先生は汚い大人です 作:こうすけ増田劇場版
『はい、こちら連邦生徒会です。どうなさいましたか先生?』
「七神、取りあえずハッキリと文句を言っておいて内容の訂正を求める……」
『な、何かしましたか!?』
「お前が提案したキヴォトスの治安維持の為の報奨制度についてだ。一部は納得が行くが、俺を使う以上は俺が完全に納得することが出来なきゃアウトだ。だから言わせてもらうが、なんだこのふざけた内容は?」
『その……やはりダメですか?』
「いいか、俺をそういう風に扱うのは別に構わねえが問題はキヴォトス側だ。なんでそこまで面倒見なきゃならない」
『その為のものでして』
「ハッキリと言うがそこまで行くなら首を切れ首を。お前等は甘いんだよそういうところは……内容を一部書き換えた書類にしてデータを送るがこのままの内容だと俺は協力しない」
『……分かりました』
「ったく……そこまで面倒見切れるか……」
今日も今日とてシャーレで仕事をしていれば文句の1つを言いたいと言うかサインを書けない書類があった。
七神がキヴォトスの治安向上の為に考えた政策で、俺を使おうとしていたが内容が内容だけにはいそうですかで受け入れる事が出来ず、コレは無理で内容を少し弄くったものを後で送るとダイレクトに電話を入れた。
「随分と怒っていましたね」
「七神の奴がロクでもない案を出してきたからだ」
「行政官がですか?……あの方が愚策を提案するとは思えないのですが」
「愚策も愚策だ……キヴォトスの治安向上の為に、問題行動を起こさなかった生徒に対する恩赦を俺が与えるって提案をしている」
「それはまた……随分と魅力的ですね」
電話を切った後に書類仕事を再開してテキパキと終わらせているとなんの電話をしていたのかを本日の当番である浦和が聞いてくる。
七神が提案したのはキヴォトス治安維持の為に生徒が悪いことをしなくて良いことをしたのならばご褒美を与えよう!と言う考えであり、それを聞いた浦和が魅力的と言う。
「このお話は受けて頂いた方がキヴォトスの治安向上になるとは思いますが」
「一部は構わない……けどな、毎度毎度先生頼りなのもどうかと思うし、俺はそこまでの聖人君子じゃねえんだよ……普段から真面目にコツコツ頑張ってて態度もしっかりとしている空崎とか早瀬とかなら喜んでやる。でも、コレを出して一旦真面目になって終わったらの奴等が丸見えなんだから、んなのに恩赦なんざ一個も与える価値は無い」
「……先生は真面目な生徒を評価していますが、中にははみ出し者もいらっしゃるのですよ?」
「そいつ等の存在とか生き方は否定しねえ。けど、そういうのをするならばするでそれ相応の覚悟はしておけ」
真面目な生徒を選んでいるのは分かるが全員がそれじゃない。そういう人の個性を尊重してと言いたいんだろうが、そいつ等を否定はしない。普通じゃなかったり真面目じゃないならばそれ相応の覚悟はしておけって話だ。
「……先生は真面目にすること重視していますが、なにか理由があるのですか?……学生である私達は大事な青春を過ごしています。多少のヤンチャも青春の1つではありませんか。寛容的になったりアリウスの様に救いの手を伸ばすのも」
「……そういうのがさ、気に食わねえし些細な積み重ねになるんだよ」
ヤンチャをするのも青春の1つで俺が真面目にやっているかどうかについて割と重視していることを気にする浦和。
なんでそういうのを気にするのか、特に理由らしい理由は言っていない。過剰なまでに不良は悪とかそういう思想に至っている理由について聞いてみたいと気にしている。
「……コレはとある男性の話だ」
「そうですか……それはきっと素敵な殿方ですのね」
「いや、違う。その男が小学生の時、自分の学年の男女比は男女比が女子の方が多かった。極端な多さじゃなくて、14人男子生徒が居るならば女子生徒は18人ぐらいの比率で……まぁ、とにかく女子の方が多かったが高学年になった際にトイレ掃除の掃除当番が入った。女子は女子トイレ、男子は男子トイレの掃除だ」
「まぁ……男子とは言え女性用は少々不快ですからね」
「数人1班で他にも掃除する場所を回していくシステムで、トイレは2つの班が持ち回り……ただ女子の方が少し多いせいか男子が1人だけの班になる。ローテーションで掃除当番を回していってその班ともう1つの班と当たる時があるが、そのもう1つの班に如何にもな問題児が居る。そいつは当然掃除をサボるわけで……ここから話がどうなると思う?」
「……その生徒を、怒らないですか?」
「少しだけ正解だ。学校側はその生徒を怒らなくて、残された奴等だけで回していたがそいつは自分に掛かる負担が大きいと怒っていた。なんで自分がこんな事をしなきゃいけねえんだと自分も掃除をサボれば普段は怒らない担任がそいつだけを怒った……不良の生徒はもうダメだと見捨てて、真面目にしている生徒にセカンドの7番の人生を強要してきた」
子どもにとって、いや、誰だってあんな風な事をされたのならば怒る。
セカンドの7番の人生を強要してきた……それを受け入れるのはそれ相応の覚悟をしなきゃいけねえってのに、それは嫌ならば嫌で断らないといけないのに、しやがったんだ。
「セカンドの7番の人生?」
「野球のセカンドのポジションは重要なポジションだ……打順が1から5までは野球の世界じゃ優秀なバッターで、6から9はどっちかと言えばバッティングよりも守備力とかが重視される。バッティングそのモノは大した期待はしていない。野球の守備で目立つのは言うまでもなくピッチャーとキャッチャーで、セカンドは派手なプレイはしないものの堅実なプレイをする。だから些細なミスは許されない。普段から目立った事をしていないが、そいつが居ないと上手く機能しないってのに安く買い叩かれてる」
それを人生に置き換えれば普段は真面目にコツコツしている奴で、問題行動を起こさない。
バカをやっている生徒達を注意したりする側の人間ではあるが、バカをやれば問題児以上に怒られる。
「お前が言う個性や青春ってのは確かに楽しい、それは否定しない……でも、その裏で貧乏くじを望んでもないし覚悟してないのに引かされる奴が居る。少なくともその男は勝手にそちら側に立たせた事を永遠に恨んでいる……真面目が悪癖と言うのならば、真面目じゃねえ奴はガス抜きを知ってて上手い?ふざけるな」
少なくともセカンドの7番の人生ってのは本当に辛い人生なんだ。
目立った活躍をしていないが逆にしくじりらしいしくじりもしていない……そういう奴こそしっかりと見ておかなきゃならない。
「……先生は、苦労したのですね」
「俺の話じゃねえよ。とある男性の話だ……キヴォトスに引っ張って来られた際にそういう奴等を相手にしなきゃいけねえからって最初はシャーレの顧問の話を蹴ったからな」
「…………え!?そうなのですか、それは初耳です」
苦労していると言われたので、俺の話じゃねえと一言言って、そういう奴を相手にしなきゃならないのが本気で嫌になってシャーレの顧問の話を蹴った。七神にシッテムの箱を取り戻す騒動を俺を雇うとお金で解決させて、その金でキヴォトスの外に出ていこうと考えた。そしたらあのクソアロナがキヴォトスの外に出ていくルートを封じやがって、キヴォトスの外ってか元の世界に帰る手段を潰しやがった。今だったら多少の情はあるが、あの時はキヴォトスのことなんざ滅びろ。俺の人生は俺の物だと出ていく方法を模索して、最終的には給料4倍でシャーレの顧問を引き受けた。
「別にそれがキッカケってわけじゃねえけど、他にも貧乏くじを引かされてる奴は多いし色々と見せられてきた……浦和は自由に生きてるし器用に生きる事が出来るが、裏でホントに苦しんでる奴はしっかりと居る。どっちが正しいとかそういう話はしねえが……俺は苦しんでる奴の方の肩を持つ。ただそれだけだ」
「……依怙贔屓をすることを堂々とだなんて。先生は汚い大人ですね」
「ありがとう、最高の褒め言葉だ」
取りあえず七神が送ってきた普段から真面目にしていない生徒達が真面目になる様にのご褒美は無しだ。
普段から真面目にしている生徒達が真面目に頑張った結果、報われるという結果に終わるのが俺はいいと思っている。正直者がバカを見るって言うんだったら、嘘つきは賢くなるって話か?確かにそれはそうだけど、それが原因でロクでなしが年々増えてるからな。
「しかし、先生。真面目な生徒達へのご褒美はどうするのですか?」
「そこだな……浦和はなにかしてほしい事はあるか?」
「……」
「どうした?」
「先生にとって、私は問題児ではないのですね……あんな事までさせておいて」
「お前は色々と疲れているのと現実を理解していないだけで真面目な生徒ではあるからな」
真面目にしている生徒にはご褒美をあげるという事でご褒美について考えるが浮かばない。
何時もの様にご飯を作ればと思ったが、それだと今までと変わらない。なんか知らんが、出されたご飯がステータス扱いされている時代だからな。
浦和になにかないかと聞けば、自分の意見を採用するのかと驚いていた。
なにを驚いてんだと思っていれば浦和の中じゃ自分が問題児だと自覚していて俺は渋々呼び出してる感じのカウントだった。
「いいか、本当の問題児ってのは阿慈谷みたいなのを言うんだ。お前は漫画とかに出てきそうなちょっとエッチな誘惑をしてくるからかい上手のピュア乙女であって、どう頑張っても問題児度合いで阿慈谷を越えることは不可能なんだ」
「先生はヒフミさんをなんだと思っているんですか!?」
「普通に問題児で、クビを切るならとっとと切れよとは思ってる」
自分のことを平凡とか普通とか言っているが、くっそ問題児だからな。
平凡とか普通とか言うのならば、本当に目立たねえんだ。浦和はなんか色々と疲れてるんだとはっちゃけているだけで色々と計算高い女で、真の問題児である阿慈谷には絶対に勝てない。
「先生から欲しいものですが……やはり、先生から熱い熱いアレを。私の」
「浦和……またしたいのか?」
「っ!?……い、いえ、申し訳ありません」
ちょっとエッチな誘惑をしてくるからかい上手な女子生徒的な感じであるが俺は引っかからない。
猥談をするという事は別に構わねえし下ネタ耐性は普通に持っているから……ただまぁ、あんまりにも度が過ぎているからと1回、罰を与えたらそれ以来は下ネタが引っ込んだが定期的に復活する。
「で、なにが欲しいんだ?」
「…………その、抱き締めてほしいです」
「……一応は言っとくが、セクハラとかくだらない下ネタとか無しだからな。言った場合は再びアレを付けるからな」
ハグをしてほしいと頼んできたのでそれを承諾した。
くだらない下ネタとかセクハラとか言い出したらまた妊婦体験の時にお腹に付ける道具を付けて1ヶ月間生活するという罰を与えるから。
浦和は抱き締めてほしいと言っているので抱き締めた。
ギュッと強く抱きしめていてとても満足そうにしている……頭を撫でるとかそういうのはしない。
「……」
「……」
浦和が満足するまでは離れない。
どれくらいするんだろうと思っていれば……まさか30分もハグをすることになるとは思っていなかった。心無しか浦和の肌艶が良くなっている気がするが、それは気の所為だと思う。
「取りあえず、真面目にしている生徒にはハグでいいか……っと、そろそろ第十二回黒崎嫌がらせ会議をしないと」
真面目に頑張っている生徒にはハグをする、取りあえずはこれで上に通すことにした。
ハナコが下ネタ言ったりからかっているのでキレて妊婦疑似体験で付けるアレをつけた結果、周りの視線が死ぬほどキツくてギブアップして下ネタを控えた感じです