数多の世界のヤンデレ親友とのバッドエンドを見届けた俺、全ての記憶を引き継いでもう一週……え?!バッドエンドの方の親友達も記憶引き継いでるんですか?! 作:ハンノーナシ
評価もお気に入りもうなぎ登り……へっへ。
是非評価をおねげぇしますよ、旦那ァ!!!!
「さて、と。宿屋に着いた訳だが……」
「寝れない時は私に言え、添い寝でも絵本でも……♡」
「なんでモーリスさんがいるん?」
この展開、村でも見た気がする。
あの時は母の許諾が得れていたから出来た所業だが、予約していた部屋に他人が無断で押し入るのは王都の法に反している気がする。
俺は困惑しながらモーリスさんを見つめるが、モーリスさんは見つめられて恥ずかしそうに顔を赤らめるのみであった。
「いや、理由聞いてるんですよ!!!!」
「それは勿論……剣聖としての王都での信頼とコネがあるからだな」
「か〜っ、悪用」
他の三人はモーリスさんに威嚇の心を忘れずに、モーリスさんを受け入れる準備をしていた。
パーティハットを被るな、ケイン。
「まぁライアを愛する者同士が争っても、意義はない……ここは素直に歓迎会と行こうじゃないか」
「そうだよ〜っ!ライアはもう既に私のモノだから……ね?♡」
「それは少し、いやかなりの傲慢ね、ケイン」
「賛同しかねるね」
一体なんだこの三馬鹿はぁ〜ッ!!!
くそう、俺のパーソナルスペースという物はありもしない。
王都で羽根を伸ばす所か、羽が窮屈に閉じられている気分だ。
けれど起きてしまった事は仕方がない。
このまま四人を幸せなハッピーエンドへと導いてやるのが、俺の使命である。
「そうだ、明日冒険者ギルドに行ってみない!?この街一番の人気スポットだし!」
「人気って言うか、それを職業にしてる人が多いから人が多いだけじゃないかい?」
そうだ、俺がアルカの世界では冒険者になってたな。
冒険者として働いている人の中に『記憶』を持つ人は居るんだろうか。
それは未だ分からないけれど……親友の願いを叶える為にも、行こう。
俺達は明日に備え、眠りに着く。
「ベッドはどう分けるんだ?ここ、二個しかないぞ」
「そりゃあ……3・2で分けるしか……あっ」
四人の間に確かな沈黙が流れる。
全員が俺をギラついた目線で見つめる。
「おい!!!!何を考えてる!!!!!!」
──────……
結局俺が強行して床にタオルを敷いて寝た。
体が痛いし寝れてない、全員が寝相を装ってタオルに近付いてきたのを全力であしらったから。
「冒険者ギルドはこの前モーリスさんが演説してた所の近くの施設だったよな?」
「あぁ、そうだぞ、よく覚えていて偉いな〜♡」
「こんくらい誰でも覚えられますって……」
「あたし、覚えてなかった……」
「いや〜!!!!!!俺って最上級に賢いから唯一俺が冒険者ギルドの位置を覚えてるんだよな〜!!!!ケインは普通に当たり前だぞ〜!!!」
冒険者ギルドに足を運ぶ道中、何人かの視線が集まる。
剣聖様がよーわからん奴と同行してるんだ……そりゃあ。
未来では親友達も有名人なんだけどなぁ、良い方と悪い方で。
「そう言えば、モーリスさんって冒険者なんですか?」
「元と言えば、元になる。冒険者には『レッドダイヤモンド』という殿堂入りの様な階級があってな。私はそれに該当する」
「俺ってアルカの次元ではシルバー級で停滞してたから、ちょっと羨ましいな」
……あれ?
迂闊に発言したけど、アルカの前でこの発言は。
結構地雷じゃないか?
俺は急いでアルカの方を見ると、アルカは笑顔で俺を見つめていた。
「今度こそ、一緒に夢を見よう♡」
「ハイ」
威圧感、凄いぞ!
そんなこんなで、冒険者ギルドに辿り着いた俺達。
冒険者ギルドとは言え……その実態は超の着いた複合施設。
もはや縦長になっている施設の外には、ダンジョン配信者や冒険者関連の様々な情報やニュースを伝えるモニターが取り付けられていたり。
兎にも角にも大きな施設と言えば、わかりやすい。
依頼受付の場やアイテムの換金依頼所、酒場や宿屋はメインとして情報交換屋や武具屋が併設されており、他にも様々。
配信機材という名のスマホ単品の設備の修理所などもあったり。
『ダンジョン配信者』と『冒険者』のメイン施設と言っても過言では無い。
娯楽施設等も充実しており、その二つに該当する者以外でも沢山の人が遊びに来る。
「相変わらずひっろい……ほんとデカイな、ここ」
「人の民度は低めだけどね♡」
「ソッスケド」
アルカは随分と、冒険者ギルドの人間の悪意を根に持っている様だ。
この根に持っている部分をどうにか解消してやりたい物だ。
まずは……冒険者ギルドの各施設を利用するには、冒険者にならなくとも認証が必要である。
変な奴が勝手に侵入して設備を壊して回った前例があるから、こんな面倒臭めのシステムが採用されている。
「とりあえず受付嬢さん達に許諾を取りに行……列長っ」
「人気スポットだし、仕方ないんじゃないかしら?」
長い列を見るとワクワク感より気が滅入るのが俺の醜い性分である。
飯屋とかも並んでると行きたくなくなるタイプ。
仕方ない、並ぶしかあるまい。
「剣聖さん?こう言う時に貴方の力を使えないのかしら?」
「列に関しては順序だ。権力で割り込まれる時ほど不快な物はない」
「なんでそれを常識的に考えれて宿屋には入っちゃったんですか」
──────……
数十分並んでやっと受付嬢さんの直前まで辿り着いた俺達は、施設の設備等の使用の許諾を貰いに。
滞在券を見せれば、一応は王都の住民として信頼は得られる筈。
鞄の中を漁りながら受付嬢さんの元に向かうと……受付嬢さんはやけに焦った様な顔をしていた。
「はぁっ……!貴方達、冒険者とダンジョン配信者に興味がおありではございませんかっ?!トップオブトップの冒険者の剣聖様と共にいる方なのです、随分と卓越した実力をお持ちのはずですっ!名簿にも貴方達の顔はありませんですしっ!」
めちゃくちゃ詰め寄ってくるなぁ。
どうしてここまで焦っている様な顔をしているのだろうか。
何かに急かされている様な気配がする。
「なりませんけど……いや、なるかもしれませんけど?どっちが正しいんだ……?」
「今!今がお得です!!!!今はとっても双方のサポートが整っておりましてっ……!」
「ライア、なんか怪しいよ……?」
受付嬢は懇願するかの様な姿勢で頼み込んで来た。
なんでここまで……俺は困惑で目が点になってしまう。
しかし、その真意は呆気なく晒された。
「ひぇぇ〜……!!まだ勧誘ノルマ達成してないんですぅ〜!!上層部に怒られちゃいます〜!!」
「あぁ……成程な……」
「何だか可哀想ね、どうするの?ライア」
「すまないが、私の愛弟子には冒険者という危険な大海には出せられない……」
「貴方のじゃないです」
ここまで頼み込まれているのに、断るのも筋ではなかろう。
冒険者になっても損は無いし……得も増える。
ここは一度少し面倒な手続きをしてでも、なって上げるのが『男』の生き方では無いだろうか。
「……なってもいいですか?」
「お願いですぅぅ!!なってくださ……はぇっ?ほ、ほんとですかぁっ!!」
これ以上、後列の人達を待たせる訳にもいかないし。
「なら、私もついでに冒険者になっておこうかしら」
「はいは〜い!!あたしも〜!!」
「今度こそ、共に夢を見ようじゃないか♡ライア♡」
流れに身を任せ、冒険者となった俺達。
その後……書類や顔写真を撮られ、ギルドカードを発行される事になった。
冒険者になると言っても、何をすべきか……。
正直、今は羽休め……仕事をする時間じゃない。
少し後になってから、冒険者として働くのでも旅をするのでも良いだろう。
今は、親友と剣聖様との幸せなひとときを過ごしていたい。
……そんな俺の望みは、すぐさま打ち砕かれる事になるのだが。
次回は?
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王都襲撃!ライアくん覚醒!
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冒険者ギルドの設備紹介
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ダンジョン配信者との交流