芦花と幼馴染   作:キイカ

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服を買ったり応援したり……?

 

 

 

 カフェで芦花きら無自覚攻撃をなんとか致命傷でやり過ごしてからしばらく。

 僕らは駅ビルの中を練り歩いていた。

 目的地はなく、気になったお店に突撃する感じだ。

 前を真実と守。後ろは僕と芦花だ。まあ基本的には女子2人が服だったら雑貨屋だったりに興味を示すので男子2人もそれに追従してる形です。

 

「これ良くない?」

「いいかも〜」

「あっちも見てみよ」

「いいね〜」

 

 あれこれ服を取っ替えてはきゃっきゃっと楽しそうにしている我が幼馴染の笑顔を堪能しつつ、横で死んだ顔してる親友の肩にぶつかる。

 

「よくわからんのは僕もだけど、顔はどうにかしなよ」

「わかってるんだ。でもわかんないんだ」

「言いたいことはわかるけどさ」

 

 正直僕もファッションセンスとかないに等しい。母親の助言とネット様々ですありがとうございます。

 芦花に仕立ててもらうのはとてもありなんだけど、それだと芦花と会う時に新鮮さがないというか。

 まあ、この辺はおいおい理解できたらいいかと未来の僕に投げている。受け取ってくれこのパスを。

 

「ところでさ。守も僕らと同じ高校狙ってるわけじゃん? 勉強会、参加する?」

「あー、放課後やってるやつ? したいのは山々なんだけど……俺塾行ってるからな」

「そっか。じゃあ塾ない日か休みの日は?」

「週2回と日曜なら空いてるな」

「じゃあ来なよ。真実とも話せるよ?」

「確かに。ありがとう持つべきものは出来た親友だな」

 

 ふっふっふ。僕に感謝してくれ。芦花のためにめちゃ勉強したから今こうして真実の面倒も見れてるのだ。

 おかげさまで親友くんの恋路も応援できるというもの。

 まあ、必ず真実も参加するわけじゃないからあれだけど、そこは仕方ないということで。

 

「ちょっとアキくーん? なに男子トークしてんのー?」

「鳩河くんもこっちきて〜? 感想ちょうだいよ〜」

「「はーい」」

 

 女子たちにバレてしまったので男子トークおわりー。感想に関しては当てにしないでください。

 

「これ、どっちが良い?」

「むむっ。これはどの受験対策の問題よりも難問!」

「そんなに難しいことかな?」

 

 あったりまえですよ! 芦花に似合う服を選ぶのは、受験対策よりも遥かに高難易度で間違えられない設問なので! 

 芦花が持っているのは……白のノースリーブでスカートのフリルに桜の花びら模様が散りばめられたワンピース。

 それと、これは……。

 

「うーん。どっちも、似合うとは思うんだけど。個人的にはこっちかな」

「あれ? アキくんなら、このワンピース選ぶかなって思ってたんだけど」

「いやもちろんそれが芦花に似合うのはもう分かりきってるんだけどさ」

 

 もう一個持ってる方は、蘆の花。つまりは芦の花がプリントされているのだ。気づいてるのかはわかんないけど、芦花という名前にぴったりだなと思ってしまったので。

 白っぽい(アイボリーっていうらしい)シアーレース裾フリルトップス? っていうらしい。結構肌が透けててなんというか……守らなくては。

 スカートは白に蘆の花がプリントされている。やや地味に見えるけど、芦花が華やかだから問題なさそう。

 でも秋っぽい感じの色合いだから、まだ季節的には早いような気もしてます。

 

「ふーんなるほどね。ありがと!」

「参考になったのかな」

「うん! もうちょっと考えてみるね」

 

 これで合ってたのかはわかんないけど芦花は満足そうだしオッケーかな。

 守は……真実の服装選びで撃沈したっぽい? でも真実も楽しそうだし頑張って答えたのかな? まあよきかなよきかな。

 その後結局はどっちを買ったかは教えてくれませんでした。まあいつか着たところを見れたらいいなということで。

 

 その後荷物は持たせてもらって(守も持たされてる)、散歩再開。

 と、そのタイミングで守と真実がお手洗いに行きたいと言い出した。

 荷物を預かり、お手洗いの近くで芦花と待機する。

 話していた芦花の視線がふと別のところを見ている気がしたのでそちらを見てみたらアクセサリー屋があった。

 

「気になるの?」

「え、あ、うん。ちょっとね」

「じゃあ次あそこ行こうよ」

「でもアキくんと鳩河くん退屈じゃない?」

「いーよいーよ気にしないで。見てる分には意外と楽しいんだよ?」

 

 なんて言葉で上手いこと流したけど、どっちかというと僕としても芦花が何に興味を持ったのかが気になるので是非行きたいところ。

 ついでに良いのがあれば……なんて。

 

「お待たせ〜」

「お待たせしました!」

「あそこのアクセサリー屋気になるから行ってみよーよ」

「たかちーって意外とそういうのも興味あるんだね〜」

「まあね」

 

 誘導成功〜。とりあえずお店に行ってみよー。

 

「どれも可愛いけど、やっぱり……」

「中学生の身にはね〜……」

 

 女子2人が肩を落としつつも目はキラキラしてるという不思議な光景を見つつ、僕も流し見で物色中。

 店内を歩いているうちに芦花がふと止まった。

 視線の先には芦花に似合いそうなシルバーの小さな花のついたイヤリング。そんなに派手ではないけど、花の真ん中の薄ピンクの色がしっかり存在感がある。そんな感じのものだ。

 お値段そこそこ。たぶん買えないことはないだろうけど……。

 

「あー、さっき使いすぎちゃったから足りないや……」

「そっか。残念だね〜」

「こっちのピアスなら買えそう……」

「芦花に似合うよ! 買っちゃえば?」

「……うん、そうする!」

 

 お財布事情的に厳しいかー。まあたくさんファンのいるインフルエンサーの芦花だけど、最近はあんまり投稿とかできてないし、受験に本腰入れてるからお金を使う気もなかったんだろうね。

 でも、ふむ、これかぁ。

 

「よし、そろそろ行こっか」

「いこいこ〜」

 

 ピアスを買ったろかが戻ってきて再度歩き始める。

 駅ビル全体を回って時刻も15時ぐらい。ちょうどキリが良いしそろそろ帰宅かな。

 と、その前に……。

 

「あ、ごめん、ちょっとお手洗い行ってくる」

「行ってらっしゃい」

 

 みんなに断りを入れてお手洗いへ。

 ……さて、まだ残ってるといいけれど。

 

 

 

 

「たかちー遅いよ〜」

「アキくん迷子になったの?」

「ごめんなさーい。思ったより複雑でね」

「中3にもなって迷子とか」

「……いい度胸だね」

「アッ、すいませんでした」

 

 思いの外時間がかかってしまったけど戻ってこれた。

 実際ここわりと迷子になるのでは……? 

 まあ、それはどうでもいいので帰りましょう! 

 

「じゃ、帰ろっか」

「ん〜! 楽しかった!」

「ですね!」

 

 帰りの電車で僕たちは固まって立ちながら今日の感想を言い合っていた。

 パフェが美味しかったーとかタルトもう一ついけたよとか、あの服も買えば良かったなーとか。

 真実がもうお腹減ったとか言い始めていやまあ歩き回ったし分かるけどね? 明らかにご飯いけますよみたいな顔してるのは解せないんだけど? 

 

「次は受験終わって結果出たらかな〜」

「そうだね、もう後2ヶ月ぐらいだし、気合い入れ直さないと」

「全員で合格しましょうね!」

「合格記念パーティとか?」

 

 それいいね! って真実から返ってきた。

 ありだけど、どこでやるのと芦花に言われた。

 また参加しても大丈夫ですか? と守がぼやいてる。当たり前じゃないか。

 このまま上手いこと2人をくっつけるためにも君にはいてもらわないと困るのだよ。

 

 なんて最寄りに着くまでわちゃわちゃとおしゃべりは止まらなかった。

 

「じゃあまた学校で〜!」

「さよーならー!」

「「またねー!」」

 

 途中までは4人一緒だったけど、ちょうど真実と別れるところで守も離脱した。このまま2人で帰れば仲良くなるのでは? 

 

「楽しかったね!」

「ね! 受験が終わればもっと遊びに行けるだろうから楽しみだね」

「うん!」

 

 芦花と2人、まだ夕暮れには遠いけど、太陽は西に向かいつつある帰り道。

 楽しかった1日ももう終わりだなと少し寂しく思ってしまう。

 

「そういえばさ。あの2人、結構いい感じな気がするけど、アキくんどう思う?」

「それ聞いちゃいますか! まあ守側は、うん、もっと押しなよってアドバイスしてるよ」

「えー! ってことは真実次第ってこと? じゃあ私も真実に、聞いてみよっかな」

「真実はどうだろうね? わりと話してる感じでは楽しそうだけど」

「だよね! もしかしたら真実も好きだったりして!」

 

 僕と芦花はあの2人をどうやってくっつけようか悪巧みが止まらなかった。

 もっと2人きりにしよう! とか。話す時も2人を近くにしようとか。帰る時も途中まで一緒にできないかな、とか。

 互いの親友だから、なおのこと幸せになって欲しいなと思ってしまうんだろう。

 僕にとっても真実は芦花の親友で真実が幸せだと芦花も嬉しいんだと思うから。

 芦花にとっては守はあんまり話してはないけど、真実を好きなのはなんとなくで伝わってるんだと思う。

 じゃあ後は背中を押したらサポートするだけだね、と芦花と悪い顔で笑い合う。

 

「とりあえず月曜からいろいろやってみよっか!」

「だね! 守がヘタレないといいけど……」

 

 なんてことを僕らは家に着くまで話し合うのだった。

 

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