「だカラ醜鬼じゃネェって」   作:小説のシメサバさん

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どうも、起きてからランキング見てたらこの小説がランキング入りしてて変な声が出た小説のシメサバさんです。
こんな趣味の煮凝りみたいな小説に高評価をつけてくれて本当にありがとうございます!
評価、感想、執筆の励みになりますので是非お願いします。

そんな訳で本編どうぞ。今回は短めです。


魔都ってなんだよ。

今日も今日とて俺は山城にボコられて気を失って収容室に運ばれる。一体何時までこんな生活が続くのだろうか。

 

「アァー…疲レタ…」「グルルゥ…」

 

尻尾にも元気がない。山城にボコされすぎて最初は怨念を募らせてた尻尾も今ではまるで夏の道路で干からびてるミミズみたいになっている。

 

それと最近、ヤケに耳鳴りがする。俺が魔防隊に拘束されてからはそれが顕著になってきた。

最初は山城にボコられ過ぎて頭がイカれたのかと思ったが先日の検査でレントゲンを撮った時にはなんの異常もなかったらしい。

 

───────。

 

「ッ」

 

まただ。耳鳴りはなんの前触れもなく突然来る。それは寝ていても、飯を食べているときでも、山城にボコられているときでも、収容室でだらけている時もだ。

 

けれど特段なにか悪いことがあるわけでもなかったので現状は経過観察をすることにした。

 

「ファーアァ…ネム…」

 

それにしても疲れた。毎度毎度床に叩きつけられて身体の節々が痛い…。そういえば、最近は耳鳴りとは違うが眠くなるとまるで水底に沈むような感覚が全身に広がる。

 

俺は床の上に大の字で寝転ぶと大きく一回の欠伸をした。瞼を落とす。視界が暗転する。

 

意識が微睡む。水底にゆっくりと沈んでいくような、ぼやけた意識に寂しさと睡魔が注がれていく。

とくん、とくん。自分の心臓の鼓動が静かな耳の中に響く。

 

沈んでいく。

 

意識が融ける。

 

緩やかに消えていく。

 

──────────。

 

また耳鳴りが聞こえた。

 

 

 

  そして

 

 

      (オレ)の意識は

  

  深く

 

              深く

       深く

           深ク

 

 深く

 

     深ク

 

 

沈んデ

     

泡ニナッテ

 

消エタ。

 

 

 

     とくん、

 

          とくん。

 

 

   心音が響く。

 

 

                こぽ、こぽ。

 

 

         泡が消える。

 

 

 

 「─────────。

 

 

 

耳鳴りが響く。

 

 

 

とくん。

 

とくん。

 

とくん。

 

 

 

心臓の鼓動だけが静かに頭蓋の中で響く。

暗闇のはずの瞼の裏に光が灯る。

 

どくん、どくん。心音が高鳴る。

ボコ、ボコ。泡が沸騰したかのように湧き上がる。

 

 

   どくん。

 

 

赤色がひろがった。

赤く染まった。

 

「───────アァ、オハヨウ。」

 

耳鳴りはもう、聞こえない。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

警報がけたたましい音をあげ鳴き叫ぶ。通路を照らす照明が赤黒い血のような色に変わり不気味に陰陽寮の通路を照らしている。

 

これは収容されていた存在が収容室から脱走した場合に結界と連動し自動的に警報、及び脱走した対象の位置を魔防隊隊員に共有するシステムだ。

 

システムにより赤黒く染まった通路を1つの小さな影が疾走している。それは、暫定特殊醜鬼『鬼姫』。しかし、鬼姫の発する気配は普段の彼女とは余りにもかけ離れていた。

朱い、朱いのだ。その小柄な体躯から溢れ出る怨念は常人なら触れるだけで意識を刈り取られ三日三晩酷い悪夢に魘されてしまうだろう。

 

その身なりはいつもと同じ黒い前を開いたレインコートのフードを被り、モノクロストライプのネックウォーマーを着用している。

 

だがしかし、アメジストのような薄紫だったその双眸は赤黒く染まった通路でもはっきりと認識出来るほどに朱かった。

 

レ級は疾走する。まるで何かを最短で目指すかのように、レ級の尾はその大口から絶え間なく唾液のような液体を垂らしている。

 

声が聞こえてきた。恐らく脱走したレ級の対処に向かっている魔防隊の隊員だろう。しかし少女、レ級は知ったことかと失速せず走り続ける。

 

彼女が目指すのは陰陽寮、その奥。彼女は何かを感じている。そこへ行かねばと身体を動かす。そうして通路の角を曲がった瞬間だった。

 

「!いたぞ!対象、暫定特殊醜鬼『鬼姫』を確認!」

 

「対象の生死は問わん!速やかに確保せよ!」

 

魔防隊の隊員達だ。どうやら自分を止めに来たらしい。しかし、レ級は疾走の勢いは留まることを知らない。

 

レ級は低姿勢を維持したまま目にも止まらぬ速度で隊員達に真っ直ぐに直進すると一瞬で隊員達にあった隙間を通り抜け、すれ違いざまにレ級の尻尾が舌を伸ばし隊員の面々に勢いよく打ち付けた。

 

「ぐあっ…!?」

 

「ゴホッ…!?」

 

舌を打ち付けられた者たちは壁に叩きつけられうめき声を上げて意識を刈り取られた。

 

そして辿り着いた陰陽寮深部、レ級は何かを探すように辺りを見回すと目の前にあった頑丈そうな金属製の扉を掴む。

 

 

ギギギギギギギ…!

 

 

純粋な力だけでレ級は扉をこじ開けたのだ。

そして扉をこじ開けたレ級はその先に居る気配に気付いた。

心音が高鳴る。貼り付けられたような笑みが更に深くなりより一層狂気が滲んだ表情になる。

それは(わたし)が一度も勝てなかった最強。

 

「キヒッ」

  

                               

  魔防隊総組長〈山城恋〉

 

 

「どうやらあなたには躾が足りてなかったみたいね。良いわ、もう一度どちらが上なのかしっかり躾け直してあげる。」

 

そう言うと山城は札を自身の周囲に浮遊させる。レ級はその様子を見て更に怨念が朱く、朱く染まり燃え盛った。室内のはずなのに両者の間には赤黒い風が吹き荒れ始めた。

 

 




ソレハ冷タクテ、寂シクテ、カナシイ色。

他の深海棲艦を特殊醜鬼として出して欲しい?(参考程度に)

  • 出して欲しい(味方サイド)
  • 出して欲しい(敵サイド)
  • 出して欲しい(第三勢力的な感じ)
  • 出さなくて良い
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