フリート・エスケープ(Fleet・Escape)   作:水岸薫

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第六話

 八千穂が不知火に保護することになった、それは艦長の模歌桃華恋からの話で隊員らは理解してる。艦長の話を聞いて理解する者もいれば、不思議そうに思う者も少なからずいる。

 八千穂は桃華恋から「さてうちは用があるから、ここからは他の隊員と話したり、相談したらええで」とその場から離れると、それを見た盛子は「また来た、艦長の変な癖」と苦笑いする。

 

「桃華恋ちゃんの変な癖?」

「そ、面倒な事があると時々このように場を離れるのがあってね。あたしはそれを『その場離れ』と呼んでるよ」

 

 盛子の話に八千穂は「桃華恋ちゃんらしい…」と微笑んでいた。

 そして八千穂は盛子と一緒に空いている部屋へといくと「ここだね」と扉を開ける。そこにあったのは、ホコリまみれのベッドに机と椅子。それを見た盛子は「ありゃりゃ…最近使ってないから汚いね」と苦笑いする。

 

「掃除道具持ってくるから待ってて、すぐに戻るから」

「あ、はい…」

 

 盛子は掃除道具を取りに何処かへ行くと、八千穂は「ここが…私の部屋」と呟く。ネットカフェの時とは違った安心感が出てきた、彼女は気が緩んだ…その時。

 

「よぉ、ちょっといいかい?」

 

 向こうから声がしたため八千穂は「え?」と振り向くと、黒色の短髪をした小学生と橙色のロングヘアーの女性がやって来た。それを見た八千穂は「…親子?」の呟くと、小学生は「ズゴッ!」とずっこける。

 

「何が小学生だ! あたいはこの不知火の機関長をしている照楊(てやん)出井(でい)でぃ!」

「同じく、私は不知火の医療班。(やま)伊吹(いぶき)だよ」

 

 二人の話を聞いて八千穂は「あ、同じ隊員でしたね」と反応をする。出井は「おぅ! まぁ、話は艦長から聞いていたが。濡れ衣だか乾き衣だか知らねぇが、守ってやるのはあたいも同じだ!」と言いながら近づき、彼女の肩を叩くと「事情はどうであれ、あたいは同感するぜ!」と答える。

 伊吹も「私も、何があったか知りたいけど流石に深く聞くと心の傷が広がるからね」と微笑んでいた。「必要なのがあったらこちらのメモを使って、艦長に渡してくるから」と言うと、彼女は「あ、ありがとう」と照れながら答える。

 

〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

 

 その頃、警視庁ではサイバー犯罪対策課が夢命瓦八千穂の部屋で押収したパソコンを調べていた。調査の結果…。

 

「サイバー犯罪対策課からの報告によりますと、これは遠隔通信によるものだと分かりました。高度な技術と腕前によって彼女のパソコンを操作していることが分かりました」

 

 サイバー犯罪対策課の報告を聞いた亮平は「なに! そこまで技術が揃っているってことなのか!?」と驚くと、裕子は「はい、私もすっかり騙されました」と冷静に答える。

 拓哉は「それだとしたら、一体誰が遠隔操作を…」と考え込むと、裕子は「調べてみる必要があるわね」と答える。

 

「そうだな…よし、サイバー犯罪対策課はそのパソコンの送信先を調べるように。我々はもう少し夢命瓦八千穂を調べてみるようにしよう」

『わかりました!』

 

 亮平の言葉に捜査員は答えると、行動に移していく。そして彼は「それにしても、この高度な技術…一体誰が」と言いながら持ち物の写真を見ていると、パソコンのマークを見て「ん?」と彼は違和感を持つ。

 パソコンのマークには緒川財閥の一つである緒川デジタルが表記されていた。それを見て彼は「緒川デジタル…そう言えば」と何か思い出したのか、捜査資料を見て「そう言えば、学生スパイが疑われていたと通報があったのは…宮美原(きゅうびばら)透子(とうこ)…確か緒川阿久和の知り合いだったな」と考え込む。

 

「何か引っかかる…これは只事じゃないほど引っかかる」

 

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