芦花と幼馴染   作:キイカ

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戦闘描写難しい


レッツKASSEN!

 

 

 

 守を連れたツクヨミ探索はかなり盛り上がった。

 真実に手を引かれ出店を回っては面白そうなものを一緒に見て笑い合っている。

 味覚が実装されてはないとはいえ、食べ歩きに最適な串焼きとかもあったりして、そういうのを買って雰囲気だけ味わってみたり。

 モモンガモチーフのぬいぐるみを見つけた守が1つ欲しがったり。

 逆に鳩のぬいぐるみを見た真実がしれっと買ってたり。

 なんか2人のデートの付き添いみたいなんだけど。

 

「楽しそうだねぇ」

「だねぇ。見せつけられてる気もしてきたけど」

「確かに。でもああして幸せそうに笑ってくれてると、頑張った甲斐あるね」

「うん。真実が幸せそうで私も嬉しい」

 

 あまり近づきすぎないように2人の後ろを歩きながら、芦花と2人小声で話す。

 2人の世界に僕らはお邪魔しないように気を配っているのです。断じて甘すぎてコーヒーが欲しくなるとかではありません。

 それはそうとして、僕としては芦花と話せているからハッピーではあるのですが。

 

「僕も守が嬉しそうでよかったよ。当てつけみたいに見せてくるのは腹立つけど」

「ならアキくんも好きな人見つけないとね」

「……そうだね」

 

 親友2人の微笑ましい姿を見ながらポツリ呟くと、芦花にまあまあ酷いことを言われてしまった。

 罪な女ってこういうことかな? 人の心奪っといてその物言いはギルティですよ? 

 まあ、僕がそのそぶりを全く見せないからかもしれないけどね。

 

「芦花こそ、羨ましいんじゃない?」

「あー……まあ、ちょっとね。でも、私は今のままでもいいかなって思ってるから」

「そっか。うん、ならいいと思う」

 

 物憂げな紫苑色の瞳の先にはきっとあの子がいるのかな。

 そういうのを認められてる世界ではないから、難しいのかもだけどね。僕としては芦花が幸せになってくれるなら外聞なんて無視していいと思うけどね。芦花の絶対的な味方なので。

 

「お〜い、2人ともなにしれっと離れてるの〜」

「こっそりはぐれようとしてませんか?」

 

 おっと前の2人にバレてしまったね。

 芦花との密談(特に何もない)も終わりだ。

 

「やーやー、お熱い2人の邪魔にならないようにーなんて考えてませんよ?」

「そーそー。私たちもお散歩がてらちょっと遠くに行こうかなーなんて、思ってないよ?」

「2人揃って似たような誤魔化し方なのどうにかしな〜?」

 

 僕らは顔を見合わせた。

 

「幼馴染なもので」「もので〜」

 

 呆れ顔の真実に僕らは笑って声を揃えて返してみる。

 ため息をついて守の方を向くと、彼もため息をついた。

 おいこらそんなにため息ついてると幸せが逃げちゃうぞ。

 

「幸せ逃げちゃうよ?」

「これは幸せを逃してるんじゃなくて、ため息に乗せて幸せを送ってるんです〜」

「左様ですか」

「左様で〜」

 

 なんかそこはかとなく呆れが多く感じられるんですが? それ幸せ含まれてます? 

 出店エリアを見終わり、広場みたいなエリアの噴水のところで立ち止まった。

 

「さて、出店も見たしそろそろKASSENやる?」

「そだね〜。ハトモリもそれでいい?」

「はい、ご指導よろしくお願いします!」

「まあ、最初の諸々はまみまみにお任せで。僕はROKAと遊んで待ってるね」

「えっ、秋鷹が教えるんじゃないの?」

 

 真実がびっくりした顔してる。

 え、僕はそのほうがいいと思うけど、守はどうだろ。

 

「あー、んー、どうせならまみまみに教えてもらいたい、です」

「さいですか〜……じゃあ頑張ります」

 

 ほらね。彼女に手取り足取り教えてもらいな。

 僕は芦花さんと戯れてますので。

 

「ある程度慣れたら合流して『HIYOKU』やろうか」

「おっけ〜」

「了解」

 

 僕らはKASSENのエリアにワープした。

 

 

 

「さて、ハトモリはまずどんな武器を使うかを先に決めないとね」

「よろしくお願いします。どんなのがあるんだ?」

 

 エリアについた僕らは始める前に使う武器を決めることにした。

 剣、刀、槍、斧、槌、鉤爪と近接だけでもたくさんある。遠距離は銃、弓、そういえば前に投石器使ってるやついたな、なんだったんだあれ。他にもあるけど。

 真実はフォークとスプーンモチーフの長柄物。近距離向きかな。

 芦花はネイル型のオールレンジ武器。操作が難しいらしい。

 

「え、秋鷹のそれって銃剣ってやつ?」

「んー、まあ、それに近いかな」

 

 僕が使っているのは2丁の大型拳銃。銃の下側に剣がついてるものだ。まあ銃剣で間違ってはない。

 あと銃の後ろ側が伸びていて、この部分を合わせると合体できる。男のロマンってやつだね合体武器。その機構はウルトの時用だけど。

 メインは連射型のサブマシンガン的な感じだけど、拡散性の高いショットガンと、威力に寄せたライフルモードもあるよ。

 近接はやらせないようにするかショットガン頼りでまあまあきついけど、そこは機動力でなんとかするスタイルです。剣は保険。けんだけに。

 

「めっちゃかっこいいじゃん。それむずい?」

「んー、うん。そもそも遠距離職が初心者向きじゃない」

「そうなの?」

 

 ここでカットインしてきたのは芦花だ。

 これはまあ自分の考えなので正しくはないと思うけど、守が選ぶ参考になればいいかなってことでお話ししましょう。

 

「えーまず、遠距離職は慣れないと敵を倒せません。弾を当てないといけないからね。それに当てても場所が悪いとダメージあんまり入らないし。斬撃系なら斬れば結構いれれるし打撃ならぶち当てれば一撃だったりする」

「ふむふむ」

「で、初心者ならそういう小難しいのよりも簡単で分かりやすい近接が多いってわけ。まあ僕みたいな変な奴もいるし、ブラックオニキスっていう有名なプロゲーマー3人の中には弓を使ってめちゃうまい人もいるよ」

「ほえー。じゃあ俺も近接で始めようかな。あ、でもサブで遠距離は持てるんだろ?」

「うん。ものによっては内蔵されてたりするけど、近遠どちらも対応できるほうがいいね」

「おっけー! よーし、何するかな」

 

 ざっくりとだけど、伝わったかな? まあ、僕はお試しでやった銃を乱射する感覚が思いの外良かったから始めたんだけどね。これは秘密。

 

「あとはまみまみにお任せして、ROKA、今日も特訓といきましょー」

「おー! 今日こそアキくんに一発当てるよ!」

「頑張ってね〜まだまだ当てられる気はないけど」

 

 武器選びに悩み始めた守は真実に引き継いで、僕は芦花と『SETSUNA』を始めよう。

 芦花の使うネイル型武器もこれまた一癖あって難しいのだ。

 この武器、芦花の周りを旋回する感じで浮いてるだけど、この操作が操作者の思考で動くのでちゃんとイメージしないと当てにならないらしい。

 ネイルなので指先に付けて鉤爪みたいにも使えるけど、これは中距離くらいからネイルガン(ネイルだけになのかな)を撃ったりするのが上手いと強い。

 まあ、あんまりそういう人には会ったことはないけど。

 それなので芦花の特訓がてらお相手しているのです。

 

「さあ、今日はどれくらい耐えれるかな?」

「いつまでも一緒だと思わないでよね!」

 

 フィールドに転送された僕らはそこそこな距離を開けて配置される。

 タイマーのカウントがゼロを告げた途端、僕はすぐさま羽を広げて飛び出す。

 芦花は横っ飛びで射線を離れながらネイルを展開。両手にあるから最大10個まで展開できるんだけど今は7か8が限界らしい。

 今回は6で控えめだ。

 いくつかを僕に向けて早速撃ってきた。

 

「前よりは良くなったね!」

「伊達にアキくんに教えてもらってないので!」

 

 飛んできたネイルガンを僕は右側に旋回しながら避ける。そのまま体制を戻して芦花の周りに向けて銃を連射。まずは5連かな? 

 両の手の銃から合計10発の弾丸を放ち、再度撃たれたネイルガンと僕の弾丸が交差した。

 

「よっ、はっ」

「わっ、ひゃっ」

 

 お互いそれを回避して、仕切り直し。とはいえ僕は余裕がたくさんありますけど、芦花はあんましなさそう。

 ネイルの操作と同時に本体の移動もするので結構大変なのだ。

 だからこそこうして練習するわけでして。

 

「ほらほら、どんどん行くよー」

「ま、まだまだぁ!」

 

 お次は僕から先制。左右に高速で切り返しながら5連射を2回。

 角度をつけて芦花の周りに弾ばら撒く。

 芦花はそれを見て1番早く到達する右側の弾を左に避けながらネイルを展開。

 次の弾をスレスレに避けて反撃のネイルガン発射。

 その間にも僕の弾は迫ってきている。

 

「わっ、あっ!」

「あー、早速1発目ー」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()弾に当たる芦花。

 やー、まだ気付かないかな。

 あ、芦花の弾は全部避けました。ちなみに、じつは芦花のネイルガンはやや誘導性がある。その辺も意識したらもっと強いんだけどね、難しいね。

 

「くっ、あれ避けながら反撃するの大変なんだけど!」

「やっぱり常に動き続けるのが1番じゃない?」

「それができたら苦労はないよ。本体操作して、ネイルも操作して、弾の当たらないところまで考えて、頭パンクしそう」

「芦花なら出来るよ、頑張って!」

「簡単に言っちゃって〜」

 

 1発の被弾など大したダメージではないので、芦花の体力はほとんど減ってない。

 あんまり当てたくないので、早く僕を倒せるようになってね。

 

「さ、次行こ次」

「おー、じゃあ次は空飛んでいい?」

「それは待って欲しいかな!」

 

 残念、上からの攻撃も避けれるようになれば大体避けれるんだけどね。

 

「じゃあ、行くよ!」

「次は当てるから!」

 

 僕らは真実たちから準備終わったよとトークが来るまで練習を続けた。

 芦花の被弾はその後増えることはなかった。僕も当たってないけどね。

 

 

 

「組み合わせは僕とROKA、まみまみとハトモリでいいよね」

「まあ、それが1番組みやすいかな?」

「わたしはROKAとでもいけるよ?」

「俺は秋鷹ならやれるけど……」

 

 そこはちゃんとカップルで組みなさいよ。

 絶妙に僕らがやりづらいでしょ。

 

「いいからカップルは2人で組んでくださーい」

「は〜い」

 

 渋々と言うにはだいぶ嬉しそうだけど、まあいいか。

 さて、守が選んだのは……大型の槍と盾か。

 ずいぶんごつい槍、というかあれなんか仕込んでるでしょ絶対。持ち手になんかついてるの見えるし。

 盾は、だいぶ大きいね。守を足先以外は覆ってしまっている。

 

「守備よりな感じ?」

「まあ、最初は防御的な動きをしてみようかなと」

「ふーん。じゃあ、それで守れるか僕が試してあげる」

「よっしゃ、受け止めてやる!」

 

 やる気は十分みたいだね。僕も芦花にカッコ悪いところは見せられないので、頑張りますよ? 

 

「さぁさぁ、芦花は後ろで援護よろしく。前は僕が()()()

「うん、よろしくね」

 

 フィールドに転送され前衛僕、後衛芦花で立つ。

 視線の先には盾を構えた守とたぶんその後ろにいるであろう真実。

 あれって側から見ると姫を守る騎士みたいだね。

 

「ハトモリくん、騎士みたいだね」

「僕も同じこと思った。じゃあ、僕が芦花を守る騎士かな?」

「そうだね、いつもありがと」

「おっと、よくわかんないけどどういたしまして?」

 

 芦花も同じ考えでうれしー、とか思ってた軽口叩いてたらちゃんと受け止められてしまった。

 ちょっとニヤニヤしそうになる。ちょろいね僕。

 

「とりあえず最初は様子見がてら適当にぶっ放すから、あとは後ろから離れないようについてきてね」

「りょーかい!」

 

 カウントが始まる。

 3

 2

 1

 ゼロを告げたと同時に僕は銃を連射する。今度は10連射、芦花みたいに甘くはしないよ。

 直線の連射だから、避けるのも防ぐのも簡単。

 これは小手調べみたいなものなので、弾数以外は適当だ。

 守は、これをちゃんと盾で受け止めた。やるねぇ、ブレもほとんどない。ブレがひどいならこのまま物量で押し切ろうかと思ったけど。

 お返しとばかりに槍の穂先がガチャコンと折れて、内部の構造が見えた。

 わーお、ガンランスってやつですか。こいつは熱いね。

 ばちこんと一発撃ち返してきたけど、芦花と息を揃えて回避。

 

「よしよし、意外とやれるみたいだし、動くよ」

「うん、援護は任せて!」

 

 最後の弾丸が盾に吸い込まれたところで、僕らは右側へと走り出した。

 羽を使わないのは芦花を置いてくことになるので、体力が連結している『HIYOKU』においては息を合わせて動くのが大事だ。

 僕らは幼馴染の絆があるので、ほとんど息を合わせて動ける。素晴らしいね。

 対して守たちは反対方向に移動して距離をとった。

 僕らの射程的に距離を取るのは悪手なんだけど、まだ慣れてないからかな。

 

「さてさて、お次はもう少し散らすよ〜?」

 

 今度は左右方向に銃身を振って連射、弾数はさっきと一緒。

 盾の目の部分の隙間から弾が散っているのは見えてるはず。

 雑な移動は許しませんよー? 

 そのまま移動しながら受けるかと思ったけど、その場に停止して防がれた。

 反撃のガンランスの弾丸はまだまだ精度がよろしくないのかあんまり近くには飛んでこなかった。

 うーん、そこは動きながら防げたほうがよろしいかと。反撃もね。

 まあ、お次はもっと散らしてあげましょ。

 

「これでも食らえ〜」

「おっ、とぉ!」

 

 次の攻撃に移ろうとしていたら、守の盾の後ろから大きなトゲトゲイチゴ飴が飛んできた。

 このサイズならお腹膨れそーとか思ってる場合じゃないね。

 ついでに守の砲撃のおまけもついてきてる。

 初めてながら良いコンビネーションですな。僕と芦花の次くらいにはね!

 このままだと直撃コースってやつだ。

 まあ、なにもしなければ、ね。

 

「ほいほいっと」

「あー、イチゴ飴が〜!」

 

 即座にドデカイチゴ飴に連射して破壊。砲撃はライフルモードで相殺。ばら撒き弾ではちょい威力が足らなそうなのでね。

 そのまま砕けた破片も掃射する。

 こんなので芦花に当てさせるわけにはいかないからね。

 

「後ろで見てるとすごーって思うな。よく綺麗に当てれるね」

「へへ、そりゃ後ろにお姫様がいるので」

「なにー、急に照れるじゃん」

 

 僕にとっては本物のお姫様なのでね! 傷一つつけさせませんよ。

 さてさて、お返しは倍くらいでよろしくて? 

 

「そーれ倍返しだー!」

「うわわ、逃げるよハトモリ!」

 

 今度は彼らの周りを埋めるように連射。20発ずつ合計40発の弾丸が襲う。

 射線、というか弾幕の中からの逃走を計ってるけど、それで逃げられるとでも? 

 追撃の20連射で、さらに追い詰める。

 

「わー! やばいやばい! ハトモリ守りはよろしく!」

「任せてください!」

 

 逃げは諦めて盾で受けつつじりじり前に攻める気かな?

 なかなかの心意気じゃないか。ならばこちらも受け止めてあげねば無作法というものってね。

 盾を構えた守の周りを埋めるように今度は30連射。

 もちろん本体狙いも忘れない。

 そのまま高速で上下方向の切り返しをしつつ上からの連射も叩き込む。

 さあどうする? 

 

「ここは、攻めるしかない! ハトモリ!」

「りょーかいです!」

 

 受けきれないと見たのか突撃をかましてきた! さらに当てずっぽうで弾丸も撃ち込んできてるし。

 後ろの真実が今度は果物をたくさん投げてきている。ももやらりんごやらオレンジやら、丸いな、全部。投げるタイミングと高さを合わせて同時に複数の果物を飛ばすとは、まみまみ恐るべし。

 よしよし、じゃあそれもぜーんぶ受け止めてあげよう。

 

「そろそろネイルよろしく」

「オッケー任せて!」

 

 芦花が8個のネイルを浮かべ用意完了。

 さあ、削り合いといこうか! 

 

「おりゃー!」

「いっけー!」

 

 僕は連射。弾数は50に。放射状に弾幕を広げる僕のサイドから芦花のネイルが、補助をしてくれる。ネイルは逆に収束するようにネイルガンを撃つ。

 これで2つの射線が交差している。

 飛んできた果物や守の弾丸は僕が撃ち抜くし、守の盾は芦花が縫い止める。

 素晴らしい連携だね。

 

「こなくそー!」

「おわっ!」

 

 守が動きを止められてるうちに、隙をついて真実が飛び出してきた。

 フォークを振り回して狙われてない弾丸を弾いて突撃してくる。

 わお、威勢良過ぎ、突撃姫。

 でも近距離は、こちらの範囲なんだよね。

 照準を真実に合わせる。悪いね、僕のお姫様は後ろの1人だけなんだ。

 

「悪いね、懐まで来れないなら、蜂の巣だよ」

 

 ショットガンに切り替え同時発射。

 驚いた真実の顔が見えたけどあっという間に全身から桜の欠片みたいなポリゴンを散らして吹き飛ぶ。

 あとはもう守だけ、サブマシンガンで釘付けにしながら芦花のネイルガンで穴だらけにしてあげた。

 僕らの勝ちだ。

 

「ぎゃー蜂の巣にされたー!」

「守りきれなかった……」

 

 フィールドから準備エリアに戻ってきた。

 2人の嘆きの声が聞こえてクスッとしてしまった。

 まあ、あの突撃はダメだよね。

 

「芦花には1つたりとも傷つけさせませんでしたとも、ぶい」

「ありがとアキくん、カッコよかったよ!」

「そ、それほどでも……」

 

 カッコつけれたのでよし! 

 とはいえ守備型の守と前衛職の真実じゃあ中遠距離の僕らとは相性が悪い。

 寄られたら分からなかったけど、寄らせる気もなかったからちょっと酷だったかな? 

 

「くっそ、秋鷹は守り切ってたのに俺は……」

「これが年季の差ってやつだよ。相性もあるけど。まあ、もっと練習したら今より強くなれるから頑張ってね」

「勝者の余裕じゃん! ちくしょー!」

「秋鷹はこの中では唯一KASSENで稼いでるからね〜。そりゃ強いよね」

「やープロには勝てないけどね。いつかは乃依さんにも勝ちたいな」

「アキくんなら勝てるよ! きっと」

 

 悔しがる守に先輩としての威厳を見せつけたところで、真実からお褒めの言葉が。

 まあ、伊達に稼いでませんけどね? メインでやってるわけではないからまあプロの方とかには勝ったことないけど。

 いつかはなんて思ってたら、芦花に応援されてしまった。

 毎度連勝してるとくるめちゃ上手い人、まずはあの人に勝つところからだな。毎回負けてるんだよね。

 

「さて、もう少しやってく?」

「次はペア変えてみる?」

「じゃあ俺秋鷹と組みたいです」

「私まみまみと組もうか」

 

 うぇっ、芦花敵に回るの? 撃てぬ……。

 まあ、真実をまた蜂の巣にしよう。

 

 

 

 このあと僕らは『HIYOKU』以外にも『SETSUNA』で個人でやりあったり、『SENGOKU』を1人観戦にしてやったりして遊んだ。

 守が蜂の巣になったり、真実がおでこ撃ち抜かれたり、芦花がネイルガンで穴だらけにしたり。うっかりガンランスの砲弾でぶち抜かれたり。いっぱいKASSENで遊んだ。

 守はちょっとずつ成長してきて、タイマンなら真実と芦花には勝てるようになった。まあでも勝率はまだまだ芦花たちの方が上だけどね。

 楽しそうでなによりだ。ツクヨミに連れてきた甲斐があったね。

 この後は真実と守はツクヨミデートに洒落込むらしいので解散。

 僕もログアウトしようかなーって思ってたけど、芦花からお散歩しよってお誘いいただけたので喜んでお供してきます。

 

 

 

「最近見つけた綺麗な場所、アキくんにも教えたかったんだ」

「おぉ〜、すごい花畑」

 

 芦花が連れて来てくれたのは、視界をいろんな花が埋め尽くす花畑だった。

 どこかのクリエイターが創ったのかは分からないけど、本当にたくさんの種類の花で構成されていた。

 季節の花とか関係なしに咲き乱れる花畑は圧巻の一言だ。

 

「すごいね、ここ。どうやって見つけたの?」

「リスナーさんが最近見つけたって言っててね。ちょうど良かったからアキくんにも教えてあげよーって思ってさ」

 

 そういえばそんなことを言ってるリスナーもいたような。さすがにコメント欄まではおってるわけではないから、記憶にないかな。

 一応種類ごとの配置はあるみたいだけど、もはやそんなの関係なし花々が咲いていて、しかも花びらが舞い上がるエフェクトも入っているのかとんでもない光景だ。

 確かに芦花におすすめしたくなるのもわかる。

 

「酒寄さんにも教えてあげた?」

「まだかな。予定が合わないからね。ちょうど良かったからアキくんに先に見てもらおうかなって」

 

 そして酒寄さんにおすすめしようとしてる気持ちもよーく分かる。

 ハード変えて限界ギリギリワークしてる酒寄さんに綺麗な景色でも見て休んで欲しいんだろうね。

 先に見てしまって申し訳ないような、最初の景色を芦花と見れて嬉しいような、どっちつかずな気分だ。

 

「綺麗だね」

「うん、すごく綺麗」

 

 風もないツクヨミで花びらが舞い上がるなんて理屈は分からないけど、綺麗だからいっか。

 そうゆうこともありうるよねってことで。

 ただ僕は綺麗な光景と、それを上回るくらい綺麗な幼馴染の横顔に見惚れていた。

 咲き乱れる花々と、舞い上がる花びらに包まれた彼女は、まるで花の女神のよう。

 もとより女神のような美貌なんだから手に負えないよね。スクショしとこっと。

 

「現実も良いけど、ツクヨミのこういう景色も良いよね」

「うん。ツクヨミだからこそ見れる景色って感じ」

 

 ほら、舞い上がる花びらが髪の毛にそっと積み重なってる。

 ほんとに花の女神様になってるね。色とりどりの花びらに装飾された君はきっと誰にも負けない美しき女神様だ。

 

「ん? あ、すごい花びらが絡まってるじゃん。これは現実だと取るの大変だー」

「そこはリアルじゃないから良かったね。でも、花びらに包まれてる芦花、綺麗だよ? 花の女神みたい」

「……アキくん褒めるのお上手ですね」

 

 あれー、なんかむすっとしてらっしゃる。なんでー。

 めちゃめちゃほんとのことなのに。嘘偽りない僕の本心なんですけど! 

 

「や、芦花を褒める言葉ならいくらでも」

「はいはい、私の幼馴染は女たらしの素養ありと」

「それは語弊がすぎるのでは!?」

 

 酷い言われようなんだけど僕悪いことした!? 

 なんて思ってたけど、むすっと顔からふふって吹き出して笑い始めたので、遊ばれてることに気づいた。

 

「遊んだなー!」

「ごめんごめん。アキくんが急にたらしみたいなこと言うから」

「たらしとは失礼だね。紛れもない本心なのに」

「そーゆうことにしといてあげる」

 

 むう、信じてないなその顔。でもいいよ。これが僕らの距離感ってやつだしね。

 本心だってバレるのはまずいけど、嘘をついてるわけじゃないからまあ結果オーライ。

 僕も芦花におすすめできるような綺麗な場所探すかな。

 

 

 







主人公の武器のモチーフはガンダムSEEDのバスターとヴェルデバスターらへんです。
原作だと芦花と真実の武器の性能とか分からないので、ほぼ全て独自設定でまいります。
あと主人公のトレーニングにより芦花はおそらく原作より強化されます(確定)
今のうちに独自展開タグつけとくか……原作より強い芦花誕生しそうだし
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