アビドスの一件の後、先生はヴァルキューレ警察学校に来ていた。あの後、先生はヴァルキューレに連絡を入れて、スケバン達はヴァルキューレ警察学校の生徒達に連行された。
しかし、詳しい事情を聞くために先生も彼らと共にヴァルキューレのパトカーに同乗したのだ。
「先生!」
凛とした声で彼を呼ぶ声が聞こえた。そこには黄金色の髪と獣の耳を持った少女が立っていた。ヴァルキューレ警察学校公安局の局長。尾刀カンナだ。
「先生。ご足労いただきありがとうございます」
「大丈夫! それであの子と武器について何かわかったかな?」
「どうやら奴らの拠点。ブラックマーケットにて依頼主の男と接触したようです。その際に武器を受け取ったそうなんですが、問題はこの武器で」
カンナの目が押収された武器の数々を睨みつける。黒く四角いルービックキューブのような物体と白いレールガンのような形の銃。どれも見たことがないものばかりだ。
「鑑識に回したのですが、未知の物質故、解析できなかったのでミレニアムサイエンススクールの方に検査と鑑識を依頼しました」
彼はその答えを聞いて、納得した。キヴォトス随一の科学技術を誇るミレニアムサイエンススクールなら問題ない。
今回の武器の解析に尽力してくれると確信していたのだ。
「後ほど、ミレニアムサイエンススクールへ依頼するつもりです」
「それとブラックマーケットで知り合ったっていたその男についてだね」
今回の事件とも言える存在。その人物の捕まえなければ、おそらく似たような事件が多発する。
「我々も調査と捕らえたスケバンからの尋問を進めていますが未だ有力な情報をつかめていません」
カンナが眉間に皺を寄せて、歯ぎしりしている。
「あの不良達は足がつかないようにする手駒に過ぎなかった。カイザーPMCがアビドスを襲った時と同じだ」
先生は顎に手を添えて、思考を巡らせる。同じ手口を使った人間。
しかし、今になってカイザーPMCが絡んできたとしてメリットは何か。
「とにかく私も協力するよ。こんな事件。見過ごせない」
「ご協力感謝します」
カンナが先生に頭を下げた。この事件は何か大きなことに繋がっている。彼は直感で理解していたのだ。
その夜、シャーレに戻った彼は事件について調べていた。アビドスが襲撃された件、ヴァルキューレが押収した武器が同一。
彼はある生徒に連絡を入れた。数秒後、その生徒から返事が来て、モニター越しで通話する事になった。
すぐに通話モニターに車椅子に乗った雪のように白髪の生徒の姿が映った。
「夜分、遅くにごめんね。ヒマリ」
「いえいえ、こんばんは。先生。月夜が美しい夜は同様にこの麗しい私を求めてると言うのは必然です」
明星ヒマリ。ミレニアサイエンススクール三年生の少女だ。
「ヴァルキューレの件は知っているかい?」
「ええ、もちろんです。今 エンジニア部の皆さんと解析を行っていたところです。そして今日のアビドスの一件も把握していております」
「やはりか。何か分かったことはあるかい?」
「兵器の材質を見るに未知の物質で構築されていますね。もしかするとこれは」
「何か思い当たる節があるの?」
先生の問いかけに彼女のしばしの沈黙を置いて、答えた。
「無名の司祭が遺したオーパーツです」