続きました。かなり気分で書いてるので、更新はまちまちになりそうです
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「それで?私たちを"シャーレ"に連れてってどうするつもりなのよ?」
ユウカがリンへそう訪ねる。私たちは今、「シャーレ」に向けて車を走らせていた。
「先ほども説明しましたが、現在シャーレ付近では、矯正局を脱走した生徒を中心に暴動が起こってるそうでして……私たちは先生をそこへお連れしなければならないのですが、暴動が起きている以上はそれを退けなければ"シャーレ"に近づくことはできません」
「ですので、各校でも高い実力を発揮されてる皆様に、その暴動を止めていただこうと思いまして」
「ですが、それは本来ヴァルキューレの管轄なのではないでしょうか?我々が対処しなければならない理由があるのでしょうか……」
ハスミからごもっともな質問が飛んでくる。「ヴァルキューレ」というのはキヴォトスにおける警察組織、暴動なんかは、本来彼女たちに任せておけばいいものだ。
「……ご存知の通りですが、今現在キヴォトスの治安は過去最低とも言っていいほど悪くなっています。そのため、ヴァルキューレは治安悪化によって増発する事案を対処し続ける必要がありまして……わざわざこちらにまで割ける人員がいないんです」
ヴァルキューレにはヴァルキューレなりの優先順位がありますから、とリンは付け加える。
「だから私たちに依頼する、と。……確かに、仕方ないことではありますね……」
「ええ、ハスミさんは正義実現委員会の副委員長で戦闘経験も豊富ですし、チナツさんも風紀委員会で支援役を務めていると言っておりますので。スズミさんは、普段から"自警団"として治安維持に携わってくれていますし……戦力としてはかなり期待できる方々だと思いまして」
「……ですが、ユウカさんとマナミさんは普段は事務職をやってらっしゃるそうですので……あまり無理はしなくても大丈夫ですよ」
(事務職、ね……まぁ末席が何してるかは把握してるわけないか)
「だ、大丈夫よ!私も少しくらいなら自信はあるんだから!」
「右に同じくです。ま、やるからにはちゃんとこなしますよ」
「ふふ、頼りになりそうで良かったです」
「……さて、そろそろ見えてくるはずですが……」
ドドドドド
「行くぞー!!連邦生徒会の連中に目にもの見せてやるんだー!!」
「……とまぁ、ご覧の有り様というわけですね」
「私たちの出番って事ですよね?んじゃ、始めますか」
そう言い終わると、車を停めて全員が降り、各々の武器を手にかけて戦闘準備を始める
「さっさと終わらせて、セミナーに報告に戻らないと……」
「ここにいる全員が上に事の顛末を報告する義務がありますからね……あ、自警団にはそういうのは無いんでしたっけ」
「そうですね……」
「……なんでもいいんで、皆さん始めません?」バババッ
「そうねって痛…ッ!?あいつら撃ってきたわよ!!」
「伏せてください、ユウカ。今は先生が一緒ですので、その点に気を付けなければ」
「……先生を守るのが最優先、建物の奪還は二の次って感じですかねぇ」
「ハスミさんとマナミさんの言う通りです。先生はキヴォトスの外から来た方ですので……私たちとは違って、弾丸一つでも命の危機にさらされる可能性がありますから」
「分かってるわ……先生!先生は戦場に出ないでください!!私たちが戦ってる間は、安全な場所にいてくださいね!」
「その事なんだけど……この戦い、私に指揮を任せてもらってもいいかな?」
「え、ええっ?戦術指揮をされるんですか?まぁ……先生ですし……」
「分かりました。これより先生の指揮に従います」
「生徒が先生の言葉に従うのは自然なこと、ですね。よろしくお願いします」
「やる気十分みたいですねぇ、スズミさんもそれで構いませんよね?」
「ええ、勿論です」
「……よし!じゃあやってみましょうか!!先生、指揮をお願いします!!」
「うん、任せて!」
「ユウカはシールドを使ってタンク役をお願い、出来るだけ相手の注意を引いて」
「分かりました!」
そういうと、ユウカは懐から機械を取り出してシールドを貼り、敵に向かって突き進んだ。
「……私に攻撃が命中する確率は、かなり低いッ!」
「おわっ!?なんだこいつ!!う、撃てーェ!!」
「狙い通り、ユウカに注意が向いてるね。スズミ!君はユウカの少し後ろから攻撃して!注意が向いてる間に仕留めるんだ!」
「任せてください!」
銃弾が飛び交う中、スズミはユウカの少し後ろまで進み……
「これは痛いですよ!!」
懐から閃光手榴弾を取り出し、ユウカに気が逸れている敵の真ん中へ──放り投げた。
「なん──ッ!?ぐわッ……」
手榴弾はその場で弾け、閃光と破片がその視界と体力を奪う
「いい調子!ユウカとスズミはそのまま前進!!ハスミとマナミは今の集団の撃ち漏らしをお願い!!」
「承知しました」「りょーかいです」
武器を手に取り、敵に照準を定めながらハスミさんに話しかける。
「あー、結構撃ち漏らしがいますねぇ……ハスミさんどっち狙います?」
「では私は右の3人を、左の4人は任せましたよ?」
「うげっ……分かりましたよ……」
「そう大変でもないですよ。貴女の腕なら"アレ"を使えば楽なのでは?」
そうハスミが視線を向ける先に、"いいもの"があった
「ん、あ~……なるほどです。確かにいいですね」
「では……攻撃します」ダァァァンッ
ハスミの放った弾丸は、真っ直ぐと敵へと飛んでいき
「まずい……こいつら強…グハッ……」バタッ
正確に、撃ち抜いた。
「目標、一名排除です」
「ひゅ~♪さすがですねぇハスミさん。それじゃ、私も……」
「やるからには、やりますか?」ドォォンッ
ハスミさんに続き、私も弾を撃った。だが狙うのは敵"ではなく"……
「クソッ……う、撃ち続けろ!!このままやられてたまっ…… バギッ なっ……!?」
「頭上注意ってね?」
巨大なお店の看板である。
ゴシャァァ
「よしっクリーンヒット~」
「さすがですね、腕は相変わらずのようです」
「言ったでしょう、やるからにはやるって!そっちも、終わったみたいですね」
「ええ、先に進みましょう」
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~シャーレ前~
シャーレ前には一人、不良が焦っていた。
「クソッ……せっかくここを占拠したってのに……何の騒ぎなんだ……?」
「た、隊長ー!!大変です!!」
「ど、どうした!?……もしかして、この騒ぎの事か!?」
「は、はい!!それが……連邦生徒会の連中が、攻めてきました!!」
「なっ……連邦生徒会が……?こんなクソ忙しいときになんであいつらが来るんだよ……」
「あらあら、丁度良いのでは?」
「……お前は」
「貴女たちは、連邦生徒会に恨みがあるのでしょう?その仕返しをするチャンスが回ってきたではありませんか」
「狐坂ワカモ……そもそもお前が発案したことだろ!!何とかしてくれないのか!!」
「はて……私はあくまでこの建物に用があるだけでして。連邦生徒会に恨みを抱いているのも、わざわざこのような大規模な暴動を起こしたのも……貴女たちなのでは?」
「ッ……貴様……!」
「あら、口の聞き方には気を付けた方がいいのでは?貴女程度、片手でも押さえ込めますので」
「クソッ……!」
「さて……連邦生徒会にどこまで出来るのでしょうか……お手並み拝見といきましょうか」
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「よし!順調ね!このまま進めば、シャーレは目の前よ!!」
「そうですね。……それにしてもなんだか、いつもより戦闘がやりやすかった気がします……」
「……やっぱりそうよね?」
「先生の指揮のおかげで、普段よりずっと戦いやすかったですね」
「なるほど……これが先生の力……まあ、連邦生徒会長が選んだ方だから当たり前、か……」
私たちは順調に敵を倒し、シャーレまであと少しのところとなった。
「首尾よく敵を鎮圧できれば、事後処理も楽なのですが……」
「しかし、敵がこのまま静かにしてるだけ。……とは思えませんね」
「そうですね……」
「このまま、ねぇ……」
(確かにそうだ。いくら順調に進めてるからといって、このまま敵がすんなり通してくれるとも……)
「先生、それと皆さん少しよろしいでしょうか?」
ふと、通信が入る。
「リンちゃん、どうしたの?」
「誰がリンちゃんですか……いえ、そんなことより」
「たった今、この事件の首謀者が分かりました」
「狐坂ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です」
「似たような前科がいくつもある危険な人物なので、気をつけてください」
「ワカモ……SRTの連中が捕まえたヤツじゃなかったですっけ?」
「去年の冬だったはずですね。あの時はこの辺も騒がしかったと正義実現委員会の方でも報告を受けてましたから」
「……!それより皆さん、気をつけてください。新手が見えましたよ」
「シャーレまであと少し!ここは突っ切るわよ!!」
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先生の的確な指揮もあってか、私たちは次々と現れる不良達もあっさりと対処できていた。
「よし、片付いてきたわね!」
「シャーレも、ようやくその姿見えましたね」
「……そうですねぇ、大量の不良達と一緒に、ですが……」
シャーレの入り口前には大量の不良達と、そのリーダーらしき人物が待ち構えていた
「来たぞーッッ!!連邦生徒会の奴らだ!!」
「"アレ"を持ってこい!!ここで何としても奴らをやるぞ!!」
不良が号令をかけると、何やらあわただしく動き出した
「皆さん!!相手が何かを準備しているようです……!」ゴゴゴゴゴゴ……
チナツが忠告すると同じくらいに、奥から何か大きなモノが近づいてくる音がした
「あれは……先生に皆さん気をつけてくださいね、巡航戦車ですよ……!」
「クルセイダー1型……!私の学園の制式戦車と同じ型です」
「不法に流通されたものに違いないわ!PMCに流れたのを不良が買い入れたのかも!」
「つまりガラクタってことだから、壊しても構わないわ!!行くわよ!」
「……連邦生徒会、ここで会ったが百年目だ。お前たちに屈辱を味わわせてやる……!」
「それに、だ。相手はアタシたちだけじゃないんだぞ?」
「……なんですって?」
リーダーの言葉にユウカが問いかけたときに、何者かが物陰から私たちに向けて飛びかかり攻撃を仕掛けてきた──ワカモだ。
「うふっ、ごきげんよう連邦生徒会の子犬たち」
その牙が向かう先は
「……よりにもよって標的が私ですか……?」
「……ッ!マナミ!!」
「私の事は置いといてください先生!それより不良達と戦車を!」
「んじゃ、ちょっと場所変えますか……っと!!」ブォンッ
「……ッ!」
すかさずワカモの服を掴み、力任せに少し離れた広場へ放り投げる
「そらっ!!」
着地の隙を逃さないように銃を数発撃ち込む。しかしワカモは、空中で身を翻し弾を避けて着地した
「さぁ、戦いましょうか?」
「こりゃあちょっと予想外かなぁ……」
私の最悪な1日は、まだ始まったばかりのようだ
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