緊迫した状況の中、先生は作戦内容を告げた。
「わかった。それなら可能性はあるね」
先生が説明を終えるとホシノが納得したように答えた。
「今はこれに全てをかける。でもみんな決して無理はしないで」
「了解」
先生の言葉に生徒達が返事をした。それと同時に実行のために走り出した。
「アアア! 鬱陶しい! どこまでも!」
ユドルが声を荒げて、緑のレーザーを放って来た。先ほどよりも動きに正確さはなくなっているが、威力が桁違いに増大している。
現にレーザーが直撃した箇所は跡形もなく、消えている。このまま彼の色彩化が進行すれば彼を救うこともキヴォトスを止めることも手遅れになる。
ミカとヒナ。ネルとツルギ。ホシノとシロコ*テラー。それぞれ二手に別れて、攻撃を仕掛けていく。
「くっ! キリがない」
「しぶとすぎない!?」
ヒナとミカが最大火力で押し切るがユドルに膝を着かせるには至らない。次に型にはまらないネルとツルギの動きにも対応した。
「散れ!」
そのまま二人は左右逆に蹴り飛ばされた。ホシノとシロコ*テラーが俊敏な動きで攻撃を仕掛けていくも激しい連射を受けて、後方に引き下がった。
「もう面倒だ。一撃で終わらせる」
ユドルが憎悪を孕んだような重く低い声で呟いた。尾の蛇達がエネルギーを貯め始めたのだ。
「先生! あの人の蛇の口に凄まじいエネルギー量が集まってます! この密度は危険です!」
吹き飛ばされないようにホシノが力強く盾を地面に突き刺した。ホシノがレーザーで吹き飛ばされないよう、他の面々も彼女の肩を持った。
「力を貸して、ユメ先輩」
ホシノが親愛なる亡き先輩に助力を願った後、体に力を込めた。
「消えろおおおお!」
次の瞬間、ユドルが目を血走らせて、六匹の蛇と己の銃口からレーザーを放った。放たれたユドルのレーザーは目にも止まらない速度でホシノの盾に直撃した。
ユドルの先生に対する憎悪が混じった一撃がホシノ達の体力を蝕んでいく。よく見ると盾にもヒビが入り始めている。これ以上は不味い。しかし、今が最大のチャンスだ。
ユドルの意識は完全にホシノ達の方に向いているのだ。今ならいける。そう確信したホシノが彼に目を向けた。今がその時だ。
「シロコ!」
ホシノが先生に叫んだ。先生はすぐさま彼女に合図を送った。
「ん!」
ユドルの背後の廃ビル。そこに隠れていた砂狼シロコが銃弾を放った。突然の出来事でユドルは対処できなかったのか、放たれた弾は見事、人工ヘイローに着弾した。
そのままゆっくりとヒビが入り、音を立てて砕けた。