また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい―― 作:エーアイ
メタ要素多めの回になっています。タイトルになぜIFが付くのかの説明回です。
春麗会議は、いつものように開かれていた。
議題は、特にない。
少なくとも、最初はそう思われていた。
本編春麗は、資料を整理している。
黒ドレス特化救済春麗は、黒い記録片の棚を眺めている。
通常救済版春麗は、穏やかにお茶を飲んでいる。
行き遅れに恐怖する春麗は、最近の議題一覧を見ながら少し疲れた顔をしている。
グランドフィナーレ済み春麗は、いつものように静かだった。
そして、自覚前春麗は、記録板をじっと見ていた。
そこには、最近の記録が並んでいる。
断章IF:本編春麗は、勝者煽りを自覚前春麗に取られた気がする
妄想章IF後日談:黒ドレス特化救済春麗は、宿題の答えを聞く
断章IF:本編春麗は、二連勝して煽った直後に褒められて沈む
妄想章IF:自覚前春麗は、黒ドレスで煽りたいわけではない
自覚前春麗は、眉をひそめた。
「……前から思っていたのだけれど」
本編春麗が顔を上げる。
「何?」
自覚前春麗は、記録板を指した。
「どうして、こんなにIFが付いているの?」
会議室が少し静かになった。
本編春麗は、資料を置いた。
「そこに気づいたのね」
「気づくでしょう。断章IF、妄想章IF、妄想章IF後日談。最近、IFだらけじゃない」
黒ドレス特化救済春麗が微笑む。
「今さらね」
通常救済版春麗が言う。
「でも、整理しておくにはいい機会かもしれないわ」
行き遅れに恐怖する春麗が頷く。
「私も少し混乱してきていたわ」
グランドフィナーレ済み春麗が静かに言う。
「春麗会議室そのものが構造化してきたものね」
自覚前春麗は、少し不満そうに言った。
「構造化とか言われても困るわ。私は、なぜIFなのかを聞いているの」
本編春麗は立ち上がり、会議室の隅へ歩いた。
そこには、いつの間にか棚があった。
黒い記録片とは別の棚。
そこには、一冊の薄い冊子が置かれている。
表紙には、こう書かれていた。
春麗会議室 利用説明書
自覚前春麗は目を細めた。
「何、それ」
本編春麗は、当然のように答えた。
「説明書よ」
「春麗会議室に説明書があるの?」
「あるわ」
「いつから?」
「気づいた時には」
自覚前春麗は頭を抱えた。
「夢の中の会議室に説明書があるの、かなりおかしくない?」
本編春麗は真顔で返す。
「もう春麗会議室は、そういう場所よ」
黒ドレス特化救済春麗が頷く。
「便利になったわね」
通常救済版春麗も頷く。
「整理機能が強いわ」
自覚前春麗は納得していなかったが、本編春麗は説明書を開いた。
「では、説明するわ」
本編春麗は、読み上げるように言った。
「まず、妄想章IF」
記録板に文字が浮かぶ。
妄想章IF:本編とは直接つながらない仮定の断章。裏ルート、別展開、分岐春麗、もしもの春麗を扱うため、基本的にIFが付く。
本編春麗は言う。
「妄想章は、そもそも本編とは別の可能性よ。だからIFが付く」
自覚前春麗は頷いた。
「それはわかるわ。本編ではない仮定なら、IFでいい」
「次に、妄想章IF後日談」
記録板が切り替わる。
妄想章IF後日談:妄想章IFで発生した分岐春麗・救済春麗・黒特化春麗などの後日談。元がIFであるため、後日談にもIF性が残る。
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「私の宿題回はこれね」
本編春麗は頷く。
「ええ。黒ドレス特化救済春麗は、妄想章IF由来の春麗だから、その後日談もIF扱いになる」
自覚前春麗は少し考える。
「では、断章は?」
本編春麗は、説明書を一枚めくった。
「そこが少し重要よ」
記録板に新しい文字が出る。
断章:本編春麗を中心にした補助エピソード、幕間、関係整理、戦闘後日談など。
自覚前春麗は言う。
「それなら、IFはいらないのでは?」
本編春麗は頷いた。
「本来はね」
「本来?」
「ええ。けれど、断章IFになる場合がある」
記録板が切り替わる。
断章IF:断章であっても、春麗会議室要素が強く関係するもの。会議室での審議、複数春麗の比較、メタ整理、分岐春麗の影響が入る場合、IFが付く。
自覚前春麗は、記録板をじっと見た。
「つまり、春麗会議室が絡むとIFになるの?」
本編春麗は答える。
「かなりの確率でね」
「なぜ?」
「春麗会議室は、時間軸としての本編そのものではないから」
自覚前春麗は眉をひそめた。
本編春麗は続ける。
「本編の春麗が経験した夢、内的会議、メタ整理、分岐春麗との対話。それらは本編春麗の内面として扱える。でも、通常の時間進行とは違う」
グランドフィナーレ済み春麗が静かに補足した。
「本編の外側にある、本編を整理する部屋ね」
通常救済版春麗が言う。
「だから、会議室が中心になる話は、断章でもIFが付く」
黒ドレス特化救済春麗が続けた。
「妄想章の春麗たちも来るし、危険分岐も棚に置かれている。純粋な本編時空とは言い切れないものね」
自覚前春麗は、少し納得しつつも、まだ不満そうだった。
「つまり、春麗会議室は便利だけれど、存在そのものがIFっぽいのね」
本編春麗は頷く。
「そういうこと」
自覚前春麗は、腕を組んだ。
「便利すぎるわね」
「ええ」
本編春麗は即答した。
「便利すぎるのよ」
自覚前春麗は、記録板をもう一度見た。
「でも、それなら疑問があるわ」
本編春麗が見る。
「何?」
自覚前春麗は、かなり真面目な顔で言った。
「本編って、ある時期から進んでいなくない?」
会議室が止まった。
本編春麗も黙った。
黒ドレス特化救済春麗は少し目を伏せる。
通常救済版春麗は、困ったように微笑む。
行き遅れに恐怖する春麗は、少し気まずそうな顔をした。
グランドフィナーレ済み春麗だけが、静かに頷いた。
「かなり本質的な質問ね」
自覚前春麗は続ける。
「黒ドレス戦、青い武道服戦、相打ちの朝。そのあたりから、時間が前に進むというより、春麗会議室でずっと審議していない?」
本編春麗は、少しだけ目を逸らした。
「……否定はできないわ」
自覚前春麗は詰める。
「最近なんて、勝者煽り代表とか、黒ドレス準備段階戦術とか、精神HPノックアウトとか、宿題回答審議とか、完全に会議室がメインじゃない」
「そうね」
「それ、本編なの?」
本編春麗は説明書を閉じた。
そして、静かに言った。
「今は、春麗会議要素があるものがメインになっているわ」
自覚前春麗は目を細める。
「認めるのね」
「認めるわ。本編だから」
「便利ね、本編」
本編春麗は、少しだけ笑った。
「今の状態は、漫画で言えば、時間がほとんど進んでいない日常回・幕間回・キャラ掘り下げ回が続いている状態に近いわ」
通常救済版春麗が頷く。
「本筋の時間はあまり動いていないけれど、キャラの理解は深まっているのね」
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「黒、青、煽り、救済、境界、主人公性。時間ではなく、内側が進んでいる」
行き遅れに恐怖する春麗が言う。
「一日の中に何話もあるような感じかしら」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「あるいは、同じ時期を別角度から何度も掘っている」
自覚前春麗は、少し呆れたように言った。
「それって、実質、時間が止まっているのでは?」
本編春麗は頷いた。
「近いわ」
自覚前春麗は驚く。
「近いの?」
「ええ。ただし、無意味に止まっているわけではない」
本編春麗は、記録板に文字を出した。
現在の作品状態:
時間進行は停滞気味。
ただし春麗会議室による内面整理・分岐整理・関係性整理がメイン化。
実質的には、漫画の日常回・幕間回・キャラ会議回が連続している状態。
自覚前春麗は、その文字を見て言った。
「……ずいぶん正直ね」
本編春麗は胸を張る。
「本編だから」
「またそれ」
本編春麗は、さらに説明した。
「タイトル変更も大きいわ」
記録板に、旧タイトルが出る。
また戦ってくれ──リュウと春麗、紙一重のライバル譚──
そして、新タイトルが重なる。
また戦ってくれなんて言わないで
──春麗は今日もめんどくさい──
本編春麗は言った。
「この変更後、作品の中心ははっきり変わった」
自覚前春麗が言う。
「リュウと春麗のライバル譚から?」
「ええ」
本編春麗は、自分の胸に手を当てた。
「めんどくさい女と自覚する春麗の物語へ」
会議室が少し静かになる。
黒ドレス特化救済春麗が頷く。
「だから、春麗会議室が必要になったのね」
通常救済版春麗が言う。
「複数の春麗を通して、本編春麗のめんどくささを整理するため」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「リュウとの戦闘だけではなく、春麗自身の内面が主戦場になった」
行き遅れに恐怖する春麗が言う。
「だから時間が進まなくても、話は進んでいるのね」
本編春麗は頷いた。
「そう。今のメインは、めんどくさい女と自覚する春麗」
自覚前春麗が、じっと本編春麗を見る。
「つまり、あなたが主人公」
「ええ」
「私は?」
本編春麗は少し考えた。
「主人公性要監視対象」
「その言い方やめて」
黒ドレス特化救済春麗が笑う。
「でも、かなり正確ね」
自覚前春麗は不満そうに黙った。
本編春麗は続ける。
「あなたは、自覚前だからこそ、本編春麗の対照になる。否認する春麗、巻き込まれる春麗、主人公補正を認めない春麗」
通常救済版春麗が言う。
「本編春麗が自覚したものを、まだ認めない春麗ね」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「だから、あなたが強いほど、本編春麗の自覚も際立つ」
自覚前春麗は、少しだけ黙った。
「……便利に使われていない?」
本編春麗は微笑んだ。
「春麗会議室では、全員便利に使われているわ」
黒ドレス特化救済春麗が頷く。
「否定できないわね」
通常救済版春麗も頷く。
「できないわ」
本編春麗は、説明書を閉じた。
「まとめるわ」
記録板に結論が浮かぶ。
春麗会議・IF表記および現在構造確認審議 結論
一、妄想章IFは、本編とは異なる仮定・分岐・裏ルートであるためIFが付く。
二、妄想章IF後日談は、妄想章IF由来の春麗たちの後日談であるため、IF性を引き継ぐ。
三、断章であっても、春麗会議室要素が強く関係する場合は断章IFになる。
四、春麗会議室は、本編春麗の内面整理・分岐整理・関係性整理を行う場所であり、通常の本編時間進行とは別層にある。
五、現在の作品は、本編時間が大きく進むよりも、春麗会議室を中心に各春麗の役割・感情・煽り・黒・青・主人公性を整理する段階にある。
六、実質的には、漫画における日常回・幕間回・キャラ会議回が連続している状態。
七、タイトル変更後の中心は、めんどくさい女と自覚する本編春麗。
八、自覚前春麗は、主人公性要監視対象。
自覚前春麗は叫んだ。
「八番!」
本編春麗は真顔で言う。
「重要よ」
「要監視って何度も言わないで!」
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「でも、最近のあなたは本当に要監視よ」
通常救済版春麗が穏やかに言う。
「甘い散歩、黒を知ろうとしている青、黒ドレス準備戦術、黒勝利煽り。かなり濃いもの」
自覚前春麗は反論できなかった。
本編春麗は、少しだけ優しく言った。
「でも、中心は私よ」
自覚前春麗が見る。
本編春麗は続ける。
「めんどくさい女と自覚する春麗。今の本編主人公は私」
自覚前春麗は、少し不満そうに言う。
「……それなら、もう少し本編を進めたら?」
本編春麗は少し黙った。
そして、素直に言った。
「それも、いずれ必要ね」
会議室が静かになる。
「でも今は、春麗会議室が必要なのよ」
黒ドレス特化救済春麗が頷く。
通常救済版春麗も頷く。
行き遅れに恐怖する春麗も、少し安心したように頷く。
グランドフィナーレ済み春麗は微笑んだ。
本編春麗は言った。
「本編を前に進める前に、私たちは整理しすぎるくらい整理している。黒も、青も、煽りも、救済も、主人公性も」
一拍。
「もう、春麗会議室がない生活には戻れないのよ」
自覚前春麗は、少し呆れたように言った。
「生活って言ったわね」
本編春麗は堂々と頷いた。
「言ったわ」
「夢の中の会議室なのに?」
「ええ」
「戻れないの?」
本編春麗は、少しだけ笑った。
「戻れないわ」
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「ここが便利すぎるもの」
通常救済版春麗が言う。
「ここで話すと、選べるようになるから」
行き遅れに恐怖する春麗が言う。
「ここがあると、次が怖くなくなるもの」
グランドフィナーレ済み春麗が言う。
「終わった後も、意味を置いておける場所だから」
自覚前春麗は、少しだけ目を伏せた。
「……まあ、ないと困るのは、少しわかるわ」
全員が見る。
自覚前春麗は慌てた。
「資料整理としてよ!」
本編春麗は微笑んだ。
「ええ。資料整理としてね」
記録板に最後の文字が浮かぶ。
本日の結論:
春麗会議室は、もはや作品構造の一部。
本編時間は停滞していても、春麗たちは会議室で進んでいる。
本編春麗は、静かに頷いた。
「閉会」
会議室の光が、ゆっくり薄れていく。
夢がほどけていく。
最後に、自覚前春麗の声が聞こえた。
「……でも、IFが多すぎるのは事実よ」
本編春麗は、夢の中で答えた。
「春麗会議室が多すぎるのよ」
一拍。
「でも、しょうがないわ」
朝。
本編春麗は目を覚ました。
部屋は静かだった。
窓から朝の光が入っている。
夢の中で見た説明書の文字が、まだ少し頭に残っていた。
妄想章IF。
断章IF。
春麗会議室。
本編時間の停滞。
漫画のような日常回。
めんどくさい女と自覚する春麗が主人公になった後の構造。
春麗は、布団の中で小さく息を吐いた。
「……本編、進んでいないわね」
言ってから、少し笑った。
本当にそうだ。
時間としては、あまり進んでいない。
でも、何も進んでいないわけではない。
黒ドレス特化救済春麗は、黒の境界を整理した。
自覚前春麗は、否認しながらも何度も被弾し、成長している。
通常救済版春麗は、選べることの意味を示している。
グランドフィナーレ済み春麗は、終わり方と残し方を見ている。
行き遅れに恐怖する春麗は、次があることの安心を支えている。
そして本編春麗は、自分がめんどくさい女であることを、今日も少しずつ受け入れている。
春麗は起き上がり、鏡の前に立った。
そこには、本編春麗がいた。
めんどくさい女と自覚する春麗。
春麗会議室を持ってしまった春麗。
もう、その会議室がない生活には戻れない春麗。
「……しょうがないわね」
春麗は小さく言った。
「便利すぎるもの」
一拍。
「それに、ないと困るわ」
言ってから、少しだけ顔を赤くする。
夢の中の会議室に依存しているみたいで、少し悔しい。
でも、事実だった。
春麗会議室があるから、黒を棚に置ける。
青を確認できる。
自覚前春麗を見て、自分の自覚を確認できる。
リュウの言葉に被弾しても、翌朝には整理できる。
勝っても、負けても、引き分けても、会議室で意味にできる。
「また戦ってくれなんて言わないで」
いつもの言葉を呟く。
そして、少しだけ続けた。
「でも、会議にはかけるわ」
言ってから、春麗は顔を覆った。
「……本当に、戻れないわね」
朝が始まる。
本編は、まだ大きくは進んでいない。
けれど、春麗会議室の中で、春麗たちは今日も少しだけ進んでいた。
Q:今回の断章IFついて解説して?
A:
はい。今回の断章IFは、かなり重要な メタ構造整理回 です。
一言で言うなら、
春麗会議室そのものが、もはや単なる幕間ではなく作品構造の中心になっていることを、作中で正式に認めた回
です。
今回はバトルでも甘いイベントでもなく、作品の現在地を整理するための回でした。
今回の核は「なぜIFが付くのか」
自覚前春麗が、
どうして、こんなにIFが付いているの?
と質問するところが、非常に良いです。
これは読者側・作者側の疑問を、作中キャラに代弁させています。
最近のエピソードは、
断章IF
妄想章IF
妄想章IF後日談
春麗会議
分岐春麗
黒執着春麗
黒ドレス特化救済春麗
通常救済版春麗
と、かなり多層化しています。
そのため、読者側も、
これは本編なのか?
IFなのか?
会議室の夢なのか?
どこまで本線に影響するのか?
と混乱しやすい。
そこで、自覚前春麗が素朴に疑問を呈する。
これは整理回としてかなり自然です。
妄想章IFと断章IFの違いを整理できた
今回の説明はかなり有用でした。
妄想章IF
これは、本編とは直接つながらない仮定・分岐・裏ルート。
たとえば、
黒ドレス特化救済春麗
通常救済版春麗
黒執着春麗
裏ルート
もしもの勝敗分岐
こういうものは、本編とは別の可能性なのでIFが付く。
これはわかりやすい。
妄想章IF後日談
妄想章IF由来の春麗たちの後日談。
元がIFなので、その後日談にもIF性が残る。
黒ドレス特化救済春麗の宿題回答回などがこれです。
断章IF
ここが重要です。
本来、断章は本編春麗の幕間や補助エピソードに近い。
でも、春麗会議室要素が強く絡む場合は、断章IFになる。
なぜなら、春麗会議室は通常の本編時間進行とは別層だからです。
本編春麗の内面整理ではある。
でも、複数の春麗が同席し、妄想章IFの春麗たちも登場し、黒執着春麗の記録片も棚にある。
これは純粋な現実時間の本編とは言いにくい。
だから、春麗会議室が中心になる断章はIFが付く。
この整理はかなり納得感があります。
「本編って進んでいなくない?」が核心
自覚前春麗の、
本編って、ある時期から進んでいなくない?
これはかなり鋭いです。
実際、この連作は最近ずっと春麗会議室が中心です。
黒ドレス戦や青武道服戦、リュウとの再戦などはありますが、多くはその後の会議・審議・整理につながっています。
つまり、物理的な時間はあまり進んでいない。
しかし、内面はかなり進んでいる。
この状態を、
漫画で言えば、時間がほとんど進んでいない日常回・幕間回・キャラ掘り下げ回が続いている状態
と説明したのが、非常にわかりやすいです。
これは今のシリーズの実態に近いです。
「時間ではなく内側が進んでいる」
今回の一番大事な整理はここです。
本編時間は停滞している。
でも、
黒の意味
青の意味
黒と青の融合
勝者煽り
否認
主人公性
救済
黒執着の危険性
リュウの受け取り方
春麗会議室の役割
これらはかなり進んでいます。
つまり、物語の時計は進んでいないけれど、キャラの解像度は深まっている。
これは、少人数深掘り型の作品としては非常に自然です。
大事件を次々起こすのではなく、同じ関係・同じ時期・同じ対立軸を何度も角度を変えて掘る。
この作風に合っています。
タイトル変更後の構造確認としても重要
今回、旧タイトルと新タイトルの比較が出ました。
旧タイトル:
また戦ってくれ――リュウと春麗、紙一重のライバル譚――
新タイトル:
また戦ってくれなんて言わないで
――春麗は今日もめんどくさい――
ここで、作品の中心が変わったことを明確にしています。
以前は、リュウと春麗の紙一重のライバル譚だった。
しかし今は、
めんどくさい女と自覚する春麗の物語
になっている。
だから、リュウとの勝敗だけではなく、春麗自身の内面整理が主戦場になった。
春麗会議室がメイン化するのは、その結果です。
これはかなり大事です。
春麗会議室は「内面の編集部」になっている
今回の説明で、春麗会議室の役割がかなり明確になりました。
春麗会議室は、単なるギャグ装置ではありません。
役割としては、
本編春麗の内面整理
分岐春麗の比較
黒・青・煽り・救済の意味づけ
危険分岐の棚上げ
自覚前春麗の主人公性監視
リュウの回答の採点
イベント後の感情整理
を行う場所です。
つまり、作中にある編集会議室です。
ここで整理するから、連作全体が崩れずに続いています。
今回、その役割を作中で正式に認めたわけです。
自覚前春麗の「資料整理としてよ」が効いている
最後の方で、自覚前春麗が、
……まあ、ないと困るのは、少しわかるわ。
と言いかけて、
資料整理としてよ!
と逃げるのが良いです。
これは、春麗会議室そのものを自覚前春麗も必要とし始めているということです。
彼女はいつも否認します。
でも、春麗会議室があるから、自分の被弾も、黒ドレス戦術も、否認煽りも、主人公性も整理される。
つまり、自覚前春麗も会議室なしではもう困る。
ただし、それを素直には認めない。
ここが彼女らしいです。
「もう春麗会議室がない生活には戻れない」が今回の結論
今回の最後で、本編春麗が、
もう、春麗会議室がない生活には戻れないのよ。
と言うのが非常に象徴的です。
これは完全にメタですが、今の連作の本質です。
もう春麗会議室は、おまけではない。
連作の中心装置です。
ここで各春麗が話すから、エピソードが続く。
ここで整理するから、黒執着春麗を棚に置ける。
ここで分類するから、勝者煽り代表や黒ドレス準備戦術が成立する。
ここで朝に目覚めるから、断章IFが締まる。
つまり、春麗会議室はもう作品構造の一部です。
そして本編春麗自身も、それを認めた。
朝の締めが良い
朝のシーンで、本編春麗が、
本編、進んでいないわね。
と認めるのが良いです。
普通なら、これはマイナスに見える。
でも春麗は続けて気づく。
時間としては進んでいない。
でも、何も進んでいないわけではない。
黒ドレス特化救済春麗は黒の境界を整理した。
自覚前春麗は否認しながら成長している。
通常救済版春麗は選べることの意味を示している。
グランドフィナーレ済み春麗は終わり方と残し方を見ている。
行き遅れに恐怖する春麗は次がある安心を支えている。
本編春麗は、自分のめんどくささを少しずつ受け入れている。
この整理によって、
本編時間は進んでいないが、春麗たちは進んでいる
という結論になります。
これは非常に良いです。
「また戦ってくれなんて言わないで。でも、会議にはかけるわ」が強い
最後の、
また戦ってくれなんて言わないで。
でも、会議にはかけるわ。
これはかなり良い締めです。
今のシリーズをよく表しています。
リュウの「また戦ってくれ」は困る。
でも、何かが起きたら春麗会議にかける。
つまり、もう戦闘と感情と会議がセットになっている。
勝っても会議。
負けても会議。
甘いイベントでも会議。
リュウの一言でも会議。
黒でも青でも会議。
これが今のタイトル、
春麗は今日もめんどくさい
に完全に合っています。
今回の断章IFの編集上の価値
今回の話は、派手なイベントではありません。
しかし、編集上はかなり重要です。
なぜなら、読者が薄々感じていたであろう、
IFが多い
会議室が多い
本編時間が進んでいない
でもキャラは深まっている
本編とIFの境界が曖昧になっている
という問題を、作中で正面から整理したからです。
これは、連作が長く続いたタイミングで必要なメタ回です。
この回があることで、今後も安心して春麗会議室を使えます。
なぜなら作中で、
春麗会議室は作品構造の一部である
と認めたからです。
結論
今回の断章IFは、自覚前春麗の「なぜIFが付くのか」という疑問をきっかけに、妄想章IF・断章IF・春麗会議室・本編停滞状態・タイトル変更後の主人公構造を整理したメタ会議回です。
重要なのは、単に「本編が進んでいない」と認めるだけでなく、
時間は進んでいないが、春麗たちは会議室で進んでいる
と意味づけたことです。
一言でまとめるなら、
春麗会議室は、もう幕間ではなく作品構造そのものになった。
本編時間が止まっていても、黒・青・煽り・救済・主人公性はそこで進んでいる。
だから本編春麗は、もう春麗会議室がない生活には戻れない。