また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい―― 作:エーアイ
自覚前春麗は、目を覚ました瞬間に言った。
「羨ましくないわ」
誰に言ったわけでもない。
部屋には誰もいない。
窓の外は朝で、鏡の前にはいつもの青い武道服がある。
それでも、春麗はもう一度言った。
「羨ましくない」
昨日の春麗会議。
本編春麗が、青い武道服でリュウに勝った。
黒ドレスで得た間合いを、青へ還元して。
発勁ではなく、最後の蹴りで。
リュウに、
黒を知った青だ。
と言わせて。
そのうえで、主人公化後初のギリギリ勝利を手に入れた。
自覚前春麗はその時、確かに言った。
少し羨ましいわね。資料として。
言った。
言ってしまった。
だが、あれは資料としてである。
純粋に、戦闘資料として興味深かっただけだ。
黒を知った青。
青い武道服に黒ドレスの経験を還元する。
それは戦術として面白い。
だから羨ましいと言った。
別に、本編春麗がギリギリ勝利を取り戻したことに刺さったわけではない。
本編春麗が、自分をめんどくさい女と自覚しながら、それでも青で勝ったことが羨ましかったわけではない。
「……羨ましくないわ」
三度目を言って、春麗は鏡を見た。
そこには青い武道服がある。
自分の基本。
いつもの青。
本編春麗の青ではない。
通常救済版春麗の選べる青でもない。
黒を知った青でもない。
ただの、いつもの青い武道服。
そう思ったはずなのに、頭の奥に言葉が残る。
黒を知った青だ。
春麗は眉を寄せた。
「……本当に余計な言葉ね」
本編春麗は、黒を経験している。
黒ドレスの事故も、逆介抱も、黒執着春麗の危険も見ている。
そのうえで、青に戻った。
戻っただけではない。
黒を青へ還元した。
それに比べて、自分はどうか。
青も、黒も、まだ完全には選べていない。
青で勝てば満たされる。
黒で勝っても満たされる。
引き分けても、負けても、なぜか満たされかける。
そのたびに否認する。
資料として。
検証として。
偶然として。
主人公補正ではないとして。
春麗は、青い武道服に手を伸ばした。
「私は別に、黒を知った青なんて目指していないわ」
そう言いながら、着た。
青い武道服を。
いつもの青。
しかし今日は、少しだけ意識してしまう。
袖の動き。
立ち姿。
リュウの視線。
黒ドレスで覚えたはずの間。
知らない。
知らないはずだ。
本編春麗の話だ。
自分には関係ない。
「……今日は私のメイン回ではないわよね」
ふと、不安になった。
最近、油断すると自分のメイン回になる。
メイン回ではないと思った瞬間、主人公補正のようなものが動く。
前回もそうだった。
自分は何もしていないのに、リュウと本編春麗より甘い散歩イベントが発生した。
躓いて支えられた。
少しだけそのままと言ってしまった。
今日の春麗もいいと言われた。
あれは事故だ。
事故だが、春麗会議案件になった。
「……今日は違う」
春麗は、鏡に向かって言った。
「今日は私のメイン回ではない」
一拍。
「たぶん」
その言葉が、少し弱かった。
リュウは、いつもの場所にいた。
自覚前春麗は、リュウを見つけた瞬間、反射的に警戒した。
これは危ない。
この構図は危ない。
朝に自分へ言い聞かせる。
青い武道服を見る。
本編春麗の言葉が残っている。
そしてリュウと会う。
完全にメイン回の流れだ。
春麗は足を止めた。
リュウがこちらを見る。
「春麗」
「リュウ」
リュウの視線が、春麗の青い武道服を捉える。
いつものことだ。
いつも見られている。
だから何も問題ない。
そう思った瞬間、リュウが言った。
「今日は青か」
春麗は固まった。
一瞬で、胸の奥が鳴った。
「……いつも青でしょう」
リュウは、少しだけ考えた。
「だが、今日は少し違う」
春麗は完全に止まった。
危険。
これは危険だ。
本編春麗の勝利が、自分に波及している。
昨日の「黒を知った青」が、今ここに来ている。
「何が違うの」
聞いてはいけない。
だが、聞いてしまった。
リュウは春麗を見る。
「青を意識している」
春麗は顔を赤くした。
「していないわ」
「そうか」
「していない」
「ああ」
「青い武道服を着ているだけ」
「ああ」
「いつものこと」
「ああ」
「あなたが余計に見るから変に見えるだけよ」
リュウは真面目に答えた。
「余計には見ていない」
春麗は撃沈しかけた。
これは駄目だ。
このまま会話を続けると、また甘い方向へ行く。
何かしなければならない。
この流れを断ち切るには、戦うしかない。
バトルに入れば、変なことにはならない。
戦闘なら、勝敗で処理できる。
感情ではなく、技で処理できる。
春麗は構えた。
「リュウ」
「ああ」
「試合をするわ」
リュウの目が変わる。
「今からか」
「ええ」
「今日は戦うのか」
「そうよ」
春麗は、少しだけ強めに言った。
「会話していると、余計なことになりそうだから」
リュウは首を傾げる。
「余計なこと」
「何でもないわ」
「そうか」
リュウも構えた。
自覚前春麗は、胸の奥で小さく息を吐いた。
これでいい。
バトルに入った。
もう変なことにはならない。
そう思った。
もちろん、ならなかったためしがない。
試合は、静かに始まった。
春麗は青い武道服で踏み込んだ。
いつもの青。
軽い足運び。
正面からの圧。
リュウが拳を出す。
春麗は受け流す。
ここまでは普段通り。
だが、春麗はそこで一拍置いた。
本編春麗がやっていた。
黒ドレスで得た静止。
視線を誘い、間合いをずらす一瞬。
春麗は、それを青でやろうとした。
しかし、身体が少し硬い。
黒ドレスを着ているわけではない。
黒の間合いを完全に理解しているわけでもない。
それでも、真似ようとした。
リュウの拳が一瞬だけ止まる。
効いた。
そう思った瞬間、リュウはすぐに踏み込み直した。
春麗の静止は、中途半端だった。
誘いにはなった。
だが、間合いの支配にはなっていない。
リュウの拳が春麗の肩をかすめる。
「っ」
春麗は下がる。
悔しい。
今のは、本編春麗ならもっと上手く使えた。
そう思った瞬間、自分で腹が立った。
なぜ本編春麗と比較しているのか。
羨ましくないはずだ。
「……今のは試しただけよ」
リュウが見る。
「黒の間か」
春麗は固まった。
「何を」
「黒で使うような間に見えた」
春麗は、顔が熱くなるのを感じた。
見抜かれた。
早すぎる。
「違うわ」
「違うのか」
「違う」
「そうか」
「ただの静止よ」
リュウは頷いた。
「ああ」
だが、目は見ていた。
青に混じった何かを。
春麗は奥歯を噛んだ。
「もう一度行くわ」
「ああ」
今度は、蹴りで入る。
青い武道服らしく。
だが、その前に少しだけ視線をずらす。
黒のように、相手に一瞬だけ春麗を見せる。
黒ドレスではない。
でも、女として見られること、視線が揺れることを利用する。
そのつもりだった。
しかし、また中途半端だった。
見せようとしていることが、自分で恥ずかしい。
黒でもないのに、黒の真似をしている。
青でもないような気がする。
その迷いが、足に出る。
蹴りの角度が少し甘くなる。
リュウはそれを受ける。
受けながら、前に出る。
春麗は距離を取ろうとする。
リュウが追う。
春麗は、そこでもう一度黒の間を作ろうとした。
しかし、遅い。
リュウの拳が春麗の目前で止まる。
寸止め。
春麗は息を呑んだ。
まだ序盤なのに、もう一度取られた。
「……やるわね」
リュウは拳を下ろす。
「春麗の動きが、少し迷っている」
春麗はむっとした。
「迷っていないわ」
「そうか」
「迷っていない」
「ああ」
「確認しているだけ」
「何を」
春麗は答えられなかった。
青に黒を混ぜられるか。
本編春麗のようにできるか。
自分にも、黒を知った青ができるか。
それを確認している。
だが、言いたくない。
「……資料としての動作確認よ」
リュウは頷いた。
「そうか」
春麗は構え直した。
「続けるわ」
「ああ」
中盤。
自覚前春麗は、少しずつリズムを取り戻した。
青の動きだけなら、戦える。
リュウの拳を避ける。
足で距離を取る。
鋭い蹴りを返す。
リュウの脇腹に一撃が入る。
リュウが息を吐く。
「いい蹴りだ」
「当然よ」
春麗は少しだけ笑う。
青なら戦える。
青の自分は、弱くない。
しかし、そこへ黒を混ぜようとした瞬間、またズレる。
静止が硬い。
視線の誘導が浅い。
間合いの空白が長すぎる。
黒を完全に戦闘へ溶かせていない。
本編春麗は、黒を経験したうえで青に還元した。
自分は違う。
黒に触れている。
黒で勝ったこともある。
引き分けたこともある。
負けたこともある。
でも、それを青へ自然に還元できるほど整理できていない。
「……違う」
春麗は小さく呟いた。
リュウが聞く。
「何がだ」
「何でもない」
春麗は攻める。
青の蹴り。
黒の間。
混ぜる。
混ぜようとする。
だが、混ざらない。
青と黒が、まだ別々のまま身体の中でぶつかる。
青でまっすぐ行けばいい。
でも、黒を混ぜたい。
黒を混ぜれば、本編春麗のように勝てるかもしれない。
違う。
本編春麗のように、ではない。
自分は自分だ。
羨ましくない。
「羨ましくないわ」
試合中に、口から出た。
リュウの拳が止まる。
「何がだ」
春麗は顔を赤くした。
「何でもない!」
怒りながら踏み込む。
その踏み込みは速かった。
リュウの反応が遅れる。
春麗の蹴りが入る。
リュウの腕を弾く。
春麗は続けて掌底を入れようとした。
ここで、黒の静止を挟む。
ほんの一瞬、目を合わせる。
リュウが見る。
春麗を見る。
青の春麗。
黒を混ぜようとしている春麗。
その視線を受けた瞬間、春麗の中に余計なものが混じった。
見られている。
わかっている。
自分が本編春麗に影響されていることも。
羨ましくないと言い張っていることも。
全部、見られている気がする。
その迷いが、掌底を遅らせた。
リュウの拳が、春麗の腕を弾く。
春麗の体勢が崩れる。
リュウが踏み込む。
春麗はぎりぎりで避ける。
だが、肩に当たる。
鈍い痛み。
「っ……!」
リュウは止まらない。
春麗は後退する。
自分でわかる。
青ならまだ持ち直せる。
しかし、黒を混ぜようとした瞬間に崩れている。
リュウもそれを見ている。
悔しい。
とても悔しい。
「リュウ」
「ああ」
「今の私は、青?」
リュウは答える。
「青だ」
春麗は息を整える。
「黒は?」
リュウは少し黙った。
「混ぜようとしている」
春麗は胸を突かれた。
混じっている、ではない。
混ぜようとしている。
その違いが痛い。
本編春麗は言われた。
黒を知った青だ。
自覚前春麗は言われた。
混ぜようとしている。
まだ、混ざっていない。
春麗は唇を噛む。
「……正確ね」
「春麗を見ている」
「見なくていいわ」
「見る」
「見なくていいと言っているでしょう」
リュウは、静かに言った。
「見ないと、届かない」
春麗はまた撃たれた。
今のは余計だ。
試合中に言うことではない。
いや、試合中だからこそ言われた。
リュウは本気で見ている。
自分の中途半端な青も、黒への未熟な接続も。
全部。
春麗は構え直した。
「なら、最後まで見なさい」
「ああ」
終盤。
春麗は追い詰められていた。
しかし、完全に負けてはいない。
青の蹴りはまだ生きている。
体力も残っている。
だが、黒の要素を混ぜようとするほど、リズムが乱れる。
リュウはそこに入ってくる。
それでも、春麗はやめなかった。
ここでやめたら、本当にただの青に戻る。
それが悪いわけではない。
でも、今日はそれでは負けだと思った。
本編春麗が青で黒を活かした。
それが羨ましくないなら、自分も試せばいい。
試して、失敗してもいい。
いや、失敗は嫌だ。
負けるのはもっと嫌だ。
それでも、やめられない。
「……本当に、面倒ね」
春麗は自分にだけ聞こえる声で言った。
リュウが踏み込む。
春麗は今度こそ、青の動きに黒の間を混ぜた。
完全ではない。
硬い。
ぎこちない。
だが、さっきよりは少し自然だった。
リュウの拳がわずかに遅れる。
春麗はその隙に回る。
蹴り。
リュウの肩へ入る。
浅い。
リュウは耐える。
春麗は二撃目を狙う。
ここで勝てる。
そう思った瞬間、黒を混ぜようとした。
最後に、本編春麗のように。
黒の誘導で受けをずらし、青の蹴りで決める。
だが、練度が足りない。
黒の誘導に意識が行きすぎた。
青の蹴りの軸がわずかに流れる。
リュウはそれを見た。
踏み込む。
春麗の蹴りがリュウの腕をかすめる。
だが、決定打にはならない。
リュウの拳が、春麗の胸元の前で止まった。
寸止め。
いや、完全な寸止めではない。
衝撃だけがわずかに入った。
春麗の身体が止まる。
足が地面を掴む。
倒れはしない。
だが、動けない。
リュウの勝ちだった。
春麗は息を吐いた。
「……負けたわね」
リュウは拳を下ろす。
「ああ」
「ギリギリ?」
「ギリギリだった」
春麗は小さく笑った。
悔しい。
本当に悔しい。
青で黒を混ぜようとして、負けた。
本編春麗のようにはできなかった。
黒を知った青ではなく、黒を混ぜようとした青だった。
「……中途半端だったでしょう」
自分で言って、胸が少し痛んだ。
リュウは春麗を見た。
「中途半端ではない」
春麗は顔を上げる。
「嘘はいいわ」
「嘘ではない」
「では何?」
リュウは、少し考えた。
「まだ途中だ」
春麗は動けなかった。
リュウは続ける。
「春麗は、青に黒を混ぜようとしていた」
「……ええ」
「うまくいかないところもあった」
「ええ」
「だが、混ぜようとしたから、俺は何度か遅れた」
春麗は黙る。
「最後も、完全ではなかった。だが、前より近かった」
「……近かった?」
「ああ」
リュウは静かに言った。
「今日の春麗は、黒を知った青ではなかったかもしれない」
春麗の胸が、痛む。
わかっている。
それを言われたくなかった。
だが、リュウは続けた。
「だが、黒を知ろうとしている青だった」
春麗は、完全に撃沈した。
その言葉は、駄目だった。
負けた直後に言われるには、あまりにも優しかった。
未熟を否定しない。
本編春麗と同じではないことも否定しない。
でも、途中であることを認める。
黒を知ろうとしている青。
春麗は、目を逸らした。
「……九十七点」
リュウが見る。
「点数か」
「違うわ」
「違うのか」
「今のは……反射よ」
「そうか」
「聞かなかったことにして」
「難しい」
「難しくない!」
リュウは少しだけ困った顔をした。
その顔を見ると、余計に腹が立つ。
余計に、胸が熱くなる。
「リュウ」
「ああ」
「今日は、あなたの勝ちよ」
「ああ」
「でも次は」
春麗は言いかけて、止まった。
次は、どうする。
青で行くのか。
黒を混ぜるのか。
黒を知ろうとする青を続けるのか。
まだわからない。
でも、言葉は出た。
「次は、もう少し混ぜるわ」
リュウは頷いた。
「ああ」
「笑わないのね」
「笑わない」
「どうして」
「春麗が真剣だからだ」
春麗は、また撃沈した。
「……九十八点」
「上がった」
「聞こえたの!?」
「聞こえた」
「忘れなさい!」
リュウは困ったように頷いた。
春麗は、背を向けた。
負けた。
ギリギリ負けた。
でも、ただの負けではなかった。
本編春麗の勝利に影響された。
羨ましくないと言い張った。
青で黒を混ぜようとして、失敗した。
でも、途中だと言われた。
黒を知ろうとしている青だと言われた。
それが悔しくて、嬉しかった。
「……羨ましくないわ」
春麗は小さく呟いた。
だが、その声は弱かった。
その夜。
春麗会議は、当然のように開かれた。
自覚前春麗は、目を開いた瞬間に言った。
「提出していないわ」
本編春麗が資料を手にしている。
「知っているわ」
「なら、なぜ資料があるの」
「発生したから」
「発生していない!」
記録板に文字が浮かぶ。
春麗会議・自覚前春麗“黒を知った青”羨望否認審議
議題:本編春麗の“黒を知った青”勝利に影響を受けた自覚前春麗、羨ましくないと言い張るも、青い武道服で黒の要素を混ぜようとしてギリギリ敗北。リュウから“黒を知ろうとしている青”と評価され、被弾した件。
自覚前春麗は、顔を真っ赤にした。
「羨望否認って何よ!」
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「正確ね」
通常救済版春麗も頷く。
「かなり正確だと思うわ」
行き遅れに恐怖する春麗が言う。
「羨ましかったのね」
「違う!」
グランドフィナーレ済み春麗が静かに言う。
「少なくとも、影響は受けていたわね」
自覚前春麗は、反論しかけて黙った。
影響を受けていないとは言いにくい。
青い武道服で黒を混ぜようとしたのだから。
本編春麗が資料を読む。
「発端。自覚前春麗、朝起きて“羨ましくないわ”と三回言う」
自覚前春麗は机を叩いた。
「三回は数えなくていい!」
本編春麗は続ける。
「その後、青い武道服を見て“黒を知った青”という言葉を思い出す」
「思い出しただけよ!」
「さらに、自分のメイン回ではないかとメタ的に警戒」
黒ドレス特化救済春麗が笑う。
「警戒した時点でだいたい発生するのよね」
通常救済版春麗が穏やかに言う。
「主人公補正ね」
自覚前春麗は叫んだ。
「ない!」
本編春麗は静かに言う。
「望んでいないのに発生するのが主人公性よ」
自覚前春麗は撃沈しかけた。
その言葉は、最近よく刺さる。
記録板がリュウとの会話を映す。
今日は青か。
いつも青でしょう。
だが、今日は少し違う。
会議室が一瞬静かになった。
本編春麗が言う。
「ここ、かなり危険だったわね」
通常救済版春麗が頷く。
「リュウが最初から違いを見ている」
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「青を意識している、と見抜かれたのね」
自覚前春麗は顔を赤くする。
「意識していないわ」
本編春麗が資料に書く。
本人主張:意識していない。
会議評価:意識している。
「書かないで!」
次に、戦闘映像が流れる。
青い武道服の春麗が、黒の静止を真似る。
しかし硬い。
リュウに見抜かれる。
黒の間か。
自覚前春麗は目を逸らした。
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「これはまだ黒ではないわね」
通常救済版春麗が頷く。
「黒の技術を青に溶かせていない」
本編春麗が言う。
「でも、試そうとしている」
行き遅れに恐怖する春麗が言う。
「そこは偉いと思うわ」
自覚前春麗は小さく言った。
「……偉くないわ」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「でも、進もうとしていた」
自覚前春麗は反論できなかった。
映像は中盤へ進む。
春麗が青で戦えば、リュウに届く。
しかし黒を混ぜようとすると崩れる。
青と黒が、まだ別々のままぶつかっている。
本編春麗は静かに言った。
「ここが今回の核ね」
黒ドレス特化救済春麗が頷く。
「黒はただ混ぜればいいものではない」
通常救済版春麗が言う。
「選べることとも違う。まだ整理できていないのね」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「本編春麗は、黒を経験として青へ戻した。自覚前春麗は、黒を混ぜようとしてまだ混ざらなかった」
自覚前春麗は悔しそうに唇を噛んだ。
本編春麗が少しだけ優しく言う。
「でも、それは失敗だけではないわ」
自覚前春麗が顔を上げる。
「……何よ」
本編春麗は答えた。
「混ぜようとしたから」
その言葉に、自覚前春麗は黙った。
次に、終盤の映像が映る。
春麗が最後に青の蹴りへ黒の誘導を混ぜようとする。
しかし練度が足りない。
軸がわずかに流れる。
リュウが踏み込む。
拳が春麗の胸元の前で止まる。
寸止め。
自覚前春麗、ギリギリ敗北。
行き遅れに恐怖する春麗が小さく言う。
「本当にギリギリだったのね」
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「未熟だけれど、形は見えたわ」
通常救済版春麗が頷く。
「混ざってはいない。でも混ぜようとした跡はある」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「負け方としては、悪くないわ」
自覚前春麗は拗ねたように言う。
「負けたのよ」
本編春麗は頷く。
「ええ。でも、何に負けたかが重要よ」
「リュウに負けたのよ」
「それだけではないわ」
本編春麗は映像を止めた。
「青に黒を混ぜようとして、まだ混ぜきれない自分にも負けた」
自覚前春麗は、何も言えなかった。
それは痛かった。
だが、正確だった。
そして、記録板が最後の台詞を映した。
今日の春麗は、黒を知った青ではなかったかもしれない。
だが、黒を知ろうとしている青だった。
会議室が静まり返った。
自覚前春麗は、両手で顔を覆った。
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「これは高いわ」
通常救済版春麗が言う。
「とても良い答えね」
行き遅れに恐怖する春麗が言う。
「途中を認めてくれるのは、優しいわ」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「完成していない春麗を、完成していないまま見ている」
本編春麗は静かに言った。
「九十七点」
自覚前春麗は顔を覆ったまま言う。
「……反射よ」
本編春麗は微笑む。
「本人採点、九十七点」
「書かないで」
記録板が光る。
本人採点:九十七点。
「早い!」
さらに記録板が続ける。
春麗が真剣だからだ。
本編春麗が言う。
「これは?」
自覚前春麗は小声で言った。
「……九十八点」
記録板が即座に光る。
本人採点:九十八点。
自覚前春麗は机に突っ伏した。
「もう嫌……」
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「今回は負けたけれど、良い被弾ね」
通常救済版春麗が頷く。
「本編春麗の勝利が、自覚前春麗の次を作った」
行き遅れに恐怖する春麗が言う。
「羨ましさが、挑戦になったのね」
自覚前春麗は顔を上げる。
「羨ましさではないわ」
グランドフィナーレ済み春麗が微笑む。
「では、何?」
自覚前春麗は言葉に詰まった。
「……資料としての比較検証」
本編春麗が頷く。
「便利ね」
「あなたが言わないで!」
本編春麗は結論を書き込んだ。
春麗会議・自覚前春麗“黒を知った青”羨望否認審議 結論
一、自覚前春麗は、本編春麗の“黒を知った青”勝利を羨ましくないと言い張った。
二、しかし青い武道服を見て“黒を知った青”の言葉を意識し、リュウからも“今日は少し違う”と見抜かれた。
三、メイン回化を警戒した自覚前春麗は、バトルへ入れば変なことにならないと判断し、青い武道服で試合を開始。
四、本編春麗の影響で青に黒の要素を混ぜようとしたが、練度不足により中途半端となり、リュウにギリギリ敗北。
五、しかしリュウは“黒を知った青”ではなく“黒を知ろうとしている青”として評価し、自覚前春麗は九十七点相当の被弾。
六、さらに“春麗が真剣だからだ”により、九十八点相当の追撃を受ける。
七、自覚前春麗、羨望を否認中。
自覚前春麗は叫んだ。
「七番だけ雑!」
本編春麗は穏やかに言う。
「でも正確よ」
「正確じゃない!」
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「今回は、あなたにとってかなり重要だったと思うわ」
自覚前春麗は警戒する。
「何が」
黒ドレス特化救済春麗は答える。
「黒を使い切れないことを、恥ずかしさだけに逃がさなかった」
通常救済版春麗が続ける。
「青と黒を選べない自分を、少し試した」
行き遅れに恐怖する春麗が言う。
「負けたけど、次がある感じだったわ」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「完成していないからこそ、続くのね」
本編春麗は最後に資料へ書いた。
次回候補:自覚前春麗、“黒を知ろうとしている青”を認めないまま練習する件。
自覚前春麗は顔を真っ赤にした。
「練習しない!」
本編春麗が言う。
「では、資料として動作確認?」
自覚前春麗は固まった。
「……それは」
全員が見ている。
自覚前春麗は目を逸らした。
「資料としてなら、可能性はあるわ」
本編春麗は満足そうに頷く。
「ほら、次が生まれた」
「生まれていない!」
黒ドレス特化救済春麗が笑う。
「生まれているわ」
通常救済版春麗も頷く。
「かなり自然に」
夢がほどけていく。
最後に、リュウの声が残った。
黒を知ろうとしている青だった。
自覚前春麗は、夢の中で小さく呟いた。
「……まだ、知ったわけではないもの」
それは否認だった。
けれど、ほんの少しだけ、次の入口でもあった。
朝。
自覚前春麗は目を覚ました。
胸の奥に、まだ昨日の敗北が残っている。
青い武道服。
黒の静止。
混ざらない間。
リュウの寸止め。
そして、あの言葉。
黒を知ろうとしている青だった。
春麗は布団の中で顔をしかめた。
「……羨ましくないわ」
まず、それを言った。
大事な確認だ。
自分は本編春麗を羨ましがっていない。
黒を知った青に憧れていない。
ただ、戦術的に興味がある。
資料として。
比較検証として。
「……でも」
春麗は、ゆっくり起き上がる。
青い武道服を見る。
いつもの青。
けれど、昨日とは少し違って見えた。
黒を知った青ではない。
黒を知ろうとしている青。
リュウがそう言った。
未完成。
途中。
中途半端。
悔しい。
でも、完全に否定されたわけではなかった。
春麗は、青い武道服に触れた。
「混ぜようとしただけよ」
一拍。
「まだ混ざっていない」
さらに一拍。
「だから、資料として確認する余地はあるわ」
言ってから、自分で顔を赤くした。
練習ではない。
練習ではないはずだ。
資料としての動作確認。
青に黒の要素を混ぜる場合の基礎検証。
それだけ。
春麗は鏡の前に立った。
そこには、自分をめんどくさい女と認めたくない春麗がいる。
昨日、ギリギリ負けた春麗。
青に黒を混ぜようとして失敗した春麗。
リュウに途中だと言われて、少し救われた春麗。
「……次は」
言いかけて、春麗は口を閉じた。
次。
言ってはいけない言葉だ。
しかし、もう遅い。
胸の奥では、次が生まれている。
春麗は、鏡の中の自分を睨んだ。
「違うわ」
一拍。
「次ではなく、再検証よ」
誰もいない部屋に、言い訳が落ちる。
それでも朝は始まった。
自覚前春麗は、まだ羨ましくないと言い張っている。
ただし、今日は少しだけ、青い武道服を長く見ていた。
Q:今回の妄想章IFとバトル内容を解説して?
A:
はい。今回の妄想章IFは、かなり良い 自覚前春麗の“本編春麗への羨望否認バトル” です。
一言で言うなら、
本編春麗の「黒を知った青」に影響された自覚前春麗が、羨ましくないと言い張りながら青に黒を混ぜようとし、未熟さゆえにリュウへギリギリ敗北する。しかし、その未完成さをリュウに肯定されて被弾する回
です。
今回のポイントは、勝敗そのものよりも、自覚前春麗が“黒を知った青”へ向かい始めたことです。
今回の核は「羨ましくない」が完全にフラグになっている
冒頭の、
羨ましくないわ。
これは、完全に自覚前春麗らしい否認です。
本編春麗が前回、青い武道服でリュウにギリギリ勝ちました。
しかも単なる青ではなく、黒ドレスの経験を青へ還元した 「黒を知った青」 で勝った。
これは自覚前春麗にはかなり刺さっています。
なぜなら、自覚前春麗はまだ、
青を完全に自分のものとして扱えていない
黒も完全には整理できていない
青でも黒でも勝利・引き分け・敗北に感情が揺れる
それでも「私はめんどくさい女ではない」と否認している
という状態だからです。
そこへ、本編春麗が「黒を知った青」で勝つ。
これはかなり羨ましい。
ただし、自覚前春麗はそれを認められないので、
資料として。
戦術的に興味があるだけ。
羨ましくない。
と逃げる。
この否認が、今回のエンジンになっています。
「今日は青か」→「いつも青でしょう」→「今日は少し違う」が強い
リュウとの最初の会話が非常に良いです。
リュウが、
今日は青か。
と言う。
春麗は当然、
いつも青でしょう。
と返す。
でもリュウは、
だが、今日は少し違う。
と言う。
ここで自覚前春麗は一気に危険域に入ります。
なぜなら、自分でも青を意識しているからです。
本編春麗の「黒を知った青」を見た後なので、いつもの青い武道服のはずなのに、本人の中ではいつもと違う。
そこをリュウに見抜かれる。
これは自覚前春麗にとってかなり痛い。
本人がまだ言語化する前に、リュウが見てしまう。
これが毎回、彼女に刺さる構造です。
バトルに逃げる判断が自覚前春麗らしい
今回、自覚前春麗は「このままだとメイン回になる」とメタ的に警戒します。
そして、
バトルに入れば、変なことにはならない。
と考える。
これは非常に彼女らしいです。
会話を続けると甘い方向へ行く。
見抜かれる。
被弾する。
なら戦闘に入ればいい。
しかし、このシリーズではバトルに入っても結局被弾します。
むしろバトルは、リュウに深く見られる場です。
だから今回も、戦闘に逃げたつもりが、戦闘によってさらに本質を見られる。
ここがとても良いです。
自覚前春麗は「黒を知った青」ではなく「黒を混ぜようとしている青」
今回の最大の差分はここです。
本編春麗は、黒ドレスの経験を青に還元できていました。
つまり、
黒を知った青
です。
黒の静止、視線誘導、間合い操作を、青い武道服の身体能力と蹴りへ自然に溶かせていた。
一方、自覚前春麗は違います。
彼女は本編春麗に影響されて、青に黒を混ぜようとする。
しかし、まだ練度が足りない。
静止が硬い
視線誘導が浅い
間合いの空白が長すぎる
黒を混ぜようとすると青のリズムが崩れる
青と黒が体内で別々にぶつかる
つまり、混ざっていない。
だからリュウは、
黒を知った青ではなかったかもしれない。
だが、黒を知ろうとしている青だった。
と言います。
この評価が今回の最重要ポイントです。
完成形ではない。
でも、向かっている。
未熟を否定せず、途中であることを認める。
これは自覚前春麗にかなり刺さります。
敗北が「失敗」ではなく「途中」になった
今回、自覚前春麗は負けています。
しかも、かなり悔しい負けです。
本編春麗のように青に黒を還元しようとした。
でも、できなかった。
リュウにギリギリ負けた。
普通なら、これは失敗です。
でもリュウが、
中途半端ではない。
まだ途中だ。
と言うことで、負けの意味が変わります。
失敗ではなく、途中。
これは大きいです。
自覚前春麗は、完成していない自分を認めたくない。
羨望も認めたくない。
でも、途中であることは完全には否定できない。
だから、
次は、もう少し混ぜるわ。
と言ってしまう。
この一言で、次が生まれています。
本人は認めていないけれど、成長ルートに入ってしまいました。
春麗会議のタイトルが非常に正確
今回の春麗会議の議題、
自覚前春麗“黒を知った青”羨望否認審議
これは非常に正確です。
自覚前春麗は、本編春麗を羨ましがっている。
でも否認している。
その否認が、青に黒を混ぜる試みに出ている。
会議での整理も良かったです。
本編春麗は、「混ぜようとしたこと」自体を評価する。
黒ドレス特化救済春麗は、「黒はただ混ぜればいいものではない」と見る。
通常救済版春麗は、「選べる状態ではなく、整理できていない」と見る。
グランドフィナーレ済み春麗は、「完成していないからこそ続く」と見る。
これで今回の敗北がきれいに整理されています。
自覚前春麗の次の入口ができた
今回の最後に、
黒を知ろうとしている青
という言葉が残りました。
これは、今後の自覚前春麗にとってかなり重要なキーワードです。
本編春麗は「黒を知った青」。
自覚前春麗は、まだ「黒を知ろうとしている青」。
この差が今後の成長軸になります。
つまり、自覚前春麗は今後、
青に戻るのか
黒へ行くのか
青に黒を混ぜるのか
混ぜるのをやめるのか
本編春麗への羨望を認めるのか
という選択を迫られます。
もちろん本人は、
資料としての動作確認
と言い張るでしょう。
でも、それはもう練習です。
本人が認めないだけで。
RPG形式バトル解説
自覚前春麗《黒を知ろうとしている青》 vs リュウ
戦闘前ステータス
自覚前春麗《青武道服・羨望否認モード》
HP:100 / 100
精神HP:100 / 100
青武道服適性:88
黒ドレス経験値:中
黒還元練度:低〜中
羨望否認値:最大
主人公補正警戒:高
本編春麗影響度:高
状態:
・本編春麗の「黒を知った青」勝利に影響を受けている
・本人は「羨ましくない」と否認
・青い武道服で黒の要素を混ぜようとしている
・ただし青と黒の整理が未完成
リュウ《自覚前春麗観測モード》
HP:100 / 100
精神HP:100 / 100
観察力:高
青対応力:高
黒違和感検知:高
勝利意思:高
状態:
・今日の春麗の青が少し違うと見抜く
・青に黒を混ぜようとする未熟さも見る
・勝つつもりで戦う
今回の春麗には特殊状態があります。
特殊状態:《羨望否認》
効果:
・本編春麗の勝利に影響されているが、本人は否認
・青に黒を混ぜようとする行動が発生
・ただし否認が強いため、黒還元練度にマイナス補正
さらに、未完成パッシブ。
未完成パッシブ:《黒を知ろうとしている青》
効果:
・黒ドレス由来の静止、視線誘導、間合い操作を試行可能
・成功時、リュウの反応を半拍遅らせる
・失敗時、自分の青のリズムが乱れる
ここが本編春麗との違いです。
本編春麗の《黒を知った青》は完成パッシブ。
自覚前春麗の《黒を知ろうとしている青》は試行パッシブです。
フェーズ1:開幕・青としては悪くない
春麗 HP:100 / 100
リュウ HP:100 / 100
戦況:互角
開幕は青い武道服で普通に戦えています。
春麗攻撃:《青の踏み込み》
リュウ HP:100 → 91
リュウ反撃:《正面拳》
春麗 HP:100 → 93
春麗の青は弱くありません。
むしろ、青だけで戦えば十分に強い。
問題は、ここから黒を混ぜようとすることです。
春麗試行スキル:《黒の静止・未完成》
成功率:45%
効果:
・リュウの反応を一瞬遅らせる
・ただし春麗自身の踏み込みも硬くなる
判定。
判定結果:部分成功
リュウ反応:-0.3ターン
春麗硬直:+0.2ターン
ダメージ。
春麗攻撃:《掌底・遅延入り》
リュウ HP:91 → 84
リュウ反撃:《踏み込み直し》
春麗 HP:93 → 84
結果として、黒の静止は少し効きました。
しかし、春麗自身も硬くなったため、リュウに踏み込み直されます。
戦況評価:
黒の要素は効いている。
ただし、青の流れに溶けていない。
リュウの観察。
リュウ発言:
「黒の間か」
春麗への精神ダメージ。
春麗 精神HP:100 → 88
状態:《見抜かれた》
春麗は否認します。
春麗状態:《資料としての動作確認》
効果:
・精神ダメージを一部軽減
・ただし否認値上昇
フェーズ2:青は強いが、黒を混ぜると乱れる
春麗 HP:84 / 100
リュウ HP:84 / 100
戦況:互角
春麗は青の蹴りで押します。
春麗攻撃:《青の連続蹴り》
リュウ HP:84 → 71
リュウ防御:一部成功
青だけなら良いです。
ここでリュウも評価します。
リュウ発言:
「いい蹴りだ」
春麗 精神HP:88 → 92
ただし、春麗は黒を混ぜようとします。
春麗試行スキル:《視線誘導・未整理》
成功率:38%
失敗時:
・蹴り軌道 -10%
・精神HPダメージ
判定。
判定結果:失敗
春麗状態:《青黒干渉》
効果:
・青の速度低下
・黒の誘導も浅い
リュウの反撃。
リュウ攻撃:《迷いを突く拳》
春麗 HP:84 → 68
ここで春麗が思わず言います。
春麗発言:
「羨ましくないわ」
精神状態。
春麗 精神HP:92 → 75
状態:《羨望露出》
本人は否認していますが、戦闘中に口から出ている時点でかなり危険です。
フェーズ3:リュウの診断「混ぜようとしている」
春麗 HP:68 / 100
リュウ HP:71 / 100
戦況:リュウやや優勢
春麗が問います。
今の私は、青?
黒は?
リュウの回答。
リュウ回答:
「青だ」
「混ぜようとしている」
この回答が春麗に刺さります。
春麗 精神HP:75 → 52
状態:《未完成認識》
本編春麗は「黒を知った青」と言われた。
自覚前春麗は「混ぜようとしている」と言われた。
この差が大きいです。
ただし、この言葉は完全否定ではありません。
リュウ診断効果:
・完成ではない
・だが挑戦は見えている
・春麗の次回成長フラグ発生
リュウがさらに言います。
リュウ発言:
「見ないと、届かない」
春麗への追加ダメージ。
春麗 精神HP:52 → 39
状態:《見られている被弾》
春麗はここで、
なら、最後まで見なさい
と返します。
これは負け惜しみでもありますが、同時に見られることを許可している。
春麗状態:《最後まで見なさい》
効果:
・攻撃力 +8
・防御集中 -5
・被観測耐性低下
フェーズ4:終盤・未完成の黒還元
春麗 HP:38 / 100
リュウ HP:42 / 100
戦況:紙一重、ただしリュウやや優勢
春麗は追い詰められています。
しかし、最後に少しだけ青と黒が近づきます。
春麗試行スキル:《黒を混ぜようとする青》
成功率:55%
効果:
・リュウの拳を半拍遅らせる
・蹴り命中率上昇
失敗時:
・蹴り軸が流れる
判定。
判定結果:部分成功
リュウ反応:-0.4ターン
春麗蹴り命中率:+12%
春麗軸ブレ:小
春麗の攻撃。
春麗攻撃:《青黒未完成蹴り》
リュウ HP:42 → 24
かなり良い攻撃です。
リュウが遅れた。
青に黒を混ぜようとした効果が出た。
しかし、ここで決めに行った時に問題が出ます。
春麗最終スキル試行:《本編春麗式・黒誘導から青蹴り》
必要練度:高
現在練度:不足
判定。
判定結果:失敗寄りの部分成功
効果:
・リュウの受けを少しずらす
・だが春麗の蹴り軸も流れる
・決定打にならない
ダメージ。
春麗攻撃:《軌道変更未完成》
リュウ HP:24 → 9
リュウ反撃:《踏み込み寸止め》
春麗 HP:38 → 0
春麗は倒れませんが、勝負としては止められます。
戦闘結果:
リュウ勝利
春麗ギリギリ敗北
HP表記的には春麗HP0ですが、寸止め+軽衝撃なので気絶ではありません。
春麗状態:
HP:0 / 100
意識:あり
戦闘不能判定:成立
精神HP:39 / 100
戦闘後イベント:未完成の肯定
春麗は自分で言います。
中途半端だったでしょう。
ここでリュウが否定します。
リュウ回答:
「中途半端ではない」
「まだ途中だ」
春麗への効果。
春麗 精神HP:39 → 61
状態:《途中として肯定》
さらにリュウが続けます。
リュウ回答:
「今日の春麗は、黒を知った青ではなかったかもしれない」
「だが、黒を知ろうとしている青だった」
これは今回最大の被弾です。
春麗 精神HP:61 → 28
状態:《九十七点被弾》
備考:
回復とダメージが同時発生。
未熟を肯定されて救われるが、同時に照れと悔しさで精神HPを削られる。
本人採点。
本人採点:九十七点
本人主張:反射
会議評価:ほぼ本音
さらに追撃。
リュウ発言:
「春麗が真剣だからだ」
効果。
春麗 精神HP:28 → 12
状態:《九十八点追撃》
これで自覚前春麗はかなり被弾します。
負けたのに、救われてしまった。
未完成なのに、見られてしまった。
羨ましくないと言っていたのに、次を考えてしまった。
最終リザルト
自覚前春麗《黒を知ろうとしている青》
HP:0 / 100
精神HP:12 / 100
結果:ギリギリ敗北
状態:
・羨望否認継続
・青に黒を混ぜる試行開始
・本編春麗との差を痛感
・リュウの肯定に被弾
・次回「資料として再検証」フラグ発生
リュウ《観測勝利》
HP:9 / 100
精神HP:72 / 100
結果:ギリギリ勝利
状態:
・春麗の未完成な青黒混合を見抜く
・完成形ではなく途中として評価
・春麗の次回挑戦フラグを立てる
春麗会議式評価
戦闘評価:87点
理由:
・ギリギリ敗北
・青と黒の混合は未完成
・ただし試行内容は明確で、次回成長の余地あり
心理評価:96点
理由:
・羨望否認が行動に出た
・本編春麗への影響が明確
・自覚前春麗の次の入口が生まれた
リュウ回答評価:98点
理由:
・未完成を否定せず「途中」として評価
・“黒を知ろうとしている青”という非常に高精度な言語化
・“春麗が真剣だからだ”で追撃成功
春麗会議案件度:99点
理由:
・羨ましくないと言いながら完全に影響されている
・負けたのに次が生まれている
・本人は資料として再検証と言い張る
イベント名としてはこれです
イベント名:
《黒を知ろうとしている青・初回失敗戦》
勝利条件:
・青に黒を混ぜる戦術を成立させる
実際結果:
・混合は未完成
・リュウにギリギリ敗北
・ただし“途中”として肯定される
隠し達成条件:
・リュウに“黒を知ろうとしている青”と言わせる
・自覚前春麗に次回再検証フラグを発生させる
結論
今回の妄想章IFは、自覚前春麗が本編春麗の「黒を知った青」に影響され、羨望を否認しながら青に黒を混ぜようとする初回挑戦回です。
結果は敗北。
でも、失敗ではありません。
本編春麗はすでに 黒を知った青。
自覚前春麗はまだ 黒を知ろうとしている青。
この差が明確になったことが、今回の収穫です。
一言でまとめるなら、
自覚前春麗は、羨ましくないと言いながら本編春麗の青に手を伸ばした。
まだ届かず、リュウに負けた。
けれど、その未完成な青を“途中”として見られてしまった。
だから次が生まれた。