評価お気に入り登録ありがとうございます!励みになりますのでもっとくだしゃい!!(ドMの皮を被った承認欲求モンスター)
あ、感想もくれてもいいんですよ??(チラッチラッ)
てな訳で本編どうぞ。
「───の──醜─は───。」
ん?んん?あれ、俺なんで寝てんだっけか…。あ、そうだ、腹が減りすぎて気ぃ失ったんだっけか。多分今意識だけ起きてるって感じかな?かなり長く寝てたら不味いし時間的にもそろそろ起きた方が良いかな。
「!?───覚─しま───!」
それにしてもさっきからなんか人の声みたいなのがするな…まぁ良いか。それにそろそろおき青羽の弟を探さないとだな。
「ファーアァ……ン?エ?ナンダコレ?」
え?なんだこれ。体が動かん。鎖?宙吊りにされてるし…俺そう言うプレイには興味ないんだけど。てかここどこよ。なんか人もいるし。とりあえず挨拶しとくか。
「エートソノ…オ、オハヨウゴザイマス?」
俺が挨拶をすると目の前にいる女性がなんか焦り出したぞ。え?なに?こんな拘束プレイみたいな状態のやつが話しかけてきたから?知らんよ。俺だってなんでこうなってるのか知りたいよ。
「ッ!?醜鬼が人の言葉を!?こんな事例初めてです!」
「エ?エ、エ?」
醜鬼?醜鬼ってあのなんかキモい人食う奴等のこと?てか俺って醜鬼じゃないだろ。どこからどう見ても小中学生の女児じゃん。てか女児を鎖で拘束して宙吊りにするってとんだ変態じゃねぇか!?醜鬼よりも俺を拘束して宙吊りにする方がよっぽど醜いよ!?
「イヤ、エ?テカ一回下シテヨ。宙吊りハキツイッテ。」
「ダメに決まってるじゃない。あなたは醜鬼。下ろした瞬間に攻撃してくる気でしょう?そんなことも分からないの?」
え?なんかすっごい酷いこと言われた気がするんだけど。てか俺が醜鬼ィ?このお嬢さん方は何か勘違いをしてるんじゃないでしょうか。てかそもそも醜鬼って化け物だろ?こんな女児が醜鬼な訳ないだろ。それに攻撃するつもりなんて一切ないんだが?いや、俺をこの状態にした主犯は一回殴らせろ。
「イヤ、オレハ別ニ醜鬼ジャナイゾ?ダッテ醜鬼ッテキモチワリィ化物ダロ?」
「嘘が下手ね。醜鬼でもなかったらそんな物騒な尻尾なんてないでしょう?昨日は大変だったわ。醜鬼が現れたと通報があって出動すれば既に醜鬼は全滅。その数時間後に近隣の公園に巨大な尻尾のようなものが生えた何かがいると通報が入っていってみたら貴方がベンチで横たわっていたのを見つけたのよ。」
「しかもその見た目とは裏腹にとんでもない気迫を放っているのよ?新種の醜鬼として考えない方がおかしいじゃない。案の定生体検査にかけてみれば出てくる結果は醜鬼と酷似した結果ばかり。これで醜鬼と思わない方がおかしいんじゃない?」
確かになぁ…公園のベンチに真夏なのにパーカー着てフード被って腰に人間とはおもえない物騒な尻尾生やしてる顔色最悪のヤツとか普通に通報するわな。誰だってそうする。俺だってそーする。
と言うか俺の体って醜鬼とほぼ同じなんだ…アレか?醜鬼を狩って食べてたから醜鬼に近くなったって事か?
彼、いや、彼女は知らなかったが魔都で桃を食った者は身体が段々と醜鬼へと近づいてゆくのだ。基本的に桃は魔都から現世へと持ち出されるのでその事を知る者は少なかった。そうして彼女、魔防隊に特殊醜鬼「鬼ケ姫」と名付けられた彼女は知りもしない事に悩んでいる自身のことを見つめている視線には気付かなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
魔防隊の面々の空気は張り詰めていた。当然の話だ。今自分達が拘束しているのは特殊個体の醜鬼。ここ数年でも確認されていない完全な新種の個体。
この醜鬼、鬼ケ姫と名付けられた醜鬼は特異個体と称される醜鬼たちの中でもさらに特異な個体だと断言できるだろう。人型の醜鬼と言うだけでも十分に特異な点ではあるがそれ以上にこの醜鬼は特殊と言わざるを得なかった。
醜鬼災害の被災者の二人組の男女からの証言での特徴から恐らくこの醜鬼が人間を襲わず逆に助けたその行動はもちろん、会話での円滑な意思疎通が可能なほど高い知性と極めて人間的な倫理観。
そして醜鬼災害で死傷者を一桁程度にまで抑えたであろう特異個体の中でも恐らくトップクラスの戦闘能力は、本来ならあの様に公園のベンチでだらしなく腹を鳴らしながら寝ていて簡単に捕獲する様なことなど不可能だったと言える。
人類の為、少しでも多くの醜鬼の情報を得るために尋問が始まった。
「何故貴方達醜鬼は人を襲うの?」
『シラナイヨ。ソレニオレハ人ヲ襲ッタコトナンテナイシ。ソモソモアイツラト話セタコトナンテ無カッタシ。』
この醜鬼は人を襲った事がないと言う。しかしこの醜鬼が本気で暴れたら対処できるのは恐らく組長クラスだけだ。魔防隊の面々は万が一のために剣呑な雰囲気でその会話を監視している。
「魔都……あそこは一体なんなの?それに桃の正体は?」
『イッペンニ聞カナイデヨ。ソレニシラナイヨ。オレダッテ知リタイクライダ。桃ハウマイナ。アレガアッタカラ魔都デモ生キラレタ。』
「!?あなた魔都で桃を食べたの!?」
尋問官の顔が拘束されて宙吊りになっているレ級に急接近する。
「ウワッ!?急ニ近付クナ!ビックリスルダロ!」
この醜鬼、特殊個体ではあれどもっている情報がかなり少ない。生まれてからそれほど経っていないのだろうか。だが、魔都で桃を食べたと言う事には注意が集まった。
「んッんん…貴方達に、王や支配者の様な存在は居るのかしら?」
尋問官は軽く咳をすると元の位置に座り直しレ級への質問を再開する。
『ウーン…群レヲ率イルヤツハイタケド王ッテ感ジジャアナイナ。ドチラカトイウト群レノヌシダナ。』
尋問はスムーズに進むが大した情報は得られない。詳しく知っているわけもないだろう。何せこの少女、レ級でさえ知らないのだから。知性はある。しかし必要な知識はないのだ。
『オレカラモ質問シテイイカ?』
「ええ、答えても問題ない範囲なら」
『ナラオ言葉ニ甘エサセテモラウゾ。…飯ッテ出ルカ?腹ガヘッテ死ニソウナンダヨ……」
彼女達はそれはもう盛大にずり落ちた。当たり前の話だ。人類の敵、ましてやその中でもトップクラスの実力者であろうのはずの存在が拘束されているのに自身の処遇よりもまず先に食事を求めるのだ。
彼女らの張り詰めた空気がまるで空気の抜けた風船が萎むかの様に和らいだ気がした。
レ級の尻尾は不満そうに身を捩る。そして少女、レ級の腹の虫は限界だと言わんばかりに一際大きく一回鳴いた。
というわけで主人公、魔防隊に捕まりました。この先主人公はどうなって行くのか…乞うご期待!
感想、評価、待ってます!