数多の世界のヤンデレ親友とのバッドエンドを見届けた俺、全ての記憶を引き継いでもう一週……え?!バッドエンドの方の親友達も記憶引き継いでるんですか?! 作:ハンノーナシ
俺達は冒険者ギルドの設備を満喫し、有名と言われているダンジョン配信者のイベントに参加したり。
満足して一日を終えて……宿屋で眠りに着く。
母さんに話す思い出話が増えたな、と微笑みがこぼれてしまう。
「ライアが笑ったよ!!」
「俺はペットとかじゃないから」
ベッドの配分に困り、前と同じく床で寝ていた俺。
皆が寝息を立てて静まり返った深夜に。
──突如。
──大きな、爆発音が響く。
「おわぁ?!!」
寝付きが悪かった俺はすぐさま爆発音に気付き、剣を携え外に出る。
皆を起こす暇も無かった……けれど、皆なら気付いてくれる筈。
聞こえた場所は王都の入口近く、門衛さん達が守っていた場所。
頼む、何も起こらないでくれ……せめて、魔法の暴発くらいで。
そう願っていた俺の理想は、淡く。
散々なまでに打ち砕かれる。
──────……
辿り着いた門の前には、血を頭から流して倒れる門衛と。
『煉解国』の『着物』と呼ばれる服装をした女が立っていた。
女は俺を見つけると、凄まじい速度で俺に近寄る。
その速度は音さえ立てず……閃光の様だった。
「おや……存外早く見つけたのう……♡そうじゃった、ライアは正義感が強い青年じゃった……♡」
「誰だ!!門衛さんに、何を……!」
「少し黙らせただけじゃ、ライアが心配する事はない。のう、我の愛する『盟友』よ♡」
盟友?……また、俺に関連する奴か。
俺の要りもしない記憶が他人を傷付けてしまったのか。
悔しさで歯を食いしばる、俺の責任だろう。
「主は思い出しておらんのか……そうか。少し寂しいのう……まぁ、思い出させてやるしかあるまい♡」
女は俺の顎を撫でると、通り過ぎる。
そして、左右の建物が。
──爆散した。
空き家ではあった様だが……これがもし、人が住んでいた家だったら。
焦燥感と『止めなければ』と言った心で足が早まる。
話し合いで通じる相手とも思わないし、俺が敵う相手とも思えない。
せめて、アイツらが起きる時間位は稼げたら。
「良いのかよ、この爆発音で王都の力を持った奴らも気付くぞ……俺みたいな雑魚じゃなくてな」
「何を言う、主は……我と同じ『破滅の使』になれる存在だと言うに……」
よくわからん専門用語……むしゃくしゃする。
こういう時、神を名乗る女性が現れて記憶を見せてくれる筈。
けれど……現れない。
そんな時、脳内に響く声。
きっとあの女性だ。
『聞いてください、ライア・リーベル。その者は……『終末を迎えた次元』の一つ。そしてその終末を巻き起こした貴方、ライア・リーベルの仲間です』
『俺が終末を引き起こしたって……俺なんかが?』
『貴方の力は未知数、次元の可能性がある限り全てが無限です。例えこの世界の『ライア』は弱くとも、他の『ライア』がその代わりの強さを補っています……つまり』
『つまり?』
『この者と拮抗出来る力を持つ貴方も、何処かにいる筈です……私は無数の記憶の管理をしていますが、その可能性は少ない。出来る限り探って、記憶を共鳴させてください。他の『ライア・リーベル』と」
『わけわっかんねぇ……どうすれば?』
……聞こえなくなった。
無責任にも程がある……他の俺が居ても、この次元にはこんな弱い俺しかいないだろ。
記憶を共鳴だなんて、小説の主人公みたいな事出来る訳ない。
出来る方法があったとしても……俺に出来るか?
「はぁ、我以外を見るとはの。ライア、我だけを見つめておくれ♡」
「気が済むまで睨んどいてやるよ……絶対、人には手を出すな」
ここで俺が死んでも、親友達がいる。
いや……ここで死んでしまったら。
親友達が『ハッピーエンド』に辿り着く近道を失ってしまう。
そんな事はしてはいけない……生きなければならない。
心臓が脈打つ、緊張か?死の恐怖か。
目の前の敵の強さは……未だ未知数だ。
けれど、心の底で恐怖心が湧く……『格』の違いに怖気付く。
『共鳴出来るなら……ここで生き残るにはするしかないだろ!!!』
土壇場の気合いで脳を刺激する。
心の底に眠る『何処か』のライア・リーベルに答えを求めて。
敵と見つめ合いながら、脳内を探る。
こんなの、無理だろ……そう、考えていた時。
脳の中で、思いっきり叫ぶ。
『誰か!!!答えてくれ!!』
──そうして。
──ぷつっと、意識が切れる。
──────……
「お前ら、足速いんだっての〜!!」
──夢か。
目の前に広がるのは、広い広い農園と……そこで遊ぶ俺、『ライア・リーベル』と親友。
今から……三十年も、前か。
黒い剣の鞘を握り締め、重苦しい鎧を動かす。
鬼ごっこで遊ぶ子供達に見つからない様に、姿を消す。
農園から抜けると視界が歪み、すぐさま別の場所に転送される。
……夢特有の脈絡も無いモノだ。
俺は無精髭を触りながら、辺りを見回す。
「魔王が襲って来た!!!逃げろ!!」
「子供は守れ!!!絶対に安全に逃がすんだ!!」
大人達が農具を持ちながら、絶対に敵いはしない大敵に立ち向かう。
俺と親友達は逃げ惑い……泣き喚く。
その姿があまりに滑稽で、あまりに……見苦しい物。
……夢ならば、叶えてもいいはずだ。
この俺に悪臭を伴い付き纏う血の匂いを、打ち消すことを。
『誰か!!答えてくれ!!!』
──誰の声だ?
──────……
「……ここは、聖都か?違うな……」
「……主は誰じゃ?ライアは、何処に……。……クハッ♡ハッハッ……♡我は鈍感じゃのう……他の『ライア』が居ると言うに♡」
目の前に居るのは破壊の使……『ローザ』だろうか。
彼女はもう数十年前に消え去った筈。
ここは、王都?聖都になって随分と時間が経った筈だが。
時間が逆行したのか?そんな事は有り得ない。
俺の体は……随分と若いな。
先程響いた声の主は、この俺か。
「俺を呼んだのは、俺自身か」
細く脆い鉄の剣に鎧も纏わず敵に向かう愚か者。
若い俺は未熟で……馬鹿らしい。
「……お前は、王都を破壊しようとしているのか?」
「主を取り戻すついでにの、破壊神様に貢ぎ物じゃ」
──そんな事、させはしない。
俺は細い剣に指を這わせ、指を傷付け、剣に血を垂らす。
脆い剣身を俺の血で保護する、多少は戦えるだろう。
俺の血を纏った剣はある程度破壊力が増す。
剣先をローザに向けると、俺は名乗りを零す。
「我、黒騎士団序列二位……ライア・リーベル。聖都の前身たる王都を守る為、全力で戦おう」
「ほう?またライアと戦えるとは……血が騒ぐのう♡」
剣を両手で構え、ローザに全速力で向かう。
体が軽い。
四十代になった体に鞭を打っていた時とは段違いの軽快さだ。
奴の首筋に狙いを定め、剣を振るう。
弾ける様な金属音が鳴る。
軽く右手で受け止めたか。
これは……根気が折れる戦いになりそうだ。
そんな時……背後から足音が響く。
四人か?増援か何かなら、ありがた──
「ライアから、離れろッ!!!」
「私の愛弟子に触るな!!!」
物凄い覇気を纏う二つの剣がローザの顔面に振り下ろされる。
ローザは左腕で軽く受け止めたが……両手は封じられた。
「──私の魔力の音色が聞こえるかしら?少し、動けないでしょう?」
「──我が名に従え、黒腕!!」
……背後から伸びる黒い腕がローザを地面へと引き摺っていく。
「我が抵抗出来ないとは……面白い人間が増えたのう」
ローザは軽薄そうな顔をして、地面の中へと消えていく。
魔法の系統からして『拘束』と『転送』の合わせ技か。
助けが来て有難い物だ……俺は救いの手達の顔を見る。
──その、顔は。
──あの時失った親友達と瓜二つであり。
俺は、息を漏らした。
そして、年甲斐も無く……片目から涙を流してしまった。
急シリアス、ごめんね。
ほかの世界の『ライア』が親友達とイチャイチャする為だからゆるしてね
ちなみにリクエストは活動報告で受け付けてます
他の世界のライアと、繋がりを持つ者達をもっと見たいかい?
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みせろや
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ひかえめにしてくれや
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他の世界のリクエストあり(理想のライア)