また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい―― 作:エーアイ
行き遅れに恐怖する春麗のエピソードになります。
『妄想章IF:春麗は、明後日の答えを許さない』の春麗が提示した3択が春麗会議の議題なった際の話です。
春麗会議は、開幕前から少し重かった。
黒ドレス特化春麗の黒案件のような重さではない。
自覚前春麗の否認案件のような騒がしさでもない。
本編春麗の宿題案件のような面倒さでもない。
もっと現実に近い重さ。
時間。
待つこと。
答えを先延ばしにされること。
そして、いつか自分だけが取り残されるのではないかという恐怖。
円卓の中央には、すでに資料が置かれていた。
春麗会議・時間不安特別審議
議題:行き遅れ恐怖版春麗、リュウに逃げ道を許さない最大三択を提示。答えを持ってくるよう要求した件
本編春麗は、資料を見てゆっくり息を吐いた。
「……これは重いわね」
黒ドレス特化春麗が腕を組む。
「黒とは別種の重さね」
通常救済版春麗がお茶を置いた。
「でも、彼女のルートなら避けられない議題だと思うわ」
自覚前春麗、否認部門代表は資料を見ながら顔を赤くしていた。
「最大三択って何よ……」
グランドフィナーレ済み春麗は、静かに目を伏せる。
「逃げ道を消すための三択ね」
その言葉で、会議室の空気が少し沈む。
そして、最後に行き遅れに恐怖する春麗が現れた。
彼女はいつもより落ち着いて見えた。
ただし、それは平静ではない。
決めてしまった人間の落ち着きだった。
本編春麗が言う。
「来たわね」
行き遅れ恐怖版春麗は頷いた。
「ええ」
「今回の議題、本人確認を取るわ」
「必要ないわ」
本編春麗が資料を掲げる。
「あなたはリュウに、最大三択を提示した」
「ええ」
「しかも、逃げ道を許さない形で」
「ええ」
「答えを今すぐではなく、“持ってくるように”迫った」
「そうよ」
自覚前春麗が思わず言う。
「それ、かなり強いわね」
行き遅れ恐怖版春麗は、少しだけ笑った。
「強くしないと、逃げられるもの」
会議室が静かになった。
通常救済版春麗が静かに言う。
「リュウは逃げる人ではないわ」
行き遅れ恐怖版春麗は頷く。
「わかっているわ」
「なら」
「でも、逃げるつもりがなくても、答えを出さないことはできる」
通常救済版春麗は黙った。
行き遅れ恐怖版春麗は続ける。
「リュウは来る。何度でも来る。考えるとも言った。待たせるために来ているわけじゃないとも言った」
本編春麗が頷く。
「あなたの九十九点回答ね」
「ええ」
行き遅れ恐怖版春麗は、少しだけ目を伏せた。
「あれは本当に九十九点だった。でも、九十九点だからこそ、次が必要なの」
黒ドレス特化春麗が目を細める。
「次を曖昧にされたら、九十九点が過去になる」
「そう」
行き遅れ恐怖版春麗は即答した。
「待つことはできる。でも、どこへ向かうかわからないまま待つのは、もう嫌なの」
本編春麗は、資料を開いた。
「では、三択の内容を確認するわ」
自覚前春麗が少し身構えた。
「本当に読むの?」
本編春麗は当然のように答える。
「会議だから」
行き遅れ恐怖版春麗は止めなかった。
本編春麗は読み上げた。
一つ。
あなたが私と先へ進むつもりがあるなら、その答えを持ってきなさい。
通常救済版春麗が、静かに目を伏せた。
黒ドレス特化春麗が言う。
「直球ね」
本編春麗は続ける。
二つ。
今は答えを出せないなら、いつまで考えるのかを決めなさい。
待たせるなら、期限を持ちなさい。
行き遅れ恐怖版春麗は、膝の上の手を握った。
本編春麗は最後を読む。
三つ。
それも決められないなら、私に待てと言わないで。
私が自分で次を選ぶわ。
会議室が沈黙した。
自覚前春麗は、ぽつりと言った。
「……逃げ道、ないわね」
行き遅れ恐怖版春麗は頷く。
「ないようにしたの」
黒ドレス特化春麗が言う。
「沈めるより重いわ」
本編春麗が少し驚いた顔をする。
「あなたがそれを言うのね」
黒ドレス特化春麗は腕を組んだまま答えた。
「黒で沈めるのは、その場の身体を捕まえること。でもこれは、未来を捕まえに行っている」
通常救済版春麗が頷く。
「かなり現実的な重さね」
グランドフィナーレ済み春麗が静かに言う。
「これは、終わらせるための三択ではないわ」
行き遅れ恐怖版春麗がそちらを見る。
グランドフィナーレ済み春麗は続けた。
「続けるために、曖昧さを終わらせようとしている」
行き遅れ恐怖版春麗は、少しだけ息を詰めた。
「……そう」
本編春麗が資料に書き込む。
「評価項目一。三択の構造」
自覚前春麗が呟く。
「構造評価するのね……」
「当然よ」
本編春麗は真顔で言う。
「一択目は前進。二択目は猶予。ただし期限付き。三択目は自己決定。つまり、リュウに“答えない”という選択肢を許していない」
通常救済版春麗が補足する。
「でも、“今すぐ答えろ”ではないのね」
行き遅れ恐怖版春麗は頷く。
「ええ。そこまで追い詰めたいわけではない」
黒ドレス特化春麗が言う。
「追い詰めているように見えるけれど」
「追い詰めているわ」
行き遅れ恐怖版春麗は認めた。
「でも、壊すためではない」
本編春麗が言う。
「答えを持ってこさせるため」
「そう」
行き遅れ恐怖版春麗の声は静かだった。
「私はもう、来るだけのリュウに安心して、何も決まらない時間を続けるのが怖いの」
自覚前春麗は、少し俯いた。
「それは……わかる気がするわ」
本編春麗がすかさず見る。
「否認部門代表が?」
「その肩書きで呼ばないで」
「でも、わかるのね」
自覚前春麗は少し顔を赤くした。
「資料としてよ」
黒ドレス特化春麗が小さく笑う。
「便利ね」
行き遅れ恐怖版春麗は、そんなやり取りを見て少しだけ表情を緩めた。
しかし、本編春麗は次の資料をめくった。
「問題はリュウ側の反応ね」
通常救済版春麗が言う。
「逃げたの?」
行き遅れ恐怖版春麗は首を横に振る。
「逃げなかった」
黒ドレス特化春麗が頷く。
「そこはリュウね」
本編春麗が読み上げる。
春麗。
今、答えを軽く言えば、お前を待たせるのと同じになる。
会議室が少し静かになる。
本編春麗は続けた。
だから、持ってくる。
考えたふりではなく、俺の答えを持ってくる。
行き遅れ恐怖版春麗は目を伏せた。
通常救済版春麗が、静かに言う。
「これはかなり良いわ」
黒ドレス特化春麗が言う。
「即答しないことを逃げにしていない」
グランドフィナーレ済み春麗が頷く。
「軽く答えないことが、誠実さになっている」
自覚前春麗が顔を赤くしながら言う。
「それ、九十点台でしょう」
本編春麗が即答する。
「もちろん」
行き遅れ恐怖版春麗は、小さく言った。
「この時点では九十三点」
本編春麗が見る。
「高いわね」
「でも、九十九点ではない」
「なぜ?」
行き遅れ恐怖版春麗は答える。
「持ってくると言っただけだから」
黒ドレス特化春麗が納得する。
「実際に持ってきて初めて九十九点候補」
「ええ」
通常救済版春麗が言う。
「でも、逃げ道を塞いだあなたに対して、リュウも逃げずに“持ってくる”と返したのは大きいわ」
行き遅れ恐怖版春麗は頷いた。
「だから、待つことは許した」
自覚前春麗が少し驚く。
「許した?」
「ええ」
行き遅れ恐怖版春麗は言う。
「期限のない待ちは許さない。でも、答えを持ってくるための時間なら、少しだけ許した」
本編春麗は、資料に大きく書き込む。
待つことの再定義。
行き遅れ恐怖版春麗は、その文字を見た。
本編春麗は言う。
「これはかなり重要ね」
グランドフィナーレ済み春麗が静かに言う。
「待つことが、受け身ではなく契約になったのね」
黒ドレス特化春麗が言う。
「黒で言うなら、境界線を引いた」
通常救済版春麗が言う。
「青で言うなら、待つことを自分で選んだ」
本編春麗が言う。
「本編で言うなら、次の宿題を正式に発行した」
自覚前春麗が呆れる。
「あなたは本当に全部宿題にするのね」
本編春麗は胸を張る。
「本編だから」
「便利すぎるわよ」
行き遅れ恐怖版春麗は少しだけ笑った。
その笑いは、疲れていた。
でも、軽かった。
本編春麗が採点に入る。
「では、三択提示行動の評価」
自覚前春麗が言う。
「春麗側も採点するの?」
「当然よ」
黒ドレス特化春麗が最初に言った。
「九十六点。かなり強いけれど、必要な強さ」
通常救済版春麗が言う。
「九十五点。相手に答えを強いるけれど、選択肢は残している」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「九十七点。曖昧さを終わらせるための勇気を評価するわ」
自覚前春麗が少し迷う。
「……九十四点。資料としては重いけど、わかる」
本編春麗が言う。
「私は九十七点。逃げ道を消す構造がかなり優秀」
行き遅れ恐怖版春麗は苦笑した。
「優秀って言われると複雑ね」
「でも優秀よ」
本編春麗は言う。
「自分の不安をただぶつけるのではなく、選択肢に整形している」
通常救済版春麗が頷く。
「それは大きいわね」
本編春麗はまとめた。
「春麗側行動、会議総合九十六点」
資料が淡く光る。
続いて、リュウの返答。
「“軽く言えば待たせるのと同じになる。だから答えを持ってくる”」
黒ドレス特化春麗が言う。
「九十三点」
通常救済版春麗が言う。
「九十四点」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「九十四点」
自覚前春麗が言う。
「九十二点」
本編春麗が言う。
「九十四点」
行き遅れ恐怖版春麗は、少しだけ迷って言った。
「九十三点」
本編春麗が頷く。
「会議総合九十四点」
自覚前春麗が言う。
「九十九点ではないのね」
行き遅れ恐怖版春麗は、静かに答えた。
「まだ答えを持ってきていないもの」
その声には、期待と恐怖が混じっていた。
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「次回案件ね」
行き遅れ恐怖版春麗は頷く。
「ええ」
黒ドレス特化春麗が少し笑う。
「逃げたら?」
行き遅れ恐怖版春麗は即答した。
「逃がさない」
自覚前春麗が小さく震えた。
「強い……」
本編春麗は嬉しそうに資料へ書く。
次回、リュウ回答持参審議予定。
逃げ道なし。
ただし、考える時間は許可。
通常救済版春麗が言う。
「この案件は、かなり大きくなるわね」
行き遅れ恐怖版春麗は目を伏せる。
「ええ」
「怖い?」
通常救済版春麗が尋ねる。
行き遅れ恐怖版春麗は少しだけ笑った。
「怖いわ」
会議室が静かになる。
「答えを聞くのも怖い。聞けないまま待つのも怖い。リュウがちゃんと持ってきてくれると信じたいけれど、持ってきた答えで本当に私は満たされるのかも怖い」
本編春麗は、真面目な顔で聞いている。
行き遅れ恐怖版春麗は続けた。
「でも、もう怖いからといって黙って待つのはやめた」
黒ドレス特化春麗が頷く。
「それは強いわ」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「終わらせるためではなく、続けるために問いを出した」
通常救済版春麗が言う。
「それが今回の価値ね」
自覚前春麗が小声で言う。
「……少し、格好いいと思う」
行き遅れ恐怖版春麗が目を丸くする。
本編春麗がすぐに反応する。
「否認部門代表が?」
「その肩書きで呼ばないで!」
「でも、格好いいと思ったのね」
「資料として!」
黒ドレス特化春麗が笑う。
「便利ね、本当に」
会議室に少しだけ柔らかい空気が戻った。
本編春麗は結論を読み上げる。
結論:行き遅れ恐怖版春麗、リュウに対し最大三択を提示。
一、先へ進む答えを持ってくる。
二、今は答えられないなら期限を決める。
三、それもできないなら、春麗が自分で次を選ぶ。
本件は、待つことを受け身ではなく自己選択へ変換する重要案件。
春麗側行動、会議総合九十六点。
リュウの暫定返答、会議総合九十四点。
次回、リュウ回答持参審議予定。
資料が淡く光った。
行き遅れ恐怖版春麗は、その光を見つめていた。
「九十六点……」
本編春麗が言う。
「かなり高いわ」
「ええ」
「満足?」
行き遅れ恐怖版春麗は少し考えた。
「満足ではないわ」
通常救済版春麗が静かに頷く。
「まだ答えが来ていないから」
「ええ」
黒ドレス特化春麗が言う。
「でも、前には進んだ」
行き遅れ恐怖版春麗は頷いた。
「それは認める」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「九十九点の前の九十六点ね」
行き遅れ恐怖版春麗は、その言葉に少しだけ笑った。
「いい言い方ね」
自覚前春麗が呟く。
「九十九点前提で話が進んでいるの、怖いわ」
本編春麗が笑う。
「春麗会議だから」
「便利すぎる!」
会議室がほどけ始める。
消える前に、黒ドレス特化春麗が行き遅れ恐怖版春麗に言った。
「リュウが外したら、どうするの?」
行き遅れ恐怖版春麗は、少しだけ考えた。
そして、静かに言った。
「もう一度、考えさせるわ」
本編春麗が目を輝かせる。
「宿題継続ね」
「違うわ」
「違わないわ」
通常救済版春麗が笑う。
グランドフィナーレ済み春麗も目を細める。
自覚前春麗は呆れたように言った。
「結局、全員リュウに宿題を出すのね」
行き遅れ恐怖版春麗は、小さく笑った。
「私のは宿題じゃないわ」
一拍。
「期限付きの答えよ」
夢が消える。
朝。
行き遅れに恐怖する春麗は、目を覚ました。
胸の奥に、まだ三択の重さが残っている。
怖い。
でも、昨日より少し呼吸がしやすい。
リュウは逃げなかった。
軽く答えなかった。
答えを持ってくると言った。
それだけでは九十九点ではない。
けれど、逃げなかった。
春麗は窓の外を見る。
時間は進む。
それは変わらない。
でも、ただ待つだけではない。
今の待つ時間には、問いがある。
期限がある。
自分で次を選ぶ権利がある。
春麗は小さく呟いた。
「答えを持ってきなさい、リュウ」
声は少し震えていた。
けれど、昨日より強かった。
「軽い答えなら、受け取らないわ」
一拍。
「でも、本気の答えなら……」
そこで言葉を止める。
まだ言わない。
それは、リュウが持ってくる答えを聞いてからだ。
春麗は立ち上がる。
待つ。
ただし、待たされるためではない。
答えを受け取るために。
そして、答えが来なければ、自分で次を選ぶために。
Q:今回の妄想章IFについて解説して?
A:
はい。執筆者として見ると、今回の妄想章IFは、行き遅れ恐怖版春麗がついに“待つ側”から“問いを突きつける側”へ移行した回です。
これは単なる春麗会議の評価回ではなく、行き遅れ恐怖版春麗のテーマである、
待つのが怖い。
でも、答えがないまま待たされるのはもっと怖い。
だから、待つなら条件を決める。
という問題が、かなり明確な形で出た回です。
今回の核は「待つことの再定義」
これまでの行き遅れ恐怖版春麗は、リュウが来ることに救われていました。
リュウは来る。
何度でも来る。
待たせるために来ているわけではない。
俺も考える。
ここまでは、九十九点級に近い救済でした。
でも、それだけでは足りなくなった。
なぜなら、リュウが来ることと、関係が進むことは別だからです。
リュウが来る。
話す。
向き合う。
また来る。
それは安心ではあります。
でも、行き遅れ恐怖版春麗にとっては、同時に怖い。
来るだけで、何も決まらない。
次があると思っているうちに、時間だけが過ぎる。
気づいたら、自分だけが待ち続けていた。
この不安がある。
だから今回、春麗はリュウに三択を突きつけた。
これは「待たない」と言っているのではありません。
待つなら、待つ理由と期限を持ってほしい。
そういう要求です。
三択の構造が非常に強い
今回の三択は、かなりよくできています。
一つ。
あなたが私と先へ進むつもりがあるなら、その答えを持ってきなさい。
これは前進の選択肢です。
リュウが春麗と先へ進むつもりがあるなら、それを言葉にして持ってくる。
ここで重要なのは、「今すぐ言え」ではなく「持ってきなさい」という形です。
春麗は、軽い即答を求めていない。
ちゃんと考えた答えを求めている。
次に、
二つ。
今は答えを出せないなら、いつまで考えるのかを決めなさい。
待たせるなら、期限を持ちなさい。
これは猶予の選択肢です。
春麗はリュウに考える時間を与えています。
ただし、期限なしは許さない。
ここが行き遅れ恐怖版春麗らしいです。
時間への恐怖があるから、無期限の保留は受け入れられない。
最後に、
三つ。
それも決められないなら、私に待てと言わないで。
私が自分で次を選ぶわ。
これは自己決定の選択肢です。
リュウが答えも期限も出せないなら、春麗は自分で次を選ぶ。
ここがとても強い。
春麗は、ただリュウに縋っているのではありません。
待つことを選べる。
でも、待たないことも選べる。
この三択によって、春麗は「待たされる女」から「待つかどうかを自分で決める女」に変わっています。
「逃げ道を消す」が目的ではなく、「曖昧さを消す」が目的
今回の三択は、リュウの逃げ道を許さない構造です。
ただし、リュウを追い詰めて壊したいわけではありません。
消したいのは、リュウではなく曖昧さです。
来るけれど決めない。
考えるけれど期限がない。
待ってほしいように見えるけれど、何を待てばいいかわからない。
この曖昧さが、行き遅れ恐怖版春麗にとって一番怖い。
だから彼女は、最大三択という形に整えた。
これは感情をぶつけるだけではなく、感情を構造化しています。
春麗会議が評価した、
自分の不安をただぶつけるのではなく、選択肢に整形している。
という点は、かなり重要です。
リュウの暫定回答が九十四点だった理由
リュウは即答しませんでした。
でも、逃げもしませんでした。
今、答えを軽く言えば、お前を待たせるのと同じになる。
だから、持ってくる。
考えたふりではなく、俺の答えを持ってくる。
これは非常に良い返しです。
即答しないことが逃げになっていない。
むしろ、軽く答えないことで誠実さを示しています。
行き遅れ恐怖版春麗が恐れているのは、「その場しのぎの安心」です。
だから、リュウがその場で軽く、
俺は先へ進む。
と言っても、たぶん九十九点にはなりません。
春麗はそれを疑ってしまう。
今回のリュウは、
軽い答えは出さない。
でも逃げない。
考えた答えを持ってくる。
と言った。
だから九十四点。
かなり高い。
でも、まだ九十九点ではない。
理由は単純です。
まだ本回答を持ってきていないからです。
行き遅れ恐怖版春麗の成長
この回で一番大きいのは、春麗自身の変化です。
以前の彼女は、
待つのが怖い。
でもリュウが来るなら、少しだけ待てる。
という段階でした。
今回は違います。
待つなら、理由と期限を持ってきなさい。
それができないなら、私は自分で次を選ぶ。
ここまで来ました。
かなり強いです。
これは、リュウを拒絶しているのではありません。
むしろ、リュウとちゃんと向き合うために、曖昧さを拒絶している。
だから春麗会議で高評価になった。
春麗会議メンバーの反応が良い
今回、各春麗の評価もかなりそのキャラらしく出ています。
本編春麗は、構造を見ます。
一択目は前進。
二択目は猶予。
三択目は自己決定。
リュウに“答えない”という選択肢を許していない。
本編春麗らしい、かなり分析的な評価です。
黒ドレス特化春麗は、
黒で沈めるのは、その場の身体を捕まえること。
でもこれは、未来を捕まえに行っている。
と見ます。
黒とは違う重さとして認識しているのが良いです。
通常救済版春麗は、選択肢が残されている点を評価します。
相手に答えを強いるけれど、選択肢は残している。
これは通常救済版らしい柔らかい見方です。
グランドフィナーレ済み春麗は、
続けるために、曖昧さを終わらせようとしている。
と俯瞰する。
これも非常に彼女らしい。
自覚前春麗は、
資料としては重いけど、わかる。
と反応する。
これも、否認しながら理解してしまう自覚前春麗らしいです。
今回の九十六点と九十四点の意味
今回、春麗側の行動は九十六点。
リュウの暫定返答は九十四点。
この点数配分は良いです。
春麗側の三択は、かなり高評価。
なぜなら、自分の不安を構造化して、前へ進むための問いにしたからです。
一方、リュウの返答も高評価ですが、暫定です。
なぜなら、まだ答えを持ってきていないから。
この段階で九十九点をつけると早すぎる。
行き遅れ恐怖版春麗の九十九点は、あくまで「実際に持ってきた答え」に対して与えるべきです。
だから今回の九十四点は、九十九点前の九十四点です。
とても良い中間地点です。
「期限付きの答え」という言い方が強い
ラストの、
私のは宿題じゃないわ。
期限付きの答えよ。
これはかなり行き遅れ恐怖版春麗らしいです。
本編春麗なら、宿題にします。
黒ドレス特化春麗なら、沈めながら待ちます。
通常救済版春麗なら、選択を見守ります。
でも行き遅れ恐怖版春麗は、期限を求める。
ここが彼女の固有性です。
時間への不安があるからこそ、期限という概念が出てくる。
「宿題」よりも現実的で、切実で、逃げ道がない。
この表現はかなり良いです。
今回の物語上の意味
この妄想章IFは、次回への非常に強いフックです。
リュウは答えを持ってくると言った。
なら次は、その答えが問われる。
春麗会議としても、次回は大きな審議になります。
リュウが出す答え次第で、
九十九点到達
再提出
期限延長
春麗が自分で次を選ぶ
のどれかになります。
これは行き遅れ恐怖版春麗にとって、ほぼクライマックス前の回です。
結論
今回の妄想章IFは、行き遅れ恐怖版春麗が、リュウに対して“答えないこと”を許さない三択を提示し、待つことを受け身ではなく自己選択へ変換した回です。
重要なのは、
リュウを追い詰めたいのではなく、曖昧なまま待たされる自分を終わらせたい。
だから、答えか、期限か、自分で次を選ぶ権利を求めた。
という点です。
一言でまとめるなら、
行き遅れ恐怖版春麗は、もうただ待つ女ではない。
待つなら条件を出す。
答えが来ないなら、自分で次を選ぶ。