「会いたかったぞ
「忘れてくれても良かったのに!」
ガキッと私のワンピースブレードと悪魔将軍の大槍が激しくぶつかり、火花を散らす!
身体が浮く、馬上槍と歩兵の剣じゃ、話にならない!が!燃えちまえ!
吹き飛ばされながらも、高温化した剣は大槍そのものにダメージを与える。
「ぬうっ?」
煙を上げる槍を見て、悪魔将軍マイヤー伯はニヤリと笑う。
「流石は
そう言うなり、大槍を馬具に括り付け、剣を持って馬から降りた。こっちとしても馬には恨みも何もないから、助かる。
「で、何をしに態々こんな所まで?」
「なに、儂から大槍を取り上げた戦士が、更に成長したと聞いたから遊びに来たのよ!」
あーこいつ、アルベルトの親父だ、やっぱり!!
「ただいま立て込み中でして、おもてなし出来かねますので、とっととお帰り下さいませ!」
「何を言う!こんな良い
ああもう、あんたの為に用意してないわよ!
「ちょっと、ちょっと待ち給え!その勝負、少し待てぇ!!」
あ、王太子殿下。うわ、殿下の持っている聖剣、聖霊様の力がこれでもかと込められているわ。眩いばかりの光に包まれている。
「おおっ!それが伝説に聞く聖剣、と言う事はお主が今世の聖王か!」
「聖王とかどうとかは知らん!だが、既に勝敗は着いた、双方共に矛を収めよ!」
殿下の言う通り、周囲の兵士達は皆武器を捨てて蹲り、こちらを見ている。完全に戦意喪失している。
「聖王の言葉となれば耳を傾けん事もないが、元より儂はこの戦に参戦するつもりはない!ただ
無茶苦茶だ。どいて貰っただけで、何人死んだんだよ!と悪魔将軍が来た方向を見ると、飛ばされた兵士は居ても、皆まだ動いている…?殺してないの?
「この程度で死ぬ奴など、戦士の風上にも置けん!殺してやった方が本人の為だろう!」
やっぱり無茶苦茶だー!!
周りの兵士達もあれが悪魔将軍かと、恐れ慄いているじゃん!
「と言うわけで!儂はこの娘と一手所望する!なに、殺しはせん、息子の嫁だからな。叩きのめして、連れて帰るだけよ!」
はい、誘拐宣言来ましたー!
「だから!安々と誘拐されて溜まりますか!」
「ならば足掻いてみせろ
マイヤー伯は大剣を振るい、袈裟懸けに斬り掛かってくる。本当に殺すつもりないんでしょうね!?
あちらがリーチもあり剣も長い。懐に飛び込めば勝つ、と言うか燃やしちゃうんだけど、意外と技巧派で全然近付けないのよ!
それにギンギンと数手打ち合うと分かるが、その上で技量がどうとか言うレベルではない。経験だ。余りにも実戦経験が違い過ぎる。こちらの攻め手が尽く初動で潰される。
「ちょっと待ったぁ〜!!このクソ親父ぃ〜!!」
そこへ咆哮を上げながらミサイルみたいな速度で突如参戦した男、言わずと知れたアルベルトだった。軍馬から飛び降り、その勢いを使って大槍を振り下ろした!
しかし、あっさりマイヤー伯に弾かれる。
アルベルトは勢い余って地面に転がるが、その勢いのまま素早く回転して立ち上がった。あの様子では、無事にお嬢様から治療を受けたな。良かった!
「ふん!アルベルトか。貴様、自分の女を儂と戦わせておいて、何処で昼寝しておった!」
「はっ!俺がちょっと寄り道してる間に、レイナにちょっかいかけるナンパ親父に言われたくないぜ!」
「ほざきよる!まあ、よい!二人してかかってこい!格の違いを見せてやるぞ!!」
大剣を構え、こちらに向き直るマイヤー伯。
アルベルトと共闘するなら、炎のドレスの制御をせねば!
実はさっきから、制御をしようと躍起になっていたのだ。ドレスの温度そのものは下げられない。炎が消えると私の社会的立場も消える。
しかし周りに影響を与えているのは炎からの輻射熱。炎の聖女なのだ、身に纏う炎はそのままに輻射熱だけ制限!科学的に無茶な気もするけど、そもそも千度を超える物を持っても平気なのが非科学的なのだ!
………失敗………失敗、おっとドレスが消えかけた!ヤベッ……失敗、くうっ!………………成功!
「よっしゃ!行くよアルベルト!」
「おうよ、レイナ!」
この戦の最後の決戦が、とうとう幕を切ったのだった!
何故に、王族軍と貴族派閥軍の戦いの決戦が、隣国の親子喧嘩なのかは横に置いといて!!