また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい―― 作:エーアイ
前回の黒ドレス特化救済春麗の話の続きになります。
黒いドレスを着る前に、春麗はしばらく鏡の前で立ち止まっていた。
理由はわかっている。
残響だ。
夢というほど曖昧ではなく、記憶というほど確かなものでもない。
どこか別の自分たちが、円卓を囲んでいた。
春麗会議。
そう呼ぶしかない、面倒な場所。
本編の春麗。
自覚前の春麗。
通常救済版の春麗。
行き遅れを恐れる春麗。
グランドフィナーレを終えた春麗。
そして、自分。
黒ドレス特化版の春麗。
その会議の中で、本編春麗が資料を出していた。
リュウから引き出した言葉。
春麗が来ないと、構えが残る。
会議総合九十点。
その評価を聞いた時の感覚が、まだ胸に残っている。
悔しい。
羨ましい。
そして、少しだけ腹立たしい。
「……私は、黒で行ったのよ」
春麗は鏡の中の自分に言った。
「責任を取りなさい、とまで言ったの」
黒いドレスを着た自分。
女として見られることを隠さず、格闘家として打ち込み、リュウを惑わせ、沈め、それでも見られた自分。
その自分がリュウに突きつけた。
黒い私を見た責任。
女として見た責任。
格闘家として見た責任。
黒を脱いだ私まで見た責任。
なのに、リュウは真顔で答えた。
忘れない。
逃げない。
次も来る。
受ける。
正しい。
正しすぎる。
けれど、足りなかった。
黒ドレス特化版の春麗は、鏡の前で小さく息を吐いた。
「……だから、宿題にする」
本編春麗のやり方は、少しずるい。
訓練。
測定。
会議資料。
甘い言葉の宿題。
そういう形にすると、リュウは考える。
あの男は、甘く言えと言われると武人になる。
責任を取れと言われると、鍛錬のように受ける。
けれど、宿題にすれば。
考えてくる。
真面目に。
春麗は黒いドレスに袖を通した。
今日は黒。
ただし、沈めるためだけの黒ではない。
問いを渡すための黒。
リュウに、考えさせるための黒。
「次までに」
春麗は鏡の中の自分へ向けて言った。
「黒い私を見た責任を、あなたの言葉で一つ考えてきなさい」
言葉にすると、かなり重い。
自分でもそう思う。
でも、これが自分のルートだ。
本編春麗のように、甘い言葉そのものを宿題にするのではない。
自分は黒ドレス特化版春麗。
甘さだけではない。
重さごと、責任ごと、リュウに渡す。
春麗は黒い裾を整えた。
「……さて」
少しだけ笑う。
「何点を取れるかしらね、リュウ」
リュウは修行場にいた。
夜の空気の中、白い胴着が静かに揺れている。
春麗が黒で現れると、リュウの視線が止まった。
その視線を、春麗は逃さない。
見た。
黒いドレスの春麗を。
女としての春麗を。
格闘家としての春麗を。
そして、黒を脱いでも忘れないと言った春麗を。
春麗はゆっくり歩いた。
「リュウ」
「春麗」
「今日は戦う前に、話があるわ」
リュウは構えを解いた。
「話」
「ええ」
春麗は近づく。
黒いドレスの裾が、夜の中で静かに揺れる。
以前なら、この揺れだけでリュウの呼吸を一拍ずらせた。
今も、効いている。
リュウは見ている。
だが、止まらない。
そのことに、春麗は少しだけ満足してしまう。
そして、少しだけ腹が立つ。
「前に、あなたは責任を取ると言ったわね」
「ああ」
「黒い私を見た責任を」
「ああ」
「女としての私を見た責任を」
「ああ」
「格闘家としての私を見た責任を」
「ああ」
「黒を脱いだ私を、なかったことにしない責任を」
「ああ」
春麗は一歩、近づいた。
「では、聞くわ」
リュウは静かに春麗を見る。
「あなたは、その責任をどう取るつもり?」
リュウは少し考えた。
春麗は待つ。
これまでなら、ここで彼は言う。
忘れない。
逃げない。
次も来る。
受ける。
それはもう聞いた。
正しい。
でも、今日はそれでは通さない。
リュウは答えた。
「忘れない」
春麗は目を細めた。
「それは聞いたわ」
リュウは続ける。
「逃げない」
「それも聞いた」
「次も来る」
「それも」
「見る」
「それも、聞いたわ」
リュウは黙った。
春麗は黒いドレスの裾を軽く握る。
「全部正解よ」
「ああ」
「でも、足りない」
リュウは春麗を見る。
「何が足りない」
春麗は、すぐには答えなかった。
答えを教えてしまったら、それは宿題にならない。
春麗は静かに言った。
「それを考えなさい」
「考える」
「今ではなく」
春麗は一拍置く。
「次までに」
リュウが少しだけ目を動かした。
春麗は言った。
「宿題よ」
リュウは黙った。
「宿題」
「復唱しない」
「すまない」
「謝らない」
春麗は、そこで少しだけ笑いそうになった。
本編春麗の口癖が移っている。
春麗会議の残響が、まだ残っている。
だが、悪くない。
便利だ。
かなり便利だ。
「次までに、考えてきなさい」
春麗はリュウを見る。
「黒い私を見た責任を、あなたの言葉で一つ」
リュウは真面目に聞いていた。
この時点で、春麗は少しだけ勝った気がした。
リュウは、きっと考える。
言葉が下手でも。
甘い意味に鈍くても。
責任を武人の言葉に変換してしまっても。
宿題として渡せば、考える。
リュウは頷いた。
「わかった」
春麗の胸が、少しだけ鳴った。
本当に、わかったと言った。
「簡単に言ったわね」
「簡単ではない」
「なら、なぜ即答するの?」
「考えることはできる」
春麗は黙った。
その答えは、少し効いた。
言葉を用意できるとは言っていない。
正解を出せるとも言っていない。
だが、考えることはできる。
春麗のために。
黒い春麗を見た責任について。
春麗は、黒いドレスの胸元に手を当てそうになり、やめた。
「……そう」
声を整える。
「では、今日は確認だけ」
リュウは首を傾げる。
「戦わないのか」
春麗は少し笑った。
「戦うわよ」
一歩下がる。
黒い裾が揺れる。
「でも今日は、あなたが宿題を受け取れるかどうかの確認が先」
「受け取った」
「なら、次は身体で確認する」
リュウは構えた。
春麗も構える。
黒ドレス春麗として。
女として見せ、格闘家として打つ春麗として。
ただし、今日は少し違う。
今日の黒は、リュウを沈めるだけではない。
宿題を刻む黒。
リュウが次までに考えるべきものを、身体にも残す黒。
春麗は低く言った。
「来なさい」
リュウが踏み込む。
序盤、春麗は静かに黒を使った。
見せすぎない。
誘いすぎない。
ただ、黒いドレスの線を、リュウの視線の端に置く。
リュウは見る。
見て、止まらない。
それでも、わずかに呼吸が変わる。
春麗はその一拍を拾う。
掌底。
リュウが受ける。
重心は残っている。
春麗は内心で頷く。
見惚れても止まらない。
そこはもう、届いている。
だから今日は、その先。
「リュウ」
「何だ」
「今、何を見たの?」
リュウは受けながら言った。
「黒いお前」
春麗は踏み込む。
「それだけ?」
「違う」
リュウの拳が返る。
春麗は外す。
「戦うお前」
春麗は少しだけ笑った。
「ええ」
蹴り。
リュウが受ける。
「それから?」
リュウは答えた。
「俺に考えさせるお前」
春麗の動きが一瞬だけ乱れた。
危ない。
それは予想外だった。
俺に考えさせるお前。
それは甘いのか。
武人的なのか。
ただの状況説明なのか。
判断しにくい。
だが、効いた。
春麗はすぐに距離を取る。
「……途中経過としては悪くないわ」
「そうか」
「ただし、今のは宿題の答えではない」
「ああ」
「まだ採点しないわ」
「ああ」
春麗は構え直した。
採点しない。
今日は、宿題を出す日だ。
答えを受け取る日は次だ。
それでも、リュウはもう少し考え始めている。
戦闘中に。
春麗の黒を見ながら。
それが、少し嬉しい。
悔しいくらいに。
中盤、リュウの拳が春麗の肩へ届いた。
浅い。
だが届いた。
春麗は少しだけ目を細める。
「止まらないわね」
「ああ」
「黒を見ても?」
「ああ」
「私を女として見ても?」
「ああ」
「私があなたに宿題を出しても?」
「ああ」
「……本当に、あなたは」
春麗は低く笑った。
「困る男ね」
リュウは拳を引く。
「困らせているのか」
「ええ」
「なら、すまない」
「謝らない」
「そうだった」
春麗は思わず笑いそうになった。
だが、黒を崩さない。
今日は、自分も止まらない。
リュウが黒を見る。
リュウが責任を受け取る。
リュウが考える。
それでも、自分は止まらない。
本編春麗の敗北から学んだことでもある。
見られても止まらない。
考えられても止まらない。
責任を渡しても、黒の軸を崩さない。
春麗は踏み込む。
掌底。
リュウの胸へ入る。
リュウは受けるが、重い。
膝が揺れる。
春麗は言った。
「この痛みも、宿題の一部よ」
リュウは呼吸を整える。
「ああ」
「黒い私を見た責任を、言葉だけで考えないこと」
「ああ」
「私があなたを沈めたことも」
「ああ」
「あなたが止まらなかったことも」
「ああ」
「私が黒を脱いだことも」
「ああ」
春麗は、リュウのすぐ近くに立つ。
「全部、含めなさい」
リュウは春麗を見る。
「わかった」
また、即答。
春麗は少しだけ睨んだ。
「本当に?」
「考える」
「……そう」
その言い方は、ずるい。
わかった、ではなく。
考える。
考えると約束する。
春麗は、黒いドレスの裾を払った。
「では、今日は最後に一つだけ確認するわ」
リュウは構える。
「ああ」
春麗は問う。
「この宿題は重い?」
リュウは迷わず答えた。
「重い」
春麗は微笑む。
「そう」
「だが」
リュウは続けた。
「持つ」
春麗の呼吸が止まりかけた。
持つ。
受ける、ではなく。
持つ。
それは、少し違った。
リュウらしい不器用な言葉。
けれど、春麗の胸の奥に落ちる。
「……今の」
春麗は小さく言った。
「採点対象にしてもいいわね」
リュウは首を傾げる。
「点数か」
「今日はつけない」
「そうか」
「次の答えに含めなさい」
「ああ」
春麗は最後の一歩を踏み込んだ。
黒が揺れる。
女として見せる春麗。
格闘家として打つ春麗。
リュウに責任を宿題として渡した春麗。
その全てを乗せて、掌底を入れる。
リュウは受けた。
だが、膝が落ちる。
片膝。
春麗が立っている。
今日は春麗の勝ちだった。
春麗は、リュウを見下ろした。
「今日は、沈めたわ」
「ああ」
「宿題を受け取ったまま、沈んだ」
「ああ」
「忘れないで」
「忘れない」
「逃げないで」
「逃げない」
「次も来て」
「行く」
春麗は、その返事に少しだけ目を細めた。
来る、ではなく、行く。
いつも通り、少し刺さる。
「……よろしい」
春麗は手を差し出した。
リュウがその手を見る。
「いいのか」
「勝者の余裕よ」
「ああ」
リュウは手を取った。
春麗は引き上げる。
リュウの体重が一瞬かかる。
近い。
黒いドレスのまま。
春麗はリュウを見た。
「次までに、考えてきなさい」
「ああ」
「黒い私を見た責任を」
「ああ」
「あなたの言葉で」
「ああ」
「会議に提出するから」
リュウは少しだけ動きを止めた。
「会議」
春麗も止まった。
しまった。
言ってしまった。
春麗は、すぐに顔を逸らした。
「何でもないわ」
「そうか」
「深く考えないで」
「ああ」
リュウは、それ以上聞かなかった。
本当に聞かない。
春麗は少しだけ胸を撫で下ろす。
そして同時に、思う。
この「聞かない」も、たぶん会議では高得点だ。
春麗は、自分で呆れた。
「……本当に、会議向きの男ね」
「何がだ」
「何でもない」
「ああ」
春麗は手を離した。
「今日はここまで」
リュウは頷く。
「次までに考える」
「ええ」
「黒い春麗を見た責任」
春麗は、静かに見る。
「そう」
リュウは続けた。
「重い宿題だ」
「ええ」
「だが、持つ」
春麗は、今度こそ少しだけ顔を伏せた。
また言った。
持つ。
ずるい。
まだ答えではないのに。
途中経過なのに。
もう効いている。
春麗は黒いドレスの裾を払った。
「……その言葉、忘れないことね」
「忘れない」
「次、つまらない答えだったら沈めるわ」
「ああ」
「良い答えでも沈めるかもしれない」
リュウは少し考えた。
「難しいな」
春麗は笑った。
「当然でしょう」
一歩、背を向ける。
「私は、甘くて重いの」
リュウは静かに言った。
「知っている」
春麗は足を止めた。
少しだけ。
「……そう」
声が柔らかくなりかける。
すぐに整える。
「なら、責任を取りなさい」
「ああ」
「次までに」
「ああ」
春麗は歩き出した。
黒いドレスの裾が夜に揺れる。
春麗会議の残響が、胸の奥でまた揺れる。
本編春麗は、きっと得意げに言うだろう。
宿題化は有効でしょう、と。
通常救済版は微笑むだろう。
黒でも青でも、言葉は届くのね、と。
行き遅れ恐怖版は、少し安心するだろう。
次があるっていいわね、と。
自覚前春麗は言うだろう。
私はそんな宿題出さないわ、と。
そして、自分は。
黒ドレス特化版春麗は、会議に資料を持っていく。
リュウが言った。
重い宿題だ。
だが、持つ。
春麗は夜道で小さく笑った。
「……途中経過、八十七点」
まだ採点はしない。
正式な答えは次だ。
だが、悪くない。
かなり悪くない。
黒ドレス特化版春麗は、黒い胸元に手を当てた。
嫉妬は、もう少し薄くなっていた。
代わりに、期待が残っている。
甘くて。
重くて。
黒い期待。
「次、楽しみにしているわよ」
誰にも聞こえない声で、春麗は呟いた。
それは命令のようで。
宿題の確認のようで。
そして、少しだけ恋のようだった。
Q:今回の妄想章IF後日談とバトル内容について解説して?
A:
はい。執筆者として見ると、今回の妄想章IFは、黒ドレス特化版春麗が「本編春麗の宿題化戦術」を自分のルート用に取り込み、リュウへ“黒い私を見た責任”を宿題として渡す回です。
一言で言うなら、
嫉妬から始まった黒ドレス春麗が、嫉妬をそのまま拗らせるのではなく、自分の黒に合った“次の関係性の課題”へ変換した話
です。
今回の妄想章IFの核
今回の春麗は、春麗会議の記憶を「残響」として受信しています。
その中で、本編春麗がリュウから、
春麗が来ないと、構えが残る。
という高得点回答を引き出したことを知った。
黒ドレス特化版春麗からすると、これは面白くない。
なぜなら自分は、もっと踏み込んでいたからです。
黒いドレスを着た自分。
女として見せる自分。
格闘家としてリュウを沈める自分。
黒を脱いだ自分。
それらをリュウに見せたうえで、
責任を取りなさい。
とまで言った。
それなのに、リュウの答えは真面目で武人的だった。
忘れない。
逃げない。
次も来る。
受ける。
これは正解です。
でも、黒ドレス特化版春麗が欲しかった甘さ・重さには少し足りない。
一方、本編春麗は「宿題」として渡すことで、リュウに考えさせることに成功しました。
だから黒ドレス特化版春麗は気づきます。
リュウは、責任を問われると武人になる。
でも、宿題として渡せば本気で考える。
ここが今回の転換点です。
黒ドレス特化版春麗らしい宿題
本編春麗の宿題は、
次までに、あなたなりの甘い言葉を一つ考えてきなさい。
でした。
しかし、黒ドレス特化版春麗は同じことをしません。
彼女の宿題は、
次までに、黒い私を見た責任を、あなたの言葉で一つ考えてきなさい。
です。
ここが非常に黒ドレス特化版らしい。
本編春麗は「甘い言葉」を宿題にする。
黒ドレス特化版春麗は「責任」を宿題にする。
同じ宿題化でも、意味が違います。
本編春麗はラブコメ的です。
黒ドレス特化版春麗は、もっと重く、救済後の親密さを背負っています。
今回の春麗は嫉妬を武器に戻している
この回で重要なのは、春麗が嫉妬を否定していないことです。
彼女は、本編春麗の九十点に嫉妬している。
でも、それを恥じて隠すのではなく、
なら、私も宿題を出す。
へ変換する。
これは黒ドレス特化版春麗の強さです。
甘さも重さも嫉妬も、自分の黒に戻せる。
つまり、今回の春麗は、
嫉妬 → 比較 → 理解 → 再設計 → 宿題化
という順番で、自分のルートを一段進めています。
リュウの「持つ」が非常に重要
今回、リュウはまだ正式な宿題回答を出していません。
でも途中経過として、かなり大きい言葉を出しました。
重い宿題だ。
だが、持つ。
これは、以前の「受ける」より少し進んでいます。
「受ける」は、リュウらしい防御・受容の言葉です。
でも「持つ」は違う。
受け流さず、預かる。
手放さず、次まで持っていく。
重さを認識したうえで保持する。
黒ドレス特化版春麗にとって、これはかなり刺さります。
だから春麗は正式採点を保留しながらも、
途中経過、八十七点
と評価しています。
正式回答ではない。
でも、かなり良い。
この「まだ答えではないのに効いている」という状態が、この回の甘さです。
バトルの意味
今回の戦闘は、単なる確認試合ではありません。
春麗はリュウに宿題を渡した後、それを身体にも刻んでいます。
黒い私を見た責任を、言葉だけで考えないこと。
私があなたを沈めたことも。
あなたが止まらなかったことも。
私が黒を脱いだことも。
全部、含めなさい。
つまり、今回の戦闘は、
宿題の範囲指定バトル
です。
春麗は、リュウに「黒い私を見た責任」を考えさせるだけではなく、その中に何を含めるべきかを、掌底・蹴り・黒の間合いで教えています。
だから、春麗が勝つのは自然です。
これはリュウを倒すためだけの戦闘ではなく、リュウに宿題を渡し、受け取らせ、身体に残す戦闘だからです。
RPG的バトル解説
初期ステータス
黒ドレス特化版 春麗
HP:100 / 100
状態:黒ドレス展開
バフ:
・黒ドレス制御:極高
・視線誘導:高
・責任要求:高
・春麗会議残響:発動中
・宿題化戦術:新規取得
デバフ:
・本編春麗への軽い嫉妬
・リュウの無自覚回答への期待上昇
リュウ
HP:100 / 100
状態:通常構え
バフ:
・見惚れても止まらない
・不屈
・考えることはできる
・黒春麗記憶保持
デバフ:
・甘い意味への変換遅延
・宿題を真面目に受け取りすぎる
この時点では、戦闘能力は春麗有利です。
ただしリュウは、黒ドレス春麗に対してかなり耐性を持っています。
見惚れる。
でも止まらない。
黒を見る。
でも拳の起点も見る。
そのため、単純な黒ドレス視線誘導だけでは倒しきれません。
フェーズ1:宿題提示
春麗 HP:100
リュウ HP:100
戦況:戦闘前会話。春麗が主導権を握る
春麗の行動。
スキル:《黒い私を見た責任》
効果:リュウに心理課題を付与
スキル:《宿題化》
効果:リュウの「考える」行動を強制発動
リュウの反応。
リュウ:《わかった》
効果:宿題受諾
リュウ:《考えることはできる》
効果:春麗に軽度心理ダメージ
この時点で、春麗は少し揺れています。
なぜなら、リュウが「正解を出す」とは言っていないのに、
考えることはできる
と返したからです。
これは春麗にとってかなり効きます。
春麗 HP:100 → 96
心理ダメージ:小
理由:リュウが宿題を真面目に受け取ったため
ただし、主導権は春麗側にあります。
フェーズ2:黒ドレス確認戦
春麗 HP:96
リュウ HP:100
戦況:春麗優勢。黒を静かに展開
春麗は黒を強く使いすぎません。
見せすぎない。
誘いすぎない。
ただ、リュウの視線の端に黒を置く。
これはかなり高度です。
春麗スキル:《静かな黒》
効果:視線誘導+、リュウの呼吸微低下
副作用:なし
リュウは見るが、止まりません。
リュウ パッシブ:《見惚れても止まらない》
効果:視線誘導による行動停止を無効化
ここで春麗が質問します。
今、何を見たの?
リュウの回答。
黒いお前。
戦うお前。
俺に考えさせるお前。
これがかなり効きます。
リュウ特殊行動:《俺に考えさせるお前》
効果:春麗に予想外の心理揺れ
春麗 HP:96 → 90
状態異常:軽度動揺
ただし春麗はすぐ立て直します。
春麗パッシブ:《黒ドレス特化制御》
効果:動揺からの復帰速度上昇
このあたりが本編春麗との違いです。
本編春麗ならもう少し大きく止まる可能性があります。
黒ドレス特化版は甘さ耐性が高いので、揺れても黒の軸を崩しません。
フェーズ3:宿題を身体に刻む
春麗 HP:90
リュウ HP:82
戦況:春麗優勢
春麗が攻めます。
春麗:《黒掌底》
リュウ HP:100 → 88
春麗:《責任刻印・蹴り》
リュウ HP:88 → 82
ここで春麗は、今回の宿題の範囲を明示します。
言葉だけで考えないこと。
私があなたを沈めたことも。
あなたが止まらなかったことも。
私が黒を脱いだことも。
全部、含めなさい。
RPG的には、これはリュウに課題条件を追加している状態です。
リュウに状態付与:
《重い宿題》
条件:
・黒い春麗を見た記憶
・女として見た記憶
・格闘家として見た記憶
・沈められた経験
・止まらなかった経験
・黒を脱いだ春麗の記憶
これらを含めた言葉を次回までに提出
これはかなり重いクエストです。
フェーズ4:リュウの途中経過「持つ」
春麗 HP:90
リュウ HP:72
戦況:春麗優勢。ただしリュウの言葉で心理揺れ発生
春麗が問います。
この宿題は重い?
リュウは答えます。
重い。
だが、持つ。
ここが今回の最大の中間イベントです。
リュウ特殊行動:《だが、持つ》
効果:春麗に高威力心理ダメージ
分類:無自覚高得点回答
春麗の反応。
春麗 HP:90 → 78
状態:胸部高反応
備考:正式回答前なのに被弾
ただし春麗は倒れません。
むしろ、それを次の答えに含めるよう命じます。
春麗スキル:《採点保留》
効果:心理ダメージを次回期待値へ変換
これが黒ドレス特化版の強さです。
本編春麗なら「今のは何点?」と即座に点数化しそうですが、黒ドレス特化版は、
次の答えに含めなさい
と、重さを蓄積させます。
フェーズ5:決着
春麗 HP:78
リュウ HP:72
戦況:春麗が主導権を保持
春麗は最後に、黒・女性性・格闘家性・宿題化した責任をすべて乗せて掌底を打ちます。
春麗奥義:《黒責任掌底》
効果:リュウに大ダメージ
リュウ HP:72 → 12
追加効果:片膝
リュウは片膝をつきます。
春麗の勝利です。
勝者:春麗
春麗 HP:78 / 100
リュウ HP:12 / 100
ただし、リュウは敗北しながらも宿題を保持しています。
リュウ状態:
・敗北
・宿題保持
・黒い春麗の責任を考える状態
・次回行動フラグ:《考えて行く》
この勝敗が重要です。
春麗は戦闘では勝った。
しかし、リュウの「持つ」に心理的にはかなり被弾している。
リュウは戦闘では負けたが、次回への宿題を受け取った。
つまり、今回の決着は、
春麗の戦闘勝利、リュウの次回フラグ獲得
です。
戦闘結果まとめ
春麗:HP 78 / 100
リュウ:HP 12 / 100
戦闘勝者:春麗
春麗の勝因:
・黒ドレス制御が高い
・嫉妬を行動に変換できた
・宿題化戦術を自分用に再設計した
・リュウの言葉に揺れても黒の軸を崩さなかった
リュウの敗因:
・宿題を受け取ったことで思考リソースが増加
・黒ドレス春麗の重い課題を身体でも刻まれた
・戦闘中の対応はできたが、春麗の主導権を崩せなかった
ただしリュウの成果:
・《だが、持つ》で春麗に心理ダメージ
・次回宿題回答フラグを成立
今回の物語上の意味
このエピソードの意味は、黒ドレス特化版春麗が「本編春麗の手法を受信して、自分の黒へ取り込んだ」ことです。
これにより、黒ドレス特化版春麗の関係性は次の段階へ進みました。
以前は、
責任を取りなさい。
とその場で迫っていました。
今回からは、
次までに、責任の取り方を考えてきなさい。
になりました。
これは大きな変化です。
その場で答えを求めるのではなく、リュウに持ち帰らせる。
次を作る。
これは本編春麗の「続ける力」を、黒ドレス特化版春麗が取り込んだ形です。
結論
今回の妄想章IFは、黒ドレス特化版春麗が、春麗会議の残響を受けて“宿題化”という新しい攻略法を自分の黒へ取り込む話です。
RPG的には、
春麗が《宿題化》スキルを獲得し、《黒い私を見た責任》という重いクエストをリュウへ付与した回
です。
戦闘では春麗が勝利。
ただしリュウは、
重い。だが、持つ。
という途中経過で、春麗にかなりの心理ダメージを与えています。
一言でまとめるなら、
春麗はリュウを沈めた。
だが、リュウは宿題を持った。
だから次回、黒ドレス春麗はその答えを待つことになる。