謎多きタピオカラーメン回。
真実視点だよ!
夏休みの課題がやりたくなさすぎてへたっていたある日。
今日は守と一緒に買い物か新しいカフェでも行こうかな、なんて思っていたらトークアプリに反応が。
むむ、このアイコンはかぐやちゃんだな?
この前かぐやちゃんがスマホを買ったようで、その時に仲良し6人組のグループが作られた。ついでに友達登録もね。
グループ名は『かぐやと愉快な仲間達!』。
うん、愉快かどうかはちょっと話し合いたいところだけど、まあかぐやちゃんらしい感じがしてわりと好きだ。
で、今回の連絡は個人に来てるな。
なになに?
『タピオカラーメンとかいうの見つけた! いっしょ行こ!』
お、おぉ?
タピオカ……ラーメン……?
タピオカ、うんミルクティーに入ってると美味しいよね。つぶつぶしてて。喉越しもいい。
ラーメン、いろんな味があるね。わたしは醤油派、でも豚骨も捨て難いよね。麺の好みも人それぞれ、柔らかめ硬め。うん、どれにしても美味しいよね。
でも、その2つが合体……? どういうこと?
よく分かんないけど、グルメインフルエンサーの直感は行ってみろと告げている。
よし、せっかくだし守も巻き込んじゃおう!
「返信は、いいよ、と、守も連れてくね、と」
まだ守には連絡してないけど、来てくれるよね。うん。
かぐやちゃんから『おっけー! 場所はここ!』って位置情報が送られて来た。
よしよし、じゃあ守に連絡してれっちご〜!
『いや、俺の意思は!?』
んなもんあるとお思いで?
そんなわけでやって来ました例のラーメン屋。
メニューを見る限りでは普通のラーメンも全然ある。
というか、ここ二郎系だったみたいだね。まじか、かぐやちゃん食べ切れるかな。少なめにした方が良さそうだけど、初めてなら。
わたしは、もちろん普通に食べるよ。二郎系も慣れたものです。
さすがに全マシマシは今日の感じでは無理だけどね。もう少し、体調を整えてコンディションが良くないと、食われるからね。
「まみ〜、どれにすればいいの?」
「とりあえず普通のラーメンの食券買って、トッピングの200円のやつを買って渡せばいいよ。コールは最初は野菜少なめニンニク少なめアブラで」
「……なんて?」
「野菜少なめニンニク少なめアブラ」
「真実、二郎系も普通に食べるもんなー。この前初めて行った時はびっくりしたわ。全マシマシのあまりの迫力に。あと、真実のガチっぷり」
「やめてよ、乙女の恥ずかしいところを晒さないの」
「その、全マシマシはダ「絶対、ダメ」わおそんな食い気味に言うほど?」
分かっていないようなので、写真フォルダにある最初のコールのラーメンの写真を見せてあげよう。
「かぐやちゃん、これがさっき言ったコールの量ね」
「おー、ぜんぜんいけそー!」
ふっふっふ、初心者は誰でもそう言うんだよね。
お次は守と行った時の、全マシマシ。
さぁ、これを見て同じことが言えるかな!
「これが、全マシマシ」
「……え。なにこれ」
「全マシマシ」
「野菜やばくない? お肉もでっかいのたくさんあるし。あとニンニクすっご」
わたしの写真を見てかぐやちゃんがあんぐりと口を開けている。うんうん、そうなるよねやっぱり。
隣で見てた守も同じような顔してたもん。
「これよりも上のもあるけど、まだわたしには挑戦できないかなぁ」
「まだ上があるの!?」
「うん、お店独自のコールもあるし、顔とか覚えられたらもっといろいろ頼めるよ」
「真実前の店だと覚えられてなかったっけ」
「あそこはよく行くからね〜。まああんまり行きすぎるとさすがにちょっと……ね」
あのお店の店員さんには、よく行くのと女子であんだけ食べるのは珍しいからかすぐに覚えられちゃった。
ちょっと恥ずかしいけど、嬉しい気もするね!
「俺どんな真実でも気にしないけど。好きなもの好きなだけ食べてる方が真実らしいし」
「……ば〜か」
「……ふむ?」
さすがにいきなり顔が熱くなるような言葉をぶっ込んでくるのはどうなんでしょうか?
付き合いたてに比べてわたしを照らさせるのがだいぶお上手になってしまったようで?
わたしの彼氏として鼻が高いですよ? 顔は熱くて赤い気がしますけども。
かぐやちゃんはそんなわたし達のやりとりをなにやら興味深そうに見てるし。
あーあー、そろそろ列も近いし、意識をラーメンに戻そうね!
「ほ〜ら、2人ともコール考えといてよ?」
「は〜い」
「俺は前回ので痛い目見たから少なめにしとくわ」
「守はわたしの忠告聞かなかったからじゃ〜ん」
イキって全マシとかにして死にそうな顔で食べ切ってたもんね。
食べ切れただけえらいけど、後半味分かってるから怪しかったしね。
ちゃんと美味しく食べれる量で頼みましょう。グルメインフルエンサーとのお約束だよっ!
「さ、入れるみたいだしいこっ!」
「れっちご〜」
「それわたしの!」
いつものやつ取られた!
かぐやちゃんめ〜!
席についてコールも終了。
みんな同じく野菜少なめニンニク少なめアブラだ。
わたしたちの前には控えめ(わたし比)に盛られたラーメンが。
そこには名前通りにタピオカのトッピングがされている。カラフルぅ。
わたし的にはそんなに大きくはないと思うんだけど、初めてのかぐやちゃんはちょっと雰囲気に飲まれているようで。
「お、おー、これが二郎系……! なかなかの迫力!」
「こんなの序の口もいいとこだけどね。慣れたらかぐやちゃんも全マシぐらいはいってみよ?」
「ま、まじ? ……ま、まかせとき! がくやちゃんなら食べ切れる! ……はず」
「無理はしないよーに」
「俺の二の舞は気をつけるんだぞー」
調子に乗った守は全マシで吐きかけたもんね。わたしにつられて同じの頼もうとするからさ。
全マシマシは本当にやばいから止めたけど、それでも全マシにするって聞かないから、諦めて地獄を見て学べって投げちゃった。
案の定なんとか完食したけど、その後楽に動けなくて外にあったベンチで30分くらい座ってたしね。
さて、今日は反省して控えめ。さて、かぐやちゃんは、いけるかな?
写真を撮ってから動画のスタートボタンを押し、いつもの挨拶と開始の口上を告げる。
しれっとわたし映ってるけど、まあいいか。べつに映されて困る顔ではないと思ってるし。伊達に顔の強い2人の親友ではないのです。
守は映らないようにしてもらわないと。さすがに一般人な彼は困るだろうし。
「よーし! 写真良し! 動画の準備よし! 髪の毛も結んだ! 準備おっけー!」
「わたしはいいけど守は映さないでね? 配信者とかではないし」
「おっけー!」
「俺そんなに気にしないぞ?」
「じゃあ、まずはわたしのチャンネル出てからね」
「うっす」
「早く食べよ!」
「うんうん、その意気や良し。じゃあ」
「「「いただきます!!!」」」
まずは野菜の下の麺から。
う〜ん、このわしわしとした太麺の食べ応えよ。スープと絡んでとっても美味しい。今回は硬さ普通だけど柔らかめの方が食べやすくて好きかな? 硬めだと噛みすぎてお腹に溜まっちゃうんだよね。二郎系だとさすがにそれは命取りだから出来ないかな。
お次はスープ。麺に絡んではいたけどやはり単体でも味わっとかないと。うん、おいし。醤油ベースのキレのある感じ。ニンニクも効いててパンチもある。
「麺ふっとぉ〜! めっちゃスープと絡むぅ! うまぁぁぁ!!!」
「前回は失敗したけど、ちゃんと食べれる量把握すればやっぱ美味いなぁ」
ふっふっふ、そうでしょそうでしょ。
こうして自分の胃袋の限界を知りながら繰り返し食べることで中毒に……はっ。
いけないいけない、二郎は月に多くても一回って決めてるんだから。ただでさえ量も多い分カロリーがね……。幸いわたしは太りにくいタイプみたいだけど、さすがに気になるお年頃。
なにより、気にしないだろうし、実際気にしてないけど彼にはやっぱり自分のベストな体系で可愛く見てもらいたいし。
運動も嫌いではないけどね、ダイエットのために〜とか考えちゃうと萎えちゃうからね。
まあ、最悪たかちーに頼めば芦花と一緒に付き合ってくれそうだけど。てか、付き合ってくれたことあるし。まあ、だいぶ、絞られましたね……。
「まみ? 箸止まってるよ?」
「……あ、ぼーっとしてたよ。次の人も待ってるし食べ進めないと」
ちょっと過去を思い返してるうちに、少々意識が飛んでしまったよぅ。
まあ、わたしともなればこれくらいのタイムロス、ひっくり返せますけどね。
「さぁ、じゃんじゃんいこう! ……ところで、タピオカ、味する?」
「うーん、食感は面白いけどって感じ」
「だよね〜。かぐやちゃんは……」
ふと口に入ってきたタピオカの感想を守に聞いて同じようなことを思っていたようで安心。
ほんとに、食感は面白いんだけど味には一切関わりなくて不思議だ。
見た目はこれ以上なく圧を感じるんだけどね。
で、かぐやちゃんにも聞こうと見てみたら。
「〜〜〜〜!!!? 〜〜!!」
すごい勢いで啜ったと思ったら、その勢いで飛んでいったと思われたタピオカを回収していた。
いやなにで?
なんか早すぎて見えなかったけど、ピンクというか赤っぽかったし舌?
カエルじゃないんだから、そんなに伸びるのか?
どういう生態?
「〜〜ん? どしたのまみ」
「へ、あいや、なんか、タピオカどうかなって」
「味しないね〜。でも、噛んだ感じは面白い! あと見た目がカラフル!」
「同じ感じかぁ」
いやまあそうだろうけどね。
あまりにも普通に返してくるから聞きそびれてしまった。
あれはいったいなんだったのだ?
そんな不思議な光景を見つつも、わたしたちはラーメンを完食。
かぐやちゃんは動画の撮影を止め、内容を確認している。
わたしたちは、ちょうど良い感じの満腹感を感じながらこの後の予定について話していた。
「守はこのあと暇でしょ? どっかいこ?」
「いや暇だけども。まあいいよ。どこ行く?」
「この前見つけたチーズケーキの美味しいカフェは?」
「今食べたばっかなのに、まだ食べれるのか……いや、今更だったわ。いいよ、歩いて腹ごなししながら行こう」
「おっけーい。かぐやちゃーん?」
「ん! おっけー、問題なーし! で、なんだっけ、カフェ行くんだっけ? かぐやも行く!」
「おお、聞いてたんだ。じゃ、お店でよっか」
しれっと話を聞いていたかぐやちゃんに驚きつつ、わたしたちはお店を出て腹ごなしがてら歩いてわたしが見つけたカフェに向かった。
カフェに到着し、席も空いていたのでそのまま着席。
注文も済ませて、しばしの歓談。
さっきのタピオカラーメンのインパクトとか、どう編集するのか相談に乗ったり。
そういえば気になることがあったんだ。
「かぐやちゃん、金髪にしたんだね〜」
「うん! 彩葉がこっちの方が楽しそうにしてたから!」
「楽しそう? 彩葉がねぇ……」
似合うとかじゃなくて楽しそうだったとは。うーん、不思議な表現だ。
でも似合ってはいるし、今の方がかぐやちゃんらしくていいかも。前の茶髪も落ち着いてて良かったけどね。
なんて思ってたら、かぐやちゃんが自分の髪を一房手にとってわたしに見せながら。
「まみもどう? 金色!」
なんて言ってきた。
いやうーん、わたしには金は似合わないかなぁ。
さすがに髪色に顔が負けちゃいそう。
芦花ならいけそうだけどね。
「わたしは、地毛がこれだし1番似合ってる気がするからパース」
「えぇ〜楽しいのに〜」
「真実の黒髪とかはちょっと見てみたいかも」
「ん〜機会があったらね〜」
守が黒髪希望出して来たけど流しておきます。
それは就活とかで黒じゃなきゃダメだったらするね〜。
まあ、就活するかは分かりませんけど……?
さておき、注文のチーズケーキが到着。
うひひ、お味はどうかなぁ?
「んまぁ〜〜!!」
「ん〜! おいし〜! 濃厚なのにくどくないからいくらでも食べれそう!」
「それ! かぐやも思った!」
「2人とも美味しそうに食べるなぁ」
「ほら、守。あ〜ん」
「やた。あ〜ん」
「じ〜〜〜〜」
美味しいチーズケーキを羨ましそうに見ていたので、あーんでシェアしていたら、かぐやちゃんがすっごい見てた。
それはもう口から音が出てくるくらい。
なになに、そんなに気になる?
「まみと守ってさ、仲良いよね」
「え、うん」
「まあ付き合ってるしな」
「そう! それ、付き合うってなに?」
「付き合うってなに、かぁ。う〜ん」
なにやら意味深げに口を開けば、わたしたちの仲の良さが気になるようで。
付き合ってることを守が言えば、それが気になっていたことの様子。
かぐやちゃんの年齢(何歳かは知らないけど)でそういうこと知らないとは、ピュアだねぇ。
…………わたしたちは、ちょっと大人になり過ぎてしまったのかも?
まあ、わたしたちの仲の良さはさておき。
付き合うについて、どう説明したものか。
ふむ。
「かぐやちゃんから見て、わたしたちってどう見える?」
「どう? うーん、めちゃ仲良し!」
「おぉう、まぶしぃ」
「キラッキラの笑顔でそう言われるとなんか自分が恥ずかしく思えるんだけども」
「??」
いや仲良しではあるんだけど、そんなに笑顔で言われるとね。
仲良しだけで片付けられないようなことも中にはあるわけでして。
まあ、それは純情かぐやちゃんには黙っておきましょう。
「まあめっちゃ仲良し! なのも間違いではないんだけど、それだとかぐやちゃんと彩葉はどうなの?」
「仲良し! だとかぐやは思ってるけど、彩葉がどうかは分かんない……」
急にそんなしょぼんとした顔しなくても。
彩葉もかぐやちゃんのことはわりと好きだと思うし。じゃなきゃ自分の服とか貸さないだろうしね。
「たぶん彩葉もかぐやちゃんのこと仲良しだとは思ってるけど分かんないよね。でも、わたしたちはお互いに仲良しで好きを伝え合った仲だから、そういう不確定な気持ちでいるわけではないんだ」
「好きを伝え合う……」
「うん、お互いに気持ちを告白して、どちらも好きだって分かったから、今こうしてわたしたちは付き合ってる。分かりやすくするなら、お互い好きな気持ちを伝えて一緒にいるのが、付き合うってことかな?」
これで伝わるかな。
付き合うってことを、そんなに考えたことはなかったけど、大体今言った通りだと思う。
途中言ってて守に告白された時のことを思い出して少し顔が熱くなっちゃった。
一生懸命想いを伝えてくれたあの時の顔……カッコよかったな……。
体育祭の終わった後、2人だけの帰り道で、お互いの家の最寄りの分かれ道。
夕暮れに染まる空の下で、わたしの目をまっすぐ見つめながら気持ちを全部ぶつけてきて。
んへへ、守ぅ……。
「真実?」
「へっ? あぁ、なんでもないよ」
思い出しているうちにじっと見ていたようで守に首を傾げられてしまった。
やばいやばい、思い出にトリップしてしまったぜ。
あれから出かけたらお泊まりしたりと、もっと仲良くなって知らない一面もいろいろ見たけど、どれだけ長くいても守とはいくらでも一緒にいられるなって思う。
あー、ベタ惚れってやつかも。全部守がカッコいいのが悪いよね! わたし悪くない!
「まみ、嬉しそう。付き合うってそんなに良いことなんだ」
「ふふっ、まあそうだね〜。彼氏持ち彼女持ちはよくいない人からやっかまれるしね。わたしこれでも結構モテるんだからね? 守もめっちゃ嫉妬されてたし」
「それな。まあ真実と付き合い始めてからは何も気にならなくなったな。俺の彼女だし、可愛いだろ? って羨ましそうな顔してるやつには思ってる」
「もう……」
普通に照れること言わないでくれないかな?
最初の頃は可愛いとか褒めようとするだけで照れてたのに、最近は耐性着いちゃったのかあんまし照れてくれないし。
なのにカッコよさは前よりもましましで、まったく。誰かに取られるんじゃないかとひやひやものですよ。
てか、褒め方上手くなってるのもしやたかちーのせいでは? あいつ芦花を褒めるのには躊躇いもないから、そこを見習ってる気がする。
ぐぬぬ、たかちーめ。
「なんかカフェオレが甘い気がする〜」
「気のせいだよ」
「それで、かぐやちゃんはそれを知ってどうしたいの?」
「んや、アキとろかって仲良いなーって思って」
おっと? ここであの2人が出てくるのか。
あー、そういえばこの前の動画に2人とも出てたっけ。
いや、完全には出てないけど、カメラマンはたかちーだし、アシスタントは芦花だったし。
NGシーンで芦花押し倒してたっけ。いやまあ不慮の事故っぽいけど。
「あの2人は付き合ってないよ?」
「そうなの!? あんなに仲良しなのに!?」
「かぐやちゃんもそう思うか〜仲間だね〜」
「そろそろあの2人のケツを蹴る会が出来そうだな」
「それ、わたしたちがやると確実に後が怖いやつ」
「……たしかに」
散々背中を押され蹴られまくってるから下手にちょっかい出すと、まずいですよ。
たかちーには、いろいろとお見せできない動画持たれてるし、芦花には、まあちょっと揶揄うのはなんか違う気がするし。
とはいえあの2人の仲が進展してほしいのは事実だしなぁ。
「アキはこくはく? しないのかな?」
「どうだろーねー。する気は……あると思いたいけど、芦花が微妙に本調子じゃないというか、いつも通りじゃないというか」
「ろか元気じゃないの?」
「あー、まあ、そういうことにしておいて」
さすがに事件のことはかぐやちゃんには話せない。
思い出したくはないし、そういうのに耐性のなさそうなかぐやちゃんに話すことでもないし。
あれはわたしたちの記憶の深いところに沈めておけばいい。
芦花が元気かどうかで言えば、元気にはなってきてはいるけど、やっぱりまだ1人が寂しいみたい。
前ほど泊まったりすることはなくなったけど、今でも寝る前に通話したりすることはたまにあるし。
たかちーも、その辺を気にしてあまり踏み込んでないように見えるし。
早くくっついてほしいとわたしたちはヤキモキしちゃうんですが?
「アキはろかのこと好きなのかな?」
「絶対好き」
「ぜったい?」
「絶対。好きじゃないわけがない」
「そ、そんなになんだ」
「かぐやちゃんも見てて思わない? あの2人わたしたちみたいに付き合ってないのに、距離感というかなんか近くない?」
「たしかに、動画の撮影手伝ってもらった時も、2人とも近くにいた気がする」
やっぱりか。
てか、最近前にもまして距離感バグってないか?
あの日以来芦花の方が距離詰めすぎてたかちーが振り回されるくらいだし、やっぱおかしいよね。
まあ、仕方ないけども。
なのにいまだに付き合った報告はなし。なぜだ。
はよ付き合えし。祝福させろし。いつまで周りに「なんで付き合ってないんだこいつら」って困惑させるんだし。両親も明らかにゴーサインだしてるのに。
まったくもう、本当に面倒くさい2人だ。
でも、だからこそ、見守りたくもあるんだけどね。
長年詰めきれなかった距離が、最近急激になくなりつつあるから、もしかしたら? って思う気持ちが止まらないよね。
やっぱ恋バナは楽しいしね! 芦花とも、そういう話したいし!
彩葉は……うん、おいてこ。
「まあかぐやちゃんにも思うところはあると思うけど、見守ってあげて? あの2人は、当人同士で進めていくと思うから」
「わかった! でも、どう見てもお互い好き同士に見えるんだけどね〜」
「それは2人を知ってる人はみんな思ってるから……」
最近の芦花は彩葉に夢中ではないみたいだから、なおのことだよね。
前の芦花ならたかちーが踏み込まないのは理解できたけど、今は逆にたかちーに集中し過ぎて攻めきれないのかも?
親友2人の恋模様はいったいどうなることやら。
「んふふ、かぐやも手助け出来たらする! 分かんないけど!」
「してもいいけど馬に蹴られないようにね」
「うま?」
「あぁ、えっと、余計なことをすると、邪魔すんな! って蹴られるよってこと」
「ほぇ〜なるほど。じゃあ蹴られないよう頑張る!」
うん、そうじゃない。
かぐやがウォーミングアップを開始しました。