数多の世界のヤンデレ親友とのバッドエンドを見届けた俺、全ての記憶を引き継いでもう一週……え?!バッドエンドの方の親友達も記憶引き継いでるんですか?! 作:ハンノーナシ
理解しなくてもOK!!!!
基本四人がイチャコラするだけだから、セーフ
R18シーンに関してのアンケがあります
第一話:話ムズ過ぎない?
王都の外ののどかな村、リーシュ。
俺達はこの村でゆったり、将来に夢を持って生きていたんだ。
そんなある日、とある夢を見た。
三人の親友と俺の絶望的な別れと永遠の契約の未来。
そんな悪夢を見た俺は、少し気分が悪くなっていたが。
寝ぼけ眼を擦り、歯を磨きに洗面台へと赴く俺。
先程の変な夢の事は忘れよう、というか夢って忘れる物じゃないか?
何でこんなに鮮明に記憶に残ってるんだ、たまにあるけどさ。
歯を磨きながら、手ぐしで髪を整えて……。
おし、完璧〜。
俺はルンルン気分で玄関まで向かう。
今日は昨日の手伝いのお駄賃を貰いに行く予定だったのだ。
貰った金で何を買おうかな、菓子でもミルクでもいいな……たまには母さんに恩返しでもするか?
俺は扉を開け、明日の希望に満ちた空気を吸う。
ん〜、夢が広が
「ライア」
「ケインじゃん、どうしたこんな朝っぱらに?お?お前もお駄賃貰いに行くか〜?」
──────……
"すうふんご♡"
「ケインさん、なんでそんな力強くなっちゃったんですか」
「……君は、あたしとの『出来事』を覚えてる?」
「……なんかあったっけ?……あ」
あの、神と名乗っていた胡散臭い女の人が言っていたあの話。
俺の脳内にしこたま流し込まれた苦痛の記憶。
そしてあの説明……『逆流した時間と、統合された次元』は。
『出来事』があるとするのなら……それだろう。
「ケイン、一つ聞いていいか?」
「……なに、ライア」
「あの後……世界を救ってくれたか?」
俺がそう言うと、ケインは今にも泣き出しそうな顔になりながら。
いや、実際泣いていたかも。
俺を力強く骨が折れそうな怪力で抱き締めた。
「いだだだだだだだ!!!!」
「ライアのっ……バカァッ……!!もう、離さないから……誰にも、好き勝手させない……ライア自身にも……」
俺はそんなケインの様子を見て、あの自分の馬鹿さ具合を痛感した。
女の子を悲しませる位なら……でも、あの選択は正解だったんだろう。
ケインは俺に向き合うと、瞳を開ける。
その瞳には……全くもって光は宿っていなかった。
「ね、ライア。あたしに良い提案があるの」
「ど、どうした……」
あまりの不穏な気配に俺は薄ら笑いで対応する。
ケインはその光宿らぬ目で俺を見つめながら……こう言い放つ。
「君が二度とあんな馬鹿な事しないように……ずうっと♡見張っててあげる……♡そして、君にあんなことさせる塵芥みたいな魔王軍の幹部も、全部……君とあたしの障害は、あたしが始末してあげる♡」
「そ、れ、は……嬉しいな?」
「そして……最後に♡ずっと……あたしから離れないで♡」
……ケインの唇が俺の唇に触れそうになった瞬間。
魔法か何かか、ケインと俺の距離が一瞬にして離れる。
俺の肩に手が置かれ、そちらの方向を向くと、
「私の騎士に手を出すのは……ご法度よ?勇者ちゃん」
「……この子供の時期に私は勇者になるなんて情報は無い、筈。貴方、ハルネ……じゃないの?」
ハルネは相変わらず妖艶な笑みを浮かべながら、俺の方を向く。
「……私は貴方とは違う未来から来たようね、先程の会話から聞くに。そして、ライア……貴方も、ケインと同じ未来から来たの?」
「……俺は、未来から来てなんていない。いや、来てるのかも。よくわっかんねぇけどさ……なんか、よくわからん奴にお願いされたんだ。お前らを救って欲しいって」
「私は貴方という騎士の若い頃がもう一度見れただけで救われているけれど……なにか、他にあるのかしら?ふふ」
「ライア、離れて!!!」
ケインの必死の叫びに、俺は行動を悩む。
この女の子達はどこかの世界で世界を救う、滅ぼす者達。
どちらに付くと言ったら、救うケインの方だろうが……ケインの先程の発言が今になって怖く見える。
けれど、ハルネに付くと言っても、ケインから反感を買うのは当たり前だ。
……それに、まだ一人姿を表していない者がいる。
「やぁやぁ、みんな……元気そうでなによりじゃないか」
そんなことを考えていたら、ピッタリのタイミングでのほほんとした表情で登場したアルカ。
手にはお駄賃であろう銀貨を何度も上へと投げ、掌で受け止める。
柔らかな笑みでこちらを見つめると……突如、無数の黒い手がアルカの背後から俺達に忍び寄る。
黒い手は俺達を掴み、引き剥がす。
「う〜ん、この様子だと……各々、『ボク』のライアに良からぬ企みを押し付けているみたいだね?」
「……この三人が、未来から逆行した……運命とは皮肉ね、本当に」
「……アルカも、あたしとライアの障害になるの?」
「う〜ん、ライアの相棒たるボクがライアの心配をして何が悪いんだい?それにライアも理解がまだ完全に出来てはいない……どうやら、今の君はどのライアでもない。新たな世界のライアに、知識を植え付けた誰かがいると思っていいかもね」
……話がムズすぎる。
何言ってっかよく分かんないけど……とにかくだ。
この三人の対立をどうにかしなければ終わりやね。
「さ、三人とも……聞いてくれ。というか聞かせてくれ」
「勿論、ライア」
「どうしたのかしら、我が騎士?んっ……この魔力の腕に掴まれながら話すのは、少し恥ずかしいわね……」
「ふふ、疑問が浮かんだようだね。良いよ、何でも話そう」
「この拘束を解いてからな??!」
──────……
俺は三人に聞いた、そして話した。
俺が神と名乗った何者かに知識を植え付けられた事、3人の辿った歴史の事。
どうやら頭に流し込まれた記憶の通りの人生を歩んで、いつの間にかこの時代に戻っていたらしい。
あいつが話していた『時間を逆流させた』現象なのだろう。
「そんでな……今の俺、正直なんにもわかってないんだけど」
「君は……あたしの世界のライアじゃないの?」
「勿論、この様子だとボクの世界のライアでもない」
「私の騎士様でも無い様ね?」
「どっちかって言うと……俺の拙い考察なんだけどさ、多分……全部の世界の俺が統合された存在なんだと思う」
神から聞いた『次元を統合した何者か』がいるという話。
この三人が統合された次元ならば……未来の世界ではこの三人の。
騎士・相棒・パーティ。
全てにならなければならない。
「うん、君の考えをちょこっと読ませて貰ったけど……でも、それは不可能だ。ボクの世界ではアルカは既に息絶えていた……そして、その権能をライアに託していた」
「……あたしの世界では、魔王はアルカじゃないし」
「私の世界だと、アルカちゃんもケインちゃんも普通の肩書きらしい人生を送っていた様よ?」
……この世界の未来、どうなるんだろう。
それより、聞きたい事がある。
「おい、ハルネ、アルカ」
「どうしたの?騎士」
「どうしたんだい?」
「……お前らはまだ、世界を滅ぼすつもりか?」
そう質問すると、二人は驚いた様な顔をする。
お互い顔を見合わせると、ふふっと笑う。
そして俺にもう一度顔を合わせる。
「勿論」
「私は欲張りさんだから……貴方と二人だけの未来じゃないと気が済まないの」
ケインは目を尖らせ二人を見つめる。
どうしたら良い、俺は。
「な、なら……!!」
「なら?」
「俺は……ケインを選ばざるを得なくなる」
「ライア……♡」
ケインはうっとりした顔で俺を見つめる。
俺は冷や汗ダダ漏れなのに。
「なら……奪うまで、よね?」
「表に出ようか、少し……喧嘩をしよう」
「ちょ、ちょっと待ってくれ……さっきの様子だと、お前ら力を失ってたりは……」
「しないわよ♡」
「してないね?」
「力は、そのままだよ♡」
「滅ぶて!!!村が!!!!」