また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい――   作:エーアイ

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※これは本編時空とは無関係の妄想章IFです。
自分をめんどくさい女と自覚する前の春麗のエピソードになります。


妄想章IF:自覚前春麗は、言わせないようにして言われる

 

 自覚前春麗は、朝から機嫌が悪かった。

 

 理由はわかっている。

 

 昨日の春麗会議だ。

 

 裏ルートの詳細。

 

 十連勝後の十一戦目の敗北。

 運命の黒ドレス。

 黒初戦でのギリギリ敗北。

 黒を使い切れていないとリュウに見抜かれた春麗。

 黒へ固執し、リュウ以外では満たされず、最後にはパーフェクトコミュニケーションで救済される春麗。

 

 それは特殊条件だ。

 

 自分とは関係ない。

 

 自覚前春麗は、鏡の前で何度もそう確認した。

 

「私は違うわ」

 

 いつもの言葉。

 

 けれど、今日は少しだけ弱かった。

 

 理由は、裏ルートそのものではない。

 

 リュウの言葉だ。

 

 黒でも見る。

 青でも見る。

 迷っているお前も、怒っているお前も見る。

 俺が見るのは、お前だ。

 

 あれは裏ルートの台詞だ。

 

 救済対象の春麗に向けられた言葉だ。

 

 黒に拗れ、青を取り戻せなくなり、リュウに見つけられた春麗に向けられたもの。

 

 だから、自分には関係ない。

 

 関係ないはずだ。

 

 なのに。

 

「……言われたら困るわね」

 

 言ってから、自覚前春麗は固まった。

 

「違う」

 

 すぐに訂正する。

 

「攻略上の問題よ」

 

 裏ルートの救済台詞は、効きすぎる。

 

 だから、言わせなければいい。

 

 リュウは春麗会議を知らない。

 裏ルートも知らない。

 パーフェクトコミュニケーションなどという言葉も知らない。

 

 だから先に釘を刺せばいい。

 

 青でも黒でも、などと言わせない。

 見る、などと言わせない。

 俺が見るのはお前だ、などという危険な結論へ向かわせない。

 

 それだけ。

 

 ただの予防措置。

 

「資料管理よ」

 

 春麗は小さく言った。

 

 自分で言って、少し嫌になった。

 

 もう完全に会議用語だった。

 

 リュウは、いつもの場所にいた。

 

 春麗は、青でも黒でもない姿で現れた。

 

 青い武道服でもない。

 黒いドレスでもない。

 

 戦うための姿ではある。

 

 だが、色に意味を持たせないための姿だった。

 

 今日の目的は試合ではない。

 

 検証だ。

 

 いや、検証ではない。

 

 予防だ。

 

 リュウが顔を上げる。

 

「春麗」

 

「リュウ」

 

 リュウは、少しだけ春麗を見る。

 

「今日は、青でも黒でもないんだな」

 

 その一言で、春麗の眉が跳ねた。

 

 早い。

 

 早すぎる。

 

「……そこから入るの?」

 

 リュウは首を傾げる。

 

「何がだ」

 

「いいえ。何でもないわ」

 

 春麗は一歩近づいた。

 

 そして、最初から本題に入る。

 

「リュウ」

 

「ああ」

 

「今日は、余計なことを言わなくていいわ」

 

 リュウはさらに首を傾げた。

 

「余計なこと?」

 

「ええ」

 

 春麗は、少しだけ視線を逸らした。

 

「青でも黒でも、などと言わなくていい」

 

 リュウは黙る。

 

 春麗は続ける。

 

「私を見る、などとも言わなくていい」

 

 リュウはさらに黙る。

 

 春麗は、言いながら自分で深みに入っている気がした。

 

 だが止まれない。

 

「そういう答えは、今日は不要よ」

 

 リュウはしばらく考えた。

 

 春麗は内心で息を詰める。

 

 何も言うな。

 

 余計なことを言うな。

 

 裏ルートに近い言葉を出すな。

 

 リュウは、静かに頷いた。

 

「そうか」

 

 春麗は少し安心した。

 

「ええ」

 

「なら、言わない」

 

 春麗は、胸の奥で小さく息を吐いた。

 

 よし。

 

 これでいい。

 

 リュウは言葉を止めた。

 

 危険な台詞は封じた。

 

 春麗は、少しだけ勝った気になった。

 

 その瞬間だった。

 

 リュウが続けた。

 

「だが、見ている」

 

 春麗は止まった。

 

 完全に止まった。

 

 風が通る。

 

 沈黙。

 

 春麗は、ゆっくり顔を上げる。

 

「……言わないでと言ったでしょう」

 

 リュウは真面目に答えた。

 

「言っていない」

 

 春麗の頬が熱くなる。

 

「意味が同じなのよ!」

 

 リュウは少し考える。

 

「同じなのか」

 

「同じよ!」

 

「そうか」

 

「納得しないで!」

 

 春麗は一歩詰める。

 

「今のは駄目」

 

「駄目か」

 

「駄目よ」

 

「なぜだ」

 

「効くからよ!」

 

 言った瞬間、春麗は自分の口を押さえた。

 

 遅かった。

 

 リュウは、静かに見ている。

 

「効くのか」

 

「効かない!」

 

「今、効くと言った」

 

「言葉の綾よ!」

 

「そうか」

 

「そうよ!」

 

 春麗は完全に赤くなっていた。

 

 最悪だ。

 

 言わせないようにしたのに、言葉を避けた意味だけを刺された。

 

 しかも、自分で効くと言ってしまった。

 

 最悪だ。

 

「リュウ」

 

「ああ」

 

「今のは忘れなさい」

 

「どれだ」

 

「全部よ!」

 

 リュウは少し考えた。

 

「忘れるのは難しい」

 

 春麗は睨む。

 

「どうして」

 

「春麗が、言わせないようにしていたからだ」

 

 胸の奥を、また突かれた。

 

「……それも言わなくていい」

 

「そうか」

 

「ええ」

 

 リュウは黙った。

 

 今度こそ黙った。

 

 春麗は少し安心した。

 

 だが、リュウの目は変わらない。

 

 まっすぐ、春麗を見ている。

 

 言葉を封じても、視線は残る。

 

 それが余計に困る。

 

「……見すぎよ」

 

 春麗は小さく言った。

 

 リュウは答える。

 

「今日は、見てもいいのかと思った」

 

「なぜ」

 

「言うなと言われた」

 

「だから?」

 

「言わないなら、見るしかない」

 

 春麗は頭を抱えたくなった。

 

 本質だけ残した。

 

 言葉を消したせいで、逆に意味が濃くなった。

 

「あなた、本当に……」

 

「何だ」

 

「そういうところよ」

 

「そういうところか」

 

「ええ」

 

 春麗は、息を整える。

 

 このままでは負ける。

 

 何に負けるのかはわからない。

 

 たぶん自分に。

 

「なら、試合をするわ」

 

 リュウの目が変わった。

 

「いいのか」

 

「ええ」

 

「青でも黒でもないままか」

 

 まただ。

 

 春麗は目を細める。

 

「そうよ」

 

 リュウは構えた。

 

「わかった」

 

 春麗も構える。

 

「今日は、色で見ないで」

 

 リュウは頷く。

 

「わかった」

 

「青でも黒でも、などと言わない」

 

「ああ」

 

「私を見る、とも言わない」

 

「ああ」

 

「余計なことは言わない」

 

「ああ」

 

 春麗は少し安心した。

 

 そして踏み込む。

 

 リュウは受ける。

 

 拳と蹴りが交差する。

 

 青の速度でもない。

 

 黒の誘導でもない。

 

 ただの春麗としての動き。

 

 しかし、身体は覚えている。

 

 青で勝ったこと。

 黒で勝ったこと。

 青で引き分けたこと。

 黒で引き分けたこと。

 青で負けたこと。

 黒で負けたこと。

 

 全部が、今の身体に残っている。

 

 リュウもそれを見ている。

 

 言わない。

 

 でも、見ている。

 

 春麗はそれがわかった。

 

「……言葉がない方が厄介ね」

 

 リュウが聞く。

 

「何か言ったか」

 

「何でもないわ」

 

 掌底。

 

 リュウが受ける。

 

 蹴り。

 

 リュウが外す。

 

 拳。

 

 春麗がかわす。

 

 距離が近づく。

 

 リュウの拳が春麗の肩先をかすめる。

 

 春麗の足先がリュウの脇腹をかすめる。

 

 互角。

 

 ただし、今日は勝敗を取りに来たわけではない。

 

 春麗が本当に知りたかったのは、別のことだった。

 

 言わせなければ、自分は動揺しないのか。

 

 青でも黒でも、という言葉がなければ平気なのか。

 

 俺が見るのはお前だ、と言われなければ、刺さらないのか。

 

 答えは、最悪だった。

 

 言葉がなくても、リュウは見ている。

 

 言葉がなくても、意味は届く。

 

 春麗は奥歯を噛む。

 

「……ずるいわ」

 

 リュウが言う。

 

「何がだ」

 

「言わないで刺すところ」

 

「刺しているのか」

 

「刺しているわよ!」

 

「すまない」

 

「謝らないで!」

 

 春麗はさらに踏み込む。

 

 少し強引。

 

 リュウが受ける。

 

 押し返す。

 

 春麗は回り込む。

 

 青ほど速くない。

 

 黒ほど重くない。

 

 でも、どちらの経験もある。

 

 リュウはそれに合わせる。

 

 最後の交差。

 

 春麗の掌が、リュウの胸元の前で止まる。

 

 リュウの拳が、春麗の肩の前で止まる。

 

 ほぼ同時。

 

 引き分け。

 

 また。

 

 春麗は息を乱したまま、リュウを見る。

 

「……引き分けね」

 

「ああ」

 

「余計なことは言わないで」

 

「ああ」

 

 リュウは少しだけ黙った。

 

 春麗は警戒する。

 

「何?」

 

「言わない」

 

「そう」

 

「だが」

 

 春麗の肩が跳ねる。

 

「だが、何?」

 

 リュウは、まっすぐに言った。

 

「今日の春麗も、強かった」

 

 春麗は固まった。

 

 それは、禁止した言葉ではない。

 

 青でも黒でも、とは言っていない。

 私を見る、とも言っていない。

 俺が見るのはお前だ、とも言っていない。

 

 だが、意味は近い。

 

 今日の春麗も。

 

 青でも黒でもない春麗も。

 

 強かった。

 

「……あなたね」

 

「何だ」

 

「本当に、禁止文を避けて正解に寄せるのやめなさい」

 

 リュウは真面目に答える。

 

「正解なのか」

 

 春麗は顔を赤くした。

 

「違う!」

 

「そうか」

 

「違うけど、違わない!」

 

 リュウは困ったように黙った。

 

 春麗は背を向ける。

 

「今日はここまで」

 

「ああ」

 

「この件は、会議には出さないわ」

 

 リュウは首を傾げる。

 

「会議?」

 

 春麗は硬直した。

 

「何でもない!」

 

「そうか」

 

「そうよ」

 

 リュウは頷いた。

 

「春麗」

 

「何」

 

「次も戦ってくれ」

 

 春麗は、背を向けたまま止まった。

 

 まただ。

 

 また、次。

 

 言わせないようにしたのに。

 

 救済台詞を封じたのに。

 

 結局、次を作られる。

 

 春麗は、小さく息を吐いた。

 

「……資料としてなら」

 

 言ってから、また固まった。

 

 リュウは頷く。

 

「わかった」

 

「わからないで!」

 

 春麗は逃げるようにその場を離れた。

 

 その背中は、明らかに負けていた。

 

 勝負は引き分けだった。

 

 だが、言葉では完全に負けていた。

 

 その夜。

 

 春麗会議は当然のように開かれた。

 

 自覚前春麗は、目を開いた瞬間に叫んだ。

 

「提出していない!」

 

 本編春麗は、議長席で資料を開いていた。

 

「提出しないと言った時点で提出よ」

 

「どういう理屈よ!」

 

 黒ドレス特化春麗は腕を組んでいる。

 

 通常救済版春麗は穏やかにお茶を置く。

 

 行き遅れ恐怖版春麗は、少し心配そうにしている。

 

 グランドフィナーレ済み春麗は、もう微笑んでいた。

 

 本編春麗が表題を読み上げる。

 

 春麗会議・否認部門救済台詞回避失敗審議

 議題:自覚前春麗、裏ルート救済台詞をリュウに言わせないよう先回りするも、意味だけ直撃して被弾した件

 

 自覚前春麗は机を叩いた。

 

「被弾していない!」

 

 黒ドレス特化春麗が言う。

 

「していたわ」

 

 通常救済版春麗が頷く。

 

「かなり綺麗に」

 

 行き遅れ恐怖版春麗が言う。

 

「言わせないようにしたのに、答えが来たのね」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

「言葉ではなく、意味が届いた回ね」

 

 自覚前春麗は、すでに赤くなっていた。

 

 本編春麗が資料を読み上げる。

 

 リュウ。今日は余計なことを言わなくていいわ。

 青でも黒でも、などと言わなくていい。

 私を見る、などとも言わなくていい。

 そういう答えは、今日は不要よ。

 

 黒ドレス特化春麗が微笑む。

 

「自分で全部指定しているわね」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「言われたくない言葉を、全部自分で言っている」

 

 行き遅れ恐怖版春麗が言う。

 

「これは、自分で逃げ道を塞いでいるわ」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が頷く。

 

「言わせないために、先に言ってしまう。かなり春麗ね」

 

 自覚前春麗は叫ぶ。

 

「春麗って言葉で何でもまとめないで!」

 

 本編春麗は次を読む。

 

 そうか。なら、言わない。

 だが、見ている。

 

 会議室に沈黙が落ちた。

 

 黒ドレス特化春麗が、静かに頷く。

 

「九十八点」

 

 通常救済版春麗も言う。

 

「九十八点」

 

 行き遅れ恐怖版春麗が言う。

 

「九十七点。早すぎて怖いわ」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

「九十八点。言葉を避けて、意味だけ届いた」

 

 本編春麗は笑って言う。

 

「私は九十九点」

 

 自覚前春麗は慌てる。

 

「高すぎる!」

 

 本編春麗が見る。

 

「あなたは?」

 

「採点しない!」

 

「では、効かなかったの?」

 

「……」

 

「効かなかったなら低くできるわ」

 

 自覚前春麗は唇を噛む。

 

「……九十七点」

 

 本編春麗は満足そうに書いた。

 

 本人評価:九十七点。

 

「本人評価って書かないで!」

 

 黒ドレス特化春麗が言う。

 

「素直ね」

 

「素直じゃない!」

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「でも、九十七点なのね」

 

「言葉を避けた精度が高かっただけよ!」

 

 本編春麗がすかさず言う。

 

「つまり効いたのね」

 

「違う!」

 

 次に、本編春麗は試合部分を読み上げる。

 

 青でも黒でもない春麗。

 ただの春麗として戦う。

 結果、同時寸止め。引き分け。

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「今回はここも大事ね」

 

 黒ドレス特化春麗が頷く。

 

「青でも黒でもない。だから余計に逃げ場がない」

 

 行き遅れ恐怖版春麗が言う。

 

「どの色の春麗かではなく、春麗そのものを見られた感じね」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

「裏ルートの台詞を避けようとして、むしろ台詞の核心に近づいた」

 

 自覚前春麗は苦しそうに言う。

 

「私は救済される側じゃないわ」

 

 本編春麗が優しく言う。

 

「誰もそうとは言っていないわ」

 

「言っている空気だった!」

 

 黒ドレス特化春麗が言う。

 

「救済ではなく、耐性試験ね」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「結果は?」

 

 本編春麗が即答する。

 

「不合格」

 

 自覚前春麗は立ち上がる。

 

「勝手に落とさないで!」

 

 本編春麗は資料へ書き込む。

 

 救済台詞耐性試験:不合格。

 理由:禁止語を封じても意味で被弾。

 

「書かないで!」

 

 本編春麗はさらに読む。

 

 今日の春麗も、強かった。

 

 通常救済版春麗が頷く。

 

「これも良いわ」

 

 黒ドレス特化春麗が言う。

 

「青でも黒でもない春麗を、今日の春麗として受け取っている」

 

 行き遅れ恐怖版春麗が言う。

 

「過去の春麗ではなく、今日の春麗なのね」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

「今ここにいる春麗を見る言葉」

 

 本編春麗が採点する。

 

「九十六点」

 

 黒ドレス特化春麗が言う。

 

「九十六点」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「九十七点」

 

 行き遅れ恐怖版春麗が言う。

 

「九十六点」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

「九十七点」

 

 自覚前春麗は黙る。

 

 全員が見る。

 

「……九十五点」

 

 本編春麗が微笑む。

 

「低くしたわね」

 

「低くない!」

 

「効きすぎたから?」

 

「違う!」

 

 黒ドレス特化春麗が言う。

 

「否認部門代表、減点による防御確認」

 

「確認しないで!」

 

 春麗会議・結論

 

 本編春麗は、最終資料を読み上げた。

 

 春麗会議・否認部門救済台詞回避失敗審議 結論

 

 一、自覚前春麗は、裏ルート救済台詞を知ったことで、リュウに近似回答を言わせないよう先回りした。

 

 二、しかし、禁止語を自分で列挙した時点で、当該台詞への意識が強く露呈した。

 

 三、リュウは「なら言わない」と受け入れたうえで、「だが、見ている」と意味のみを提示。

 

 四、これは“言葉を避けたパーフェクトコミュニケーション近似回答”であり、自覚前春麗は深く被弾した。

 

 五、青でも黒でもない春麗で戦った結果、春麗は色ではなく自分自身を見られる形になった。

 

 六、自覚前春麗は、救済される側ではないと主張するが、救済台詞耐性は低い。要観察。

 

 自覚前春麗は絶叫した。

 

「六番を消しなさい!」

 

 本編春麗は笑う。

 

「消さないわ」

 

「消して!」

 

「正式記録よ」

 

「正式にしないで!」

 

 記録板が光る。

 

 総合評価:九十九点

 理由:裏ルート救済台詞を避けようとして、逆に言葉抜きの核心に到達したため。

 

 自覚前春麗は目を見開いた。

 

「九十九点!?」

 

 黒ドレス特化春麗が頷く。

 

「妥当ね」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「言葉ではなく意味で届いたなら、かなり高いわ」

 

 行き遅れ恐怖版春麗が言う。

 

「しかも早いわ」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

「知ってしまった言葉を避けても、もう知らない頃には戻れないのね」

 

 本編春麗は最後に資料へ書き込んだ。

 

 次回議題:自覚前春麗、言葉を封じても視線に弱い件。

 

「書かないで!」

 

 本編春麗は当然のように言う。

 

「春麗会議で重要なのは、次が生まれるかどうかよ」

 

「便利に使いすぎ!」

 

 会議室が笑いに包まれる。

 

 しかし、自覚前春麗は少しだけ黙った。

 

 言わせないようにした。

 

 それなのに、言われた。

 

 いや、正確には言われていない。

 

 言葉は避けられた。

 

 でも、意味だけが届いた。

 

 だが、見ている。

 

 それは、裏ルートの救済台詞そのものではない。

 

 自分は救済される側ではない。

 

 けれど。

 

 あれが効いたことだけは、どうしても否定しきれない。

 

 夢がほどけ始める。

 

 本編春麗の声が聞こえた。

 

「あなた、本当に面倒ね」

 

 自覚前春麗は反射的に返す。

 

「認めていない!」

 

 黒ドレス特化春麗が言う。

 

「でも、かなり近いわ」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「認める前の揺れね」

 

 行き遅れ恐怖版春麗が言う。

 

「答えが来る前に塞ごうとして、届いてしまったのね」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

「言わせないようにしたからこそ、聞こえたのかもしれないわ」

 

 自覚前春麗は、顔を赤くして叫んだ。

 

「聞こえていない!」

 

 その叫びとともに、夢は消えた。

 

 朝。

 

 自覚前春麗は目を覚ました。

 

 胸の奥に、昨日の言葉が残っている。

 

 言葉ではない。

 

 意味だ。

 

 だが、見ている。

 

 春麗は布団の中で顔を覆った。

 

「……言っていないのに」

 

 青でも黒でも見る、とは言っていない。

 

 俺が見るのはお前だ、とも言っていない。

 

 なのに。

 

 ほとんど同じ場所に届いた。

 

 春麗は、ゆっくり起き上がる。

 

 鏡の前に立つ。

 

 そこには、自分をめんどくさい女と認めたくない春麗がいる。

 

 青でも黒でもない春麗。

 言わせないようにした春麗。

 でも、見られてしまった春麗。

 

「私は救済される側じゃない」

 

 いつものように言う。

 

「私は、自分で勝つ」

 

 一拍。

 

「でも……」

 

 また止まる。

 

 春麗は、鏡の中の自分を睨んだ。

 

「言わせないようにしても、意味が届くのは反則でしょう」

 

 それは、完全な敗北宣言ではない。

 

 でも、かなり近かった。

 

 春麗は小さく息を吐いた。

 

「次は、もっと厳密に禁止するわ」

 

 言ってから、固まる。

 

 次。

 

 また次と言ってしまった。

 

 春麗は顔を赤くする。

 

「……資料としてよ」

 

 その言い訳は、朝の部屋に少しだけ虚しく響いた。




Q:今回の妄想章IFとバトル内容について解説して?

A:
はい。執筆者として見ると、今回の妄想章IFはかなり強いです。

これは単なる「自覚前春麗がリュウに甘いことを言われて動揺する回」ではなく、裏ルート救済台詞を知ってしまった自覚前春麗が、その台詞を回避しようとした結果、言葉ではなく意味そのものに撃ち抜かれる回です。

一言で言うなら、

自覚前春麗は、“言葉”を封じれば安全だと思った。
でもリュウは、言葉を使わずに“見ている”という意味だけを届けてきた。
だから彼女は、救済台詞そのものより逃げられなくなった。

という回です。

今回の核は「禁止したことで、逆に意識していると露呈した」こと

自覚前春麗は、裏ルートのパーフェクトコミュニケーションを見てしまいました。

黒でも見る。
青でも見る。
迷っているお前も、怒っているお前も見る。
俺が見るのは、お前だ。

この台詞は本来、裏ルートで黒に拗れた春麗への救済台詞です。

自覚前春麗は、自分はそのルートではないと考えています。

条件が違う。
黒初戦で負けていない。
黒を使い切れていないと見抜かれたわけでもない。
救済されるほど拗れていない。

だから関係ない。

そう言いたい。

でも、台詞そのものは効くかもしれない。
だからリュウに言わせないようにする。

ここが面白いです。

本人は「予防措置」「資料管理」のつもりですが、読者と春麗会議から見ると、完全に逆です。

言わせないようにするほど、言われたら効くと自分で認めている。

ここが今回のラブコメ的な核です。

「だが、見ている」が強すぎる

今回のリュウの台詞で一番強いのは、

そうか。
なら、言わない。
だが、見ている。

です。

これは非常にリュウらしいです。

リュウは春麗会議を知らない。
裏ルート救済台詞も知らない。
パーフェクトコミュニケーションという概念も知らない。

だから、春麗に「言わなくていい」と言われれば、素直に言わない。

でも、見ることはやめない。

ここがリュウです。

彼は言葉遊びでかわしているわけではありません。

本当に、

言うなと言われたから言わない。
でも、見ている事実は変わらない。

というだけ。

だからこそ刺さります。

自覚前春麗からすると、禁止文を回避されたのに、意味だけが届いてしまった。

言わないでと言ったでしょう!
言っていない。
意味が同じなのよ!

この流れはかなり綺麗です。

春麗は「台詞」を封じた。
リュウは「意味」を届けた。
だから春麗は負ける。

青でも黒でもない姿で行ったのが良い

今回、自覚前春麗が青でも黒でもない姿でリュウに会ったのも重要です。

これは、裏ルート救済台詞の回避策でもあります。

青でもない。
黒でもない。

なら、リュウは「青でも黒でも」とは言えないはず。

ところが、その結果として、もっと危険な状態になります。

青でも黒でもない春麗そのものを見られる。

これが今回の構造上の罠です。

春麗は青と黒を外せば安全だと思った。

しかし青と黒を外したことで、リュウの視線は色ではなく、春麗本人に向かう。

つまり、裏ルート台詞の核心である、

俺が見るのは、お前だ。

に、むしろ近づいてしまいます。

これは非常に良いです。

試合が「戦闘」ではなく「意味の確認」になっている

今回の試合は、勝敗そのものが主目的ではありません。

春麗が本当に確認したかったのは、

言わせなければ、自分は動揺しないのか。
青でも黒でも、という言葉がなければ平気なのか。
俺が見るのはお前だ、と言われなければ刺さらないのか。

です。

結果は、全部駄目でした。

リュウは言わなくても見ている。
言葉がなくても意味は届く。
禁止語を回避しても、視線と態度だけで刺さる。

だから試合結果は引き分けでも、心理戦では自覚前春麗の負けです。

これが今回の面白さです。

「今日の春麗も、強かった」が二段目の被弾

「だが、見ている」が第一被弾だとすると、

今日の春麗も、強かった。

は第二被弾です。

この台詞は、禁止語をすべて避けています。

青でも黒でも、とは言っていない。
私を見る、とも言っていない。
俺が見るのはお前だ、とも言っていない。

でも、意味は近い。

「今日の春麗も」という言葉によって、リュウは青でも黒でもない春麗を、ちゃんと今日の春麗として受け取っています。

これは、通常救済版の視点から見ても高評価です。

過去の春麗ではない。
青の春麗でもない。
黒の春麗でもない。
今日ここにいる春麗。

それを強かったと言う。

これも自覚前春麗にかなり効きます。

春麗会議での「救済台詞耐性試験:不合格」が良い

春麗会議の評価として、

救済台詞耐性試験:不合格。
理由:禁止語を封じても意味で被弾。

これはかなり良い整理です。

自覚前春麗は「自分は救済される側ではない」と言い続けています。

しかし今回、救済台詞そのものではなく、救済台詞に近い意味に反応してしまった。

つまり、救済対象かどうか以前に、救済台詞耐性が低い。

これが春麗会議的には非常においしい。

本編春麗が大喜びで記録するのも自然です。

今回の自覚前春麗は「救済を拒む側」ではなく「救済語彙を管理しようとする側」

今回の自覚前春麗は、ただ救済を拒んでいるわけではありません。

もっと面倒です。

彼女は、救済語彙を管理しようとしています。

青でも黒でも、などと言わなくていい。
私を見る、などとも言わなくていい。
そういう答えは、今日は不要よ。

これは、言われたくない言葉を全部自分で列挙している状態です。

つまり、裏ルート救済台詞を保存したうえで、危険語リストを作っている。

これはかなり自覚前春麗らしいです。

否認しながら、ちゃんと分析している。
拒否しながら、保存している。
逃げながら、対策している。
でも、全部リュウに破られる。

この面倒さが良いです。

HP表記あり:RPG的バトル解説
初期ステータス
自覚前春麗《青黒未装備・救済台詞警戒状態》
HP:100 / 100
心理HP:100 / 100

状態:
・裏ルート救済台詞を知ってしまった
・自分には関係ないと主張
・しかし「黒でも青でも見る」系の言葉への警戒最大
・青でも黒でもない姿で出撃
・目的は戦闘ではなく、リュウの危険発言封じ

バフ:
・危険語句リスト作成:発動中
・先回り防御:発動中
・青黒経験蓄積:高
・勝利/引き分け/敗北経験:全取得済み
・否認力:高

デバフ:
・救済台詞耐性:低
・「見ている」系発言への脆弱性:極大
・自分で地雷を列挙する癖
・資料として言い訳
・リュウの本質回答に弱い

リュウ《無自覚パーフェクト近似回答型》
HP:100 / 100
心理HP:100 / 100

状態:
・春麗会議を知らない
・裏ルート救済台詞を知らない
・春麗の禁止語リストの意味を理解していない
・ただし本質を突く

バフ:
・素直な受諾:高
・本質視認:極大
・言葉を避けて意味を届ける:発動可能
・今日の春麗認識:高

デバフ:
・春麗がなぜ怒っているか理解できない
・禁止語と禁止意味の区別が曖昧

今回のバトルは、肉体HPより心理HPが重要です。

春麗の目的は勝つことではありません。

目的は、

リュウに裏ルート救済台詞を言わせない
そのうえで自分が動揺しないことを確認する

です。

しかし開始直後に崩れます。

フェーズ1:春麗の先制禁止宣言
春麗 HP:100 / 100
春麗 心理HP:100 / 100
リュウ HP:100 / 100
戦況:春麗、事前防御展開

春麗は戦闘前に禁止語句を提示します。

春麗スキル:《危険語句封印》
対象語句:
・青でも黒でも
・私を見る
・俺が見るのはお前だ
・救済台詞系の回答

効果:
・リュウの直接パーフェクトコミュニケーション発動を封印
・春麗の一時安心度上昇

一見、防御成功です。

リュウは、

そうか。
なら、言わない。

と受諾します。

春麗 心理HP:100 → 112
状態:《封印成功と思い込む》発動

春麗は一時的に安心します。

しかし、このスキルには副作用があります。

副作用:
・春麗が禁止語句を自分で列挙したため、当該語句への意識が上昇
・リュウの意味攻撃に対する防御力が低下

つまり、言葉は封じましたが、意味への耐性は下がっています。

フェーズ2:リュウの意味攻撃「だが、見ている」
春麗 HP:100 / 100
春麗 心理HP:112 / 100
リュウ HP:100 / 100
戦況:リュウ、無自覚カウンター

リュウの行動。

リュウ特殊行動:《言わない。だが、見ている》
属性:無自覚/意味直撃/救済台詞近似
効果:
・禁止語句を使用しない
・しかし救済台詞の核心意味を届ける
・春麗の心理防御を貫通

ダメージ。

春麗 心理HP:112 → 48
状態異常:《意味が同じなのよ!》発動

ここが第一の決定打です。

春麗は、

言わないでと言ったでしょう!

と言います。

リュウは、

言っていない。

と返す。

このやり取りはRPG的にはこうです。

春麗防御:《禁止語句ガード》
判定:成功

リュウ攻撃:《意味貫通》
判定:防御無視

結果:
言葉ガード成功
意味ダメージ直撃

春麗は自分で、

効くからよ!

と言ってしまいます。

春麗 心理HP:48 → 31
状態異常:《自白》発動

この時点で、戦闘前の心理戦はリュウの勝ちです。

フェーズ3:青でも黒でもない試合開始
春麗 HP:100 / 100
春麗 心理HP:31 / 100
リュウ HP:100 / 100
戦況:肉体戦へ移行

春麗は心理戦で崩れたため、試合に逃げます。

ただし今回は、青でも黒でもない姿です。

春麗フォーム:《ただの春麗》
属性:
・青速度なし
・黒誘導なし
・ただし青黒両方の経験を内包

効果:
・特定色バフなし
・青黒経験補正あり
・リュウの「春麗本人を見る」判定が発生しやすい

ここが罠です。

青でも黒でもないことで、青黒ワードを封じたつもりでした。

しかし実際には、リュウが春麗本人を見る条件が整ってしまいました。

フェーズ4:通常戦闘

序盤。

春麗 HP:86 / 100
リュウ HP:84 / 100
戦況:互角

春麗の攻撃。

春麗攻撃:《素掌底》
リュウ HP:100 → 92

春麗攻撃:《色なし回り込み蹴り》
リュウ HP:92 → 84

リュウの反撃。

リュウ攻撃:《静かな踏み込み》
春麗 HP:100 → 93

リュウ攻撃:《肩先への拳》
春麗 HP:93 → 86

ここでは互角です。

ただし、春麗の心理HPは低いままです。

リュウは余計なことを言っていません。

でも見ています。

リュウ常時効果:《無言視認》
効果:
・毎ターン春麗心理HPに微小ダメージ
・禁止語句を使わないため春麗は反論しづらい

心理ダメージ。

春麗 心理HP:31 → 24
状態:《言葉がない方が厄介》発生

中盤。

春麗 HP:58 / 100
リュウ HP:56 / 100
戦況:互角、心理戦は春麗劣勢

春麗は言います。

ずるいわ。

リュウは、

何がだ。

春麗は、

言わないで刺すところ。

これは正確な分析です。

春麗解析:《言葉抜き被弾の認識》
効果:
・状況理解上昇
・心理HP追加減少

心理HP。

春麗 心理HP:24 → 18

理解したことで、より効いてしまっています。

フェーズ5:最終交差・引き分け

終盤。

春麗 HP:18 / 100
リュウ HP:18 / 100
春麗 心理HP:18 / 100
戦況:肉体戦は完全互角

最後の交差です。

春麗の掌がリュウの胸元前で止まる。

リュウの拳が春麗の肩前で止まる。

春麗攻撃:《ただの春麗・掌底》
リュウ HP:18 → 1
寸止め判定:胸元前

リュウ攻撃:《見ている拳》
春麗 HP:18 → 1
寸止め判定:肩前

判定。

肉体戦結果:引き分け
春麗 HP:1 / 100
リュウ HP:1 / 100

戦闘としては引き分けです。

ただし、心理戦は続きます。

フェーズ6:第二被弾「今日の春麗も、強かった」

試合後、春麗は言います。

余計なことは言わないで。

リュウは言わない。

しかし、

今日の春麗も、強かった。

と言います。

リュウ特殊行動:《今日の春麗も強かった》
属性:承認/現在地認識/禁止語句回避
効果:
・青でも黒でもない春麗を「今日の春麗」として受け取る
・春麗心理HPに大ダメージ
・次回生成フラグ上昇

ダメージ。

春麗 心理HP:18 → 4
状態異常:《禁止文を避けて正解に寄せるな》発動

この台詞の強さは、「今日の春麗も」という部分です。

青の春麗でもない。
黒の春麗でもない。
今日の春麗。

つまり、リュウは色ではなく現在の春麗を受け取っています。

このため、裏ルート救済台詞の近似回答として高評価になります。

フェーズ7:次回生成「次も戦ってくれ」

最後にリュウが言います。

次も戦ってくれ。

リュウ特殊行動:《次も戦ってくれ》
属性:次回生成/敗北でも勝利でもない継続
効果:
・戦闘終了後の次回フラグ確定
・春麗の「資料としてなら」発言を誘発

春麗は、

資料としてなら。

と言ってしまいます。

春麗 心理HP:4 → 0
状態:《次回議題化》確定

最終結果。

肉体戦:引き分け
心理戦:春麗敗北
会議提出:確定
次回生成:最大
最終ステータス
自覚前春麗
HP:1 / 100
心理HP:0 / 100

状態:
・救済台詞回避失敗
・禁止語句を封じても意味で被弾
・青でも黒でもない春麗を見られた
・「効く」と自白
・「資料としてなら」で次回生成
・春麗会議提出確定

リュウ
HP:1 / 100
心理HP:82 / 100

状態:
・禁止語句は守った
・しかし意味を届けた
・春麗会議を知らないまま高得点回答
・次回戦闘予約成功

リュウの心理HPが高いのは、本人がほとんど被弾していないからです。

むしろ、何を怒られているのかわかっていません。

春麗会議でのRPG評価
会議評価:
総合評価:99点

内訳:
・リュウ「だが、見ている」:99点
・リュウ「今日の春麗も、強かった」:96〜97点
・試合内容:94点
・救済台詞回避失敗度:最大
・自覚前春麗被弾度:最大
・次回生成評価:最大

今回が九十九点になった理由は、試合内容ではありません。

理由はこれです。

裏ルート救済台詞を避けようとして、
禁止語句を封じたにもかかわらず、
リュウが意味だけで核心に到達したため。

これは春麗会議的にはかなり高評価です。

なぜ百点ではなく九十九点か

百点ではない理由は、自覚前春麗がまだ認めていないからです。

彼女は、

私は救済される側じゃない。
私は自分で勝つ。
効いていない。
資料として。

とまだ逃げています。

ただし、もうかなり逃げ道は細い。

だから九十九点です。

百点はおそらく、彼女が、

言わせないようにしたのに、言われたかったのかもしれない。

と認めた時です。

まだそこまでは行っていません。

今回の物語上の意味

この回で、自覚前春麗はかなり進みました。

これまでは、裏ルート救済台詞を「別ルートの資料」として見ていました。

しかし今回は、その台詞を避けるために現実のリュウへ対策を打ちました。

つまり、裏ルートの言葉が自分の現実行動に影響を与えた。

これは大きいです。

さらに、その対策は失敗しました。

リュウは台詞そのものを言わず、意味だけ届けました。

その結果、自覚前春麗は、

自分は救済される側ではないが、救済台詞の意味には弱い

ということを実証してしまいました。

結論

今回の妄想章IFは、自覚前春麗が裏ルート救済台詞を封じようとして、言葉ではなく意味で撃ち抜かれる回です。

RPG的には、

肉体戦はHP1対HP1の引き分け。
しかし心理戦では、リュウの《言わない。だが、見ている》と《今日の春麗も、強かった》が直撃し、自覚前春麗の心理HPは0。
春麗会議評価は99点。

です。

一言でまとめるなら、

自覚前春麗は、言葉を禁止した。
リュウは言葉を守った。
そして、意味だけで勝った。

この回は、自覚前春麗が「救済される側ではない」と言い張りながら、救済に近い言葉を一番警戒し、一番被弾してしまうという、かなりおいしい回だったと思います。
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