インフィニット・ストラトス 受け継がれる光の絆   作:ジーク・フリューゲル

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今回、皆のトラウマのあいつが出ます。






Episode.39 別離 -ロスト・ソウル-

一夏は雪音の部屋の絵を見て佇んでいた。一夏は一枚の絵を手にとった。

 

「ビースト・・・」

 

ペドレオン、バグバズン、ラフレイア。一夏が戦ってきたビーストと、ネズミの様なビーストが描かれていた。一夏は左手を床につけた。

 

「・・・!」

 

その時、一夏の脳裏にこの部屋であった事が流れてきた。動物や花の絵が突然変わり、ビーストの絵に変わって行った。そしてその後、部屋に祖母が入ってきた。

 

「これは・・・」

 

『森へ来い』

 

後ろから声がして一夏は振り向いた。そこにはファウストがいた。

 

「ファウスト・・・!」

 

『あの女に会わせてやる』

 

「やっぱりお前が雪音を!」

 

『早く来ないと、女が死ぬぞ』

 

ファウストはそう言い残し姿を消した。一夏は立ち上がり、部屋を出ると雪音の家を後にした。

 

 

そんな一夏をフードを被った人物が電柱に隠れながら見ていた。

 

 

 

一夏はファウストが待っている森に着いた。森の中は霧が出ていた。

 

「雪音!何処だ!」

 

一夏は雪音を探していた。すると霧の中から人影が現れた。

 

「雪音!」

 

雪音であった。一夏は雪音に駆け寄り肩に手を置く

 

「大丈夫か?俺はてっきりお前が殺されたかもしれないって・・・」

 

雪音が生きていた事に一夏は喜ぶが、雪音は冷たい表情で一夏の手を振り払った。

 

「殺されたよ・・・」

「え?」

「私も・・・私の家族も・・・、殺されたのよ・・・」

「どう言う事だ?雪音は此処にいるじゃないか」

 

一夏は雪音の言っている意味が判らなかった。

 

「さっきも言ったよ・・・? 私、殺されたんだよ・・・。人形として、利用される為に・・・」

 

そして雪音の顔に別の顔が重なり、雪音はその重なった顔、ファウストの顔へと変わっていった。

 

『私はファウスト。光を飲み込む、無限の闇』

 

雪音の姿はファウストに変わった。

 

「雪音が・・・ファウスト・・・?」

『そうだ。貴様は今までこの女と戦っていたのだ』

 

それを聞いて一夏はある事に気付いた。雪音の右足首の傷、それはネクサスがパーティクルフェザーでファウストにつけた傷であった。

 

『貴様も闇に飲まれろ』

 

しかし一夏は目の前の現実を見て余計な考えは捨てた。

 

「・・・なら俺は、その闇を打ち払って雪音を取り戻す!」

 

エボルトラスターを掲げてネクサスに変身。それに対抗してファウストも巨大化した。

 

 

 

森の中でその光景をフードを被った人物が見ていた。

 

「始めようか、デスゲームを」

 

フードを被った人物は不敵に笑った。

 

 

 

 

「シュア」

 

ネクサスは左腕をエナジーコアに当てジュネッスに変わった。

 

「シュア、フアアアァ、シュア!」

 

ネクサスはフェーズシフトウエーブを天に向かって放ちメタフィールドを形成した。

 

「フ、フア!」

 

しかしファウストがダークシフトウエーブを放ち、ダークフィールドに塗り替えた。

 

『フア!』

 

ファウストはパンチを放ったがネクサスは防ぎ、次に放たれた回し蹴りを避けられた。

 

『如何した、反撃しないのか?』

 

ファウストの言う通り、ネクサスは反撃をしなかった。

『来なければこっちから行くぞ!』

 

ファウストはネクサスの腹部にアッパーを撃ちこみ、上空へ飛ばした。ネクサスは上空で体制を立て直し、マッハムーブでファウストの後ろに回り込んだ。ネクサスはパーティクルフェザーを放とうとしたが躊躇った。頭では判っているが、雪音を傷つけたくないと言う思いが、ネクサスの心を揺るがしていた。

 

『やはり脆弱だな』

 

ファウストはダークフェザーを放ち、ネクサスに直撃し後ろへ倒れた。ファウストはネクサスに近づき首を掴み地面に抑えつけた。ネクサスは拘束を解こうとファウストの首を掴んでる腕を掴んだ。

 

『今日こそ貴様を倒し、私の一部として取り込む。さらに無敵となる為に!』

 

ファウストはネクサスのエナジーコアを掴み、光を吸収していった。

 

 ピコン、ピコン、ピコン

 

エナジーコアが点滅を始めた。

 

『ゆ・・・きね・・』

 

ネクサスは苦しそうに雪音の名前を呼んだ。

 

『・・・シェア!』

 

ネクサスはファウストに蹴りを入れ吹き飛ばし拘束を解き、立ち上がった。

 

『雪音・・・目を覚ませ!』

 

ネクサスはパンチを放つと同時に、ファウストもパンチを放った。互いにパンチがすれ違い、クロスカンターの様に互いの顔に直撃した。

 

『ジィア!』

『フア!』

 

直撃した二体は互いにタメージを受け、膝をついた。ファウストが立ちあがったその時

 

『ウ・・・・ウアアアアッ!』

 

ファウストが頭を抱え苦しんだ。ネクサスは何が起きたか判らなかった。苦しみが治まるとファウストは頭を上げた。

 

『一・・・夏・・』

 

ファウストが行き成り、一夏の名前を呼んだ。

 

『雪音!』

 

ネクサスは叫び、立ち上がった。雪音の意識が戻ってきているのだ。

 

『一夏・・・』

 

ファウストは一夏の名前を言いながら、少しずつ近づいた。しかし・・・

 

『・・グア・・・!』

 

突如、ファウストが動きを止めた。よく見るとファウストの腹部を爪の様なものが貫いていた。それが抜かれ、ファウストは光を流しながら倒れると後ろに一体の怪物がいた。

 

フィンディッシュタイプビースト・ノスフェルデある。

 

『グアアアアアアアッ!』

 

 

 

 

「お前はもう用済みだ」

 

フードを被った人物が呟いた。その手には黒い槍の様な物が握られていた。

 

「行け、ノスフェル」

 

 

 

 

ノスフェルは爪にエネルギーを溜めると光弾、アームボウル・マキシマムをネクサスに放った。

 

『グアッ!』

 

ネクサスはそれを喰らい倒れた。ノスフェルはネクサスに近づいた。

 

『ファ・・・ファ・・・グア・・』

 

ネクサスは立ち上がろうとしたがダメージのせいで立てなかった。そしてノスフェルが近くに来た。

 

『グアアアアアアアッ!』

 

ノスフェルは爪を振りおろした。ネクサスは顔を伏せたが爪は振りおろされて来なかった。ネクサスはゆっくりと顔を上げた。

 

『フアッ!?』

 

ネクサスは見た光景に驚いた。

 

 

 

 

「何!?」

 

フードを被った人物も驚きを隠せなかった。

 

 

 

 

ネクサスの見た光景は、ノスフェルを背後から羽交い絞めにしているファウストであった。背中からは光が流れだしていた。

 

『一、夏を・・・・殺させない!』

『雪音!?』

 

雪音の意識が戻り、一夏を守ろうとしていた。

 

 ピコン、ピコン、ピコン

 

ファウストのカラータイマーが点滅し始めた。

 

 

 

フードを被った人物は痺れを切らした。

 

「人形如きが!殺れ、ノスフェル!」

 

 

 

 

『グアアアアアアアッ!』

 

ノスフェルは振りほどくとファウストに爪で攻撃をした。

 

『グアッ!』

 

さらにもう一撃

 

『グハッ!』

 

そしてトドメ

 

『グアアアアアアアッ!』

 

ノスフェルの爪はファウストの胸を貫いた。

 

『グア・・・ア、ァ・・・』

 

爪を抜くとファウストの胸から大量の光があふれ出し、後ろへ倒れた。

 

 

『雪音エエエエエエエエェェェ!』

 

ネクサスは叫んだ。ノスフェルはネクサスの方を向いた。

 

『・・・・・』

 

ネクサスは顔を下げ静かに立ち上がった。

 

『グアアアアアッ!』

 

ノスフェルはアームボウル・マキシマムを放つがネクサスは片腕で弾いた。

 

『ウオオオオオオオオ!』

 

ネクサスは顔を上げ、こみ上げてくる怒りを解放しノスフェルに突っ込んだ。ノスフェルはアームボウル・マキシマムを放つもジャンプして避け、顔面にキックを撃ち込んだ 。ノスフェルは爪で攻撃してきたが、アームドネクサスで爪を破壊された。

 

『ジィア!』

 

ネクサスの猛攻は終わらなかった。パンチ、裏拳、エルボー、回し蹴り、アッパーを連続で放った。そしてノスフェルを掴むと投げ飛ばした。

 

『シュアアァァァ・・・ヘァ!』

 

ネクサスはクロスレイ・シュトロームを放ち、ノスフェルに直撃した。ノスフェルははそれを喰らい爆発した。

 

『・・・・・』

 

ネクサスはファウストの方に駆け寄り、抱きかかえた。ダークフィールドは消滅し、元の空間に戻った。

 

 

 

 

 

 

「雪音、雪音!」

 

森の中、涙を流しながら雪音を抱え名前を呼び続ける一夏。胸や腹部からは血が投がれていた。

 

「死ぬな!死んじゃ駄目だ!雪音・・・、雪音・・・! 雪音!!」

 

一夏の必死の呼びかけに雪音はゆっくりと目を開た。

 

「雪音!」

 

雪音は弱々しいながらも笑顔を向けた。

 

「一夏・・・。私・・・後悔なんてしてないよ・・・」

「え・・・?」

 

 チリンッ

 

雪音の髪飾りの鈴が鳴った。

 

「・・・つけてくれてたのか?」

「うん・・・。一夏・・・持ってる・・?」

「ああ・・・」

 

一夏はポケットからカンバレクイナ君を取り出した。

 

「私・・・楽しかった・・・。一夏と過ごした日々が・・・。一緒に動物や花を見たり・・・この前のデートや・・・、空から見た景色・・・。すっごく・・・楽しかった・・・。だから・・・、後悔なんてしてないよ・・・」

 

震える手を伸ばす雪音。一夏はガンバレクイナ君を持つ手でその手を掴んで力強く握り締める。

 

「もっと・・・、色んな事・・・、話したかったな・・・」

「俺だって・・・、まだ言ってない・・・。大事な事・・・・」

 

一夏はそっと顔を近づけ。そして雪音の唇に自分の唇を重ねた。やがて唇をはなし、一夏は言った。

 

「雪音・・・大好きだ・・・。愛してる・・・」

「・・・うん・・・。私も・・・一夏の事・・・愛してる」

 

一夏は告白した。雪音も自分の思いを伝えた。

 

「ごめん・・・ね・・・。一・・・夏・・・」

 

そう言い残して雪音はゆっくりと目を閉じていった。

 

 

「雪音?雪音!雪音ェ!!」

 

 

一夏は雪音の名前を呼び続けた。雪音の体から光の粒が浮かび上がって全身を覆っていく。そして雪音は光の粒となって、空へと消えていった。雪音が消えた空を見上げる一夏。自分の両手を見るが、そこに雪音はもういない。一夏の手からガンバレクイナ君が落ちる。

 

 チリンッ

 

鈴の音が鳴り一夏は雪音がいた場所を見た。そこには一夏がデートの時プレゼントした鈴のついた髪飾りがあった。一夏はそれを拾い見つめた。一夏は髪飾りを握り、涙を流した。すると空から光の粒が降ってきた。その一粒がガンバレクイナ君に落ち、ガンバレクイナ君が光った。

 

「雪音・・・・」

 

一夏は掌に光の粒を乗せた。光の粒はすぐ消えた。

 

「うおおおおおおおおおおっ!!」

 

一夏は地面を殴った。

 

『私、信じてる。一夏なら、きっと守ってくれるって』

 

デートの時雪音が言った言葉を思い出した。

 

「結局・・・守れてねえじゃねえか・・・・!」

 

一夏の言葉は森の中に小さく響いた。

 

 




ファウスト完結。自分なりに頑張りました。
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