ママ真実、略してマ真実!
何言ってるんでしょうね
後半は真実の視点です
「じゃあ気をつけてね。守、途中まではちゃんと送るんだぞ」
「分かってるよ」
「たかちーも芦花よろしくね? また明日〜!」
途中まで手を引いてくれた真実から芦花を引き取り、守にはちゃんと釘を刺しておく。
引き継いだ芦花の手を優しく握ると、思いの外強めの力で帰ってきた。
どこか上の空なようだけど、手を引いて歩けばちゃんと着いてきてくれる。
そんなわけで月明かりの見えない帰り道。明るめの道を先導していく。
と、ここで想定外のアクシデントに見舞われた。ポツリと僕の顔に雨粒が。
「うわっ、にわか雨?」
一粒二粒と感じていたものはあっという間に増えて、このままでは大変よろしくない。
折りたたみ傘を持ってはいたけど、小さいやつなので2人は入れない。このままではどちらかびしょ濡れ確定だけど……。
僕は片手でなんとかカバンから傘を引っ張り出して一寸の躊躇なく芦花を濡らさないようにさした。水も滴る良い女な芦花は悪くないけど、体調が不安なので却下です。
右手で芦花の手を握っているので左手で傘をさしているわけでして、芦花に寄せると自分がそれはもう大変よく濡れまして。
僕のカバンもちょっと傘側に寄せて守ってほしいなーと思いながら歩く。
「……? あれ、雨? あ、アキくんごめん!」
傘をさしていると言っても折りたたみ。雨粒を防ぎ切れるわけではないので、思考の海に沈んでいた芦花が繋いだ手に当たった雨粒でようやく帰ってきた。
「考えは纏まった?」
「うーん、そこまで……てかそんなことは今はいいよね!? どうしよアキくんびしょ濡れじゃん!」
「芦花が風邪引かなきゃいいよ」
「アキくんが風邪ひいちゃうでしょ! でもこの傘じゃ2人は厳しいし……」
「僕は大丈夫だから。それに、芦花が風邪引く方が嫌だから、このまま使っててよ。あ、僕のバッグだけ預かって欲しいな」
「もう……わかった」
僕の傘を受け取ってついでに荷物も預かった芦花は、濡らさないように大事に抱えてくれた。
僕は上に来ていたブレザーを脱いで頭の上で傘代わりにする。
濡れてしまっていて今更感はあるけど、まあしないよかましかなぁ。
「その、ごめんね。雨が降ってくるまで気づかなくて」
「いいよ。いろいろ考えてたんでしょ、酒寄さんのこととか」
「……ばればれかぁ。まあ分かりやすいか」
そりゃあね。真実も気付いてるだろうし、守でも分かるかな? あいつは怪しいか?
酒寄さんの都合は僕らには分からないから、考えすぎたとしても答えはないと思うけどね。
「さすがにね。何か力になれる?」
「そうやってすぐに甘やかしてくるんだからアキくんは。良くないよ?」
だってそうでもしないと芦花はすぐ自分の内側で解決しようとするし。
全然気を抜こうとしないからねぇ。そりゃ甘やかしたくもなりますよ、いや別に理由がなくとも甘やかしたいですけども。
ダメ人間にはなってほしくないけど、でも芦花は強い子だからあえて甘やかしてちょっとダメなところも見たいじゃんね?
まあ、成功したことはないけどね。
「甘やかしてるつもりはないけどね〜」
「なんでも助けようとするんだから〜。今回は大丈夫、たぶん」
「そっか、まあ何かあったら言ってよ」
うん、ありがと。と芦花は呟いて、僕らはにわか雨に振られながら家路を急足で帰った。
家に着く頃には雨足は止んでいたけど、ぼくはびしょ濡れ、芦花も足元とかはカバーしきれなかったので大変だ。
「アキくん傘ありがとね。ちゃんとお風呂入るんだよ?」
「分かってるよー。芦花もね?」
「うん。じゃあまた明日」
「また明日ね」
芦花を無事送り届けて僕も隣の自分の家に入る。
びしょ濡れな僕を見て母がびっくりしてたけど、とりあえずお風呂場に叩き込まれました。
しっかり暖まった後、僕は自分の部屋のベッドに寝転んだ。
酒寄さんの家庭環境、芦花の心配事。真実と守の恋路。
なんかいろいろ気を配ることが多いなぁ。
もう少し酒寄さんにおにぎりとか作ってこうかな。いやでもなぁ。芦花に頼まれたわけでもないしなぁ。
というか、あれ確実に一人暮らしにしか見えなかったけど、どういうことなんだろ。
高校生で一人暮らし? しかも女の子が? 彼女の親は何を考えているんだろう。
上京したとは聞いたけど、そこから先を聞いてなかった。今度問い詰めてみるか? でも、下手に踏み込むのもなぁ。
芦花も酒寄さんのことでいろいろ悩んでるし。助けになりたいのだろうけど、踏み込めないんだろうな。
守の背中を押していい感じになってきたけど、いったいいつくっつくやら。
ぽやぽやと酒寄さんのことや、真実と守のこと、そして大事な幼馴染の芦花のことを考えているうちに僕はそのまま眠ってしまった。布団を被り忘れて。
ちゃんとお風呂にも浸かって温まったと思っていたけど、そうでもなかったようで。
次の日僕はほんのり熱があった。
いつも通りの時間に目が覚めて、でもちょっとだけ体が重い気がした。
念の為と体温を測ってみたら。
「微熱くらいか……まあいっか」
平熱よりやや高めの温度を体温計が表示した。
まあ、これくらいならいけるいけると、僕はいつものルーティンを崩さず敢行した。
「おはよ〜芦花、たかちー」
「おはー、真実、昨日雨大丈夫だった?」
「鳩河くんの折り畳み傘で助けられました!」
「持ってて良かったです。おはようございます綾紬さん」
朝、いつも通り校門前で合流した親友とその幼馴染。
前日の雨で私は鳩河くんの折り畳み傘に助けられて元気に登校することができた。
あれがなかったら今ごろ風邪引いてたかも?
ありがたやありがたや。
芦花は元気そうですなにより。
なんだけど……たかちーの様子がちょっとおかしい気が。
「たかちー? おはよ〜?」
「……ん、おはよ真実」
「だいじょぶ?」
「大丈夫だよ〜」
顔色はほとんど、ほんのちょっとだけ微かに赤い気がしなくもないような感じだけど、それよりもなんか雰囲気がいつもよりふわふわしてるというか。
私みたいっていうとなんかあれだけど、こう締まってないというか。
もしや熱あるのでは?
芦花なら気付くのでは、と思っていたけどなぜか気づいていない様子。どゆこと?
芦花に聞こうと思ってたら彩葉が来て、そっちに行ってしまった。
鳩河くんはジュース買いに行くそうで先に行ってる。
うーん、私が聞くしかないか。
「熱あるんじゃないの?」
「や〜そんなことないよ〜」
「ちょいとおでこ失礼!」
「うわ〜やめ〜」
むむむ? 確かにそんなに熱くもない、かな?
いやでもほんのり熱い? いやわかんね、どっちだこれ。
「ほんとに大丈夫なの?」
「へーきへーき。やばかったら保健室行くよ〜」
今の所は大丈夫って言い張ってるからとりあえずいっか。
ダメそうだったら保健室に強制連行してしんぜよう!
お昼休みになって、私たちはいつも通り集まってご飯を食べる。のだけど。
「彩葉〜? それはなにかな?」
「えっと……コッペパン、です」
「昨日色々あげたよね?」
「はい、それはもうたくさん」
「で、これは?」
「コッペパンです」
「なんで?」
なぜか彩葉がコッペパンだけ持ってきたのだ。なぜだ。
最近バイト先の賄いをお昼に回すなど小細工を仕掛けていたのに、急に質素に戻ったな。
芦花に詰め寄られてたじたじな彩葉を私も睨んでおく。味方はいないよ。
「やー、そのー。バイトの賄いがなくてですね? 給料日前なのもあって、ね?」
まじでこの子一回うちに連れていって吐くまで食わせたろうかな。
この私の前でコッペパンを食べる、しかも1つだけ。
喧嘩を売られている。確実に。
ならば買いましょうその喧嘩。
「彩葉」
「なんでしょう真実さん」
「次、わたしの前でコッペパンだけなんてお昼を過ごしたら……」
「過ごしたら……?」
「その日の予定全部キャンセルさせてうちで吐くまで飯食わせる」
「いやどうゆうことなの」
どうゆうこともなにも、ご飯大好きな私の前でそんな質素な飯許せるか!
いやコッペパンが嫌いなわけではないけど、それは何かを挟んだり、つけたりして食べるのが美味しいのであって。
それ単品で美味しく食べるものではないでしょう!
なにより、成長期真っ盛りな私たちの健康的にも栄養的にもそんなもの許せません!
いや吐くほど食べたらそれはどうなのとは思うけど。それはまあ言葉の綾というか、それぐらいやるぞという心構えというか。
「覚悟してよね。わたし、ご飯にはうるさいよ」
「ひぇ、すいませんでした」
「分かればよろしい。さ、たかちーから分けてもらいな」
「いつもありがとう荒鷹くん」
彩葉を無事謝らせたところで本日のお食事は……っと?
「あれ、たかちー珍しく冷食だね」
「あ〜うん、ちょっと昨日用意し忘れちゃってさ〜。卵焼きは作ってきたから好きなの持っていっていいよ〜」
「たかちーにしては珍しいね」
本当に珍しい。中学時代の初期の頃以来かも?
あの頃はまだ練習中だったらしく、冷食混じりのお弁当だった。
それも中学2年くらいからはほとんどなくなってきたけど。
やっぱり体調悪いのでは?
「……荒鷹くん、今日調子悪い?」
卵焼きを1つ食べた彩葉が、一瞬固まったあとたかちーに問いかけた。
私も1つ食べてみて……うん、しょっぱ。砂糖と塩間違えてるな。
たかちーは普段通り……を装った顔で大丈夫と答えてるけど……うーん。
「アキくん? どうしたの?」
「なんでもないよ〜ちょっと飲み物買ってくる〜」
ほとんどお弁当にも手をつけずたかちーが立ち上がって教室を出て行った。
てか、ほんとに飲み物買いに行ったのかな?
怪しいからついてこうかな。とりあえずお弁当をさくっと食べて片付けて、と。
「わたしも飲み物買ってくるね〜」
「いってらっしゃい」
芦花たちに見送られ私もたかちーの後を追った。
探すこと10分ほど。たかちーは自販機ではなく、人気のない教室で、適当な椅子にかけ机に伏せていた。
「たかちー?」
「……真実? どしたの?」
「やっぱ体調悪いんでしょ」
「違うよ〜今日は食欲ないから寝てるだけ〜」
「それを体調不良って言うの。保健室行くよ、ほら」
「いいよ〜ちょっと寝たら大丈夫だから〜」
なんでこんなに意固地なんだまったく。
「で? なんで体調悪いんだい?」
「昨日の雨でびしょ濡れなっちゃった」
「傘は?」
「折りたたみあったけど芦花に貸した」
「こんのおバカは……芦花が風邪引かなきゃいいやとか考えてたでしょ」
「よーくお分かりで〜」
この芦花馬鹿はまったく。あ、なんか芦花がバカみたいな感じだから良くないな。幼馴染馬鹿にしておこ。
自分の身を省みないことに定評がある、とくに芦花絡みだと。
そんなに回数が多いわけではないけど、中学の時にもたひたびあったからなぁ。
芦花にだけは隠し通すから本当に不思議だ。というかなんで気付かないんだあの子は。
「芦花にもバレないようにしてるでしょ、毎度ながらよくやるよね」
「そりゃ自分のせいでなんて心配かけたくないし〜」
「それでたかちーが風邪引いてちゃダメでしょ」
「お風呂にはちゃんと浸かったんだけどね〜ふしぎ〜」
よほど冷えたのかわかんないけど、まあこうして体調を崩しているんだからねぇ。
「あ、でも今日もランニングしたからかもね〜」
「いやばかなの? 体調悪いのに走る人がいるか」
頭を抱えてしまった。体調不良を自覚しててそんなことする人が周りにいるとは思わなかった。
とりあえずこの病人は寝かしておくべきだ。
「仕方ないから、予鈴が鳴ったら起こしてあげる。でも今日はまっすぐ家に帰るんだよ」
「分かってるよ〜さすがに今日は寄り道しませ〜ん」
ほんとに分かってるのかなこの子。
まあ、しばらく静かにしといてあげますか。
あ、たかちーのお弁当、彩葉が食べていいって言ってたよと連絡しとかないと。
世話焼けるなぁまったく。
「ほんと、たまには借り返させてよね」
「別に気にしなくてもいいのに〜」
「はよ寝なさい」
「は〜い」
まったく、どうしてくれたものかな。
とりあえず放課後は家までちゃんと帰れるか怪しいからついてこうかな。
お昼休みに寝て少しだけ回復したたかちーだけど、放課後にはまた使い果たしたのか、はたまた悪化したのか分かんないけど体調不良が明らかになってきていた。
相変わらず芦花の前では空元気で誤魔化しているけど、いやなんでそれで誤魔化し切れるんだ?
「じゃあ、今日は彩葉と遊びに行ってくるね」
「またね」
「え、あ、うん、またね」
芦花に頼もうと思っていたらいつの間にやら2人で約束していたようで、ホームルームが終わったら2人で先に帰ってしまった。
鳩河くんと視線が合う。
「俺も一緒に行きますよ。こいつこんな状態で放っておいたら流石にまずいです」
「助かるよ。じゃあ、行こっか」
一応歩行はできるものの、ちょっと危なっかしいたかちーを2人で支えつつ家まで歩いて行く。
なんどか芦花の家にお邪魔したことがあるので、道はわかる。
が、こういうのって芦花の役割だと思うんだけどなぁ。
「珍しいですよね、こいつがこんな感じなの」
「ね〜いつもなら弱みなんて見せないのに」
「弱みというな柔いところというか」
確かに彼はそういうところを見せるようなことは少ない。
別に人に頼らないとか、頼れないとかではない。
けど、不必要に頼らないというか、最低限しか頼まないというか。
自分でやれる範囲でやってしまうし、やれない範囲のことに手を伸ばさないから。
私もあんまり弱音を吐いてるところは見たことない。
たまに勉強が行き詰まってる時とか、新しく料理を練習してる時は困ってたりするけど。
こうやって分かりやすく弱いところは珍しいかも。
「どうしよっか」
「とりあえず家に送り届けたら、大丈夫じゃないですか?」
「いや、芦花に伝えたほうがいいのかな」
「あ〜」
どうするべきかなと、鳩河くんに聞いてみたら勘違いされてしまった。
いや主語が足りなかったね、うん私が悪い。
幼馴染が体調不良なんだけど、看病はしないのかい? と。
いや、そこまでお節介焼くべきなのかな? 別に幼馴染でもそこまでは気にしないか?
「いや、いっか。たかちーもたぶん嫌がるだろうし」
「確かに」
「さ、そろそろ着くね」
確実に嫌がるであろう目の前の方のためにも黙っておこう。
そんなこんなで無事たかちーの家に到着。
家には誰もいないようで、鍵を開けて入っていったけど……。
「めっちゃ不安〜」
「ですね。1人で大丈夫かなあいつ」
確か両親共に共働きって言ってたから、まだ家には誰もいないのだろう。
誰か帰ってくるまで私たちで看病するべきかな?
なんて考えてたけど、鍵を閉める音が聞こえたので、それも無理かな。
「まあ、本当にやばかったら芦花とか親に連絡するでしょ」
「そうですね。それじゃあ帰りましょうか」
一応チャットアプリのたかちーのトークルームに何かあったら私でも芦花でも連絡してねとだけ送って私たちも帰路に着いた。
次の日、たかちーは体調不良で欠席した。
さらに、またにわか雨が降ったようで、次の日登校してきた彩葉の顔色がもう見るからに青ざめてて、体調不良が丸わかりだった。
なんで2日連続でこうなるかなぁ。
芦花は露骨に彩葉の体調不良を気にしてるし。
君はもっと気にすることがあると思うんだけども。
まあ、今はこの目の前の無理を押し倒そうとしている頑張り屋をなんとかするのが先かな。
結局、私たちじゃ彩葉を説得できず、そのまま、1日授業を受けさせてしまった。
お昼休みもたかちーがいないので彩葉がもらっていた分のご飯がなく、さらには今日も惣菜パン1つだけという倹約っぷり。
とはいえそれを食べるのもちょいと厳しそうだった。
なんとかそれを食べ終えだと思ったら机に突っ伏して寝てしまう始末。
放課後は今日はバイトがないと言っていたので、私と芦花で彩葉の家に乗り込み看病した。明日は休みだから気にしないでとか言ってたけど無視無視。
鳩河くんにはたかちーの様子を見に行ってもらったけど、はたして。
『荒鷹んち着いたんですけど、インターホン押しても反応ないですね』
『んー、芦花ならもしかしたら鍵とか預かってるかもだから私たちも行くよ』
『了解です』
鳩河くんにトークを送ってみたらそう返ってきた。
ふむ、とりあえず彩葉の看病が終わり次第今度はたかちーに会いに行かねば。
「さ、芦花行くよ。次はたかちーのとこだよ」
「アキくん? 大丈夫じゃないの?」
本気で言ってるのかなこの子。
1番そばにいる幼馴染の体調不良に本当に気づいてない?
「今日休んでたじゃん」
「あー、朝に『ちょっと頭痛いから休むね』って連絡は来てたね」
「え、知ってたの?」
「え? うん、アキくん休む時は必ず連絡はくれるよ? でもお見舞いとか大丈夫っていつも言われるからさ」
「いやいや、昨日も体調悪そうだったよ?」
「え、ほんと? 私には誤魔化してたってこと?」
「気付いてなかったかぁ。いやたかちーが隠し通したってことかぁ」
たかちーの悪いところがしっかり出てますなぁ。
これどうするべきかなぁ。
と、ん? たかちーからトークが来てる?
『体調大丈夫だから。わざわざお見舞いとか来なくていいからね? 間違っても芦花を連れてきちゃだめだよ』
こいつ、先回りしてきたな。
『本当に大丈夫なんだね? 一応家の前に鳩河くんいるけど』
『知ってる。守にも連絡はしたよ。真実も気にしなくていいから』
『そっか。とりあえず早く元気になってよ? ただでさえ悪い彩葉の食生活がもっと悪化しちゃうから』
『それは大変だ。早く治すよ』
ふー。本人がいいって言ってるし、今度問い詰めてやればいいか。
今日はとりあえず帰ろうかな。
「芦花、たかちーから大丈夫って連絡きたから帰ろう?」
「おっけー。彩葉、安静にしとくんだよ?」
「……ありがと。また学校で」
私たちは鍵は閉めるんだよ? と彩葉に言い含めて帰路に着いた。
正直彩葉もたかちーのどっちも心配ではあるけど、私の体は1つしかないのでどっちかしか見に行けないのだ。
芦花にはほんとはたかちーの方に行って欲しいんだけど……たぶん彩葉を大切にしたいんだと思うから無理かな。
わたしの親友と幼馴染は面倒くさい子たちだなぁ。