永世が永世であるための物語 作:すてら @ジョジョ 死亡遊戯
いやぁ〜、また来てくださったんですか。
本当にありがとうございます……
Xのアカウントロックされたり色々ありましたけど、無事新しい話が書けました……
今回は永世30回目のゲーム。ジョジョ7部、SBRの要素をふんだんに詰め込んでます()
では、前置きはこれくらいにして。
少しだけ、時間をいただけると幸いです。
───────────────────────
全ては、巡って、「回転」して、成っている。
(0)
永世は、砂漠で目を覚ました。
(1)
永世は咳き込んだ。
なんたって、寝ている床が砂漠だからだ。
仰向けならいいものの、体は横を向いていたため、呼吸するときに砂が入ったようだ。
咳き込んだおかげで、目が完全に覚めた。
周りを見渡すと、私だけで、プレイヤーは見当たらなかった。
寝過ぎたか────?
360度見渡すうち、一つの看板と、馬が目に入った。
衣装────── カウボーイや騎手が着るようなものとテンガロンハットを探る。
腰のホルスターに…〈鉄球〉だろうか、が入っていた。
一旦、武器と判断することとしよう。
先がヨーヨーのように輪になった紐もついていることだし。
それと紙が一枚入っていた。
紙には〈636〉と書かれている。何かの暗号だろうか───?
それを再びポケットに入れ、地雷等に注意しながら看板へ向かった。
(2)
看板には、ルール説明であろう旨が書かれていた。
いちいち書かれるということは、そこそこ複雑なルールである、ということだ。
〈・プレイヤーはこのステージに35組隠されているそれぞれ形の違う宝の欠片を5つ集めて、この看板へ戻ってくればゲームクリア。
• 鉄球は、欠片の内、どれかひとつの探知機となっていて、近づけば近づくほど音が大きくなることで知らされる。
• プレイヤーは馬を用いて移動でき、ポケットに入っている紙に開かれている番号と、馬についているゼッケンの数字が同じの馬が、そのものが使用できる馬である。〉
というものだった。
(3)
へえ、探知機だったのか。
私の番号は636。
既にプレイヤーは馬に乗って横一列に並んでいたため、残された馬は一頭しかいなかった。
ゼッケン番号〈636〉。
「早く並んだ方がいいですよ、あとちょっとで始まっちゃいますので!」
と近くのプレイヤーが言った。
顔は、帽子の陰で見えなかった。
言われた通りに馬に乗り、みんなが並んでいる列に並ばせてもらった。
こんなこともあろうかと、乗馬は訓練していたので、困ることはなかった。
ここまでに都合のいい話があるのかと思ったが、〈ないでもないだろう〉という結論に至った。
(4)
どこからともなく、レースゲームで聞くようなスタート前のカウントダウンが爆音で聞こえてきた。
ゲームの名前に「レース」と入っていることから、これからゲームが始まるのだろう。
レース要素と言えば、誰よりも早く欠片を集めなければならないところか。
ばんっ‼︎と、拳銃を発砲したかのような音が、鳴り響いた。
(5)
プレイヤーが一斉にスタートしたのが見えた。
少し出遅れただろうか。
だが、このゲームにスタートダッシュの良し悪しは関係ない。
それよりも、だ。
今回のステージがどのようになっているかが重要だ。
予測として、この砂漠だけではないだろう。
色々な地形の場所があるはずだ。
馬を走らせ、地面を蹴り、砂埃を舞わせる。
地面が砂のためか、ぱから、という軽快な音は聞こえず、ばふっ、という重い音が聞こえる。
蹴って、舞わせて、蹴って…
広く、行ける範囲で走った。
予想は的中。ざっと、今いる砂漠、緑一色の草原、宝を隠すにはうってつけの雑木林。
この3つがあった。もっとあるのかもしれないが、一旦は
この3つだけと見てもいいだろう。
散策している途中、鉄球が音を鳴らしていたが、2人ほど後続にいたのでやめておいた。
〈宝〉を入手していない今、どちらに有利が傾くか分からない。
無論、こっちが〈宝〉を持っていればこちらの優勢にはなるのだが。
とにかく、奪われるのはごめんだった。
それより、宝だ。取られている可能性が十分にある。
場所は覚えているんだ。向かわなければ。
場所は、確か雑木林と砂漠の境目周辺。
永世は、そこへ向かった。
(6)
そこへ着くと、私の鉄球が音を鳴らせた。
ぷー、というべきか、ぴー、というべきか微妙なラインの音だった。
まだ、〈大きい音〉を聞いたことがないので、どの音が大きくてどの音が小さいのか判別はできないが、この音は間違いなく大きくはないだろう。
馬を置く──────のは盗られる可能性や逃げる可能性を考慮してやめておこう。
馬を傷つけないように慎重に雑木林の中へ入っていく。
下手に怪我をされては困る。
運がいいのか悪いのか、奥に入っていくにつれ、鉄球の音が大きくなった。
だんだん険しくなってきているような気がする。
だが、依然鉄球の音は大きくなるばかり。
もう少し奥まで進まないといけないようだ。
と、そのとき。
鉄球の音が、なんの前ぶれもなく止んだ。
(7)
「…ここか。」
確信があった。
もちろん、理由はない。私の単なる勘だ。
だがしかし、間違いなく宝がここにある。
いや、一つだけ理由があるかな。
運営の用意したものが、ゲーム進行に欠かせないものが、壊れるわけがない。
それだけだ。
永世は、無事、その〈宝〉を見つけた。
永世の最寄りの木の根の隙間に隠してあった。
〈宝〉とだけしか言われていないので、どんな見た目をしているのか気になった。
…腕?
それは、銀色に塗装された───見つけやすくするためだろう───腕の骨があった。
無論、本物ではない。
ガチャガチャで見るようなミニチュアの骸骨の腕だった。
これが宝なのか?
このゲームのモチーフは、なんなんだ?
(8)
つまり、そういうことか。
〈宝〉─────これからは〈遺体〉と呼ぶことにしよう───が手の届くような至近距離にあるとブザーがならなくなるのは、ずっしりと重みがあって、武器としても使えそうなこの〈鉄球〉を、〈音がなり続けでて、鉄球を持ってることがバレるから〉という理由で捨てなくてもいいようにするためか。
雑木林の中で思考したのち、がさ、と物音がした。
もとより人の気配を察知する能力に優れている私だが、それが機能しないくらいに熟考していたらしい。
〈いかんな…〉と思いつつ、その能力の出力を上げて、来た時と同じルートで慎重に帰った。
そして、砂漠が見えてきて、ようやく出れると思ったその時。
囲まれていた。
(9)
無論、囲まれていることには気づいていた。
3人。よくこんなルールでチームを組めるな。
まあ、まだ近づいてきていない。ということは、まだ私が〈遺体〉を持っている、という確証がないのだろう。
ここは〈遺体〉を持っていないふりをして、脱するのがベターなのだろうが、私はそうしなかった。
彼女らの〈鉄球〉が欲しい。でなければ、ほかの〈遺体〉を見つけることは困難だろう。
3つもあれば、一つくらいは私が手に入れた〈右腕〉以外の〈遺体〉を示す〈鉄球〉が手に入ることだろう。
「あなたたち、私の持ってるこのいた…〈宝〉を、奪いにきたんですよね?」
「どうします?やりますか?」と、私は続けた。
(10)
戦いの火蓋が切られた、という認識で大丈夫なのだろう。
私の声に何も返しちゃくれなかったが、3人ともこちらに向かってきた。
3対1。距離感を測り損ねたら、負ける。
相手の射程を測る…
まだ。まだだ。まだ…
その瞬間、私の左脇腹に、鈍い衝撃が走った。
即座にそこを見ると、〈鉄球〉が宙に舞っていた。
そうだ、〈鉄球〉ッ!
さっきまで〈攻撃に使えそう〉だのなんだのほざいてたくせにッ!
永世は馬から落ちた。
やばい、と、そう思ってすぐ。
再び左脇腹に衝撃。
今回は鉄球ではなかった。
蹴られた。馬に。
永世は無様に転がった。
「さっきまでの威勢はどうした?今、ここで〈宝〉を渡せば殺しはしないでやるよ。」
と、3人のうちの1人が言った。
〈誰が渡しますか〉と返したつもりだったが、口からもこもこを溢れさせているため、うまく喋れなかった
それより、なんだ、これは!
こんなイレギュラーは初めてだッ
距離どころか、全てを測り損ねている!
……?
これが…〈三十の壁〉なのか!?
迷信とばかり思っていた…
今回の私はちょうど30回目。
いつもの私が、こんなミスをしでかすはずがない。
本当だったのか。
いつもは、表面上も、心の中も冷静な永世だったが、流石に落ち着いちゃいられなかった。
〈遺体〉を奪われてはダメだ…!
なんとかしなければッ!
(11)
永世は起き上がり、膝立ちの体勢となった。
一か八かだ。
永世は、左脚を曲げて足裏でしっかり地面を掴み、右脚を目一杯伸ばした。
その状態から、腰を捻らせ、腕の力も用いて左足を軸に回転した。
その際、伸ばした右脚で地面の砂を舞い散らした。
企みはうまくいってくれたようで、敵方の馬の目に砂が入ったみたいだった。。
たちまち馬は暴れ出し、乗っている彼女らを全員地面に落とした。
霧が晴れた頃には、彼女らはボロボロのぼこぼこだった。
馬に蹴られ踏まれしたのだろう。
呼吸や、その他諸々を確認する。
息はない。間違いなく死んでいた。
───私は、このイレギュラーの中、敵3人を制圧した。
最後は運であったが。
本当に、運がいいのか悪いのか。
永世は、死んだ3人の〈鉄球〉を奪い、自身の馬に乗って、その場を去った。