芦花と幼馴染   作:キイカ

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初めての単独コラボはやはり幼馴染でなくてはね!


ROKAと雑談配信!?

 

 

 

 KASSENコラボの次の日、日課の勉強を終えた僕はツクヨミの自分の家でまったりしていた。

 隣には当たり前のようにいる幼馴染。

 うん、いいんだけどさ。

 

「あの、芦花さん?」

「なーにアキくん」

「なしてここに?」

「いつ来てもいいって言ったのアキくんじゃん」

「それはそうだけど、家主よりも前にいられたらびっくりするでしょ」

 

 そう、僕がログインした時にはもう普通に縁側でくつろいでた。

 まるで実家のような安心感? それならいいんだけどね。

 

「まぁね。なんか、来たいなって思ったから。だめ?」

「いや、いいけど。うん、びっくりしただけ」

 

 ほんとにびっくりしただけで、いるのは全然構わないんだけど。

 前は連絡とかしてたくれたような……今更そんなことを気にするような関係でもないからいいか。

 

「そういえば明日からしばらくおばあちゃん家行くんだっけ?」

「そうなの。1週間くらいかな? しばらく会えないね」

「ねー。向こうにはなにかあるの?」

「それが結構田舎でさー、なんもなさそう」

「ありゃま、それは暇そうだね」

 

 僕のところのおばあちゃんの家はそんなに田舎ではない(一応電車とかも普通にくる)から、ちょっと想像つかないや。

 

「ツクヨミはこれるの?」

「たぶん。さすがにそこまで言ったら何もすることなくなっちゃうよ」

「課題は?」

「もう終わらせたよ。アキくんを見習ってね」

 

 僕は早く済ませて自分の時間を確保したいからなんだけどね。

 それはそれとしてえらい! 

 花丸贈呈! 

 

「えらいね! 花丸あげちゃう〜」

「やった〜、ありがと」

 

 指先でクルクルと花丸をつけてあげる。

 ふんわりと笑う君は嬉しそうだ。

 

「あ、そういえばさ。KASSENコラボでコラボ解禁したし、一緒にやろうよ」

「え゛っ、いいの? 芦花燃えない?」

「大丈夫でしょ。私のファン民度良いはずだし。やばかったらちゃんとめっ、するから」

「それで止まるのかな……?」

 

 めっ、てされて止まるなら燃えないのでは? 

 まあ、芦花がそう言ってるならいいか。

 

「いつがいい?」

「いつでもいいよ」

「じゃあ今から」

「今から!?」

「だってー、明日から私おばあちゃん家だしー」

 

 それは、そうだけども。

 てか、企画とかなにもないよ? いいのかな? 

 

「まあ、芦花がいいならいいけどさ。企画とか何もないけど大丈夫?」

「雑談ってことでいいんじゃない? もしくは、リスナーさん達から質問を募集するとか」

「あ〜……まあ、ありか。それでいっか。場所は? どこか移動する?」

「ここでいいんじゃない?」

「わかった。……まさか突発コラボすることになるとは」

「……嫌だった?」

「まさか。ちょっと面食らっただけだよ」

 

 腹を括るしかない。

 初のコラボ相手が幼馴染なのは、気が楽なようで、意外とそうでもない。

 相手はファン数20万人のライバー。それに対して僕は今13万人くらい。

 影響力というのが結構違うのだ。

 ファン層も違うし、ガチ恋の数も違うだろう。……いや、僕にいるとは思えないけど。

 とりあえず僕の方で配信枠を取ることになった。

 予告というか、もはや事後報告じみた『これから配信します。なんとコラボです』という急展開も甚だしい内容を流した。

 すぐにいくつかの反応があったけど、すでに枠は出来て、もうスタートするだけ。

 

「準備終わっちゃった」

「はじめよっか」

「こんなに急で人来るかな」

「そんなにいっぱい来られても困るだけじゃない?」

「確かに」

 

 ただだべるだけ(予定)の枠にそんなに多い人数で来られても困るか。

 さぁ、願わくば厄介ファンとか来ないように……。

 始めましょう。

 

「じゃあ、始めるよ?」

「おっけー」

 

 

 

【お? お? 誰とのコラボだ?】

【秋鷹にしてはめっちゃ急だな】

【前回のKASSENコラボもちゃんと予告してたのにな】

【結構珍しい枠だし、これてラッキー】

【何するんだろ】

【わくわく】

 

 急遽建てた配信の枠のコメント欄にはすでに数十人待機している。

 なかなか熱烈なファンのようで嬉しいような、ちょっと困っちゃうような。

 今回のような枠は僕としても珍しいし。普段はちゃんと事前予告とかしてるからね。

 さて、画面を開けましょうか。

 

「やっほー、今日はKASSENじゃないからぶっ放さないよー。秋鷹でーす。そ、し、て? コラボのお相手は〜?」

「秋鷹のファンの皆さん、こんROKA〜。ROKAでーす」

 

 僕の挨拶と、その後のコラボ相手の紹介。

 結果、コメント欄が爆発した。

 さっきまでいたメンバーはコメント流しまくってるし、何人かはSNSにでも流したのか、同時接続がすごい勢いで増えてる。

 百人、数百人、千人、数千人、あっという間に一万に到達した。

 うっそでしょ? 

 

【ROKA!?】

【コラボ相手ROKAなの!?】

【なんでぇ!? ROKA様なんでぇ!?】

【どういう繋がり……幼馴染だったな】

【幼馴染なんですか!?】

【その情報しらないぞ!?】

【昨日のKASSENコラボで明かされたもんだしな】

【あとで履修しなきゃ】

【いや、突発コラボで幼馴染を連れてくるって、仲良すぎない?】

【KASSENの時も阿吽の呼吸だったぞ】

【なにそれ知らない情報多すぎ】

【これROKAガチ恋生きてる?】

【死んでる】

【死にました】

【一思いにやってくれ】

【これはすごいな】

 

「お、おぉ」

「思ってるより人来ちゃったね」

「それで済ませていいものなのこれ」

 

 コメント欄が阿鼻叫喚の嵐だ。

 昨日のコラボを知らない人も多いので、それはもう盛り上がってしまっているね。

 コメント同士でもはや説明し合ってる始末だし。

 さすがに大変だぁ。

 

「はいはい、皆様ご清聴ー」

「えー、知らない人が思ってるより多かったので改めて説明しますね」

「僕、秋鷹とROKAは昨日のKASSENコラボで明かしましたが幼馴染です」

「もう十数年くらいは付き合いがあるかな」

「生まれた時からだからそうだねぇ」

「小中高全部クラスも一緒だしね」

「席もいつも近くだし」

 

【待て待て待て待て待て】

【情報量が多い】

【いきなり何も知らない視聴者に特大の爆弾を叩き込むな】

【昇天】

【何人かお亡くなりになってるリスナーが】

【生まれた時から一緒で学校も同じで席も近くて仲も良い? どんなラノベ?】

【ラノベでももうちょい手加減してるだろ】

【これが、現実……?】

【↑VRだよ】

【全ROKAガチ恋を焼き払う兵器だろこれ】

【失恋しました、ROKA様応援します】

【あーもう大変だ】

【幼馴染だから出来る距離感の近さを感じました】

【KASSENコラボも近いというか、理解り合ってる動きだったからな】

【これが、十数年分の絆の力……?】

【もはや焼き尽くされすぎててぇてぇ気がしてきた】

【仲良い幼馴染なんて夢物語だと思ってたんですが】

【そもそも幼馴染がROKAとか、あまりにも勝ち組すぎる】

【待て待て、秋鷹も料理出来るらしいし、勉強も出来るらしいぞ】

【なんだそれ、どこ情報だ】

【だいぶ前の雑談枠だな】

【見直さなきゃ】

 

 流れるコメントをなんとか確認しようといくつか見てたけど、あまりにも流れが早すぎてもう無理かも。

 とりあえずリスナーさん達が焼き払われたことは分かった。なにが? 

 

「えっと、うん。どうしよっかこれ」

「収拾つかないね」

「ただの雑談枠のはずが、なぜこんなことに」

「幼馴染ってだけですごい反応されちゃったね」

「ちょっと思ってる反応とは違ったかな」

「燃えてはないからいいんじゃない?」

 

 まあ、それはそうかもだけどさ。

 今も超爆速で流れるコメントとか、なぜか飛んでくるスパチャとか、急激に増えてるチャンネル登録者とか、どういう状況なのこれ。

 

「えっと、誤解ないように言っておくけど、ROKAとのコラボは今後もするかは未定だからね?」

「えぇ〜やってくれないの?」

「やらないとは言ってないじゃん? でも、確定でもないじゃん?」

「じゃあ、次の予定も決めちゃう?」

「待て待てまだ今日のすら終わってないでしょーが」

 

【ROKA様の気安い返し……!】

【幼馴染の圧倒的仲の良さを感じさせられる!】

【なんだこいつら仲良すぎないか】

【これが、幼馴染……!】

【燃えることを心配してたみたいだけど、先にこちらを燃やし尽くしてるから大丈夫では】

【先手必勝ってか? やかましいわ】

【焼け野原もいいとこ】

【ガチ恋から幼馴染推しになりました】

【私も】【俺も】【僕も】

【転生してしまったか】

【ちゃんと責任取ってくださいね】

 

 なんか、楽しんでないかこいつら。

 普通のやりとりでさえ勝手に仲良さそうとか言われてるし。

 そんなことないと思うんだけど……、分かんないね。

 

「とりあえず、なんか話そう」

「なに話す?」

「話題なにも考えてないけど? つい数分前に決まったことなんだからなにもトークデッキないや」

「私も〜。まあ、適当な話をしながらコメント欄のを拾おうよ」

「それ採用」

 

【つい数分前にコラボが決まった?】

【なにそれどういう状況?】

 

「あぁ、このコラボは本当についさっき決まったものだからね」

「私がコラボしよ? って誘ったからね」

「ツクヨミの僕の家でのんびりしてたら、急にROKAから誘われてね」

「だってー、やることなかったじゃん」

「それはそうだけどさー」

 

【当たり前のようにツクヨミとはいえ男の家に上がるROKA様……?】

【ROKAから誘ったのかこれ】

【それ普通に快諾する秋鷹よ】

【これが、幼馴染……!】

【さっきも見たな】

【まじでこの砕けた感じ相当仲良くないと出来ないだろ】

【つまり、義務幼馴染ではなく自然幼馴染ってコト……!?】

【自然幼馴染ってなんだよ】

 

 それは本当になんだ……? 

 確かに芦花が誘ってくるとは思ってなかったけどね。

 でも、最近の芦花はちょっと積極的な気がするから、まあ理解はできるかも。

 昔なら誘ってこなかったと思うんだけどね。どういう心境の変化なのやら。

 

「あ、そういえばさ。このコラボはROKAから誘ってくれたわけだけどさ

 、なんでやろうと思ったの?」

「え? うーん。しばらくアキくんに会わないし、その間に他の人にコラボされるのはなんか、嫌というか。どうせなら幼馴染の私が最初の方がいろいろ良くない?」

「ん゛っん。まあ、そうだね。僕もROKAが最初の方が気兼ねなく出来そうでなによりだよ」

 

 しばらく会わないのところは気にしなくてもいいよね? 

 別に1週間会わないだけでそんな寂しいだなんて、僕は思っても芦花が思うわけ……ない。え、ない、よね? この言い方はどっちだ? 

 とりあえず触れずに流しておくけども。

 

【アキくん】

【アキくんかぁ】

【親しみを感じました】

【当たり前のようにあだ名で呼び、名前で呼ぶ】

【もしかしなくても普段からこんな感じなのでは】

【尊死】

【あ、死んだ】

【まーた焼け野原作ってるよ】

【これは独占欲ですか? 嫉妬ですか?】

【ROKA様にかぎってまさかそんな……まさかね?】

【しばらく会えないからってコラボを誘う幼馴染が僕もほしい人生でした】

【来世頑張れ↑】

【これ切り抜きOK?】

【ダメじゃね?】

【切り抜き拡散されたらまじでやばそう】

 

 切り抜きかぁ。

 考えてなかったな。

 うーん、どうだろ。

 

「切り抜きどうする?」

「私は気にしないけど」

「僕も別に」

「じゃあいいんじゃない?」

「ROKAがいいなら、僕もそれで」

「それより誰ですか独占欲とか嫉妬とか言った人」

 

【切り抜きの宝庫だろこんなん】

【あ。やべ】

【終わったな】

【悲報、リスナー終了のお知らせ】

【いや、あれはどう考えてもそうとしか】

【おいやめろ火に油を注ぐな】

【ROKA様が嫉妬……? 解釈違いですが、これもまたROKA道……】

【ROKA道は深い……】

【新解釈の登場だ……】

【なんかやばいリスナーおる】

 

 うちのコメント欄変なやつ多すぎないか? 

 ROKA道ってなんじゃい、と思ってましたが僕もその道の人だったので、触れないでおきます。

 にしても、芦花が僕に嫉妬? 独占欲? まさかね。

 ただの幼馴染ですよ? さすがにないない。

 僕じゃあるまいし。

 まあ、もし僕以外で男性とコラボするってなったら、僕はめちゃくちゃ嫉妬しちゃうかも。

 でも、それがROKAの選択ならって思っちゃうかな。

 悩ましいね。

 

「めっ、ですよ。めっ」

 

【あっ】

【うっ】

【チーン】

【バタン】

【火力高すぎ】

【めっ、てされるだけでこんなに薙ぎ払うことある?】

【私は今天国からコメントを送っています。ROKA様のめっ、はいいぞ】

【成仏してもろて】

【ちょっと秋鷹幼馴染どうにかして】

【光の陽キャ耐性のない奴が多いんだ。気をつけてくれ】

【誰が陰キャだ】

 

「どうにかしてと言われてもね。僕がどうこうできるわけじゃないですし?」

「私そんな陽キャだと思われてるの?」

「どう考えても陽でしょ。ライバーしてる時点で大体皆陽キャだよ」

「それさすがに範囲広すぎない?」

「えー、そうかなぁ? 本物の陰キャはたぶんコメントとかないだろうし」

 

【ウッ】

【アッ】

【だから火力が高いと】

【無自覚にリスナーを焼くな】

【こんなところでトリハピすな】

【ワンショットマルチキルってか?】

【さすがはシューター】

【畜生すぎる】

【鷹と鹿だけに?】

【やかましい↑】

 

 ほんとにやかましいな。

 確かに鹿と鷹だけどさ。

 誰が畜生だ、まったく。

 

「ROKAを畜生呼ばわりしたやつ、あとで呼び出しな。蜂の巣にしてやる」

 

【アカンオワタ】

【秋鷹荒ぶってる?】

【荒鷹?】

【幼馴染を貶すやつは許さない的な?】

【秋鷹からも執着みたいなものを感じたが?】

【なんだこいつら】

【この2人付き合ってないの?】

 

「付き合ってないよ?」

「うん。そうだよ…………まだね」

「ん? なんか言った?」

「なんでもないよ」

 

 なんか聞こえた気がしたんだけど、気のせいか。

 それはそれとして、付き合ってはないけどそう見えるもんなのか。

 僕らよりもっと仲の良い真実たちはどうなるのやら。

 いや、あれ公認カップルになったんだっけ。

 あそこもいつかカップル配信とかするのかな。

 …………今やってるこれ、違うよね? 

 僕らは付き合ってないから、違うはず。

 うん、そうだ。大丈夫、ただの幼馴染配信だ。

 そういうことにしておこう。

 

【付き合ってないのにこの距離感?】

【バグってる】

【仲良すぎ】

【男女の幼馴染の距離感てこんなもんだっけ】

【俺たちには幼馴染がいないから分からん】

【とりあえず距離が近いのは間違いない】

【画面内でも近いよな】

【当たり前のように肩触れ合いそうな距離だし】

 

「え、あ、ほんとだ」

「気づかなかったね」

「まあ、今更かな」

「だね」

 

【だからそういうところだって】

【何回焼く気ですか?】

【察した】

【まみまみがたまに雑談でこぼしてた親友ってこの2人では】

【そんな話も?】

 

 おっと? 

 なんか僕の知らない話が出てきたぞ? 

 真実が僕らについてなんか話してたのか? 

 見てないところで何を言ってたのやら。

 まあ、触れないでおくけど。

 

「はいはい、他の配信者さんはあまり触れないよーに。例え友達だとしても今は一緒に配信してないんだから気をつけてね」

「でも、気になるね」

「それはそうだけどさ。後で見ればいいじゃん?」

「一緒に見よ」

「いいよー」

 

【だからそういう】

【いっても無駄では】

【諦めの境地に達した】

【尊いけど、過剰摂取はまずいですよ!】

【このコンビてぇてぇ】

【当たり前のように一緒にいるのがな】

【もはや相棒】

【これか幼馴染、すごいな】

【鳩するのは良くないのは分かってるんだけど、今いろPがかぐや争奪KASSENで無双してるよ】

 

「お? いろP暴れてるの?」

「なに、いろP遊んでるんだ」

「せっかくだし見てみよ」

「配信枠あるんだね。同時視聴ってやつになるのかな?」

「リスナーさんはお好きにどうぞー」

「わ、やってる〜。いろPガチじゃん」

 

 コメント欄に紛れ込んだ情報から、酒寄さんがなにやら面白そうなことをしてるみたいなので観戦。

 芦花と一緒に画面を見る。

 おぉ、酒寄さんがかぐやに求婚しにきた人たちを片っ端からぶっ倒してる。

 すごー、さすが酒寄さん。近接では勝てないからなぁ。

 

「すごいね」

「ね。ほぼノーダメじゃん」

「近接は苦手だからなぁ。こんな風には薙ぎ倒せないんだよね」

「でも蜂の巣には出来るじゃん」

「そこはほら、得意武器の違いってやつですよ」

 

【あの】

【近い】

【もはや顔がくっつきそう】

【これ本当に出来てないってマ?】

【僕の中の付き合うが壊れる……!】

【温かく見守ろう】

【見守り会結成】

【入会希望】

 

 近い? 

 あっ。

 画面を一緒に見てたから、すぐ横に芦花の顔があった。

 肩なんて普通に触れてるし、ちょっと近づいたらおでことかぶつかりそう。

 いやうん幼馴染だからさ? これくらい近くても気にしないんだろうけどさ? 

 さすがにドキドキしちゃうよね。

 最愛の幼馴染の横顔。いつ見ても最高だ。

 ツクヨミでも整った顔で、澄んだ紫苑色の瞳。

 ちょっとだけ開いた口は可愛らしくて。

 うん、さすがは芦花、どんな時でも最高だ。

 

【秋鷹……】

【お前それで本当に付き合ってないのか】

【何も言うまい】

【みんな、見守るんだ】

 

 なんだよ。

 僕がなんだって言うんだ。

 ちょっと横顔に見惚れてただけじゃないか。

 

「にしてもかぐやも自分を優勝商品にするなんてね。優勝した人と結婚だなんて」

「かぐやちゃんらしい気もするけどね」

「でも、いろP大変そうだよ」

「まあね。振り回されるのはいろPの役目だから仕方なし」

 

【お労しや、いろP】

【ROKA争奪KASSENは?】

 

 は? 

 優勝したらROKAと結婚? 

 てか、ROKAをモノ扱いか。

 

「は?」

 

【やべ、地雷だった】

【おいおいオイオイ死んだわあいつ】

【さすがに今のは見えてただろ】

【あまりにも分かりやすい地雷】

 

「よし、今言ったやつあとでSETSUNAね。ボコボコにする」

「アキくん?」

「芦花を優勝賞品扱いとか、舐めてるよね」

「アキくん……?」

「戦績に10回くらいは負けが増えるの覚悟しとけよ」

「落ち着いてアキくん?」

 

【まじでボコられるやつ】

【とりあえずいっぺん死んでこい】

【慈悲はない】

【見守りの会も助太刀しよう】

【敵多すぎぃ】

 

 はっ。

 なんかコメント欄とともにどうしようもないこと言ったやつをしばき回す未来が見えてたわ。

 危ない危ない、擬似争奪KASSENが始まるところでした。

 やるわけないのにね。やったとしても、ぜんぶ薙ぎ倒すけど。

 誰が相手だろうと芦花は絶対に譲らないし。絶対に。芦花だけは。

 僕のなんて言い方は烏滸がましいけど、ちゃんと告白するまで誰にも取られないようにするくらいは、いいよね? 

 

「とりあえず、そういった催しはしません」

「しないの? 盛り上がりそうだけど」

「冗談でもやめなさい。そういうのは遊びとか挟まないで好きな人とだよ」

「……むぅ」

 

 なんで捲れるんでしょうか芦花さん。

 ぐぬぅ、すごい圧を感じるような。

 なんなんですかまったく。

 

【ROKA→→→→→】

【その先誰だろーなー】

【おだまり】

【じっくり見守るんだろ】

 

 なんだよ、なんだその矢印。

 気になるじゃんか。

 まあいいけどさ。

 

「あ、終わったみたい」

「ちゃんといろPが優勝したみたいだね」

「さすが」

「アキくんならさっきのいろP勝てる?」

「近接だと厳しいなぁ。前に何回かSETSUNAでやってるけど勝率悪いし」

「そうなんだ。KASSENのときはまあまあ倒してるのに」

「それは相方がいるし、ROKAのおかげでもあるし」

「えへへ、それほどでも〜」

 

 かわいい。

 

【かわいい】

【可愛い】

【カワイイ】

【なんだこの可愛い生き物】

【これを至近距離で見れる秋鷹うらやま】

【諦めろ。これが幼馴染特権だ】

 

 そーだそーだ、うらやましーだろー。

 はぁ、まじで幼馴染で良かった。

 幸せですね、ほんとに。

 こんなに素晴らしい幼馴染と一緒に遊べるなんて。

 

「さて、それじゃあ枠閉じようか。意外と時間経ってたし」

「そだね。皆さんお付き合いいただきありがとうございました」

「次の機会がいつかは未定だけど、またあったらよろしくね」

「「それじゃ、またね〜」」

 

【おつ〜】

【最後まで息ぴったりかよ】

【ぐぅてぇ】

【次回に期待】

【次は衝撃に備えないと】

 

 

 

 僕らの初コラボはまあまあ大盛況で終わった。

 謎に飛び交ったスパチャは芦花にもプレゼントした。

 別にいいと言われたけど、一緒にやったやつだからと押し切った。

 さすがに芦花の力で稼いだようなものだからね、僕1人では受け取れないよ。

 

「じゃあ、真実のやつ探すか」

「よーし、二手に分かれよ」

「おっけー」

 

 さぁて、探すぞ〜。

 

 

 

 







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