フリート・エスケープ(Fleet・Escape)   作:水岸薫

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第十三と二分一話

 八千穂がどうして学生スパイ容疑をかけられたのか…そして、どうして緒川阿久和が関わっているのか…。

 それは、時は遡ること約一年前。二人が神奈川県立海原寅羽吏女子学園に入学して間もない頃…。

 

 教室へ移動していた時、緒川阿久和はノートに何か記入していた。彼女は「これをこうして…あとは」とニヤけながら歩いていたが、歩いている途中で彼女はふと「とと、失礼」と他の生徒にぶつかりそうになり、慌てて避けた。

 その際にノートを落としてしまった。それに気づかない阿久和はそのまま歩いていくが、それに気づいた夢命瓦八千穂は「あれ?」とノートを拾う。

 落ちた時の衝動だろうか、表紙が開いていたため彼女は「開いている?」と反応をし、ノートの中身を見ると「なんだろう…」とノートに書かれている内容を見ていた。

 1ページほど見ていたとき、阿久和は「あら、私のノートが…ない?!」と手にしていたノートがないことに気づくと、慌てて通っていた通路を戻っていき探し始めていた。

 ノートの中を見ていた八千穂に気づいた阿久和は慌てて奪うと「勝手に見ないで!」と注意すると、彼女は「あ、ごめんね」と慌てて謝る。

 

〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

 

 入学式以来、阿久和は『夢命瓦八千穂がノートを見た=その内容をどこかに漏らす可能性が高い』と認識するようになった。彼女はいずれ、阿久和が企てている計画は、どこかで崩壊することになる…。彼女はそれを恐れている。

 時は進んでいき、中学二年になったとき彼女は例の計画をする前に、計画の一部を見た八千穂をどうやって計画を知らせないように黙らせるかと、考えていたところ…ふとある作戦を実行する。

 その作戦とは、警察に夢命瓦八千穂の『嘘の容疑の情報』を流していくこと。警察に知らせるのは簡単だが内容を殺人や詐欺などの刑事系だと、いずれ自分も疑われてしまい危険性が高い。ここは公安が担当する事件性が高い『学生スパイ』と言う容疑をつければ自分に疑う可能性は低い、また仮に自分が疑われたとしたら権力で使えば問題はない。

 もちろん、この行為は彼女もわかるほどの違法行為。しかし、ある計画を実行するために彼女を排除する、阿久和は「これなら私の計画を周りは気づかず…じっくりとできるわね」とメイドが注いだ紅茶を飲みながらつぶやくのであった。

 しかし、夢命瓦八千穂が学生スパイの容疑をかけられたのは想定内だが、ここから先は予想外なことが起きるのは…彼女はまだ知らなかった。

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