インフィニット・ストラトス 受け継がれる光の絆   作:ジーク・フリューゲル

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結構精神にくる。



Episode.38 人形 -マリオネット-

デートの翌日、一夏は他の専用機持ちと1対5の模擬戦をしていた。既に4人がやられていた。

 

「はっ!」

 

箒は攻撃を仕掛けるが一夏はそれを防ぎゼロ距離で荷電粒子砲をカウンターで打ち込んだ。箒のシールドエネルギーは0になった。

 

『勝者、織斑一夏』

 

 

 

 

 

「全然勝てなかった・・・」

 

更衣室で鈴が呟いた。

 

「五人がかりで倒せないなんて」

「強すぎますわ」

 

シャルロットとセシリアも呟く。

 

「まあアイツがウルトラマンだと言えば納得だがな」

 

ラウラの言葉を聞いて三人は黙り込んだ。

 

「私達は・・・強くなれたのだろうか?」

「なってるよ・・・。少しずつ、確実に」

 

箒の疑問にシャルロットが答えた。

 

 

 

その頃、一夏は着替え終え、更衣室の椅子に座っていた。

 

「雪音・・・」

 

一夏はガンバルクイナ君を見ながら昨日のデートを思い出していた。その時、一夏の携帯が鳴った。一夏は携帯の画面を見るとノイズが走っていた。ノイズの中から文字が浮かび上がった。

 

 

 

    オ前ハ大切ナ者ヲ失ウ

 

 

 

その文字を見た時、一夏は嫌な予感がして立ち上がり、更衣室を出た。

 

「おい一夏!何処へ行く!」

 

ちょうど出てきた箒が呼び止めたが、一夏は無視した。

 

 

 

その頃、雪音の病室を赤い光が覆う。目覚めたリコは立ち上がり、ゆっくりと窓へ向かってブラインドを開けた。

 

『お前は・・・人形』

 

「誰?」

 

どこからか女の声が聞こえ、雪音は振り向くが誰もいなかった。

 

『私が作った・・・人形だ』

 

「誰・・・?」

 

雪音は窓ガラスを見ると、後ろにファウストがいた。

 

 

一夏は病院に着くと、すぐに雪音の病室に向かった。

 

「雪音!」

 

一夏は雪音の病室の扉を開けて入るが、病室のベッドには雪音はいなかった。

 

「っ!」

 

一夏は病室を出て走り出した。

 

 

 

その頃雪音は以前住んでた家の前にいた。

 

「ただいま・・・」

 

小さく呟いて玄関を開けるが家の中は暗く、誰も出てこなかった。雪音は恐る恐るリビングの扉を開けた。

 

「お帰り、雪音」

 

扉を開けると母が雪音を出迎える。

 

「思ったより早く退院できたじゃないか」

 

父も出迎えてくれた。

 

「うん・・・」

 

雪音が涙を流しながらリビングに入っていく。

 

「どうしたの?何かあったの?」

「ちょっと・・・、怖い事が・・・」

 

涙を拭う雪音の体を母が優しく抱きしめる。

 

「可哀相に」

「大丈夫、もう何も怖い事なんて無い。私達家族がいるんだから」

 

家族の優しい言葉に雪音は笑顔を取り戻していく。

 

「そうだよね。私にはこんな素敵な家族がいるんだもん・・・」

 

 

 

一方一夏は、雪音がいそうな所を手当たり次第に探していた。

 

「はあ・・・、はあ・・、雪音」

 

 

 

 

優しい家族に囲まれ、雪音は幸せな一時を過ごしていた。

 

「そう言えば、雪音が話してくれる彼は元気?」

「一夏のこと?」

「そう」

 

母が一夏について尋ねてきた。

 

「うん。この頃あまり会えないけど、元気にしてるよ」

「確かIS学園の生徒だったね」

「うん」

「もてるでしょうね、雪音の彼氏」

「一夏一人だもん、きっともててるよ」

 

あまりにも幸せな一時。

 

「あれ・・・?」

 

リコの笑顔が硬まる。

 

「一夏って・・・誰だっけ・・・?・・・私は・・・」

 

雪音が気付くと周りには父も母もおらず、家具も無く暗く寒々しい部屋になっていた。

 

「私・・・、どうして独りぼっちなの?」

 

周りを見渡す雪音。

 

「お母さん?お父さん・・・?どこ?」

 

家族は誰もいない。

 

「・・・怖いよ・・・・」

 

震え、身をすくめる雪音。

 

「皆、私だけ置いてどこ行っちゃったの・・・」

 

誰も、いない。

 

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

絶叫する雪音。そして後ろを振り向き、そこには鏡があった。雪音は鏡に近づくと自分の姿が映った。しかし鏡に波紋が走ると雪音の姿はファウストに変わった。

 

「化け物・・・」

 

次の瞬間、ファウストが鏡の中から出てきた。ファウストは雪音に近づいてきた。

 

「来ないで・・・。来ないで・・・!来ないでええええ!!」

 

 

 

一夏は雪音がいそうな最後の場所を目指して高架下を走っていた。

 

「雪音・・・!」

 

一夏は走っていると前に光弾が飛んできた。一夏は脚を止めた。

 

「ファウスト・・・!」

 

目の前にファウストが立っていた。

 

『貴様を此処から先へは進ませない』

「何?」

 

一夏はファウストの言った言葉に疑問を持った。

 

「この先に雪音がいるのか?」

『だったらどうする?』

「そこを・・・、どけ!」

 

一夏はエボルトラスターを抜き前にかざし光に包まれネクサスへとなった。ネクサスは左腕をエナジーコアに当てジュネッスに変わった。

 

「シュア、フアアアァ、シュア!」

 

ネクサスはフェーズシフトウエーブを天に向かって放ちメタフィールドを形成した。ネクサスとファウストはメタフィールドに消えた。

 

 

しかしその光景をフードを被った人物が見ていた。

 

 

 

メタフィールド内ではネクサスがファウストを探していた。辺りを見回すがファウストの姿はなかった。

 

『フ!?』

 

ネクサスは上を見るとダークスラスターが降ってきた。ネクサスはバク転して避け、上へ逃げようとしたが、ファウストに捕まり地面に押し倒された。

 

『私は影。お前が存在する限り、私が消える事は無い!』

 

ネクサスはすぐに起き上がり蹴りを放つが、ファウストに掴まれ投げられた。立ち上がろうとするがファウストに蹴られた。

 

『ここなら勝てると思ったか!』

 

ファウストはネクサスを掴み、立たせるとパンチを撃ちみ投げ飛ばした。

 

『そろそろ楽にしてやる!』

 

ファウストは腕を前にだし広げ、エネルギーを溜めた。そして腕を突き出し必殺技、ダークレイ・ジャビロームを撃った。ダークレイ・ジャビロームはネクサスに直撃した。爆発がネクサスを飲み込む。

 

『他愛もない』

 

ファウストはその場を去ろうとした時、爆発が止むとネクサスが立っていた。

 

『何!?』

 

ファウストは驚いた。ネクサスはエナジーコアにエナルギーを溜め、コアインパルスを撃った。

 

『ヌアアアアアアアアアアアッ!』

 

コアインパルスはファウストに直撃し、ファウストは吹き飛んだ。

 

『まさか・・・、これ程の力をあったとわ・・・』

 

ファウストはそう言い残し、姿を消した。ネクサスは膝をついた。

 

 ピコン、ピコン、ピコン

 

エナジーコアが点滅した。ネクサスは消え、メタフィールドが消滅した。

 

 

 

「はあ、はあ・・・」

 

元の世界に戻り、一夏は膝をつき息を荒くした。

 

「・・・雪音・・!」

 

一夏は立ち上がり、走りだした。

 

 

 

そして一夏はある場所へ着いた。そこは雪音が住んでる祖父母の家であった。インターフォンを押すし、しばらくすると雪音の祖母が出てきた。

 

「あら一夏君」

「お久ぶりです」

「ちょうどよかったわ。雪音の部屋が大変なことになっるの」

「大変なこと?」

 

一夏は家に入り、雪音の部屋へ案内した。

 

「此処が雪音の部屋よ」

 

祖母はそう言って去って行った。一夏は雪音の部屋に入った。

 

「これは・・・!」

 

一夏は雪音の部屋を見て驚愕した。部屋には絵が床に散らばり、壁に貼ってあった。しかしその絵は一夏の知っている動物や花の絵ではなく、禍々しいビーストの絵であった。

 

 

 

 

雪音は森の中を涙ながらに歩いていた。

 

「教えて・・・、私は・・・誰?・・・誰なの?」

 

『お前は、誰でもない』

 

再び女の声が聞こえてきた。

 

「え・・・?」

 

『そう、お前は人形だ。何故なら、お前という存在は・・・、とっくの昔に死んでるからだ』

 

「私は・・・死んでる?」

 

 

その時、雪音のある記憶が蘇った。

 

 

『ただいま』

 

二年前、学校から帰ってきた雪音。

 

『お父さん?お母さん?』

 

しかし、返事はなかった。雪音はリビングの方に向かった。リビングに入ったその時

 

『ひっ・・・!』

 

雪音が見たものは血を流して倒れてる両親であった。リビングの床は血まみれになっていた。

 

『お父さん・・・?お母さん・・・?』

 

両親の傍にナイフを持った一人の女性が立っていた。

 

『誰・・・?』

 

恐怖に怯えた声で雪音は言う。女性は雪音の方を向き、近づいてきた。雪音は後ろへさがるが、脚を滑らせ転んでしまう。女性は銃を取り出した。

 

『お前には死んでもらう。あいつに憎しみを植え付ける為に』

 

女性は銃を雪音に向けると発砲した。雪音の目の前は血に染まった。

 

 

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 

森の中で雪音の悲鳴が木霊した。

 

 

 




次回、ついに奴が登場。皆さん、心の準備をしておいてください。作者はたぶん精神がやばくなるかもしれません。
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