フリート・エスケープ(Fleet・Escape)   作:水岸薫

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第十四話

 

 不知火が進んでいた時、三重県沖では一隻の船が来ていた。その船は、世界最大の艦隊の一つ『長門』が来ていた。

 右頬に傷跡があり赤色の短髪をした女性。長門の艦長、『葉月華(はづき・はな)』は「不知火は見つかったかしら?」と隊員に質問すると、隊員は「いえ、不知火はここにいません」と返答した。

 

「しかし、あの話は事実でしょうか? 『夢命瓦八千穂は不知火に匿っている』と言う情報は…嘘っぽいと思います」

「確かに、それにここまで探してもいないとしたら…ここから動いたのでは?」

 

 隊員たちの返答に、彼女は「そんなことはないわ」と冷静に答える。

 

「不知火は関西を拠点に活動しているのはわかるわ。ここから活動するとしたら活動範囲に限りがあるわ。大きさから計算すると、瀬戸内海を通ることはできない。通るとしたら太平洋…高知県の前を通るけどその報告はない、だとしたらまだ関西、もしくは関西から出ようとしている可能性が高いわ」

 

 話を聞いた隊員は「な、なるほど…」と理解した。すると伝声管から「報告します!」と声がすると「見張員から連絡! 方位、東北東。距離20万メートル。不知火を発見!」と報告が流れる。それを聞いた華は「他の隊員に知らせて、不知火を発見したことを」と指示を出した。

 隊員らは『はっ!』と答えると、伝声管を使って各隊員らに伝えていく。それを聞いた華は「追いついたわね…」と微笑んでいた。

 

 

 その頃不知火の方では、八千穂が「よいしょ」と引き出しに洋服を入れている。

 補給班の菫と澄子、在庫管理班の詠に頼んで八千穂の新しい服に下着を買ってもらい。彼女は「これで全部」と入れ終えるとリュックをテレビの上にある棚に隠すようにしまう。

 

「しまう物と隠す物はこれで全部…ふぅ」

 

 しまい終えた彼女は息を吐くと椅子に座り、上を向くと「真由ちゃん…元気かな…」と考え込む。

 自分勝手でその場から離れ、自分の友人とは言え身勝手なことをしてしまい申し訳ない気持ちでいっぱい…相当迷惑をかけることをして本人は心配していた。

 

「真由ちゃん…」

 

 八千穂は小声で呟くと、伝声管から『あー、テステス。マイクテストっすー』と声がし始める。

 

『八千穂さん八千穂さーん、至急会議室へ集合っすー』

「え、私?」

 

 突然の伝声に八千穂は戸惑いながらも「わ、分かりました」と答えると部屋から出て、会議室へと走っていく。

 

〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

 

 ガチャッ

 

「お、お待たせしました」

 

 八千穂が扉を開けると会議室にいたのは、副艦長の日野岸晶と艦長の模歌桃華恋がいた。晶は「やって来たね、ここに座って」と椅子を動かすと、彼女は「は、はい」と慌てて椅子に座る。

 

「さて、八千穂ちゃんが揃ったところで…」

「はい、夢命瓦八千穂の無実を証明できるかどうか話しをしましょう」

 

 桃華恋の言葉に晶は答えると、八千穂は「無実を証明…」と考え込む。桃華恋は「相手は相当八千穂のことを知っとる…そうなれば、対策を考えんとな」と真剣な目つきで言うと、八千穂も「う、うん…何か策を考えないとね」と答える。

 また晶は「そうですね…それにあなたが通っている神奈川県立海原寅羽吏女子学園の様子をみたいところですね」と言うと、桃華恋は「せやな…八千穂。何か友人とかおるか? せめて友人が一人いれば」と彼女に質問する。

 八千穂は「えっと、一人います。ルームメイトで中学の入学から知り合った友達、花園真由ちゃんがいまして…その人なら私のこと信用できるかと」と思い出すように答えた。それを聞いた桃華恋は「なるほど、せやけどこれは賭けになるな…」と言うと、晶は「ええ、これは相手に聞かれてないかも考えると賭けになりますね」と冷静に答える、数分後。

 

「…やけど、ここで考えても埒が明かんな、八千穂。電話を出してその真由に連絡をしてくれへんか?」

「う、うん」

 

 桃華恋の言葉に八千穂は慌ててポケットからスマホを出しすと、電話のアプリを起動させて花園真由に連絡することに。

 電話をすること数秒後、スピーカーから『はい、花園ですが?』と声がした。晶は紙とペンを出して『スピーカーにするように』と書いて八千穂に見せると、彼女は頭を上下に動かしてスピーカーモードにする。

 

「真由ちゃん? 私、夢命瓦八千穂だよ?」

『八千穂? 八千穂ちゃん!? 大丈夫なの!』

 

 真由の慌てる声がすると、八千穂は「うん、私は大丈夫だよ」と微笑み返した。すると向こうから『よかったぁ…突然から消えたからどうしてるのか心配していたよ』と安心する声が響くと、八千穂は「こっちも…ゴメンね」と謝罪する。

そして晶は『そちらはどうしてるのか、聞くことは?』と八千穂に見せると、彼女は「あのね真由ちゃん、そっちはどうなってるの?」と質問した。

 

『うん、学園は問題なくいつものように過ごしているよ。でも、緒川阿久和さんが八千穂ちゃんを捕まえるために目を光らせているような…』

 

 真由の話に桃華恋は「緒川阿久和…誰や?」と質問すると、八千穂は「私と同じ学園の生徒、緒川財閥の一人娘で当主なの」と簡潔に答える。

 真由は続けて『八千穂ちゃん、これは私の推測だけ…この事件を起こした元凶。もしかして緒川阿久和さんに関わりあるかもしれない』と言うと、晶は「緒川財閥…学生スパイ…関係は何なのかわからないが、関係がありそうですね」と小声で考え込む。

 そして八千穂は「真由ちゃん、今電話しても大丈夫なの?」と心配そうに質問すると、真由は『大丈夫、今部屋にいるから心配はないよ』と言うと、桃華恋は「そっか、それやったら安心するな」と安心する。

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