元ITエンジニアの俺、祖先の召喚術から召喚プログラムを組み上げて神も悪魔も従える   作:パラレル・ゲーマー

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第4話 塵霊隊と、空き家のクソ精霊

 夕暮れの公園は、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っていた。

 

 赤く燃えるような残照が、滑り台の長い影を砂場に描き、塗装の剥げたベンチを寒々しく照らし出している。

 

 御門悠真は、そのベンチの前にしゃがみ込み、膝の上でノートPCを広げていた。

 画面の端で点滅するインジケーターが、不可視の存在を確実に捉えている。

 

【未契約個体:検出】

 

【種別:都市妖魔・塵霊(ダスト・スピリット)】

 

【状態:衰弱・空腹】

 

【契約適性:98%】

 

 ベンチの下、吹き溜まった落ち葉と埃の影に、それはいた。

 

 大きさはテニスボールほど。

 真っ黒で、毛羽立った毛玉のような、あるいは埃の塊に意志が宿ったような、ひどく頼りない姿をしている。

 

 それは時折、ふるふると震えながら、か細い「声」を漏らしていた。

 

「ちり……」

 

「わすれ……」

 

「さむい……」

 

「すわれる……?」

 

 ジャグラズが、悠真の肩越しに画面を覗き込み、鼻を鳴らす。

 

「塵霊(ちりだま)だな。弱いぞ。めちゃくちゃに弱い。それこそ、その辺の小学生が掃除機を持ってきて本気を出したら、一瞬で吸い込まれて消滅するレベルだ」

 

「……そんなに弱いの? 精霊とか妖魔って言ったら、もっとこう、神秘的なものを想像してたんだけど」

 

「現実は非情なんだよ。こういう奴らはな、埃や忘れ物、放置されたガラクタ、何年も掃除されない場所に溜まった『忘却の気配』から生まれる。戦闘力なんて期待するだけ無駄だ。指で突っつけば潰れる存在なんだからな」

 

「でも、お前はこいつらが『便利だ』と言った。その根拠は何だ?」

 

 悠真が問うと、ジャグラズは生意気に腕を組んだ。

 

「埃ってのはな、人間が見落とした時間の残骸みたいなもんだ。こいつらはどんなに狭い隙間にも入り込めるし、物の陰に溜まった古い記憶を拾い集めることができる。落とし物探しや、隠された痕跡を見つけるのには、俺様みたいな高位の存在よりも、こういう地味な連中の方が向いてるのさ。……もっとも、言葉もまともに通じないから、まともに契約できる召喚師なんてまずいないだろうけどな」

 

 悠真は、画面に表示された「契約テンプレート」をスクロールした。

 

 通常の召喚術なら、こうした意思の疎通すらままならない低位存在と意思を合わせるのは至難の業だ。

 

 しかし、この召喚プログラムは、対象の微弱な霊的信号を解析し、最適なプロトコルに変換してくれる。

 

「……やってみるよ。お前の知識と、俺のシステム。それが組み合わされば、こいつとも『接続(リンク)』できるはずだ」

 

 悠真はゆっくりと手を伸ばし、できるだけ穏やかな声で塵霊に語りかけた。

 

「危害は加えない。俺と契約しないか?」

 

 塵霊はびくっと震え、ベンチの脚の裏側へ逃げようとした。

 

「おい、逃げるぞ。こういう弱小な奴は、俺みたいな悪魔の気配に敏感なんだよ。捕食されると思ってるんだろうさ」

 

「お前のその威圧的な波形、なんとかならないのか?」

 

「悪魔に向かって性格を変えろって言うのか? 無理難題だな」

 

「……いい。プログラム側で補正する」

 

 悠真はキーボードを叩き、契約の「出力」を調整した。

 

【対象言語:断片的妖魔信号】

 

【契約用語を低位存在向けに簡略化(シンボリック変換)】

 

【供物候補:埃、古紙、廃棄予定の布、放置物の記憶】

 

【対価候補:狭所探索、痕跡収集、微弱な空間清掃】

 

「……供物、埃でいいのか?」

 

「塵霊だからな。最高のご馳走だろ。あとは古新聞とかの記憶も好むぜ。要するに、ゴミとして扱われるものだ」

 

「安上がりだな……。だが、これなら長期的な維持コスト(ランニングコスト)はゼロに近い」

 

 悠真は改めて、簡略化された契約意思を塵霊に送信した。

 

【乙(塵霊)は甲(悠真)に危害を加えない】

 

【乙は人間の生活空間を勝手に汚染しない】

 

【甲は乙に安全な隠れ場所と、定期的な埃、古紙等を提供する】

 

【乙は甲の命令に従い、情報の収集を行う】

 

【戦闘は禁止。危険を感じた場合は即時撤退を許可する】

 

「ちり……?」

 

 塵霊の揺らぎが、わずかに安定した。

 

 それは恐る恐る悠真の影へと歩み寄り、そこに馴染むようにスッと吸い込まれていった。

 

【契約テンプレート:低位都市妖魔用(Ver. 1.0)を適用】

 

【対象:塵霊 識別子:DS-001】

 

【契約容量:極小】

 

【システム負荷:0.03%】

 

【契約成立】

 

「……成立したな」

 

「マジかよ。あんな埃の塊、普通は召喚のパスを通すだけで霧散しちまうもんなんだが……お前のその変な箱、本当に理屈でおかしいぜ」

 

 ジャグラズが呆れたように呟く。

 

「初めて自分から契約した相手が、埃の妖魔。地味だな、御門の万能召喚術ってのは」

 

「派手さより実利だ。……お、何か言ってる」

 

 悠真の影から、小さな振動が伝わってくる。

 プログラムがそれを解析し、テキストとして出力した。

 

「なかま……」

 

「ちり……いっぱい……」

 

「よぶ……?」

 

「仲間? 他にもいるのか」

 

「ああ、埃が一粒だけで存在しないのと一緒だ。塵霊はだいたい群れる。一箇所にいれば、その周辺の側溝や隙間にも必ず同類が溜まってるのさ」

 

 その言葉を待っていたかのように、ノートPCが周辺反応を再スキャンし始めた。

 

【同系統個体の反応を多数検知】

 

【周辺半径300m:塵霊系個体 18件】

 

【側溝、ベンチ裏、滑り台下、古木の根元に分布を確認】

 

【契約テンプレートの一括適用(バッチ処理)が可能です】

 

「一括適用?」

 

 悠真の指が止まる。

 

「おい、悠真。嫌な予感がするぞ。まさかお前……」

 

「……一体あたりシステム負荷0.03%なら、まとめて契約しても問題ないだろ」

 

 悠真は迷わず、一括契約のコマンドを実行した。

 

 公園のあちこちから、小さな黒い影がぴょこぴょこと飛び出し、悠真の足元へと集まってくる。

 

【契約成立:DS-002】

 

【契約成立:DS-003】

 

【契約成立:DS-005】……

 

「おいおいおい! 待て待て待て!」

 

 ジャグラズが叫び声を上げる。

 

「どうした、そんな大声出して」

 

「どうしたもこうしたもねえ! お前、普通、召喚師ってのは一体契約するだけでも相当な集中力と霊的負荷がかかるんだよ! それをなんだ、その……スタンプラリーみたいにポンポンと!」

 

「そうなのか? そんなに大変なことなのか?」

 

「当たり前だ! お前、自分が何体とパスを繋いでるか分かってんのか!」

 

「分かってるよ。画面に出てるだろ。……でも、俺本人はちっとも疲れてないな。たぶん、俺が直接魂を繋いでるんじゃなくて、このプログラムが『契約管理』を代行してるからだと思う」

 

「代行だと?」

 

「普通の召喚師が、自分の脳(サーバー)をフル稼働させて契約を維持してるなら、俺はこのプログラムに処理を外出ししてるんだ。御門家の血を認証基盤にして、ノートPC上で契約状態を仮想化して管理してる。だから、低容量の存在なら、並列処理(マルチスレッド)でいくらでもいける……はずだ」

 

 ジャグラズは、信じられないものを見る目で悠真を凝視した。

 

「お前……召喚師というより、契約サーバーのシステム管理者じゃねえか。神秘の欠片もねえな……」

 

「元ITエンジニアだからな。運用設計は得意だ」

 

 悠真はさらに範囲を広げた。

 

 公園だけではない。

 近隣の商店街、住宅街、古いアパートの階段、コンビニの裏、自動販売機の隙間。

 

 最初は数体だった塵霊との契約が、加速度的に増えていく。

 

【契約招待(インビテーション)をネットワーク経由で送信中】

 

【塵霊同士の接続経路(プロトコル)を解析完了】

 

【契約個体数:27】

 

【契約個体数:48】

 

【契約個体数:73】

 

【契約個体数:100】

 

 ジャグラズはもう絶叫する気力もなく、口をあんぐりと開けていた。

 

「……百体。埃の化け物を百体……」

 

「一体あたりは弱くても、百体いれば網羅できる。理屈の上では、このエリアの『情報の隙間』をすべて埋められるはずだ」

 

「かなりって何だよ……かなりって……」

 

「容量を食わない軽量プロセスの塵霊なら、まだまだいけそうだけど。……いや、まずは百体で運用テストをしてみよう」

 

「加減しろよ馬鹿! その『かなり』で世界が滅びるかもしれないんだぞ!」

 

 ノートPCの画面に、地図が表示される。

 

 駅前から御門家の屋敷周辺まで、小さな青い光の点が無数に灯っていく。

 

【Dust Spirit Network:起動成功】

 

【通称:塵霊隊(ダスト・スカッド)】

 

【情報収集範囲:市街中心部の約62%をカバー】

 

【リアルタイム監視精度:低】

 

【痕跡・残滓検出精度:中】

 

「よし。とりあえず、街の半分をカバーできる情報網ができた」

 

「……できた、じゃねえよ」

 

 ジャグラズが深いため息をつく。

 

「もういい。好きにしろ。で、その百体の埃共から、何か分かったのか?」

 

 画面には、塵霊たちからの断片的な情報が次々と流れてくる。

 

 しかし、その内容はひどく原始的だ。

 

「くらい」

 

「におい」

 

「こわい」

 

「わすれもの」

 

「ひと、こない」

 

「わらう、いる」

 

「……全然分からんな。情報が細切れすぎて意味をなしてない」

 

 悠真が眉をひそめると、ジャグラズが勝ち誇ったように鼻を鳴らした。

 

「ケッ。だから言ったろ。塵霊なんてのは、感覚が雑なんだよ。そいつらの情報をそのまま見たって、素人にはノイズにしか見えねえさ」

 

「……そうだな。だからこそ、お前が必要なんだ、ジャグラズ」

 

「はあ?」

 

「塵霊隊が集めてくる膨大な情報の欠片。それを悪魔としての感覚でフィルタリングして、意味のある事象として再構築(デコード)する司令塔。……お前の波形と経験がないと、このシステムはただの『埃マップ』で終わる」

 

 ジャグラズは一瞬虚を突かれたような顔をしたが、すぐに顔を赤くしてプイと横を向いた。

 

「……へ、へー。そうですかい。まあ、俺様がいないと何もできないってのは事実だろうけどな」

 

「ジャグラズは、塵霊隊の情報の出口(ゲートウェイ)であり、分析エンジンだ。百体の塵霊の情報が、お前というハブを通ることで、初めて俺の理解できる『事件』になる」

 

「……結局、また便利パーツ扱いじゃねえか!」

 

「いや、本当に重要なんだ。お前がいないと、この網(ネットワーク)はただのゴミの集まりだ。……ありがとう、定義ファイル兼司令塔」

 

「……褒め方が最悪なんだよ、このブラック当主!」

 

 ジャグラズは毒づきながらも、どこか満足げに画面を睨み始めた。

 

「……いいぜ。やってやるよ。ほら、貸せ。塵霊の感覚を俺の感応力にパスさせろ」

 

 悠真が設定を弄ると、ジャグラズが目を閉じる。

 

「……ふん。なるほどな。百箇所の隙間の感覚が流れ込んでくるのは、少し気持ち悪いが……。……おい、悠真。面白いのがあったぜ」

 

「どれだ?」

 

「商店街の裏、駅裏の住宅街にある空き家だ。塵霊共が『こわがる、たのしい』って言ってる。かなり性格の悪い霊的反応が混ざってるぜ」

 

 召喚プログラムがジャグラズの解析を反映し、情報を整理する。

 

【契約候補:検出】

 

【位置:駅裏住宅街・築古空き家】

 

【種別候補:家屋精霊(ハウス・スピリット)/悪戯精霊(インプ)】

 

【状態:未契約、定住化】

 

【行動:入居希望者への心理的干渉、怪奇現象の演出】

 

【傾向:恐怖反応を娯楽、およびエネルギー源として摂取】

 

【契約適性:中〜高】

 

「空き家に住み着いてる精霊……?」

 

「そう。家ってのは主がいないとすぐにこういうのが居座る。精霊っつっても、善良な奴ばかりじゃねえ。人間を脅かして、そのパニックを糧にして喜ぶクソみたいな連中もいるのさ」

 

「具体的には何をしてるんだ?」

 

「内見に来た奴がいると、わざと扉をガタガタ言わせたり、窓を曇らせて文字を書いたり、風呂場で笑い声を上げたり……。おかげでその家、地元の不動産屋じゃあ有名な『事故物件』扱いらしいぜ」

 

 悠真の目が、スッと細くなった。

 

 ITエンジニアとして培われた、問題解決(ソリューション)の思考が回転し始める。

 

「……それ、仕事にならないかな」

 

「あ?」

 

「不動産会社にとっては、その精霊のせいで借り手がつかないのは明確な『経済損失』だ。もし俺たちがその精霊を管理(ガバナンス)して、悪戯を止めさせることができれば、彼らにとっては大きな価値になる」

 

「おいおい、お前……いきなり除霊ビジネスか?」

 

「除霊じゃない。契約して役割を与えるんだ。住人を脅かすのをやめさせて、代わりに不法侵入者の監視や火災の検知をさせれば、その物件のセキュリティレベルは劇的に上がる。クソ精霊を、守護精霊(ガード・スピリット)に再定義(リネーム)するんだよ」

 

「……精霊を再就職させるのか。どこまでも召喚師らしくねえ発想だな。だが、お前がそのクソ精霊を乗りこなせるなら、面白いかもしれねえ」

 

 悠真は迷わず、ヤタガラスの烏丸にメールを作成し始めた。

 

【件名:塵霊隊による情報網構築の報告、および空き家精霊事案の調査・仲介について】

 

「……本日、低位都市妖魔との一括契約に成功し、現在百体の塵霊と契約を維持しております。……市街地における霊的情報網を試験稼働させたところ、駅裏住宅街の物件において、入居妨害を繰り返す未契約精霊の反応を検出しました。……当該案件について、管理不動産会社への仲介、あるいは調査依頼としての受理をお願いできないでしょうか……」

 

 ジャグラズが画面を覗き込み、戦慄した声を出す。

 

「……おい、冒頭の『百体と契約しました』って一文、絶対に変えるべきだぞ。烏丸、腰を抜かすどころか、即座に武装した連中を送り込んでくるかもしれねえぞ」

 

「報告は正確(プロフェッショナル)であるべきだ。後でバレる方がリスクが高い」

 

「お前の『正確』は、世間の『異常』なんだよ!」

 

 悠真は躊躇わずに送信ボタンを押した。

 

 *

 

 その頃、内閣府特異事象管理連絡室の一角。

 

 烏丸蓮司は、コーヒーを啜りながらデスクのPC画面を眺めていた。

 そこに届いた一通のメールを開き、飲んでいたコーヒーを派手に吹き出した。

 

「……ゴホッ! ……げほっ、な、なんだこれは……」

 

「烏丸さん、どうしました? パソコンにコーヒーは禁物ですよ」

 

 隣の席の職員が呆れたように声をかける。

 烏丸は震える指で画面を指差した。

 

「……御門悠真様からです。『本日、塵霊百体と契約しました』と」

 

「……は?」

 

「低位群体妖魔をネットワーク化し、市街情報のリアルタイム監視を開始した、と……。さらに空き家の精霊案件を特定したから、不動産業者を紹介しろと言っています」

 

「……百体? 塵霊を? ……一晩で?」

 

 職員の顔から血の気が引いていく。

 

「召喚師の養成機関でも、最初の一体とパスを繋ぐだけで一週間は合宿させるんですよ? それを、そんな、雑草を抜くみたいな手軽さで……」

 

 烏丸は額を押さえ、深くため息をついた。

 

「……やはり、御門家を素人だと見なすのは大きな間違いでしたね。あの家系は、放っておくと規格外の方向へ全速力で突っ走る。……危険な暴走ではないのが、余計に性質が悪い」

 

「どう返信しますか?」

 

「……追加契約は当面控えてください、と。それと、その空き家案件……。ちょうど管理会社から相談が来ていた、あの『開かずの和室』の件でしょうね。御門様の腕試しには、ちょうどいいかもしれません」

 

 烏丸は、期待と一抹の不安を込めて、返信のキーを叩いた。

 

 *

 

 悠真のスマートフォンが着信を告げる。

 

『御門様。ご報告ありがとうございます。……まず、塵霊百体との契約は、通常の運用範囲を著しく逸脱しています。……ただし、現状、霊的な暴走や人間への干渉が見られない点は評価します。……追加契約は当面、厳禁です。……該当の空き家案件については、こちらで仲介を調整します。現地接触は、当方の確認を待ってください。』

 

「……追加契約は厳禁だって。怒られちゃったな」

 

「当たり前だ馬鹿! むしろそれだけで済んだのを感謝しろ!」

 

 ジャグラズが声を荒らげるが、悠真はどこか楽しげに、画面に並ぶ塵霊たちのログを眺めていた。

 

「でも、空き家案件は受けてくれるみたいだ。初仕事だな、ジャグラズ」

 

「……へーへー、そうですかい。せいぜい俺を盾にして死ぬなよ、ブラック当主」

 

「安心しろ。司令塔には、成功報酬として最高級のガトーショコラを約束しよう」

 

「……チッ。契約成立だ」

 

 夕闇が完全に公園を包み込み、街灯が一つ、また一つと灯っていく。

 

 悠真の足元には、目に見えない百体の小さな「兵隊」たちが、主の命令を待って静かに蠢いていた。

 

 それはまだ弱く、頼りない。

 

 しかし、御門悠真という「システム」の中心を得て、それらは一つの巨大な意思として街に溶け込んでいく。

 

 祖父が夢見た「万能」が、現代の論理(ロジック)という衣を纏い、着実にその輪郭を広げ始めていた。

 

「塵霊隊、情報収集を継続。……次は、空き家のクソ精霊を攻略(デバッグ)しに行くぞ」

 

「りょうかい」

 

「ちり」

 

「みる」

 

「さがす」

 

 無数の囁きが悠真の影で重なり、夜の風に消えていった。




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