数多の世界のヤンデレ親友とのバッドエンドを見届けた俺、全ての記憶を引き継いでもう一週……え?!バッドエンドの方の親友達も記憶引き継いでるんですか?!     作:ハンノーナシ

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第五話:重すぎる なにしてんだよ バカライア 『ライア・リーベル 心の名俳句集50選から引用』

 

……まっっっったもや馬鹿みたいに重い記憶を見せられて、胃に穴が開きかける。

何してんの?まず俺は。

自己肯定感が異様に低いから自爆特攻とかしちゃってるよ。

一応あんなに好かれてんのに、好意を素直に受け取らなさすぎじゃない?

 

「ライア……ライア……?」

「あっ、すまん」

 

どうやら数分、傍から見れば腕を組みながらぼーっとしていた様だ。

ケインが心配になり肩を揺すって来た、心配をかけて申し訳ないな。

というか……こんな記憶を経た奴があと何人も居るのか?

頭がおかしくなっちゃうよ、体も持たないよ。

最も持たないのは胃。

 

「そろそろ演説が終わる様だ……ご飯でも食べに行かないかい?」

「良いね〜!!あたし麺類食べたい!!」

「中々田舎の村には麺類は出ないものね……」

 

演説が終わり、民衆は満足気な顔で退散していく。

俺達もそろそろ退散するべきだ……剣聖にも存在をバレたら色々ヤバい気がする。

いや?もうバレてるのか……?あの視線は。

三人は堂々と歩いて行くが、俺は人影に紛れた隠密行動。

多分三人と親友じゃなかったら不審者だと思われてる。

 

──────……

 

「スパゲッティって、色々種類あるんだっけ?」

「スパゲッティはパスタの中の一種で、種類の一つさ。スパゲッティの種類があると言う訳では……」

 

俺達はパスタ屋に来ていた。

都会の店は凄い、オシャレな内装で音楽かかってる。

ソファに座りながら目の前のスパゲッティをくるくると回す。

はぁ……不安が広がるなぁ。

 

スパゲッティを一口食べながら、窓を見る。

窓にはきっと、人の喧騒が溢れていて……多くの人を見て安心出来るは──。

 

「おわぁぁぁぁ!!!!」

 

「お、お客様?!どうされまし──きゃぁぁ!!!」

 

「ライア、どうし──うわぁぁ!!」

 

窓には『剣聖』がガラス越しに張り付いて血眼で俺を見つめていた。

『恐怖』はこんな物なのだろう、俺は本当にそう実感した。

バレていたのか……?!いや、とりあえず……視線に気付いたからには行動を起こさないと『死』の可能性が見える、この目は。

 

俺は店の外に走り出す、剣聖と話を付けなければ。

三人はこの人と俺が関係を持っている(持っていないが……)事を知らない。

ここで唯一、剣聖と話せるのは……俺のみ!!!

 

「コンニチハ」

 

クソ勇気無しのダボカスこと、ライアくんです。

 

「……ライア……♡やっと、再会出来たんだな……♡」

 

「ソッスネ」

 

記憶で見た通り、この人強いんだよな。

もしも怒らせたらブチブチに切り裂かれそうな気がする。

怒らせない様に言葉を選ばなければ。

温厚で優しい人なのは知っているけれど、それでも怖い。

 

「ライア、あの三人は……誰だ?」

 

死の質問、その一。

 

「俺の親友です、師匠……って呼んでも良いですかね?!」

 

やばい、発言が右往左往した。

質問に質問で返すのはゴミカスの選択肢だ。

 

「勿論だ、ライア……♡あぁ……この世界では、お前の村は滅んでいないんだな……♡」

 

「はい、みんな元気です。最近は皆で村のお手伝いをして、母さんにパーッと気晴らしして来いと言われて……やっと師匠に会えました!」

 

俺が唐突に知らん人と話し始めて、皆も驚いてるだろうなぁ。

そう思って、店内の窓を見る。

 

「おわぁぁぁぁ!!!」

 

「ライア!!何が……。……これは、凄い目線だな……」

 

三人が血眼でモーリスさんを見つめていた。

『誰よその女』とはこの事であろう、俺は驚きで腰を抜かしかけた。

見なかった事にして話を戻そう……あの次元同様にモーリスさんとの友好関係を築けたら、有利な事も多い筈だ。

 

「師匠、また剣の稽古をしてくれませんか?剣の腕が鈍ってしまって……」

「勿論だ、ライア♡その前に……」

 

おっ、なんかくれそうだ。

師匠から剣とか貰うのは小説の王道展開だよなぁ。

 

ガチャン。

物凄い速度で何かを腕に取り付けられた。

俺は腕を見る。

 

「手錠だ♡」

「はい?」

「これ以上、愛弟子に勝手な事はさせない……♡私が見張っていなければ♡離別はもう、懲り懲りだ……♡これからは永遠に私の家で共に……剣の稽古も愛し合う事もしようじゃないか♡」

 

助けを求めようと、窓越しに見つめていた三人を見つめる。

──居ない?!!!!!

 

「ライアに触れるなぁぁぁぁ!!!!」

 

ケインの拳が俺の手錠をぶん殴り、物理的に吹き飛ばす。

アルカは黒腕を伸ばしながらこちらに近付く。

ハルネはいつも通り笑いながら圧倒的な威圧感を示していた。

 

「ライア、こう言った者と付き合うのは良いが……ちゃんと『師匠でありお母さん』に許可を取らなければダメだぞ……?♡」

「師匠は母さんじゃありませんよ!!!!!!!」

「何を言っているんだ、お前の穴を埋めるのは私の役目だろう……?♡なら、母にでもなると……♡そう言ったじゃないか♡」

 

三人は後ろでモーリスさんを威嚇しながら、俺を守ろうと必死になっている。

この四人、俺に対しては絶対に悪意が無いんだよな。

それが逆に怖い。

 

「シャァァァ……!!」

「ケインが猫みたいになっちゃった」

 

この状況、どう打破した物か。

策を練りたいが……何も思いつかない。

ここでライアくん起死回生の一手!!!!

 

「俺の親友と一緒にパスタ食べませんか?」

 

「え?」

「え?」

「え?」

「え?」

 

──────……

 

俺による起死回生の一手により、平穏な飯の時間が戻ってきた。

全員が俺を猛烈な視線で見続けている事を除けば。

 

「君達は、ライアとはどう言った関係だ?私はお母さんだが……」

「お母さんじゃないです」

 

「妻です♡」

「妻じゃないです」

 

大嘘こきやがってよぉ。

とりあえず、皆に師匠の紹介をする事にした。

俺の記憶が戻った時……言ってはいなかったが、師匠の記憶も戻っていたと。

これは少し嘘だが、違和感を覚えさせるのが一番ダメだ。

 

「他の次元のライアの知り合いということか……」

「アルカは理解が早くて助かるぞ!」

 

「君達も他の世界の記憶が戻っているのかい?」

 

「勇者なんだよ〜、あたし!!」

「秘匿しようか?」

「……ふふ♡」

 

「二名が怪しすぎるが……ライアの知り合いと言うんだ、信頼する他無いだろう」

 

なんとか親友達への信頼も得れたようだ。

はぁ、胃痛がする。

でもスパゲッティは美味い。

 

「知り合いになった記念に俺が奢るよ、みんな。師匠も勿論」

「お母さんが息子に払わせる訳ないだろう……?」

「母さんじゃないです」

 

師匠はなんでこうなってしまったんだ。

あんなにかっこよかった師匠が俺の母親を騙る不審者に進化してしまった、どうして。

確かに師匠は面倒見が良く、母性を感じる場面は多々あったけれど。

 

その後、俺達は村で起きた面白い話を話し……師匠の剣聖としての体験談等を様々聞いていた。

平穏な時間が戻ってきた……俺は安心で満腹になるまで飯を頬張っていた。

剣聖との付き合い方を考えるのは、少し……まぁ、難しいが。

 

──────……

 

「私達のライア様が戻って来たの?」

 

「えぇ、そうよ。私達の愛するライア様が……♡」

 

「これは、面白い予感がするな♡」

 

「妾ではない、真たる『ゼグリュス機関』のリーダーが、今目覚めた……♡」

 

──────……

 

「ふふ、そうか……♡我と共に悪しき『ヒト』族を浄化する『ライア・リーベル』か……♡」

 

──────……

 

各地で様々な俺に対する複雑な『愛』を持つ者達が次々と目覚めているのを……今の俺はまだ知らない。

けれど……いつかその者達と対面する俺は。

一体、どんな愛を受け止めるのだろうか。

 

──────……

 

「お母さんがあ〜ん、とやらをしてやろう……♡」

「しなくていいです」

 

ライアくんの覚醒の方面は?

  • 圧倒的戦闘力!
  • サポート能力!
  • 両刀!
  • 他の次元の自分を憑依させるとか…
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