インフィニット・ストラトス 受け継がれる光の絆 作:ジーク・フリューゲル
休日、一夏は広場の噴水の前にいた。数日前雪音にデートしてと言われ一夏はそれを承諾した。主治医の先生に話したら「楽しんできてくださいね」と言われ難なく外出許可をとれた。
「お待たせ、一夏」
すると雪音がやってきた。服装は白いワンピースのドレスで、肩には小さなポーチをかけていた。
「待った?」
「今来たところ」
「本当は?」
「10分前くらい」
「正直でよろしい♪」
「じゃあ行くか?」
「うん。その前に」
雪音は手を出した。
「手、繋いで」
「・・・わかった」
一夏は雪音の手を握った。二人は歩きだした。
二人が最初に行ったのは最近出来たばかりの動物園と水族館が一体になった施設である。
「最初どっち行く?」
「う~ん、動物園の方」
「わかった」
二人は動物園の方に行った。動物園には様々な動物がいた。
「ごめんね、一夏」
「ん?」
「一夏と初めて会ったの動物園なのに、その時の事よく覚えてなくて」
「いいよ別に、気にしてないから」
そう言いながら二人は動物をみて回った。ライオン、ゴリラ、ゾウ、キリン
トラ
「赤ちゃんと一緒だ」
「トラ・・・箒だな」
「くしゅん!・・・誰かが噂してるのか?」
ヒョウ
「木の上で寝てるね」
「鈴だな」
「くしゅん!・・・誰?噂してるの」
クジャク
「綺麗だね」
「セシリアだな」
「くしゅん!・・・誰ですの?私の噂をしてるのわ」
アルバカ
「普段は大人しいけど怒らせると怖いよ」
「言いたくはないけど・・・シャルだよ」
「くしゅん!・・・今失礼な事言われた気がする」
ウサギ
「可愛いね」
「ウサギは・・・ラウラだな」
「くしゅん!・・・誰かが私の噂をしてるな」
ワシ
「カッコイイね」
「アレは・・・千冬姉だな」
「くしゅん!・・・・誰だ?私の噂をしてるのわ」
「一夏さっきから何言ってるの?」
「いや・・・何か例えたくなっちゃって」
二人は次に水族館に行った。
色々な魚を見て回ってイルカショーを見た。イルカがボールを使ってショーをしていると。
「うお!?」
イルカが尻尾でボールを飛ばしそのボールが一夏に向かって飛んできた。一夏はそのボールを受け止めた。
「ふふっ」
それを見た雪音は面白そうに笑う。
「笑うなよ・・・」
一夏は笑いながら言った。
それから昼食をとり、ショッピングモールで買い物をした。そして最後に町を見渡せる展望台に行った。
「綺麗だね」
「ああ」
二人は展望台から夕暮れの街を見ていた。
「一夏」
「ん?」
「手、出して」
雪音に言われ一夏は手を出した。雪音は握っていた手を重ね開くと一夏の掌に鳥のキーホルダーがあった。
「これ、手作り?」
「お守り。カンバレクイナ君」
「わざわざ作ってくれたのか」
「うん」
「じゃあ俺からも」
一夏はポケットから鈴のついた髪飾りを取り出し雪音の髪に飾った。
「に、似合う?」
「ああ。凄く似合ってる」
それを聞いて雪音は頬を赤くした。
「それから、もう一つあるんだ」
「?」
一夏は雪音から少し離れると白式を展開した。
「よっと」
「わ!?」
一夏ははお姫様抱っこをして抱きあげた。
「勝手に使っていいの?」
「許可はもらっている。行くぞ」
そう言って一夏は飛んだ。雪音は途端に目を瞑った。
「ほら、見てみろよ雪音」
一夏の言葉に雪音は目を少しずつ開けた。完全に目を開いて見た景色に驚いた。
「わぁ・・・」
初めて見た空から景色。夕焼けに照らされる町、そして海。
「この景色を見せたかったんだ」
「私に?」
「ああ」
一夏は見せたかったのだ。自分の見ている景色を。
「ありがと、一夏」
「ん?」
「飛び立てない私に翼をくれて」
「・・・うん」
雪音の言葉に一夏は笑顔で答えた。それからしばらく飛び続けた。
飛び終わる頃には夜になっていた。一夏はゆっくりと展望台に降りた。雪音を下すと、一夏は白式を解除した。
「ありがとう、一夏」
「どう致しまして」
雪音は一夏にお礼を言った。
「じゃあ帰るか」
「待って、一夏」
一夏は呼び止められ振り返った瞬間
「・・・!?」
一夏は自分の唇に雪音の唇が重なっていることに気付いた。最初は混乱したが、しだいに状況を理解して雪音の肩に手をかけた。
しばし口付けを交わす二人。
やがて二人は離れ、雪音は自分の唇に指を当て、雪音は笑顔でそう言った。
「私、信じている。一夏なら、きっと守ってくれるって」
うまく行けば後2話でファウストが終わる。