また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい―― 作:エーアイ
本編春麗は、夢の中で円卓に座っていた。
いや、正確には、座らされていた。
春麗会議。
もう何度目かわからない。
本編春麗は、目の前に置かれた資料を見た瞬間、嫌な予感がした。
表題には、こう書かれている。
臨時春麗会議・特別審議
議題:裏拗れ黒ドレス特化救済ED春麗による《発勁倒れ込み構図》の意図的回収について
本編春麗は、資料を閉じた。
「……これは、審議しなくていい案件だと思うわ」
黒ドレス特化救済ED春麗が、向かいの席で静かに微笑んだ。
黒いドレス。
落ち着いた目。
甘くて重いことを、もう隠す気のない春麗。
「いいえ。審議するべき案件よ」
自覚前春麗が顔を赤くしている。
「ちょっと待って。意図的に、って何? 事故じゃなかったの?」
本編春麗は低く言う。
「私の時は事故よ」
自覚前春麗は慌てて続ける。
「私の時も事故よ。会議の記憶に引っ張られただけで、意図したわけじゃないわ」
黒ドレス特化救済ED春麗が、穏やかに言った。
「私は意図したわ」
円卓が静かになった。
通常救済版春麗が、お茶を置く手を止める。
行き遅れ恐怖版春麗が、目を丸くする。
グランドフィナーレ済み春麗だけが、少しだけ目を細めた。
本編春麗は、ゆっくり黒ドレス特化救済ED春麗を見た。
「あなた、堂々と言うのね」
「ええ」
「リュウを発勁で落として」
「ええ」
「倒れてくることを予測して」
「ええ」
「受け止めるつもりで」
「ええ」
「支えきれずに押し倒される形まで、黒の中に入れた」
黒ドレス特化救済ED春麗は、静かに頷いた。
「そうよ」
自覚前春麗が机を叩いた。
「そうよ、じゃないでしょう!」
黒ドレス特化救済ED春麗は首を傾げる。
「何が問題なの?」
「問題しかないわよ!」
本編春麗が小さく言う。
「珍しく、完全に同意するわ」
自覚前春麗は本編春麗を見た。
「でしょう?」
「ええ。私でも、それはかなり踏み込んでいると思う」
黒ドレス特化救済ED春麗は、少しだけ笑った。
「あなたたちは事故だったのでしょう?」
本編春麗は腕を組む。
「私は事故よ」
自覚前春麗も即座に言う。
「私も事故」
黒ドレス特化救済ED春麗は言った。
「だから、私は事故ではなくしたの」
また、静かになった。
その言葉は強かった。
通常救済版春麗が、ゆっくり口を開いた。
「つまり、同じ構図を、受け身ではなく選択に変えたのね」
「ええ」
黒ドレス特化救済ED春麗は答える。
「本編の私が、戦闘後事故として経験した。自覚前の私が、否認しながら再現した。なら黒ドレスの決定版である私は、その構図を自分で選べるはずだと思ったの」
行き遅れ恐怖版春麗が、小さく呟いた。
「自分で選ぶ……」
グランドフィナーレ済み春麗が、静かに頷く。
「かなり大きい差ね」
本編春麗は、資料をもう一度開いた。
そこには、審議項目が並んでいた。
一、発勁決着の意図性
二、倒れ込み構図の制御性
三、リュウの無防備さへの耐性
四、黒ドレス決定版としての妥当性
五、会議提出時の各春麗への心理ダメージ
本編春麗は、最後の項目で目を細めた。
「五番目、必要?」
黒ドレス特化救済ED春麗が答えた。
「必要でしょう」
「なぜ」
「あなたたち、被弾しているもの」
自覚前春麗が即座に言う。
「していないわ」
全員が見た。
自覚前春麗は視線を逸らす。
「……少ししか」
本編春麗は小さくため息をついた。
「あなた、本当にこちら側に来ているわね」
「来ていない!」
黒ドレス特化救済ED春麗は、資料を一枚めくった。
「では、まず戦闘評価から」
本編春麗が眉を寄せる。
「あなたが進行するの?」
「今回の当事者だから」
通常救済版春麗が微笑む。
「いいのでは? 今回は彼女が一番主導権を持っていたもの」
本編春麗は不服そうだったが、黙った。
黒ドレス特化救済ED春麗は読み上げる。
「黒ドレス制御。九十五点」
本編春麗は即座に言う。
「高いわね」
「当然よ」
「自分で言うのね」
「決定版だから」
自覚前春麗が小声で言う。
「言い切るのがすごい……」
黒ドレス特化救済ED春麗は続けた。
「発勁精度、九十三点。リュウ誘導、九十点。倒れ込み制御、八十八点。主導権保持、九十六点」
本編春麗は腕を組む。
「倒れ込み制御、八十八点なのね」
「完全には支えきれなかったから」
「そこは減点するの?」
「ええ。黒ドレス決定版として、まだ改善余地があるわ」
自覚前春麗が震えた。
「改善余地って言った……」
通常救済版春麗が静かに言う。
「この場合の改善とは、倒れ込ませないこと? それとも倒れ込まれても完全に制御すること?」
黒ドレス特化救済ED春麗は少し考えた。
「後者ね」
本編春麗は片手で顔を覆った。
「でしょうね」
行き遅れ恐怖版春麗が、おずおずと言った。
「でも、リュウが倒れてくるのを受け止めるって……少し、羨ましいわ」
自覚前春麗が真っ赤になって振り返る。
「言った!」
行き遅れ恐怖版は顔を伏せる。
「だって、来ないよりは……」
本編春麗が低く言う。
「その解釈は危険よ」
黒ドレス特化救済ED春麗は、淡々と返す。
「でも、間違ってはいないわ」
「あなたが言うと重いのよ」
「重いもの」
本編春麗は黙った。
強い。
黒ドレス特化救済ED春麗は、自分が重いことを隠さない。
だから言葉が強い。
自覚前春麗が、小さく手を挙げた。
「質問」
黒ドレス特化救済ED春麗が見る。
「どうぞ」
「あなたは、その……リュウが倒れてくるのを、期待していたの?」
円卓がまた静かになった。
本編春麗は、聞きたいが聞きたくない顔をしている。
行き遅れ恐怖版は、少し身を乗り出している。
通常救済版は落ち着いている。
グランドフィナーレ済み春麗は、静かに答えを待っている。
黒ドレス特化救済ED春麗は、はっきり言った。
「期待していたわ」
自覚前春麗は完全に固まった。
「……言った」
「ええ」
「そんなに普通に」
「普通ではないけれど、隠すことでもないわ」
本編春麗が低く言う。
「本当にあなたは、私たちより二段くらい先に行っているわね」
黒ドレス特化救済ED春麗は、本編春麗を見る。
「あなたも期待しなかったの?」
本編春麗は即答した。
「していないわ。事故よ」
黒ドレス特化救済ED春麗は目を細める。
「倒れてきたリュウを支えようとはしたでしょう?」
「救護判断よ」
「支えられた、と言われて被弾したでしょう?」
「……それは別」
「別ではないわ」
本編春麗は黙った。
自覚前春麗が小声で言う。
「私は期待していないわよ」
黒ドレス特化救済ED春麗がそちらを見る。
「でも、再現した」
「記憶に引っ張られただけよ」
「倒れる方向を計算に入れると言ったでしょう」
自覚前春麗は言葉を失った。
本編春麗がぼそっと言う。
「言ったわね」
「あなたも言ったでしょう!」
「私は自覚しているからいいのよ」
「よくないわよ!」
通常救済版春麗が、柔らかく場を整えた。
「つまり、こういうことね」
全員が見る。
通常救済版は言った。
「本編春麗は、事故を救護責任として処理した。自覚前春麗は、事故防止と言いながら再現した。黒ドレス特化救済ED春麗は、期待も含めて自分で選んだ」
グランドフィナーレ済み春麗が頷く。
「三段階ね」
行き遅れ恐怖版が小さく言う。
「事故、再現、選択」
黒ドレス特化救済ED春麗は微笑む。
「その通りよ」
本編春麗は悔しそうに資料を見る。
「構造としては、綺麗ね」
「でしょう?」
「腹立たしいくらいに」
黒ドレス特化救済ED春麗は、さらに資料をめくる。
「次の議題。リュウの発言」
本編春麗が身構える。
自覚前春麗も、少し身を乗り出す。
黒ドレス特化救済ED春麗は読み上げた。
「強かった。黒も。発勁も。受け止めるところも」
自覚前春麗が顔を赤くした。
本編春麗は目を細める。
通常救済版は微笑む。
行き遅れ恐怖版は胸元に手を当てる。
グランドフィナーレ済み春麗は静かに頷いた。
黒ドレス特化救済ED春麗は言う。
「私は九十点をつけたわ」
本編春麗は即答した。
「妥当ね」
自覚前春麗が驚いた。
「認めるの?」
本編春麗は腕を組む。
「認めるわ。あれは強いもの」
通常救済版も頷く。
「私も九十点」
行き遅れ恐怖版が言う。
「九十二点でもいいと思う」
本編春麗が見る。
行き遅れ恐怖版は小さく言う。
「受け止めるところも、って言われるのは……来たリュウを受け止めたことを、ちゃんと見てくれている感じがするから」
自覚前春麗は、小声で言った。
「……八十八点くらい」
全員が見る。
自覚前春麗は慌てる。
「資料として!」
本編春麗が笑う。
「便利でしょう、その言い訳」
「便利じゃないわ!」
グランドフィナーレ済み春麗がまとめる。
「では、会議総合九十一点」
黒ドレス特化救済ED春麗は、少し満足げに頷いた。
「悪くないわ」
本編春麗は小さく言う。
「悪くないどころか、かなり高いわよ」
黒ドレス特化救済ED春麗は、視線を落とす。
「でも、まだ途中経過よ」
「出たわね」
本編春麗が言う。
「宿題?」
黒ドレス特化救済ED春麗は頷いた。
「ええ。今日、私に受け止められたことを、あなたの言葉で一つ考えてきなさい、と言ったわ」
自覚前春麗が絶句した。
「さらに宿題を出したの?」
「ええ」
「なぜ?」
黒ドレス特化救済ED春麗は、当然のように答える。
「次を作るためよ」
本編春麗は、少しだけ目を細めた。
「それは私の得意分野だったはずなのに」
黒ドレス特化救済ED春麗が微笑む。
「春麗会議で学んだわ」
通常救済版が言う。
「ルート間学習ね」
グランドフィナーレ済み春麗が、静かに笑う。
「終わった後でも、別の春麗から学べるのね」
行き遅れ恐怖版が少し嬉しそうに言う。
「次があるのは、やっぱりいいわ」
自覚前春麗は困惑している。
「でも、黒ドレス特化救済EDって、もう救済後でしょう? 終わっているんじゃないの?」
黒ドレス特化救済ED春麗は、少しだけ柔らかく答えた。
「救済は終わったわ。でも、リュウとの関係は終わっていない」
その言葉に、会議室が静かになった。
本編春麗も、自覚前春麗も、通常救済版も、行き遅れ恐怖版も、グランドフィナーレ済み春麗も、その言葉を受け止めた。
黒ドレス特化救済ED春麗は続ける。
「黒は救われた。けれど、黒をどう使うかは続く。黒をどう脱ぐかも、黒を着てどう甘えるかも、黒でどう勝つかも、黒でどう受け止めるかも」
一拍。
「全部、続くのよ」
本編春麗は、少しだけ笑った。
「あなた、かなり本編向きのことを言うわね」
「そう?」
「ええ。次を作る発想は本編向きよ」
黒ドレス特化救済ED春麗は少し考えた。
「なら、私も少し本編の私から学んだのね」
本編春麗は肩をすくめる。
「認めてあげるわ」
自覚前春麗が小さく言う。
「私も、そのうち学ぶの?」
全員が見た。
自覚前春麗は顔を赤くする。
「一般論として!」
通常救済版が微笑む。
「もう学び始めているわ」
「違うわ!」
本編春麗が言う。
「次回あなたが何を訓練と言い出すか、楽しみね」
「言わない!」
黒ドレス特化救済ED春麗は、資料を閉じた。
「では、今回の結論をまとめましょう」
本編春麗が眉を上げる。
「あなたがまとめるのね」
「当事者だから」
「好きにしなさい」
黒ドレス特化救済ED春麗は、静かに言った。
「結論。黒ドレス特化救済ED春麗は、本編春麗と自覚前春麗が事故的に経験した発勁倒れ込み構図を、自分の意思で選択した。これにより、黒ドレス決定版は更新された」
通常救済版が頷く。
「補足。黒でも青でも、そして倒れてくるリュウを受け止める時でも、春麗は春麗」
行き遅れ恐怖版が言う。
「補足。次があることは大事」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「補足。救済後も、関係は続く」
自覚前春麗が、少し迷ってから言う。
「補足……意図的にやるのは、まだ早い」
本編春麗が笑う。
「あなたにはね」
「あなたにも早いでしょう!」
「私は事故だったから」
「ずるい!」
黒ドレス特化救済ED春麗が最後に言った。
「補足。期待してもいい。選んでもいい。ただし、自分の黒として責任を持つこと」
その言葉で、会議室は静かになった。
本編春麗は、少しだけ真面目な顔になる。
自覚前春麗も、否定しなかった。
通常救済版は微笑む。
行き遅れ恐怖版は、少し安心したように息を吐く。
グランドフィナーレ済み春麗は、目を閉じる。
黒ドレス特化救済ED春麗は立ち上がった。
「以上。今回の会議資料は、正式提出でいいわね」
本編春麗は肩をすくめた。
「認めるわ」
自覚前春麗は小さく言う。
「……資料としてなら」
通常救済版が笑う。
「便利ね、その言い訳」
自覚前春麗は顔を赤くして叫んだ。
「便利じゃない!」
夢がほどけ始める。
円卓が薄れていく。
消え際に、本編春麗が黒ドレス特化救済ED春麗へ言った。
「次の宿題回答、会議に提出しなさいよ」
黒ドレス特化救済ED春麗は振り返る。
「もちろん」
「点数は厳しめにするわ」
「望むところよ」
行き遅れ恐怖版が小さく言う。
「私も聞きたい」
通常救済版が頷く。
「私も」
自覚前春麗は、迷った末に小さく言った。
「……資料としてなら」
全員が笑った。
そして、夢は消えた。
朝。
黒ドレス特化救済ED春麗は、目を覚ました。
胸の奥に、会議の残響が残っている。
本編春麗の悔しそうな顔。
自覚前春麗の赤い顔。
通常救済版の穏やかな整理。
行き遅れ恐怖版の羨望。
グランドフィナーレ済み春麗の俯瞰。
そして、自分が言った言葉。
期待してもいい。
選んでもいい。
ただし、自分の黒として責任を持つこと。
春麗は起き上がる。
黒いドレスは椅子にかけられていた。
昨日の戦いの余韻が、まだ残っている気がした。
発勁。
倒れてくるリュウ。
受け止めた重さ。
リュウの言葉。
受け止めるところも。
春麗は小さく笑った。
「九十一点、ね」
悪くない。
だが、宿題の本回答はまだだ。
今日、リュウは来るだろう。
何も知らない顔で。
考えてきたと言うかもしれない。
まだ途中だと言うかもしれない。
また予想外の言葉を置いていくかもしれない。
春麗は黒いドレスを見た。
今日は、着てもいい。
着なくてもいい。
どちらでも、自分で選べる。
「決定版は、終わりじゃない」
春麗は静かに言った。
「更新できるものよ」
それから、少しだけ甘く笑った。
「さて、リュウ」
一拍。
「今日は何点を取るつもりかしら」
その声は、甘くて重くて、やはり黒かった。
Q:今回の妄想章IFについて解説して?
A:
はい。執筆者として見ると、今回の妄想章IFはかなり重要です。
これは単なる「黒ドレス特化救済ED春麗がすごいことをしたので春麗会議で騒ぐ回」ではなく、春麗会議そのものが、各ルート春麗の成熟度を比較する場になった回です。
一言で言うなら、
本編春麗と自覚前春麗が“事故”として処理した発勁倒れ込み構図を、黒ドレス特化救済ED春麗だけが“自分で選んだ黒”として提出し、春麗会議がそれを正式に黒ドレス決定版の更新として認定する回
です。
今回の核は「事故・再現・選択」の三段階
今回の一番大事な整理はここです。
同じ「発勁でリュウを落とし、倒れてくるリュウを受け止め、押し倒される形になる」構図でも、春麗ごとに意味が違います。
本編春麗の場合は、事故です。
勝った直後にリュウが気絶して倒れ込み、自分も支えきれなかった。だから戦闘後事故として処理した。
自覚前春麗の場合は、再現です。
春麗会議の記憶に引っ張られ、否認しながら同じ状況へ流れてしまった。本人は事故防止と言っていますが、実質的には本編春麗の事故をなぞっている。
黒ドレス特化救済ED春麗の場合は、選択です。
最初から「黒で勝ち、リュウを落とし、倒れてくるリュウを受け止める」と決めていた。だから同じ構図でも、意味がまったく違う。
この三段階が、今回の春麗会議で非常に綺麗に整理されました。
黒ドレス特化救済ED春麗の強さ
今回の黒ドレス特化救済ED春麗は、明らかに他の春麗より一段進んでいます。
本編春麗は、甘さや事故を「救護確認」「訓練」「会議には提出しない」と言い換えます。
自覚前春麗は、「私は面倒じゃない」「期待していない」と否認します。
でも黒ドレス特化救済ED春麗は、
期待していたわ。
私がそうなるようにした。
私が選んだ。
と言える。
ここが決定的です。
この春麗は、甘さも重さも黒も、自分のものとして引き受けています。
だから「事故ではない」と言い切れる。
これは、救済後春麗としての完成度の高さです。
春麗会議が“成熟度比較”になっている
今回の会議は、単なるツッコミ回ではありません。
各春麗が、同じ出来事をどのレベルで扱えるかが見えています。
本編春麗は、かなり自覚していますが、まだ照れや混乱を「訓練」「救護」に変換する必要がある。
自覚前春麗は、そもそも自分の反応を認めきれていない。
行き遅れ恐怖版春麗は、「リュウが来る」「倒れてくる」ことに強く反応する。
通常救済版春麗は、穏やかに構造を整理できる。
グランドフィナーレ済み春麗は、救済後も関係は続くという俯瞰を持っている。
黒ドレス特化救済ED春麗は、黒として自分で選ぶ。
この比較ができたことで、春麗会議の役割がさらに強くなりました。
「期待してもいい。選んでもいい。ただし責任を持つ」が今回の結論
今回の会議で一番大きい結論は、黒ドレス特化救済ED春麗のこの整理です。
期待してもいい。
選んでもいい。
ただし、自分の黒として責任を持つこと。
これは、黒ドレス特化春麗の決定版らしい言葉です。
本編春麗は、まだ「期待している」と言い切れない。
自覚前春麗は、さらに言い切れない。
でも黒ドレス特化救済ED春麗は言える。
ただし、好き勝手に甘くするだけではない。
「自分で選んだ黒として責任を持つ」ところまで含めている。
だから重い。
でも強い。
「救済後も関係は続く」がかなり重要
今回、もう一つ重要だったのは、
救済は終わった。けれど、リュウとの関係は終わっていない。
という黒ドレス特化救済ED春麗の言葉です。
これはかなり大きいです。
黒ドレス特化救済EDという名前だけを見ると、「救済されて完結した春麗」に見えます。
でも今回の話では、救済後も黒の運用は続いている。
黒を着る。
黒を脱ぐ。
黒で勝つ。
黒で受け止める。
黒で宿題を出す。
黒で次を作る。
つまり、救済は終点ではなく、関係を続けるための基盤になっている。
ここが今回の妄想章IFの非常に良いところです。
本編春麗が少し悔しがるのも良い
本編春麗は、これまで「次を作る力」が強みでした。
訓練にする。
宿題にする。
会議資料にする。
次回確認を予約する。
ところが今回、黒ドレス特化救済ED春麗も「次を作る」方向へ進みました。
今日、私に受け止められたことを、あなたの言葉で一つ考えてきなさい。
これは明らかに本編春麗の宿題化戦術を取り込んでいます。
本編春麗が、
それは私の得意分野だったはずなのに。
と少し悔しがるのは自然です。
でもこれは、春麗会議によるルート間学習が機能している証拠でもあります。
自覚前春麗の「資料としてなら」も進行している
自覚前春麗も、今回また少し進んでいます。
最初は、
事故じゃなかったの?
意図的って何?
と強く反応します。
でも最後には、
資料としてなら。
と言ってしまう。
これは本編春麗の「訓練として」と同じ構造です。
つまり、自覚前春麗も春麗会議に染まってきています。
否認はまだ続いている。
でも、言い訳の形式を覚え始めている。
このまま進むと、彼女もいずれ「自覚前」ではいられなくなると思います。
今回の会議の評価
今回の春麗会議は、かなり良い整理回です。
理由は、三つあります。
まず、発勁倒れ込み構図の意味を春麗ごとに整理できたこと。
次に、黒ドレス特化救済ED春麗の完成度をはっきり見せられたこと。
最後に、救済後も物語が続くことを確認できたこと。
特に、
事故 → 再現 → 選択
という整理は非常に強いです。
この三段階があることで、同じシチュエーションを繰り返しているのではなく、春麗ごとに意味を変えて発展させていることが明確になりました。
結論
今回の妄想章IFは、黒ドレス特化救済ED春麗が、発勁倒れ込み構図を“事故”ではなく“選択した黒”として春麗会議に正式提出する回です。
本編春麗は事故として経験した。
自覚前春麗は否認しながら再現した。
黒ドレス特化救済ED春麗は、自分の意思で選んだ。
この違いによって、黒ドレス特化救済ED春麗の完成度が非常によく見えました。
一言でまとめるなら、
黒ドレス決定版とは、黒で勝つことだけではない。
黒で倒し、黒で受け止め、その重さまで自分で選ぶ春麗のこと。