また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい―― 作:エーアイ
自分をめんどくさい女と自覚する前の春麗のエピソードになります。
自覚前春麗は、鏡の前で青いドレスを見ていた。
前回、黒ドレスでリュウと引き分けた。
勝てなかった。
負けてもいない。
だが、勝てなかった。
それが悔しい。
青でも勝った。
黒でも勝った。
黒で引き分けた。
なら、次はどうするか。
春麗は、青いドレスに手を伸ばした。
「……今日は、青」
ただし、前の青ではない。
黒を知らない青ではない。
黒で勝ったことを知らない青ではない。
黒で引き分けたことを知らない青ではない。
春麗会議で積み上がった黒の経験。
黒ドレス特化春麗の九十九点。
自分の黒勝利。
黒引き分け。
煽り。
発勁フェイント。
黒の間合い。
リュウが黒に届いた瞬間。
それらを全部、青へ還元する。
「……別に、面倒だからじゃないわ」
鏡の中の自分に言う。
「これは戦術の整理よ」
黒で得た経験を、青へ移植する。
それだけ。
自分はまだ、自分をめんどくさい女だとは認めていない。
否認部門代表など認めていない。
ただ、青でも黒でもリュウとギリギリ戦える自分が、今度は青ドレスでどこまで行けるかを確認するだけ。
「資料として」
春麗は、小さく付け足した。
それがもう会議の言葉だと気づいて、少し顔をしかめる。
「……本当に腹が立つわ」
それでも、青いドレスを着る。
黒を消すためではない。
黒を隠すためでもない。
黒の経験を持ったまま、青で行くために。
リュウは、修行場にいた。
春麗が青いドレスで現れると、静かに顔を上げた。
「春麗」
「リュウ」
「今日は青か」
「ええ」
リュウは少しだけ見る。
青いドレス。
だが、以前とは少し違う。
春麗の立ち方が違う。
青なのに、黒を経験した後の重心がある。
リュウは言った。
「前の青とは違う」
春麗は、胸の奥を小さく揺らされた。
「……そういうところは、本当に見るのね」
「ああ」
「前回、黒で引き分けたから?」
「ああ」
「あなた、ようやく私に届いたものね」
リュウは静かに頷いた。
「ああ」
春麗は一歩近づく。
青い裾が揺れる。
黒のように絡め取るのではない。
けれど、黒を知った青の揺れ方だった。
「でも、勘違いしないで」
「何をだ」
「前回は、あなたが勝ったわけじゃない」
「ああ」
「引き分けよ」
「ああ」
「私に勝てたわけではない」
「ああ」
「だから今日は、青であなたをもう一度止めるわ」
リュウは構えた。
「わかった」
春麗は目を細める。
「素直ね」
「ああ」
「少しは悔しがりなさい」
「悔しい」
春麗は、少し止まった。
「……言うのね」
「ああ」
「前回、届いたのに?」
「ああ」
「引き分けだったのに?」
「ああ」
リュウは、まっすぐ春麗を見る。
「勝っていない」
春麗の胸が鳴った。
その言葉は、かなり効いた。
前回、自分も勝っていない。
リュウも勝っていない。
だから、次がある。
それをリュウも感じている。
春麗は、青い袖を握った。
「そう」
一拍。
「なら、今日は勝ちなさい」
リュウの目が変わる。
春麗は微笑む。
「できるなら」
煽り。
今回は青の煽り。
黒のような甘く重い煽りではない。
勝者の余裕でもない。
前回の引き分けを踏まえた、次を誘う煽り。
リュウは静かに答えた。
「行く」
春麗も構えた。
「来なさい」
青が動いた。
序盤、春麗は速かった。
青いドレスでの踏み込み。
ただし、以前の青とは違う。
まっすぐ進む。
しかし、途中で黒の経験を使う。
視線をほんの少しだけ誘導する。
裾の揺れを、黒ほど強くは使わない。
リュウが警戒した瞬間、青の速度へ戻す。
リュウの反応がずれる。
春麗の掌底が入る。
リュウが受ける。
春麗は回り込む。
蹴り。
リュウが腕で受ける。
「遅いわ」
春麗は言った。
「黒を警戒しすぎ」
リュウは踏み込む。
春麗は外す。
「でも、青だけを見ても遅れる」
掌底。
リュウが下がる。
春麗は追わない。
「わかる?」
リュウは息を吐く。
「青だが、黒を知っている」
春麗は、少しだけ目を細めた。
「前にも似たことを言ったわね」
「ああ」
「でも今日は違う」
「何が違う」
春麗は、青い裾を払う。
「今日は、青に黒を混ぜるんじゃない」
一歩。
「黒で得たものを、青に戻しているの」
リュウは構える。
「そうか」
「わかった?」
「ああ」
「なら、対応してみなさい」
リュウが踏み込む。
拳。
春麗は避ける。
黒なら誘う。
青なら進む。
今の春麗は、その両方を知っている。
けれど、選ぶのは青。
春麗は拳の内側へ入り、軽く掌を当てる。
リュウの胸に触れる。
寸前で止めた。
「一つ」
リュウは見る。
「数えるのか」
「ええ」
「点数ではなく?」
春麗は少しだけ固まった。
「……今日は点数じゃないわ」
「そうか」
「数えるだけよ」
「ああ」
「今のは、私が一つ届いた」
リュウは頷く。
「なら、俺も届かせる」
春麗の胸がまた鳴る。
「やってみなさい」
中盤。
リュウが青に追いついてきた。
いや、正確には、青の中にある黒の経験を読み始めた。
春麗が裾を揺らす。
リュウは視線を動かさない。
春麗が肩を開く。
リュウは重心を見る。
春麗が黒の間を一瞬作る。
リュウはそこで止まらず、青の戻りを待つ。
「……やるじゃない」
春麗は笑った。
「見えてきた?」
リュウは答える。
「少し」
「少しだけ?」
「ああ」
「正直ね」
「嘘をつくと、届かない」
春麗は動きを止めかけた。
「……そういうことを戦闘中に言わないで」
「駄目か」
「駄目ではないわ」
「なら」
「効くの」
リュウは拳を返した。
春麗は受ける。
重い。
青いドレスの下の身体に、衝撃が響く。
春麗は一歩下がる。
リュウが追う。
前回の黒引き分けとは違う。
今回のリュウは、黒に届いた経験を持っている。
だから青にも深く踏み込んでくる。
春麗は、そのことが悔しい。
そして、嬉しい。
「……違うわ」
リュウが聞く。
「何がだ」
「嬉しいわけじゃない」
言ってから、春麗は自分で失敗したと思った。
リュウは少しだけ見る。
「嬉しいのか」
「違うと言ったでしょう!」
「そうか」
「そうよ」
「だが、今日はよく笑う」
春麗は青い袖を握った。
「あなた、最近そればかり言うわね」
「そうか」
「私は笑っていない」
「笑っている」
「戦術よ」
「笑うこともか」
「そう!」
リュウは真面目に頷く。
「なら、強い戦術だ」
春麗は、完全に止まった。
「……あなた」
「何だ」
「それ、褒めているの?」
「ああ」
春麗は顔を赤くした。
「褒めなくていいわ」
「強いものは、強い」
「だから、そういうところよ」
春麗は踏み込む。
やや強引。
リュウが受ける。
青の速度。
黒の残響。
会議で得た記憶。
全部を使う。
それでも、リュウは下がらない。
「リュウ」
「何だ」
「前回、黒で届いたからって、今日は青にも届くと思っている?」
「ああ」
春麗は笑う。
「言い切るのね」
「ああ」
「なら、試しなさい」
リュウが踏み込む。
春麗は黒の気配を一瞬出す。
リュウは止まらない。
だが、突っ込みすぎもしない。
青へ戻る瞬間を待っている。
春麗はそれを見て、胸の奥が満たされるような感覚を覚えた。
まただ。
また、これだ。
自分が作った変化に、リュウが追いついてくる。
勝てるかもしれない。
負けるかもしれない。
引き分けるかもしれない。
その全部が、次につながっている。
「……私は」
春麗は低く言う。
「めんどくさい女じゃない」
リュウは拳を受けながら言った。
「そうなのか」
「そうよ」
「なら、今日の春麗は何だ」
春麗は詰まった。
またそれを聞く。
勝ちたい春麗。
黒で戦う春麗。
引き分けて満たされた春麗。
どれも認めたくない。
春麗は、青い裾を払う。
「私は」
一歩。
「青で勝つ春麗よ」
リュウは構える。
「なら、止める」
春麗は笑った。
「止められるなら」
終盤。
二人のHPはほとんど残っていなかった。
春麗の青いドレスは乱れ、息も上がっている。
リュウも同じだ。
だが、互いに目は落ちていない。
春麗は思った。
また、同じところまで来た。
前回は黒だった。
今回は青。
でも、黒の経験を還元した青。
春麗会議の影響を受けた青。
認めたくないが、自分は確実に変わっている。
そして、リュウも変わっている。
青でも黒でも負けたリュウ。
黒で引き分けたリュウ。
今度は青に届こうとしているリュウ。
春麗は、青い袖を握った。
「リュウ」
「何だ」
「前回は黒で引き分けたわ」
「ああ」
「今回は青」
「ああ」
「黒に届いたあなたが、青にも届けるか」
「ああ」
「私は、それを見てあげる」
リュウは少しだけ息を吐いた。
「見るだけか」
春麗は目を細めた。
「何?」
「春麗も、届かせに来ている」
春麗の胸が鳴る。
「……ええ」
リュウは言った。
「なら、俺も見る」
「何を」
「青で、黒を持ったまま来る春麗」
春麗は、完全に止まりかけた。
それを言うのか。
今、この終盤で。
「……本当に、あなたは」
「何だ」
「最後に変なことを言う」
「変か」
「変ではないわ」
春麗は笑う。
「効くの」
リュウは頷いた。
「ああ」
最後の交差。
春麗は黒のフェイントを入れた。
だが、黒には寄り切らない。
青へ戻る。
リュウは、それを追う。
春麗は青の蹴りを放つ。
リュウの拳が来る。
同時に、リュウの足も動いている。
春麗は蹴りを寸前で止める。
リュウの拳も、春麗の肩の前で止まる。
一拍。
春麗の足先はリュウの脇腹の前。
リュウの拳は春麗の肩の前。
距離は同じ。
タイミングも同じ。
完全な引き分けだった。
春麗は息を止める。
また。
また、引き分けた。
今度は青で。
黒の経験を持った青で。
「……引き分けね」
リュウは頷いた。
「ああ」
「黒でも引き分けた」
「ああ」
「青でも引き分けた」
「ああ」
「あなた、届いてきているわね」
「ああ」
春麗は悔しかった。
すごく悔しい。
青で勝つつもりだった。
黒の経験を還元した青なら、今度こそ勝てると思っていた。
なのに、引き分けた。
勝てなかった。
それなのに。
胸の奥が満たされている。
黒で引き分けた時と同じ。
いや、少し違う。
黒では、届かれて満たされた。
青では、選んだ自分に届かれて満たされた。
「……最悪」
春麗は小さく言った。
リュウが見る。
「何がだ」
「満たされているわけじゃない」
リュウは黙った。
春麗は顔を赤くする。
「何か言いなさい」
「春麗」
「何?」
「今、満たされていると言った」
「言っていない!」
「言いかけた」
「言いかけてもいない!」
「そうか」
「そうよ」
リュウは少しだけ考えた。
「次ができた」
春麗は、完全に止まった。
まただ。
また、その言葉。
前回も。
黒の引き分けでも。
「……リュウ」
「何だ」
「あなた、それを言えば私が黙ると思っている?」
「思っていない」
「なら、どうして言うの」
「そう思ったからだ」
春麗は目を伏せた。
単純。
鈍い。
真っ直ぐ。
そして、だからこそ効く。
次ができた。
黒でも。
青でも。
春麗は拳を握った。
「……私は、めんどくさい女じゃない」
「ああ」
「引き分けて満たされるような女でもない」
「ああ」
「次ができて嬉しいわけでもない」
リュウは少しだけ黙った。
春麗は睨む。
「何?」
「次もやるか」
春麗は即答しかけた。
止まる。
即答したら負けだ。
何に負けるのかはわからない。
たぶん、自分に。
春麗は顔を逸らして言った。
「……資料としてなら」
リュウは頷く。
「わかった」
「わからないで!」
「違ったか」
「違わないけれど!」
春麗は青いドレスの裾を整える。
「今日はここまで」
「ああ」
「次は勝つ」
「ああ」
「黒でも青でも、あなたを止める」
「ああ」
「でも私は、めんどくさい女じゃない」
リュウは静かに言った。
「春麗は、春麗だ」
春麗は、完全に固まった。
「……それは禁止」
「禁止なのか」
「ええ」
「なぜ」
「効くから」
リュウは頷いた。
「ああ」
「納得しないで」
春麗は背を向ける。
「会議には出さないわ」
一拍。
「……たぶん」
リュウは何も言わなかった。
春麗は振り返る。
「何も言わないの?」
「復唱しない方がいいと思った」
春麗は悔しそうに顔を赤くした。
「学習しているじゃない」
「ああ」
「腹が立つわ」
「そうか」
「ええ」
春麗は修行場を出た。
青いドレスが夜風に揺れる。
黒の経験を還元した青。
その青で、引き分けた。
悔しい。
満たされる。
認めたくない。
でも、次がある。
「……私は」
夜道で、春麗は小さく呟いた。
「自分をめんどくさい女と認めたくない」
その言葉は、否認であり。
ほとんど、認めかけている言葉でもあった。
その夜。
春麗会議は、当然のように開かれた。
自覚前春麗は、目を開いた瞬間に叫んだ。
「出していない!」
本編春麗は議長席で資料を広げている。
「たぶん、と言ったわ」
「またそれ!」
黒ドレス特化春麗は腕を組んでいる。
通常救済版春麗は青いドレス姿で静かに見ている。
行き遅れ恐怖版春麗は、少しそわそわしている。
グランドフィナーレ済み春麗は穏やかに微笑んでいた。
本編春麗が表題を読み上げる。
春麗会議・否認部門青引き分け特別審議
議題:自覚前春麗、黒ドレス経験を青へ還元し、青ドレスでリュウと引き分け。満たされたことを否認する件
副題:自覚前春麗は自分をめんどくさい女と認めたくない
自覚前春麗は、机を叩いた。
「副題をつけないで!」
本編春麗は笑った。
「タイトル回収よ」
「何のタイトルよ!」
通常救済版春麗が静かに言う。
「今回は青案件でもあるわね」
黒ドレス特化春麗が言う。
「ただし、黒を還元した青」
「還元って言い方やめて」
自覚前春麗は顔を赤くした。
行き遅れ恐怖版春麗が言う。
「黒でも引き分けて、青でも引き分けたのね」
グランドフィナーレ済み春麗が頷く。
「かなり大きいわ」
本編春麗は資料を読み上げる。
前回は黒で引き分けたわ。
今回は青。
黒に届いたあなたが、青にも届けるか。
私は、それを見てあげる。
黒ドレス特化春麗が目を細めた。
「良い煽りね」
通常救済版春麗が言う。
「青なのに、少し黒の余韻があるわ」
本編春麗が採点する。
「煽り評価、九十二点」
黒ドレス特化春麗が言う。
「九十三点」
通常救済版春麗が言う。
「九十二点」
行き遅れ恐怖版春麗が言う。
「九十一点」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「九十二点」
自覚前春麗は黙る。
全員が見る。
「……九十一点。資料として」
本編春麗が微笑む。
「高いわね」
「高くない!」
続いて、本編春麗はリュウの発言を読む。
青で、黒を持ったまま来る春麗。
会議室が、少し静かになった。
通常救済版春麗が、静かに息を吐く。
「これは良いわ」
黒ドレス特化春麗も頷く。
「黒を消していないことを見ている」
本編春麗が言う。
「しかも、自覚前春麗に対して言っているのが大きいわね」
行き遅れ恐怖版春麗が言う。
「選んで来ていることを見ている感じがするわ」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「青と黒を分けずに、今の春麗として見ている」
自覚前春麗は、小声で言った。
「……資料としては、かなり良い」
本編春麗はにやりとする。
「では採点」
通常救済版春麗が言う。
「九十七点」
黒ドレス特化春麗が言う。
「九十七点」
本編春麗が言う。
「九十八点」
行き遅れ恐怖版春麗が言う。
「九十六点」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「九十七点」
自覚前春麗は、しばらく黙った。
「……九十六点」
本編春麗は笑う。
「かなり効いているわね」
「効いていない!」
「否認速度、今日も良好」
「その評価いらない!」
次。
本編春麗は、少し声を低くした。
春麗は、春麗だ。
自覚前春麗は、即座に顔を覆った。
「それは禁止!」
本編春麗が笑う。
「禁止なの?」
「禁止よ!」
黒ドレス特化春麗が言う。
「なぜ?」
自覚前春麗は、苦しそうに言った。
「効くからよ!」
通常救済版春麗が微笑む。
「言ったわね」
「……っ」
行き遅れ恐怖版春麗が少し嬉しそうに言う。
「効くって認めた」
グランドフィナーレ済み春麗が穏やかに頷く。
「素直ね」
「素直じゃない!」
本編春麗が採点する。
「この発言は九十八点」
黒ドレス特化春麗が言う。
「九十七点」
通常救済版春麗が言う。
「九十八点」
行き遅れ恐怖版春麗が言う。
「九十七点」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「九十八点」
自覚前春麗は、小さく言った。
「……九十六点」
本編春麗が見る。
「低めにしたわね」
「低くない!」
「効きすぎたから下げた?」
「違う!」
「違わないわね」
「違う!」
黒ドレス特化春麗が言う。
「次は試合内容ね」
自覚前春麗は身構えた。
本編春麗が読み上げる。
「自覚前春麗、黒ドレスでの引き分け経験を青ドレスへ還元。黒の視線誘導、発勁フェイントの記憶、黒の間合いを青に混ぜるのではなく、青へ戻す形で運用。終盤、青の蹴りとリュウの拳が同時寸止めとなり、引き分け」
通常救済版春麗が言う。
「前回の私の青とは違うわね」
自覚前春麗は少し見る。
通常救済版春麗は続けた。
「私の青は、黒を消さずに青を選ぶ青。あなたの青は、黒で得た経験を青に変換する青」
黒ドレス特化春麗が頷く。
「黒の経験が消えていない。そこは評価するわ」
本編春麗が言う。
「しかも、勝ちではなく引き分け」
行き遅れ恐怖版春麗が言う。
「次ができる結果ね」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「そして、満たされた」
自覚前春麗が机を叩く。
「満たされていない!」
本編春麗は資料を指差す。
「では、なぜ“資料としてなら次もやる”と言ったの?」
「それは資料として必要だから」
「なぜ必要なの?」
「次があるから」
「ほら」
「今のは違う!」
黒ドレス特化春麗が笑う。
「かなり面倒ね」
自覚前春麗は即座に叫ぶ。
「面倒じゃない!」
通常救済版春麗が優しく言う。
「認めたくないのね」
自覚前春麗は黙った。
その言い方は、責めていなかった。
だから余計に効いた。
本編春麗が採点に入る。
「試合内容。私は九十九点」
自覚前春麗が驚く。
「また九十九?」
「ええ。黒引き分けに続く青引き分け。しかも黒経験の青変換。かなり重要」
黒ドレス特化春麗が言う。
「九十八点。黒側から見ても良い還元だったわ」
通常救済版春麗が言う。
「九十九点。青案件としてかなり高い評価」
行き遅れ恐怖版春麗が言う。
「九十九点。次ができたから」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「九十九点。終わらない青ね」
最後に、自覚前春麗。
全員が見る。
自覚前春麗は、長く黙った。
勝っていない。
また引き分けた。
黒でも、青でも。
悔しい。
でも、満たされている。
そのことを、もう自分でわかってしまっている。
認めたくない。
絶対に認めたくない。
でも、わかっている。
「……九十八点」
本編春麗が静かに言う。
「九十九ではないのね」
「九十九にしたら、認めることになるでしょう」
通常救済版春麗が微笑む。
「もうかなり認めているわ」
「認めていない!」
黒ドレス特化春麗が言う。
「会議総合は九十九点でいいわね」
本編春麗が頷く。
「異議なし」
行き遅れ恐怖版春麗も。
「異議なし」
グランドフィナーレ済み春麗も。
「異議なし」
通常救済版春麗も。
「異議なし」
自覚前春麗は叫ぶ。
「本人の九十八点は!?」
本編春麗が言う。
「参考意見」
「軽い!」
資料が淡く光った。
結論:自覚前春麗、青ドレスでリュウと引き分け。
黒ドレス経験を青へ還元した戦闘スタイルとして高評価。
試合内容、会議総合九十九点。
本人は満たされたことを否認。
ただし、黒引き分けに続き、青引き分けでも次回生成に強く反応。
追加注記:自覚前春麗は、自分をめんどくさい女と認めたくない。要観察。
自覚前春麗は、完全に真っ赤になった。
「最後の注記を消しなさい!」
本編春麗は笑った。
「消さないわ」
「消して!」
「正式記録よ」
黒ドレス特化春麗が言う。
「かなり重要な注記ね」
通常救済版春麗が優しく言う。
「認めたくない、という段階も大事よ」
行き遅れ恐怖版春麗が言う。
「次ができて嬉しいのに、認めたくないのね」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「終わらないことを喜ぶ春麗になりつつあるわ」
自覚前春麗は、俯いた。
「……私は」
全員が待つ。
「私は、自分をめんどくさい女と認めたくない」
本編春麗は、少しだけ優しい顔になった。
「ええ」
黒ドレス特化春麗も頷く。
「まだ、ね」
自覚前春麗は顔を上げる。
「拾わないで!」
通常救済版春麗が微笑む。
「でも、その“まだ”も春麗よ」
自覚前春麗は、何も言えなくなった。
夢がほどけ始める。
消える前に、本編春麗が言った。
「次は、どうするの?」
自覚前春麗は即答しかけて、止まった。
そして、顔を逸らしながら言った。
「……資料としてなら、考えてあげる」
全員が笑った。
「認めていないから!」
その叫びとともに、夢は消えた。
朝。
自覚前春麗は目を覚ました。
胸の奥に、青の熱が残っている。
黒で引き分けた熱とは違う。
黒の経験を青へ戻し、それでもリュウと引き分けた熱。
勝てなかった。
悔しい。
でも、満たされている。
それを、もう自分でもわかってしまっている。
春麗は布団の中で顔を覆った。
「……私は、めんどくさい女じゃない」
いつもの言葉。
でも、今日は少し弱い。
「自分を、めんどくさい女と認めたくないだけ」
言ってから、春麗は固まった。
それは、ほとんど認めている言葉だった。
「違う」
慌てて言い直す。
「違うわ」
起き上がり、鏡の前に立つ。
そこには、自覚前春麗がいる。
まだ認めていない春麗。
青でも黒でも引き分けて、次ができたことに満たされてしまった春麗。
春麗は、鏡の中の自分を睨んだ。
「次は勝つ」
一拍。
「資料として」
そう付け足す声は、悔しいほど自然だった。
Q:今回の妄想章IFとバトル内容について解説して?
A:
はい。執筆者として見ると、今回の妄想章IFは、自覚前春麗がいよいよ「否認していること自体が、もうほとんど認めている」段階に入った回です。
タイトルの、
『自覚前春麗は自分をめんどくさい女と認めたくない』
が非常に効いています。
これは「私はめんどくさい女じゃない」ではなく、**「認めたくない」**なんですね。
つまり、本人の中でかなり答えが近づいている。
一言で言うなら、
自覚前春麗は、黒でも青でもリュウと引き分け、“勝てなかった悔しさ”より“次ができた満足”を知ってしまった。だからこそ、自分をめんどくさい女と認めたくない気持ちが強くなった。
という回です。
今回の核は「黒の経験を青へ還元したこと」
前回、自覚前春麗は黒ドレスでリュウと引き分けました。
黒で勝ったことはある。
青で勝ったこともある。
でも、黒で引き分けたのは初めてだった。
その時に彼女は、勝てなかった悔しさと、リュウが届いたことへの充足を同時に感じてしまった。
今回の春麗は、その経験を青ドレスへ持ち込みます。
ここが重要です。
今回の青は、通常救済版春麗の「黒を消さない青」とも似ていますが、少し違います。
通常救済版春麗の青は、
黒を知ったうえで、今は青を選ぶ青。
でした。
一方、今回の自覚前春麗の青は、
黒で得た技術・駆け引き・引き分けの熱を、青へ変換した青。
です。
つまり、黒を消していないだけではなく、黒で学んだものを青に戻して使っている。
これはかなり発展形です。
「私はめんどくさい女じゃない」から「認めたくない」へ
今回の大きな進行は、自己否定の文言が変わったことです。
以前の自覚前春麗は、
私はめんどくさい女じゃない。
でした。
しかし今回、最後に出てくるのは、
私は、自分をめんどくさい女と認めたくない。
です。
これはほとんど認識が一段進んでいます。
「違う」と断言していた段階から、
「そうかもしれないが、認めたくない」という段階に入っている。
これが非常に大きい。
もちろん本人はすぐに「違う」と言い直します。
でも読者側・春麗会議側から見ると、もうかなり自覚に近いところまで来ています。
リュウの「青で、黒を持ったまま来る春麗」が強い
今回のリュウの発言で一番強いのは、
青で、黒を持ったまま来る春麗。
です。
これは、今回の春麗の状態を非常に正確に言っています。
青ドレスで来ている。
しかし黒の経験を持っている。
黒での勝利も、引き分けも、煽りも、黒の間合いも、全部消えていない。
そのうえで、青で来ている。
リュウはそこを見ています。
これは自覚前春麗にかなり刺さる。
なぜなら、彼女は「青だから黒とは別」と言い訳したいはずです。
でもリュウは、
青だけれど、黒も持っている春麗。
として見てしまう。
逃げ場がない。
「春麗は、春麗だ」が禁止ワード化している
最後のリュウの、
春麗は、春麗だ。
これは非常にシンプルですが、今回かなり強いです。
自覚前春麗は、
私はめんどくさい女じゃない。
引き分けで満たされる女じゃない。
次ができて嬉しいわけじゃない。
といろいろ否認する。
でもリュウは、分類しません。
面倒かどうか。
黒か青か。
勝ちたいのか、満たされているのか。
自覚前か本編か。
そういう分類を飛ばして、
春麗は、春麗だ。
と言う。
これは自覚前春麗にとって禁止ワードです。
なぜなら、どれだけ否認しても、春麗であることだけは否定できないからです。
「めんどくさい女」とは認めたくない。
でも「春麗」は否定できない。
リュウはそこを突いています。
今回の満足は「勝利」ではなく「次ができたこと」
今回の試合は引き分けです。
黒でも引き分け。
青でも引き分け。
つまり自覚前春麗は、二回続けて勝てていません。
普通なら、かなり悔しいはずです。
実際、彼女は悔しがっています。
でも、それ以上に満たされている。
理由は、次ができたからです。
リュウが黒に届いた。
そして今度は、青にも届いた。
自分の変化に、リュウが追いついてくる。
勝って終わりではない。
負けて終わりでもない。
引き分けて、次が生まれる。
この「次ができる快感」に、自覚前春麗が反応してしまっています。
これは、本編春麗の性質にかなり近いです。
本編春麗は、次を作る春麗です。
宿題を出す。
会議に出す。
再戦する。
また試す。
次の言葉を求める。
今回、自覚前春麗もそこに近づいています。
だからこそ「認めたくない」。
HP表記あり:RPG的バトル解説
初期ステータス
自覚前春麗《青ドレス・黒経験還元型》
HP:100 / 100
心理HP:100 / 100
状態:
・青ドレス装備
・黒ドレス引き分け経験あり
・黒勝利、青勝利経験あり
・春麗会議の影響を強く受けている
・本人はめんどくさい女ではないと主張
・しかし「認めたくない」段階へ移行中
バフ:
・青の速度:高
・黒経験還元:高
・発勁フェイント記憶:有効
・黒の間合い理解:中〜高
・煽り適性:上昇中
・次回生成への反応:高
デバフ:
・満たされ否認
・自己認識揺れ
・「資料として」依存
・リュウ発言への被弾
・春麗会議への提出不可避
リュウ
HP:100 / 100
心理HP:100 / 100
状態:
・青で敗北経験あり
・黒で敗北経験あり
・黒で引き分け経験あり
・今回は青にも届くつもりで来ている
バフ:
・黒引き分け経験
・青への再適応
・春麗観察補正
・次を作る言葉
・復唱回避学習
デバフ:
・春麗の煽りに対する素直反応
・青と黒の複合対応負荷
今回の春麗は、純粋な青型ではありません。
青をベースにしつつ、黒で得た経験を変換して使う複合型です。
フェーズ1:青に黒経験を還元した春麗が先行
春麗 HP:96 / 100
リュウ HP:82 / 100
戦況:春麗優勢
序盤、春麗は青の速度で先手を取ります。
ただし、黒の視線誘導を完全には使いません。
黒を混ぜるのではなく、黒で学んだ「間の作り方」「視線のずらし方」を青へ戻しています。
春麗スキル:《黒経験還元・青》
効果:
・青の速度上昇
・一瞬だけ黒の間合いを発生
・リュウの反応を半拍ずらす
攻撃結果。
春麗攻撃:《青掌底・還元型》
リュウ HP:100 → 91
春麗攻撃:《青回転蹴り》
リュウ HP:91 → 82
春麗は序盤から煽ります。
春麗特殊行動:《引き分け後の煽り》
台詞:
「前回は、あなたが勝ったわけじゃない」
「だから今日は、青であなたをもう一度止めるわ」
効果:
・リュウ心理HP:100 → 91
・春麗攻撃意欲上昇
・会議提出フラグ上昇
煽りとしては強すぎず、青に合った軽めの煽りです。
黒の煽りほど重くありません。
フェーズ2:リュウが青の中の黒を見始める
春麗 HP:78 / 100
リュウ HP:66 / 100
戦況:春麗優勢から互角へ
リュウは、今回の春麗がただの青ではないと見抜きます。
前の青とは違う。
そして中盤では、
青だが、黒を知っている。
に近い見方をしています。
リュウパッシブ:《青の中の黒を読む》
効果:
・黒経験還元への対応力上昇
・春麗のフェイント成功率低下
・リュウの反撃精度上昇
リュウの反撃。
リュウ攻撃:《肩への拳》
春麗 HP:96 → 87
リュウ攻撃:《踏み込み返し》
春麗 HP:87 → 78
ここでリュウが言います。
嘘をつくと、届かない。
これは春麗に効きます。
リュウ特殊行動:《嘘をつくと届かない》
効果:
・春麗 心理HP:100 → 82
・春麗の否認に揺れ発生
自覚前春麗は、まだ嘘をついているわけです。
満たされていない。
嬉しくない。
面倒ではない。
資料として。
その否認が揺らされる。
フェーズ3:春麗が「青で勝つ春麗」を名乗る
春麗 HP:55 / 100
リュウ HP:48 / 100
戦況:互角、心理戦濃度上昇
リュウに問われます。
今日の春麗は何だ。
春麗は答える。
私は、青で勝つ春麗よ。
ここが中盤の大きな転換です。
「めんどくさい女」は認めない。
でも「青で勝つ春麗」は名乗る。
これは自覚前春麗にとって、かなり大きな一歩です。
春麗状態変化:《青で勝つ春麗》
効果:
・青攻撃力上昇
・自己否認の一部解除
・最終フェーズの行動精度上昇
攻撃結果。
春麗攻撃:《青連脚・黒還元》
リュウ HP:48 → 34
リュウ反撃:《止める拳》
春麗 HP:55 → 40
ここでは互いに削り合います。
春麗の青が強い。
しかしリュウも届きつつある。
フェーズ4:終盤、青にも届くリュウ
春麗 HP:18 / 100
リュウ HP:18 / 100
戦況:完全互角
終盤、リュウが決定的な言葉を出します。
青で、黒を持ったまま来る春麗。
これは今回の春麗に特効です。
リュウ特殊行動:《青で黒を持ったまま来る春麗》
効果:
・春麗 心理HP:82 → 51
・春麗の満足度上昇
・最終判定が引き分け方向へ補正
なぜ引き分け方向かというと、春麗がこの時点で「勝ちたい」だけではなく「リュウが届いてくること」も受け取り始めているからです。
つまり、勝利一択ではなくなっている。
これが今回のポイントです。
最終ターン:青ドレス引き分け
春麗 HP:18 / 100
リュウ HP:18 / 100
春麗は黒のフェイントを入れます。
しかし、黒へ寄り切りません。
青へ戻します。
春麗スキル:《黒から青へ戻す》
効果:
・黒の気配で一瞬だけ誘導
・最終攻撃は青属性
・自己選択補正発動
春麗の蹴り。
春麗攻撃:《青選択蹴り・還元型》
リュウ HP:18 → 1
寸止め判定:脇腹前
リュウの拳。
リュウ攻撃:《青に届く拳》
春麗 HP:18 → 1
寸止め判定:肩前
判定。
最終判定:
春麗の青蹴り、リュウの脇腹前に到達
リュウの拳、春麗の肩前に到達
到達タイミング:同時
結果:引き分け
最終ステータス。
春麗 HP:1 / 100
リュウ HP:1 / 100
勝者:なし
結果:引き分け
決着:
春麗《青選択蹴り・還元型》
リュウ《青に届く拳》
同時寸止め
黒引き分けに続き、青でも引き分け。
ここで自覚前春麗は、完全に「勝てなかった悔しさ」と「次ができた満足」を同時に受け取ります。
心理HPの推移
春麗 心理HP推移:
開始時:100
青で再戦する決意:100 → 112
リュウ「前の青とは違う」:112 → 96
リュウ「嘘をつくと届かない」:96 → 82
春麗「青で勝つ春麗よ」:82 → 104
リュウ「青で黒を持ったまま来る春麗」:104 → 51
青引き分け成立:51 → 132
リュウ「次ができた」:132 → 58
リュウ「春麗は、春麗だ」:58 → 34
春麗会議で晒される:34 → 28
最終落ち着き:28 → 83
今回も大きく乱高下しています。
特に、
リュウ「春麗は、春麗だ」
心理HP:58 → 34
これは強烈です。
春麗は「めんどくさい女ではない」と否認できます。
でも「春麗ではない」とは言えません。
だから効く。
春麗会議での評価
今回の会議評価はかなり高いです。
まず煽り。
煽り評価:
「前回は、あなたが勝ったわけじゃない」
「今日は、青であなたをもう一度止めるわ」
評価:91〜92点
次に、リュウの発言。
「青で、黒を持ったまま来る春麗」
評価:97〜98点
これは今回のテーマをかなり正確に言い当てています。
さらに、
「春麗は、春麗だ」
評価:97〜98点
これは自覚前春麗にとって禁止ワード級です。
そして試合内容。
試合内容:
黒経験を青へ還元した青ドレス引き分け
会議総合:99点
本人は九十八点にします。
理由は、
九十九点にしたら、認めることになるから。
でも会議総合では九十九点。
このズレが自覚前春麗らしいです。
なぜ引き分けで九十九点なのか
今回も勝利ではありません。
引き分けです。
でも九十九点。
理由は明確です。
まず、黒引き分けに続いて青でも引き分けたことで、勝敗よりも継続性が前面に出た。
次に、黒で得たものを青へ還元できたことで、春麗会議の経験が戦闘スタイルへ転化された。
最後に、自覚前春麗が「満たされたことを認めたくない」と自覚し始めた。
これが大きい。
今回のタイトルどおり、彼女は「認めたくない」と言っている。
つまり、否認が一段進んだ。
完全否定ではなく、認めたくない段階。
だから九十九点です。
今回の物語上の意味
この妄想章IFは、自覚前春麗の重要な変化点です。
これまでの流れはこうでした。
青でギリギリ勝利
↓
黒でギリギリ勝利
↓
黒で初引き分け
↓
青に黒経験を還元して、青でも引き分け
つまり、自覚前春麗は勝つ快感だけでなく、引き分けて次ができる快感も知ってしまいました。
しかもそれが、黒でも青でも成立している。
これはもうかなり本編春麗化しています。
ただし、まだ自覚前です。
完全に認めると、自覚前ではなくなってしまう。
だから今回の着地は、
私は、自分をめんどくさい女と認めたくない。
になる。
これは非常に良いです。
通常救済版春麗との違い
直前の通常救済版春麗の青は、
黒を消さずに、青を選ぶ。
でした。
今回の自覚前春麗の青は、
黒で得たものを、青に還元して使う。
です。
似ていますが、違います。
通常救済版は安定しています。
自覚前春麗は揺れています。
通常救済版は満足を認められる。
自覚前春麗は満たされたことを否認する。
通常救済版は九十七〜九十八点で余白を残す。
自覚前春麗は九十九点相当なのに、自分だけ九十八点にする。
この差が、キャラの違いとして非常に良いです。
結論
今回の妄想章IFは、自覚前春麗が黒ドレスでの引き分け経験を青ドレスへ還元し、リュウと再び引き分けることで、“勝てなかったのに満たされる”感覚をさらに深く知ってしまう回です。
RPG的には、
春麗 HP1、リュウ HP1。
春麗の《青選択蹴り・還元型》と、リュウの《青に届く拳》が同時寸止め。
結果は引き分け。
試合内容は会議総合九十九点。
です。
一言でまとめるなら、
自覚前春麗は、まだ自分をめんどくさい女と認めていない。
けれど、“認めたくない”と言ってしまった時点で、もうかなり近い。
今回のタイトルは、まさにこのルートの核心を突いていたと思います。