永世が永世であるための物語   作:すてら @ジョジョ 死亡遊戯

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本当に1ヶ月以上空いてしまい申し訳ありません……!
楽しみにしてくれてる人はいるか分かりませんが、(いないであろう)本当にすみません……

謝罪からの始まりとなってしまいましたが、どうか。

あなたの時間をいただけると幸いです。


レース・ウィズ・ザ・スティール・ボール(30回目) 後編

永世は、重い足を引きずって馬に乗った。

 

(1)

 

「痛った……」

 

ここまで強烈な痛みを身体が記憶したのは、初めてのことだった。

昔から運動神経は良かった方なのだが…いや、だからこそ、か。

良かったからこそ、こんな痛みはなかった。

初めて乗馬した時も、馬から落ちたり、蹴られたりすることもなく華麗に乗って見せた。

 

馬に乗って、進む。

身体的にも、気分的にもあまりスピードを上げる気にはなれなかったので、ゆっくり。

自身の失態に対する恥ずかしさで心はいっぱいだった。

 

今、攻撃でもされていたら─────────‪───

 

ああ、考えるだけでぞっとする。

 

(2)

 

永世は、3つの〈鉄球〉を所持していた。

私を襲ってきた3人組から奪ったものである。

そして、ひとつの〈宝〉。

今回のキーアイテムである。

それの見た目はまさしく〈右腕〉。

なんとなくだが、私はそれを〈遺体〉と呼んでいる。

 

(3)

 

そろそろ身体の痛みが引いてきたところで、永世は馬のスピードをあげた。

〈鉄球〉のうち2つが、〈当たり〉だった。

ひとつは〈左脚〉、またひとつは〈胴と頭部〉。

なぜ首のところはぶった切られていないのかは不思議であったが、どうでも良いことなので脳内からそれは切り捨てることにした。

 

(4)

 

余計なことは切り捨て、冴えきった頭で、永世は覚悟を決めた。

このイレギュラーの中、クリアしきってみせる。

この辺で、死んでられるか。

 

「後、2つ。」

 

(5)

 

極度の集中。

残り2つの遺体。

今回限りは、受動的な戦いはやめよう。

〈能動的に〉、戦いを仕掛ける。

 

永世は辺りを見渡す。

限りなく澄み切った視界で見つけたものは……

 

〈遺体〉を持っているプレイヤー。

 

完璧に〈冴えている〉。

なんでも、〈ミニチュアの骸骨の右脚〉が見えるんだぞ?

 

(6)

 

馬を爆速で走らせる。

見間違いじゃないなら、そこに〈いる〉。

 

どうだろう。どの程度だったかは分かりかねるが、間違いなく、私の顔が満面の笑みに変わったのは理解していた。

 

それは、〈右脚〉。

殺るしかない……!

 

あ、勝った。

無意識にそう思った。

なんでだろう。

音を聞いて、気づく。

 

理由は分からないが、〈足音が一切しなかった〉。

馬なのにだぞ?

しかし、この状況を利用させてもらおう。

 

死角へ回り込み、鉄球を叩きつける。よろめいた隙に、〈遺体〉を奪って、死角へ走り去る。

 

顔は見せていない。逆襲なんてこともないだろう。

 

(7)

 

よく見たら、それぞれの〈遺体〉にジョイントが付いている。

 

組み合わせて見ると、左腕だけがない骸骨ができた。

 

ちょうどそれはシャンクs…

 

(8)

 

立ち止まっていた永世。

横からくる足音に気付かず─────────‪───────

 

永世の身体を、冷たい風が撫でた。

 

(9)

 

そう、それはちょうど、〈幽霊〉に……いや、鬼……

〈幽鬼〉に、撫でられたような……

 

目の前に、1人女の子が佇んでいた。

 

顔は帽子でよく見えなかった。

 

その女の子が言う。

「あなた……今、〈宝〉。4つも持ってましたよね」

「ください」

 

無論、あげれるわけもない。

 

「ダメに決まってるじゃないですか」

 

と言葉を発想とした次の瞬間。

その娘は、私の目の前にいた。

 

(10)

 

いつの間に……!?

 

何とか避けはした。

避けはできたのだが、ちと、実力差が……

 

ああ……違うだろ。

 

また受動だ……

相手が臨戦態勢を見せたから、こちらは戦う。

それで今回はミスをしたろう?

 

再び、極度の集中へと入る。

 

すると、その娘のちょうど左上に……

 

ビジョンのようなものが見えた。

 

(11)

 

なんだ、あれ?

あの娘は見えてないのか?

私だけ?

 

時間がゆっくりになっていることに、今気づく。

これは……極度の集中による、〈覚醒〉か……?

 

少し厨二病っぽくなってしまったなと思いつつ、ビジョンに目をやる。

あの娘は見えていないみたいだ。

 

ビジョンが左に動く。

少し身構えるが、体感……

つまり、動きが遅くなっている世界の中での、体感5秒程で、相手もその方向に動いた。

 

あ……

 

ビジョンが右に動く。

その娘も右に動く。

体感5秒。

 

〈そういうこと〉か。

 

予測、などというレベルでは無い。

これは予知だ。

 

勝った。

 

相手の動きを先に見て、こちらも動く。

相手が接近してくるようなら、こちらは離れる。

しかしそこで不意に。

急接近をする。

 

すると相手はぎよっとしたような気配を出して。

 

そのまま、〈左腕を奪った〉。

 

やった!!

 

だが先にやらないといけないことがある。

このまま戦うのは意味が無い。

 

全力で走る。

いや、走らせる。

 

その途中で、器用に〈遺体〉を組み立てる。

 

瞬間─────────‪─────────

 

(12)

 

ゲームが終わった。

永世が次に目を覚ましたのは、自宅の自室であった。

 

あれ、どうやってゲームは終わったのだろうか……?

 

少し考えるが、考えても無駄と思ったのでやめておいた。

 

かすり傷が少し痛む。

 

痛い。

しかしそれは、なんだか、今回のゲームを無事クリアした実感を、私の中にふつふつと湧かせていた。

 

隣には今回の衣装。

 

どっと、永世を眠気が襲った。

永世のくせだ。

ゲームが終わったら寝かせられるにも関わらず、すぐに眠くなるのだ。

 

永世には特に、ゲーム後の〈ルーティン等はないので〉すぐに目を瞑った。

すると、さっきとは比べ物にはならないくらいの眠気が来て─────────‪───────────

 

寝た。

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