フリート・エスケープ(Fleet・Escape)   作:水岸薫

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第十五話

 不知火の会議室では桃華恋と晶は八千穂のスマホで真由と話をしていた、真由からの報告に晶は「それにしても、緒川財閥…もし八千穂を陥れるような行為をしていたら」と考え込むと、桃華恋は「ああ、刑事事件…虚偽の行為になるな」と答える。

 

「せやけど、問題はどうしてそんな事をしたかや。うちは八千穂を濡れ衣を着せるような事はせぇへんと思うがな」

「そうですね、それはどう考えても私は不審に思います。一体どうして…」

 

 緒川財閥がどうしてこんな事をしていたのか、二人は考えていると、伝声管から『報告です! これは緊急報告です!』と隊員の声が響いた。それを聞いた桃華恋は「どないしたん!?」と伝声管に向けて言うと、向こうから『こちら見張員、方位、北西。距離15万メートルに戦艦『長門』らしき姿あり!』と言うと、晶は「追いついてきましたか…」と顔を強張る。桃華恋も「せやな」と冷や汗をかく。

 

「晶! この事を皆に知らせるんや! 緊急事態やと!!」

「わかりました!」

 

 桃華恋の言葉に晶は答えると、伝声管で「緊急事態、緊急事態! 各自に継ぐ!」と警報を流していく。それを聞いていた真由は『八千穂ちゃん、何かあったの? 騒がしいけど?』と反応をすると、八千穂は「うん、私は大丈夫。またかけ直すよ」と急いで電話を切る。

 

 

 不知火を発見した長門は、主場砲をゆっくりと旋回し、不知火の方向へ向けられる。

 華は隊員に向けて「威嚇射撃。多少当たっても爆破しないように」と指示を出すと、隊員は「了解!」と答えると「主砲、撃てぇ!」と指示を出した。

 

 ドォォォォォン!!

 

 その瞬間、海を割るような轟音が響き。主砲から巨大な砲弾が放たれ、不知火のすぐ横に着弾。その瞬間巨大な水柱が立ち上がる。それを見た華は「反撃はなし…ね」と双眼鏡で観察していた。

 

「夢命瓦八千穂、あなたは国家の秩序を乱す存在。必ず捕まえてみせるわ」

 

 華はそう言って双眼鏡を下ろすと、彼女の瞳は炎のように赤く燃えていた。

 

〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 

 

 長門の砲弾が海面に当たる前、伝声管に伝わった隊員らは各自行動に移していた、調理班の美鈴は棚の炊飯器やポットを専用のロープで固定していた。固定した棚を見て「これぐらい縛れば、揺れは避けられないね!」と答えながらロープをフックに固定する。

 機関室では突然の警報に恭子は「長門が来たの? ここまで来るのは想定外ね」と呟く。透子も「でもどうしてここに…?」と考えていると、出井が「文句言う暇あんなら手ぇ動かせぃ!!」と叱りつける。

 艦橋では桃華恋と晶、八千穂が駆け込むと「蟹江! 操縦は!?」と言うと、彼女は「異常ありません!」と答える。

 

「恵さん、様子は!?」

『動きに変化はありまさん、ですが…撃ってきました!』

 

 ドォォォォォッ!!

 

 長門から放たれた砲弾が不知火の近くに落ちると、大きな音と衝撃とともに巨大な水柱が立ち上がる。

 その衝撃に皆は『うわぁ!!』と驚くと、桃華恋は「これは、威嚇射撃や…なかなかやるな」と反応をする。そして八千穂は「ど、どうしてここに…」と先ほどの衝撃で動揺している。

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