インフィニット・ストラトス 受け継がれる光の絆   作:ジーク・フリューゲル

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彼女が一夏を引っ叩く。


Episode.41 苦悩 -アゴニー-

ノスフェルが出現した翌日、一夏は無断欠席した。セシリアは安静の為欠席である。

 

「ねえねえ、織斑君とオルコットさん如何したの?」

 

クラスの女子がラウラに聞いてきた。

 

「セシリアは昨日の戦いで重傷を負ってしまったのだ。一夏の方は判らん」

「そっか」

 

ラウラの言葉に女子は納得して去った。あの後、一夏は自分の部屋に閉じこもったままであった。

 

(昨日のアイツから感じたのは恋人を殺された怒りだけじゃなかった。他にも何か・・・)

 

ラウラが考えているとシャルロットがやってきた。

 

「ラウラ」

「何だ?」

「織斑先生が至急会議室に来いって。箒と鈴は先に行ってるよ」

「わかった」

 

ラウラは席を立ち、シャルロットと一緒に会議室に向かった。

 

 

 

 

一夏は寮の自分の部屋のベッドの上で頭を抱えて蹲っていた。カーテンを締め電気を消していて部屋は暗かった。

 

『グアアアアアッ!』

 

『僕はお前を許さない!』

 

 

脳裏にノスフェルと少年がフラッシュバックした。

 

「・・・っ!」

 

 

 

 

会議室には既に千冬、真耶、箒と鈴、そして車椅子に乗ったセシリアがいた。

 

「揃ったな。でわ始めるぞ」

 

会議室が暗くなりモニターが表示された。モニターにはノスフェルが映っていた。

 

「今回集まったのはこのビースト、コードネームノスフェルについてだ」

 

千冬がそう言うと真耶が説明を始めた。

 

「解析の結果、ノスフェルには再生器官があることが判明しました」

「再生器官?」

「本体が活動停止すると活発化し、急速に再生させる器官のことです」

「じゃあ倒されても再生するってことですか?」

「恐らく。昨晩出現するより前に織斑君、ウルトラマンによって倒されています」

「雪音を殺した奴ってことね」

「倒す手段わ?」

 

ラウラが質問した。

 

「スキャニングして調べた結果、再生器官は口にあることが判明しました」

 

モニターがノスフェルの口に切り替わった。

 

「口の中にある再生器官を破壊すれば再生はしません」

「じゃあ次にアイツがでたら口の中の器官を破壊して倒せばいいってことね!」

「ただ・・・」

 

鈴が張り切っていたが真耶は言葉を続けようとしたが千冬が変わった。

 

「こいつの口の中を狙うには相当な狙撃能力が必要だ。オルコットは戦闘には参加出来ない、そして何より今回は織斑の力を借りられない」

 

セシリアは前回の戦いで負った怪我が治っておらず、一夏は現在の状態から無理だろうと判断された。

 

「では今回は、ウルトラマン抜きで戦うと言う事ですか?」

「そういう事になるな。作戦はこうだ」

 

モニターを作戦図に切り替えた。

 

「篠ノ之、鳳の二名にで攻撃を行い、デュノア、ボーデヴィッヒのどちらかが狙撃で口の中の再生器官を破壊する。破壊した所で篠ノ之のストライクバニッシャーで倒すという作戦だ。質問は」

 

千冬は聞いたが誰も質問は無かった。

 

「では解散!」

 

会議が終わり箒達は部屋を出た。しかしラウラは箒達とは反対の方に行った。

 

「ラウラ。何処行くの?」

「ちょっと野暮用だ」

 

そう言ってラウラは歩いて行った。

 

 

 

 

 

一夏は部屋でずっと蹲っていた。

 

 コン、コン、ガチャ

 

するとドアを叩いて誰かが入ってきた。一夏は顔を上げるとラウラがいた。

 

「・・・食うか?」

 

ラウラはパンの入った袋を差し出した。

 

 

 

それから一夏はラウラから袋を取りパンを貪るように食べた。

 

「・・・ありがとう。昨日からろくに食べてなかったから」

「別に構わん。それより聞きたい事がある」

「・・・何だ?」

「お前、あのビースト事を知っていたのか」

「・・・・」

 

ラウラはノスフェルの事を聞いて来た。

 

「あの時お前から感じたのは恋人を殺された怒りだけではなかった。他にも何か別の物を感じた」

「・・・・」

「お前が前に言ったあの言葉、『大切な物を失って悲しむ人の姿を見たくない』。前にも同じ事があったのか」

「・・・・」

「どうなんだ?」

「・・・ちょうど今から一年前、ノスフェルはある兄妹を襲ったんだ」

 

一夏が話始めた。

 

「俺は戦った。でも、ノスフェルの攻撃が女の子に当たったんだ。その後俺は難とかノスフェルを倒した」

 

一夏は辛そうな顔でしゃべった。

 

「幸いにも女の子は一命を取り留めた。でも男の子が俺に向かって言ったんだ、『僕はお前を許さない!』って」

「・・・・」

「俺は、助けられなかった。『助けて』って叫び続けてる子を、俺は助けられなかった。だから決めたんだ、もう同じ悲劇は繰り返さない事を」

「だが・・・繰り返してしまった」

 

ラウラの言葉に一夏は頷いた。

 

「雪音を殺されてから、あの時の記憶が蘇るんだ。内側から怒りがこみ上げて来て周りが見えなくなっちまったんだ。そのせいでセシリアを」

 

一夏は顔を下げた。

 

「・・・俺は、もう・・・戦えない」

「・・・」

 

ラウラは立ち上がると一夏の前に立った。

 

「一夏」

 

 

 パンッ

 

 

「え・・・?」

 

一夏は顔を上げると、ラウラが一夏の頬を叩いた。

 

「いつまで後悔をしている!お前はそんな奴ではなかったろ!!」

 

ラウラは一夏の胸倉を掴んだ。

 

「かつてお前はこう言った!強さとは何だ、力とは何だ、何の為に戦うと!そしてお前は言った!

 強さとはけして諦めない事、力とは心、戦いは皆を守る為だと!そして目の前に何が立ち塞がろうと守 る為に前に進む、立ち向かう心だと!だが今のお前にはそが感じられない!」

 

「何が判るんだよ・・・。俺の何が!」

 

「判らん!お前の後悔なんど知った事か!だがこれだけは言わせてもらう、目の前に現実から逃げてるだけじゃ先には進めない!受け入れろ!受け入れて立ち上がれ!」

 

ラウラは一夏を放し、後ろを向いた。

 

「・・・それをふっ切れたなら戦場へ来い。そしてそれが終わったら皆に謝れ」

 

ラウラはそう言って部屋から出て行った。

 

「・・・・」

 

一夏は茫然と立ち尽くしていた。一夏は机に置いてあるエボルトラスターを見た。

 

 ドクン、ドクン

 

エボルトラスターが点滅していた。

 

 

 

 

 

 

ラウラは廊下を歩いていると通信が入った。

 

「こちらボーデヴィッヒ」

『ボーデヴィッヒさん、ノスフェルが学園外れに現れました。すぐに向かってください」

「了解」

 

ラウラは通信を切ると後ろを向いた。

 

「・・・必ず来い」

 

そう呟いてラウラは走り出した。

 

 

 




一夏はどう立ち上がるのか。ヒントはガンバレクイナ君
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