また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい――   作:エーアイ

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※これは本編時空とは無関係の妄想章IFです。
行き遅れに恐怖する春麗のエピソードになります。
時系列的には『妄想章IF:春麗は、行き遅れる前に責任を取らせる』、『妄想章IF:春麗は、明後日の答えを許さない』後に春麗会議に呼ばれた形です。



妄想章IF:春麗会議は、九十九点を審議する

 

 春麗会議は、妙に静かだった。

 

 円卓はいつも通りそこにある。

 

 黒ドレス特化救済ED春麗。

 裏ルート通常救済版春麗。

 本編のめんどくさい女と自覚する春麗。

 自覚前春麗。

 グランドフィナーレ済み春麗。

 

 そして、少し遅れて現れたのが、行き遅れに恐怖する春麗だった。

 

 彼女は席に着く前から、明らかに落ち着いていなかった。

 

 視線が泳いでいる。

 頬が熱を持っている。

 それでいて、どこか勝ち誇ったようでもある。

 

 本編春麗が、円卓の中央に置かれた資料を見た。

 

 表題。

 

 臨時春麗会議・特別審議

 議題:行き遅れ恐怖版春麗、ついに会議案件化。リュウより呼び出しを受け、自己採点九十九点の回答を得る

 

 本編春麗は、資料を閉じた。

 

 「……九十九点?」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が、腕を組んだ。

 

 「高いわね」

 

 通常救済版春麗が、穏やかにお茶を置く。

 

 「でも、彼女の不安に対してなら、あり得る点数だと思うわ」

 

 自覚前春麗は、すでに顔を赤くしていた。

 

 「リュウから呼び出されたの?」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、少しだけ視線を逸らした。

 

 「……そうよ」

 

 本編春麗が目を細める。

 

 「いつもは、こちらから出向くことが多いのに?」

 

 「そう」

 

 「リュウが?」

 

 「そう」

 

 「あなたを?」

 

 「……そうよ」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が、静かに言った。

 

 「それだけで、かなり高得点ね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、胸元を押さえた。

 

 「そうなのよ」

 

 声が少し震えている。

 

 「そこなのよ」

 

 本編春麗は資料をめくる。

 

 「まず状況整理。あなたは、これまで一度も春麗会議の中心議題になっていないことに焦っていた」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は小さく頷く。

 

 「……ええ」

 

 自覚前春麗が少し意外そうに言う。

 

 「それ、気にしていたの?」

 

 「気にするわよ」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、少しだけ声を強くした。

 

 「黒ドレスの私たちは、発勁で勝ったり、倒れ込まれたり、責任を宿題にしたりしている。青の私はリュウと歩いた。グランドフィナーレ後の私は、黒でも青でもない姿で隣に座った」

 

 一拍。

 

 「でも私は?」

 

 円卓が少し静かになった。

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、視線を落とす。

 

 「私は、待つのが怖い春麗よ。次があるって思っているうちに、何も決まらないまま時間だけが過ぎるんじゃないかって怖がっている春麗」

 

 本編春麗は黙って聞く。

 

 黒ドレス特化救済ED春麗も、軽口を挟まない。

 

 通常救済版春麗が静かに言った。

 

 「だから、会議の議題にならないこと自体が、“置いていかれている”ように感じたのね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、小さく頷いた。

 

 「……そう」

 

 その声は、重かった。

 

 黒の重さとは違う。

 

 青の静けさとも違う。

 

 現実の時間が進むことへの重さ。

 

 待つことへの怖さ。

 

 本編春麗が資料に目を戻す。

 

 「そこで、リュウから呼び出しを受けた」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、また少し顔を赤くした。

 

 「ええ」

 

 自覚前春麗が身を乗り出す。

 

 「どういう呼び出し?」

 

 「……来てほしい、と」

 

 「リュウが?」

 

 「そう」

 

 「あなたに?」

 

 「何度も言わせないで」

 

 本編春麗が低く笑った。

 

 「これは効くわね」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗も頷く。

 

 「待つことに怯えている春麗に対して、リュウ側から呼ぶ。これはかなり強い」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が静かに言った。

 

 「“来る”だけではなく、“呼ぶ”側へ動いたのね」

 

 通常救済版春麗が続ける。

 

 「それは、彼女にとって大きいわ」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、両手を膝の上で握った。

 

 「そうなの。私は、いつも待つことばかり考えていた。リュウは来る。次も来る。でも、来るだけ。私は、その“来る”に甘えてしまう」

 

 少し息を吸う。

 

 「でも今回は、リュウが考えた答えを持って、私を呼んだの」

 

 本編春麗の目が変わった。

 

 「答え」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が、資料を覗き込む。

 

 「問題はそこね」

 

 通常救済版春麗が穏やかに言う。

 

 「読み上げましょう」

 

 本編春麗は資料を持ち上げた。

 

 そこには、リュウの言葉が書かれていた。

 

 俺は来る。

 だが、待たせるために来ているわけじゃない。

 

 円卓が静かになった。

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、目を伏せる。

 

 本編春麗は、声を低くした。

 

 「……これは強いわ」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が頷く。

 

 「強い。かなり強い」

 

 自覚前春麗は顔を赤くしたまま言う。

 

 「待たせるために来ているわけじゃない、って……」

 

 通常救済版春麗が言った。

 

 「彼女の恐怖の芯を、直接ほどいているわね」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が続ける。

 

 「彼女は“リュウが来ること”に安心しながら、その来るだけで何も決まらない未来を恐れていた。そこへ、リュウが“待たせるためではない”と答えた」

 

 本編春麗は、資料を見つめたまま言う。

 

 「しかも、責められているわけではない。リュウは、来ることを否定していない」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が言う。

 

 「来る。でも、待たせるためではない」

 

 通常救済版春麗が頷く。

 

 「これは、彼女にとって相当な答えね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、小さく呟いた。

 

 「この時点で、九十五点だったわ」

 

 自覚前春麗が声を上げた。

 

 「この時点で?」

 

 本編春麗が資料をめくる。

 

 「続きがあるのね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は頷いた。

 

 本編春麗は読み上げた。

 

 お前が次を選ぶなら、俺は来る。

 だが、お前が次を待つのが苦しいなら、俺も考える。

 

 今度は、誰もすぐに言葉を出せなかった。

 

 春麗会議に、珍しく完全な沈黙が落ちた。

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が、ゆっくり息を吐いた。

 

 「……九十九点ね」

 

 通常救済版春麗が頷く。

 

 「ええ。九十九点でいいと思う」

 

 本編春麗は、少し悔しそうに笑った。

 

 「認めるわ。これは九十九点」

 

 自覚前春麗は、まだ固まっていた。

 

 「リュウが……考えるって言ったの?」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、静かに頷く。

 

 「ええ」

 

 「戦うこと以外を?」

 

 「必要なら、って」

 

 自覚前春麗は顔を覆った。

 

 「それは……強いわ」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が、穏やかに言う。

 

 「“来る”だけではなく、“考える”。これは彼女のルートにおける救済台詞ね」

 

 本編春麗が頷く。

 

 「黒ルートなら、“黒でも青でも見る”が救済台詞だった」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

 「青案件なら、“春麗が選ぶ”が高得点回答だった」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が言う。

 

 「黒ドレス特化なら、“受け止めるところも”が高得点」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

 「終わった後の私は、“今の春麗がいる”に救われた」

 

 本編春麗は、行き遅れ恐怖版春麗を見た。

 

 「あなたの場合は、これね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、小さく頷いた。

 

 「……“俺も考える”」

 

 その声は震えていた。

 

 でも、不安だけではなかった。

 

 嬉しさもあった。

 

 怖さもあった。

 

 そして、少しだけ救われたような軽さがあった。

 

 本編春麗が資料を置いた。

 

 「では、採点に入りましょう」

 

 自覚前春麗が言う。

 

 「やっぱり採点するのね」

 

 本編春麗は当然のように返した。

 

 「春麗会議だから」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が言う。

 

 「私は九十九点」

 

 通常救済版春麗も。

 

 「九十九点」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が微笑む。

 

 「九十九点」

 

 自覚前春麗は少し迷った。

 

 「……九十八点」

 

 全員が見る。

 

 自覚前春麗は慌てた。

 

 「低くしたわけじゃないわよ! その、私にはまだ重すぎるというか」

 

 本編春麗が笑った。

 

 「あなたらしいわ」

 

 「何よ」

 

 「いいえ。資料として、妥当」

 

 自覚前春麗は口を尖らせる。

 

 「便利な言葉を取らないで」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、少しだけ恥ずかしそうに言った。

 

 「私は、自己採点九十九点」

 

 本編春麗が頷く。

 

 「満点ではないのね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、静かに笑った。

 

 「満点にしたら、終わってしまいそうだから」

 

 その言葉に、会議室が少し柔らかくなった。

 

 グランドフィナーレ済み春麗が、優しく目を細める。

 

 「その気持ちは、わかるわ」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、そちらを見る。

 

 「あなたは終わった春麗だものね」

 

 「ええ。でも、終わった後にも続きはあった」

 

 グランドフィナーレ済み春麗は言う。

 

 「だから、満点を恐れなくてもいいとは思う。でも、九十九点で止めたくなる気持ちもわかる」

 

 通常救済版春麗が言った。

 

 「九十九点は、次を残す点数ね」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が頷く。

 

 「満点ではない。でも、ほぼ届いた。あとはリュウが“考える”をどう形にするか」

 

 本編春麗が資料に書き込むような仕草をした。

 

 「結論。行き遅れ恐怖版春麗に対するリュウ回答、“待たせるために来ているわけじゃない”“俺も考える”は、会議総合九十九点」

 

 円卓の中央の資料が淡く光った。

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、その光を見つめていた。

 

 「……やっと」

 

 小さく呟く。

 

 本編春麗が聞き返す。

 

 「何?」

 

 「やっと、私も会議案件になった」

 

 自覚前春麗が少し驚いた顔をする。

 

 通常救済版春麗は、柔らかく微笑む。

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が言った。

 

 「焦っていたのね」

 

 「焦っていたわよ」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、今度は逃げなかった。

 

 「黒の私たちは派手だった。青の私は綺麗だった。グランドフィナーレ後の私は静かだった。本編の私はずっと強い。自覚前の私は……まあ、見ていて面白い」

 

 自覚前春麗が抗議する。

 

 「面白いって何よ」

 

 「でも私は、怖がっているだけみたいで」

 

 声が少し小さくなる。

 

 「待つことを怖がって、年を取ることを怖がって、何も決まらない未来を怖がっているだけみたいで」

 

 本編春麗が静かに言う。

 

 「それも、春麗よ」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は顔を上げる。

 

 本編春麗は続けた。

 

 「黒に囚われる春麗も、青で歩く春麗も、終わった後に隣に座る春麗も、全部春麗。なら、時間を怖がる春麗も春麗でしょう」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が頷く。

 

 「その怖さは、かなり現実的な黒よ」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

 「でも、今回リュウはそこへ来た」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

 「しかも、呼んだ」

 

 自覚前春麗が、小声で言った。

 

 「呼ばれるの、かなり強いわね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、目を伏せて笑った。

 

 「強かったわ」

 

 本編春麗は資料をめくる。

 

 「もう一つ、重要な台詞があるわね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗が少し身構える。

 

 本編春麗は読み上げた。

 

 私は、あなたを待ち続けるだけの女にはならない。

 でも、あなたが考えるなら、少しだけ待ってあげる。 

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が、少し笑った。

 

 「良い返しね」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

 「待つことを完全に拒否していない。でも、受け身ではない」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が頷く。

 

 「彼女自身も、かなり進んだのね」

 

 本編春麗が言う。

 

 「これは春麗側の回答として九十六点」

 

 自覚前春麗が言った。

 

 「自分で待ってあげるって言えるの、強いわね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は少し照れた。

 

 「強がりも入っているわ」

 

 本編春麗は即座に言う。

 

 「春麗だから当然よ」

 

 全員が少し笑った。

 

 行き遅れ恐怖版春麗も笑う。

 

 それは、少しだけ軽い笑いだった。

 

 会議室の空気が、さっきより明るくなる。

 

 本編春麗が結論をまとめる。

 

 「今回の議題は、かなり重要ね」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が頷く。

 

 「黒でも青でもない、時間の不安に対する救済」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

 「待つことと選ぶことの再定義」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

 「終わりを恐れる春麗に、次を残す答え」

 

 自覚前春麗が言う。

 

 「リュウが考える、というだけでここまで効くのね」

 

 本編春麗は最後に言った。

 

 「行き遅れ恐怖版春麗、正式に春麗会議主要案件入り」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、少しだけ目を丸くした。

 

 「主要案件?」

 

 「ええ」

 

 本編春麗は当然のように言う。

 

 「九十九点案件だもの」

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が頷く。

 

 「異議なし」

 

 通常救済版春麗も。

 

 「異議なし」

 

 グランドフィナーレ済み春麗も。

 

 「異議なし」

 

 自覚前春麗は少し迷ってから言った。

 

 「……資料として、異議なし」

 

 本編春麗が笑う。

 

 「便利でしょう」

 

 「便利じゃない!」

 

 そのやり取りに、行き遅れ恐怖版春麗は思わず笑った。

 

 本当に。

 

 やっと、少し笑えた。

 

 春麗会議で議題になったからではない。

 

 リュウが考えると言ったから。

 

 自分が待つだけの女ではないと言えたから。

 

 満点ではない九十九点を、次のために残せたから。

 

 会議室が淡くほどけ始める。

 

 夢が終わろうとしている。

 

 消える前に、グランドフィナーレ済み春麗が言った。

 

 「九十九点は、綺麗な未完成ね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、その言葉を受け取った。

 

 黒ドレス特化救済ED春麗が言う。

 

 「次は、リュウが考えた答えの続きね」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

 「彼が何を選ぶか」

 

 本編春麗が言う。

 

 「あなたが、どこまで待つか」

 

 自覚前春麗が小声で言う。

 

 「……私も、少し気になる」

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、静かに答えた。

 

 「ええ」

 

 一拍。

 

 「私も、少し楽しみ」

 

 その言葉を最後に、春麗会議は消えた。

 

 朝。

 

 行き遅れに恐怖する春麗は、目を覚ました。

 

 胸の奥に、まだあの言葉が残っている。

 

 待たせるために来ているわけじゃない。

 俺も考える。

 

 自己採点、九十九点。

 

 満点ではない。

 

 でも、ほとんど救いだった。

 

 春麗は起き上がり、窓の外を見る。

 

 時間は進む。

 

 それは変わらない。

 

 自分も年を取る。

 

 それも変わらない。

 

 リュウは、たぶんまた来る。

 

 でも、もう「来るだけ」では終わらないかもしれない。

 

 彼も考えると言った。

 

 なら、自分もただ待つだけではない。

 

 春麗は、小さく笑った。

 

 「……九十九点」

 

 少し間を置いて、付け足す。

 

 「次第では、満点にしてあげてもいいわ」

 

 その声は、まだ少し重い。

 

 けれど昨日より、少しだけ甘かった。




Q:今回の妄想章IFについて解説して?

A:
はい。執筆者として見ると、今回の妄想章IFは、行き遅れに恐怖する春麗が、ついに春麗会議の正式な主要議題になった回です。

一言で言うなら、

「待つのが怖い春麗」に対して、リュウが“来るだけの男”から“考える男”へ一段進み、その答えが春麗会議で九十九点案件として認定された話

です。

今回の核は「待たされる恐怖」の救済

行き遅れに恐怖する春麗の不安は、黒ドレス春麗や本編春麗とは少し違います。

黒ドレス春麗は、

黒い私を見た責任を取りなさい。

本編春麗は、

面倒でも春麗だと言いなさい。
甘い言葉を考えてきなさい。

という方向です。

でも、行き遅れ恐怖版春麗の怖さはもっと現実的です。

リュウは何度でも来る。
でも、来るだけで何も決まらないのではないか。
次があると思っているうちに、時間だけが過ぎるのではないか。

この「次がある安心」と「次がありすぎる恐怖」が同居しているのが、この春麗の重さです。

添付最新話でも、春麗は「リュウは何度でも来る」「だから安心してしまう」「でもそのまま何も決まらないまま年を取るのではないか」と怖がっていました。

今回の春麗会議は、その不安にリュウの答えが刺さったことを審議する回でした。

リュウの答えが九十九点だった理由

今回のリュウの答えは、かなり強いです。

俺は来る。
だが、待たせるために来ているわけじゃない。

ここでまず、行き遅れ恐怖版春麗の不安の芯を突いています。

春麗が怖いのは、リュウが来ないことだけではありません。

むしろリュウは来る。

問題は、

来るけれど、何も決まらない。
来るけれど、関係が進まない。
来るけれど、自分が待つだけになる。

ということです。

だから、リュウの「待たせるために来ているわけじゃない」は、ほぼ直撃です。

そしてさらに、

お前が次を待つのが苦しいなら、俺も考える。

ここで九十九点になります。

リュウが「来る」だけではなく、「考える」と言った。

これは、行き遅れ恐怖版春麗にとってほぼ救済台詞です。

「来る」から「考える」への進化

これまでのリュウは、基本的に「来る男」でした。

負けても来る。
黒で沈められても来る。
春麗が拗れても来る。
春麗が青でも黒でも来る。

これはリュウの強さです。

でも、行き遅れ恐怖版春麗にとっては、それだけでは足りない。

なぜなら「来る」だけだと、春麗は待ち続けてしまうからです。

今回リュウが言った、

俺も考える。

は、リュウ側が初めて「関係を進めること」に参加する意思を見せた言葉です。

春麗だけが次を選ぶのではない。
春麗だけが焦るのではない。
春麗だけが待つのではない。

リュウも考える。

これが、このルートにおける最大の進展です。

春麗会議での「九十九点」の意味

今回、満点ではなく九十九点にしたのが非常に良いです。

満点にすると、ここで終わってしまう。

でも、九十九点なら、

ほぼ救われた。
けれど、次が残っている。

という状態になります。

行き遅れ恐怖版春麗にとって、これはかなり重要です。

彼女は「終わらないこと」を怖がっています。
でも同時に、「終わってしまうこと」も少し怖い。

だから、九十九点はちょうどいい。

ほぼ届いた。
でも、リュウが本当に何を考えるのかは次回に残る。

この「未完成の高得点」が、彼女のルートに合っています。

春麗会議で初めて主要案件になった意味

今回、行き遅れ恐怖版春麗は「やっと私も会議案件になった」と感じています。

これはかなり大事です。

これまで春麗会議では、黒ドレスや青ドレス、グランドフィナーレ後の静けさなど、他の春麗たちが派手な議題を持ってきました。

一方、行き遅れ恐怖版春麗は、ずっと「不安を抱えている春麗」でした。

地味です。

でも、その不安はかなり現実的で重い。

今回、リュウがその不安に対して高得点の答えを出したことで、彼女も正式に春麗会議の主要案件になった。

つまり、

黒の重さ、青の静けさ、素の春麗の続きに加えて、“時間への不安”も春麗会議の正式テーマになった

ということです。

行き遅れ恐怖版春麗の返しも強い

リュウの言葉だけでなく、春麗側の返しも良いです。

私は、あなたを待ち続けるだけの女にはならない。
でも、あなたが考えるなら、少しだけ待ってあげる。

これは非常にこの春麗らしい。

完全に待つことを拒否しているわけではない。
でも、受け身で待つだけではない。

「待ってあげる」と言えることで、春麗は主導権を少し取り戻しています。

ここが重要です。

行き遅れ恐怖版春麗は、待つのが怖い。
けれど、リュウが考えるなら、待つことを自分で選べる。

この変化はかなり大きいです。

他の春麗たちとの違い

今回の会議で、それぞれの春麗との違いもはっきりしました。

黒ドレス特化版は、責任を問う春麗。
通常救済版は、青で選べる春麗。
グランドフィナーレ済み春麗は、終わった後の今を持つ春麗。
本編春麗は、面倒さを運用して次を作る春麗。
自覚前春麗は、まだ否認しながら巻き込まれる春麗。

そして、行き遅れ恐怖版春麗は、

時間が進むことを恐れながら、それでも待つだけでは終わらないと決める春麗

です。

今回で、この春麗の固有テーマがかなり明確になりました。

結論

今回の妄想章IFは、行き遅れに恐怖する春麗が、リュウから“待たせるために来ているわけじゃない”“俺も考える”という九十九点回答を受け、春麗会議で正式に主要案件として認定される回です。

この回の最大の意味は、

リュウが「来る男」から「考える男」へ一段進んだこと。
春麗が「待たされる女」ではなく「少しだけ待ってあげる女」へ変わったこと。

です。

一言でまとめるなら、

行き遅れ恐怖版春麗は、待つことを恐れていた。
けれど、リュウが考えると言ったことで、待つことを“受け身の不安”ではなく“自分で選ぶ猶予”に変えられた。

だから九十九点。
満点ではない。
でも、次を残すには最高に近い答えだったと思います。
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