自由落下。どんな魔術結界で防備を固めても助かる術はない。」

 

「...お父さん。」

 

ふと切嗣の目線が泣きじゃくる娘を抱いてなだめる母親の姿が目に付く。

 

(イリヤ...)

 

彼の娘姿が泣いている娘と重ね合わさる。

 

「香蓮!」

 

「お父さん!!」

 

すると、向こうに父親らしき人物が青年に肩で担がれていた。

 

「あなた、どうして戻ったの!」

 

「奥さん、旦那さんを許してやってください。」

 

父親は懐から何かを取り出す。

 

「私がプレゼントした...」

 

「結婚10周年だろ?失うわけにはいかないさ。」

 

抱き合う二人に娘はぼーっとしていると、

 

「君にプレゼントだ。」

 

『フラワー プリーズ』

 

かがんで魔法陣から花を取り出す青年に切嗣は目を見開いた。

 

「お兄さん、いいの!?」

 

「あぁ、いいさ。じゃあ」

 

「ありがとうございます。」

 

青年は家族に手を振り、切嗣の方へ来る。

 

「...魔術は秘匿するものだが、魔法使いさん。」

 

「隠すものでもないさ。セイバーのマスター、あんたいったい何をしてるんだ。」

 

互いに睨み合う切嗣とフォーリナー。

 

「君には関係ないさ...それとも僕を殺して騒ぎを起こすのかい?」

 

「...あんた、こんなことしてたら身が持たないぞ。」

 

フォーリナーは切嗣の目を見て、憐みの表情を向ける。

 

「そうかもしれないな...ただ、僕の願いのためなら厭わない。」

 

切嗣はフォーリナーの元を去る。

 

(やつは僕をマスターだと気づいてる...危険人物だ)

 

「舞弥、撤退を...!?」

 

連絡が突如切られ、危機を感じた切嗣は部下の元へ走っていった。

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

「今、聖杯戦争は重大な危機に見舞われている。」

 

「桜はどうしているだろうか。」

 

「言ったじゃろ...わしに歯向かわず聖杯を献上しろと。」

 

「お前に俺の希望(このリング )は渡さない。それに俺は二人を諦めない。」

 

 

「さぁ、ショウタイムだ。」

 

 

第6話 蟲への抵抗

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