また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい――   作:エーアイ

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※本編確定ではなく、断章IFです。


断章IF:本編春麗は、今日の青に届かれる

 

 本編春麗は、青い武道服の帯を締め直した。

 

 鏡の前に立つ。

 

 そこにいるのは、三連勝した春麗だった。

 

 リュウに三度勝った。

 

 青い武道服で。

 

 黒を知った青で。

 

 黒を青の中へ沈めた戦い方で。

 

 勝者煽りも決めた。

 

 春麗会議室の過去ログにも記録された。

 

 勝者煽り評価:九十九点。

 

 そこまでは、誇っていい。

 

 けれど、その後のログも残っている。

 

 精神HP:0 / 100

 

 状態:《今日の青に届きたい オーバーキル》

 

 春麗は、鏡の中の自分を見ながら、小さく息を吐いた。

 

「……あのログ、本当に余計だったわ」

 

 だが、余計ではない。

 

 記録は、優しくない。

 

 勝ったことも、沈んだことも、同じ精度で残す。

 

 それが春麗会議室の過去戦闘ログ閲覧機能だった。

 

 そして今、本編春麗はそのログを見た後だった。

 

 リュウの拳の残響についても、説明書で確認している。

 

 リュウは、すべてを完全に記憶しているわけではない。

 

 しかし、拳には残る。

 

 黒を強く見せられた時の遅れ。

 

 抑えて追わされた半歩。

 

 青の中に黒が沈んでいた時の、受けの早出し。

 

 届かなかった距離。

 

 そして、春麗が勝っても次を閉じていないという感覚。

 

 リュウは、そこから来る。

 

 今度は、届きに来る。

 

 前回、リュウは言った。

 

 次は、今日の青に届きたい。

 

 だから、春麗は今日も青で行く。

 

 黒ではない。

 

 黒ドレスではない。

 

 逃げるための別衣装でもない。

 

 リュウが届きたいと言ったのは、今日の青だった。

 

 ならば、その青で迎える。

 

「届かせないわ」

 

 春麗は呟いた。

 

 一拍置いて、少しだけ声が小さくなる。

 

「……簡単には」

 

 言ってから、顔が熱くなった。

 

 簡単には。

 

 それは、届く可能性を認めている言葉だった。

 

 春麗は鏡の中の自分を睨む。

 

「違うわ。戦術的な表現よ」

 

 便利な言葉だった。

 

 戦術。

 

 資料。

 

 ログ確認。

 

 どれも、めんどくさい自分を少しだけ隠してくれる。

 

 春麗は青い武道服の袖を整えた。

 

「今日は、勝つ」

 

 そして、もう一つ決める。

 

「でも、リュウが本当に届いてきたら」

 

 そこで止まる。

 

 言葉にすると、危険だった。

 

 だから、言わなかった。

 

 ただ、拳を握った。

 

 


 

 

 リュウは、修行場にいた。

 

 春麗が現れると、静かに顔を上げた。

 

「春麗」

 

「リュウ」

 

 春麗は青い武道服だった。

 

 リュウは、それを見た。

 

 黒ではない。

 

 だが、黒を知らない青ではない。

 

 前回と同じ青。

 

 いや、前回と同じようで、違う。

 

 春麗の構えには、明らかに準備があった。

 

 リュウの拳の残響を知っている。

 

 過去ログを見ている。

 

 そのうえで、青で立っている。

 

 リュウには、春麗会議室のことはわからない。

 

 説明書も知らない。

 

 過去ログも見えない。

 

 だが、春麗が何かを整理して来ていることは、わかった。

 

 春麗は言った。

 

「今日は、しゃべってもいいわ」

 

 リュウは少しだけ驚いたように見た。

 

「いいのか」

 

「試合中に余計なことを言われるのは危険だけれど」

 

 春麗は構える。

 

「前回、拳で語らせたら、本当に拳で語ってきたでしょう」

 

 リュウは頷いた。

 

「ああ」

 

「なら、今回は制限しない」

 

「なぜだ」

 

 春麗は少しだけ笑った。

 

「あなたが今日、何で届こうとするのか見たいから」

 

 言ってしまった。

 

 春麗は内心で少し後悔した。

 

 だが、取り消さなかった。

 

 リュウは真っ直ぐに春麗を見る。

 

「なら、届きに行く」

 

 春麗の精神HPが、試合前なのにわずかに揺れた。

 

 危険。

 

 かなり危険。

 

 だが、まだ戦闘処理内だ。

 

 春麗は自分に言い聞かせる。

 

「ええ。来なさい」

 

 一拍。

 

「今日の青に、届けるものなら」

 

 リュウは構えた。

 

 春麗も構えた。

 

 四戦目が始まった。

 

 序盤。

 

 春麗は速かった。

 

 青い武道服の速度。

 

 迷いはない。

 

 前回の三連勝で得た確信がある。

 

 黒を青に沈める感覚も、さらに自然になっている。

 

 リュウが踏み込む。

 

 春麗は外す。

 

 前回と同じなら、ここでリュウの受けは半拍早くなる。

 

 春麗は、それを読んでいた。

 

 黒の静止を見せる気配だけを置く。

 

 リュウが早く受けに来る。

 

 そこを青で抜く。

 

 そのはずだった。

 

 だが、リュウは受けを早く出さなかった。

 

 春麗の蹴りが、空を切る。

 

 わずかに距離が合わない。

 

「っ」

 

 春麗はすぐに体勢を戻す。

 

 リュウは、深く踏み込んできた。

 

 拳が近い。

 

 春麗は腕で受ける。

 

 重い。

 

 前より、近い。

 

 春麗は目を細めた。

 

「……そこ、待ったのね」

 

 リュウは短く答えた。

 

「ああ」

 

「黒を見た?」

 

「見た」

 

 リュウは拳を引く。

 

「でも、追わなかった」

 

 春麗の胸が跳ねた。

 

 それは、ログにあった残響そのものだった。

 

 黒を探さない。

 

 青だけを見るのでもない。

 

 春麗を見る。

 

 リュウは、本当にそこへ来ている。

 

 春麗は笑った。

 

「面白いわね」

 

 本心だった。

 

 怖い。

 

 厄介。

 

 でも、面白い。

 

 春麗は踏み込んだ。

 

 中盤。

 

 試合は、前回より重かった。

 

 春麗は過去ログを見ている。

 

 リュウがどこで遅れたか。

 

 どこで受けを早く出したか。

 

 どのタイミングで届きかけたか。

 

 自分のHPがどこまで削られたか。

 

 全部ではない。

 

 当日ログは見られない。

 

 未来も見えない。

 

 それでも、過去から対策は立てていた。

 

 しかし、リュウも変わっていた。

 

 拳の残響。

 

 詳細記憶ではない。

 

 理屈でもない。

 

 だが、身体が前回の距離を知っている。

 

 春麗が止まるように見せる。

 

 リュウは止まらない。

 

 春麗が青で抜ける。

 

 リュウは追いすぎない。

 

 春麗が呼吸をずらす。

 

 リュウは一拍待つ。

 

 完璧ではない。

 

 何度も遅れる。

 

 何度も外される。

 

 だが、前より近い。

 

 春麗の蹴りがリュウの肩をかすめる。

 

 リュウの拳が春麗の脇を抜ける。

 

 互いに致命打を避けながら、少しずつ削れていく。

 

 春麗は思った。

 

 強い。

 

 今日のリュウは、本当に強い。

 

 ログで見たリュウではない。

 

 過去ログに残っていたリュウより、半歩近い。

 

「リュウ」

 

 春麗は蹴りを放ちながら言った。

 

「あなた、ちゃんと考えてきたのね」

 

 リュウは受けながら答える。

 

「考えた」

 

「拳で?」

 

「ああ」

 

 春麗は笑いそうになった。

 

 やはり、そうなのだ。

 

 春麗は会議室でログを見る。

 

 リュウは拳で考える。

 

 それぞれ違うやり方で、同じ場所へ来ている。

 

 リュウが踏み込む。

 

 春麗は青で外す。

 

 リュウは外された先へ、さらに一歩入る。

 

 春麗の目が見開かれた。

 

 近い。

 

 これは、前回なかった踏み込みだった。

 

 春麗はとっさに後ろへ跳ぶ。

 

 リュウの拳が頬のすぐ横を通った。

 

 空気が震える。

 

「届きかけたわね」

 

「まだだ」

 

 リュウは言った。

 

「届きかけるだけでは、足りない」

 

 春麗の胸の奥に、熱が走った。

 

 危険。

 

 でも、嬉しい。

 

 いや、嬉しいではない。

 

 これは戦闘の高揚。

 

 春麗は自分に言い聞かせる。

 

「なら、届いてみなさい」

 

 青い武道服が、風を切った。

 

 終盤。

 

 二人とも、もう限界に近かった。

 

 春麗の呼吸は荒い。

 

 リュウの肩も上下している。

 

 春麗はまだ立っている。

 

 リュウも倒れない。

 

 残り少ないHPを、お互いに削り合っていた。

 

 春麗は勝ち筋を探す。

 

 前回の決着。

 

 青の中に沈む黒。

 

 黒の静止を見せる青。

 

 見せない黒・呼吸停止。

 

 それでリュウの受けを早く出させ、肩口に蹴りを入れた。

 

 今回も同じでは通じない。

 

 ならば、さらに変える。

 

 黒を沈める。

 

 もっと深く。

 

 見せない。

 

 匂わせない。

 

 青だけで動く。

 

 ただし、呼吸の奥には黒を残す。

 

 リュウは、それを見ている。

 

 見ているなら、逆に使う。

 

 春麗は、青で入った。

 

 速い。

 

 リュウが受ける。

 

 春麗は蹴りを途中で止める。

 

 黒ではない。

 

 青の急停止。

 

 リュウの拳が動く。

 

 春麗はその拳の下へ潜り込む。

 

 勝ち筋が見えた。

 

 ここで回れば、蹴りが入る。

 

 リュウの脇が空く。

 

 前回よりも深い位置。

 

 これなら決まる。

 

 春麗は回った。

 

 だが、リュウはそこにいた。

 

 春麗の動きに追いついたのではない。

 

 待っていた。

 

 届きかけた場所ではなく、春麗が勝つために入る場所を。

 

「……っ!」

 

 春麗は蹴りを出す。

 

 リュウも拳を出す。

 

 同時。

 

 いや、ほんのわずかに、リュウが早い。

 

 春麗の蹴りはリュウの腕を打った。

 

 だが、深くは入らない。

 

 リュウの拳が春麗の肩口を捉える。

 

 寸止めではない。

 

 ただし、壊す拳でもない。

 

 勝つための拳。

 

 春麗の身体が崩れた。

 

 リュウも、その反動で膝をつく。

 

 だが、倒れなかった。

 

 春麗は片膝をついた。

 

 呼吸が止まる。

 

 青い武道服の袖が、土に触れた。

 

 静寂。

 

 春麗は、ゆっくり顔を上げた。

 

 リュウが立っている。

 

 かろうじて。

 

 本当に、かろうじて。

 

 辛勝だった。

 

 リュウの勝ちだった。

 

 春麗は、しばらく何も言えなかった。

 

 悔しい。

 

 とても悔しい。

 

 三連勝の後に負けた。

 

 今日の青に、届かれた。

 

 でも。

 

 強かった。

 

 リュウは、本当に強かった。

 

 春麗は、息を整えながら立ち上がろうとした。

 

 足に力が入らない。

 

 リュウが手を差し出した。

 

 春麗は一瞬見た。

 

 そして、少しだけ迷った後、その手を取った。

 

 リュウが引き上げる。

 

 春麗は立った。

 

 至近距離。

 

 春麗は、リュウを見た。

 

「……あなたの勝ちね」

 

 リュウは頷いた。

 

「ああ」

 

「悔しいわ」

 

「ああ」

 

「でも」

 

 春麗は、少しだけ笑った。

 

「本当に強かった」

 

 言った瞬間、自分の胸にその言葉が返ってきた。

 

 リュウが強かった。

 

 ただ強かった。

 

 残響で近づいてきた。

 

 拳で考えてきた。

 

 そして、今日の青に届いた。

 

 春麗は、それを認めた。

 

 認めた瞬間、精神HPが大きく揺れた。

 

 負けた悔しさではない。

 

 認めてしまったことへの衝撃。

 

 リュウが本当に届いたことへの衝撃。

 

 そして、届いてほしかった自分がどこかにいたことへの衝撃。

 

 精神HPが削れる。

 

 自分の言葉で。

 

 自分の認識で。

 

 そこへ、リュウの声が重なった。

 

「春麗」

 

「何」

 

 春麗は警戒した。

 

 もう試合は終わっている。

 

 つまり、戦闘処理外。

 

 危険な時間だった。

 

 リュウは、言葉を選ぶように少し黙った。

 

 それが、さらに危険だった。

 

「今日は、届いた」

 

 春麗の精神HPに亀裂が入った。

 

「……ええ」

 

「だが、簡単ではなかった」

 

「当然よ」

 

「春麗の青は、前より遠かった」

 

 春麗は息を止めた。

 

 リュウは続ける。

 

「近づいたと思ったら、もっと遠くなっていた」

 

 精神HPが削れる。

 

「でも、拳に残っていたものを捨てなかった」

 

 春麗は黙る。

 

「黒を追いすぎた遅れも、青に外された呼吸も、全部持って行った」

 

 春麗は、目を伏せた。

 

 説明書の言葉が頭をよぎる。

 

 リュウの拳の残響。

 

 それを本人の口から、別の形で聞いている。

 

 リュウは、静かに言った。

 

「それでも、最後は春麗を見た」

 

 精神HPが、大きく削れる。

 

 防御不能だった。

 

 そして、リュウは最後に言った。

 

「今日、届いたのは、春麗が待っていた青だったからだと思う」

 

 春麗は完全に止まった。

 

「……待っていた、ですって?」

 

「ああ」

 

「私は、待ってなんか」

 

 言いかけて、止まる。

 

 嘘になる。

 

 簡単には届かせない。

 

 でも、届いてほしくないわけではなかった。

 

 春麗は自分の中のめんどくささに直撃した。

 

 精神HPがゼロになる。

 

 負けたこと。

 

 リュウが強かったこと。

 

 本当に届かれたこと。

 

 そして、自分がそれをどこかで望んでいたこと。

 

 全部が重なった。

 

 春麗は、顔を赤くしたまま言った。

 

「……あなた、勝った後も容赦ないわね」

 

 リュウは首を傾げる。

 

「容赦?」

 

「そういうところよ」

 

「そうか」

 

「そうよ」

 

 春麗は小さく息を吐いた。

 

 今日は負けた。

 

 試合にも。

 

 精神HPにも。

 

 でも、不思議と、嫌ではなかった。

 

 悔しい。

 

 非常に悔しい。

 

 それでも、これは必要な負けだった。

 

 リュウが本当に強かった。

 

 本当に届いた。

 

 だから、春麗は目を伏せずに言った。

 

「次は、私が取り返すわ」

 

 リュウは頷いた。

 

「来い」

 

 その一言も、かなり危険だった。

 

 春麗は顔を背けた。

 

「……今日はもう十分よ」

 

 そして、青い武道服の裾を払い、修行場を後にした。

 

 


 

 その夜。

 

 春麗会議室は、静かだった。

 

 いつものようなざわめきがない。

 

 本編春麗が、議長席に座っている。

 

 青い武道服ではない。

 

 しかし、どこかまだ試合の余韻をまとっていた。

 

 自覚前春麗は、珍しく茶化さなかった。

 

 黒ドレス特化救済春麗も、静かに本編春麗を見ている。

 

 通常救済版春麗は、穏やかだが、少しだけ真剣な顔だった。

 

 行き遅れに恐怖する春麗は、心配そうにしている。

 

 グランドフィナーレ済み春麗は、記録板を見上げた。

 

 記録板には、こう表示されている。

 

 本日戦闘ログ:未反映

 

 当日回ログは閲覧不可。翌朝以降、過去ログとして反映予定。

 

 本編春麗は、その文字を見て小さく笑った。

 

「見られないのね」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「当日ログは見られないルールだもの」

 

 自覚前春麗が言う。

 

「不便ね」

 

 本編春麗は首を振った。

 

「今は、見られなくていいわ」

 

 自覚前春麗は少し驚く。

 

「いいの?」

 

「ええ」

 

 本編春麗は、記録板ではなく、自分の手を見た。

 

「今日は、ログで確認しなくてもわかる」

 

 黒ドレス特化救済春麗が静かに言う。

 

「リュウが届いたのね」

 

 本編春麗は頷いた。

 

「ええ」

 

 会議室に、静かな重みが落ちた。

 

 行き遅れに恐怖する春麗が、小さく言う。

 

「負けたの?」

 

 本編春麗は、はっきり答えた。

 

「負けたわ」

 

 自覚前春麗は、少しだけ息を呑む。

 

 本編春麗は続ける。

 

「辛勝だった。リュウもぎりぎりだった。でも、最後に立っていたのはリュウ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「悔しい?」

 

「悔しいわ」

 

「嫌?」

 

 本編春麗は少し黙る。

 

「嫌ではない」

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「必要な負けだったのね」

 

 本編春麗は頷く。

 

「たぶん」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

「三連勝の後に、リュウが届いた。構造としてはかなり綺麗ね」

 

 自覚前春麗が言う。

 

「綺麗というより、かなり刺さるわね」

 

 本編春麗は笑った。

 

「刺さったわ」

 

「精神HPは?」

 

 本編春麗は視線を逸らす。

 

「……ノックアウトされたわ」

 

 自覚前春麗は頷いた。

 

「でしょうね」

 

 本編春麗が見る。

 

「わかるの?」

 

「経験者だから」

 

 その言葉に、会議室に少しだけ柔らかい空気が戻った。

 

 黒ドレス特化救済春麗が、静かに聞いた。

 

「何を言われたの?」

 

 本編春麗は、少し顔を赤くした。

 

「試合後に」

 

「ええ」

 

「今日は届いた、と」

 

 通常救済版春麗が小さく息を呑む。

 

 自覚前春麗が言う。

 

「それはもう危険ね」

 

 本編春麗は頷いた。

 

「そのあと、簡単ではなかった、と」

 

 黒ドレス特化救済春麗が目を細める。

 

「良いわね」

 

「良くないわ」

 

「でも、良いわ」

 

 本編春麗は、言葉を続けた。

 

「春麗の青は、前より遠かった、と言われた」

 

 会議室が静かになる。

 

「近づいたと思ったら、もっと遠くなっていた、と」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「それは……かなり強い言葉ね」

 

 本編春麗は頷く。

 

「そして、拳に残っていたものを捨てなかった、と」

 

 黒ドレス特化救済春麗が、静かに微笑んだ。

 

「残響ね」

 

「ええ」

 

 本編春麗は、息を吐いた。

 

「黒を追いすぎた遅れも、青に外された呼吸も、全部持って行った、と」

 

 自覚前春麗は、小さく言う。

 

「私の黒も、混ざっている感じがするわね」

 

「たぶんね」

 

「ずるいわ」

 

「でも、私たちも会議室でログを見る」

 

 自覚前春麗は黙った。

 

 本編春麗は最後の言葉を口にした。

 

「そして、最後に」

 

 少しだけ間が空く。

 

「今日、届いたのは、春麗が待っていた青だったからだと思う、と」

 

 会議室が完全に静まった。

 

 自覚前春麗は、ゆっくり顔を覆った。

 

「……それは駄目」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「精神HP即死級ね」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「待っていた青、はかなり深いわ」

 

 行き遅れに恐怖する春麗が胸を押さえる。

 

「勝った後にそれを言われるのは……」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が静かに言った。

 

「リュウは、届いただけではなく、本編春麗が次を閉じていなかったことにも届いたのね」

 

 本編春麗は、机に額をつけた。

 

「やめて。言語化しないで」

 

 自覚前春麗が言う。

 

「もう言語化されているわ」

 

「あなた、本当に経験者みたいな顔をするわね」

 

「経験者だもの」

 

 記録板は何も表示しない。

 

 当日ログは見られない。

 

 HP推移も出ない。

 

 精神HPの数値も出ない。

 

 勝敗の詳細も、まだ記録されない。

 

 ただ、本編春麗自身の言葉だけが会議室に残る。

 

 本編春麗は言った。

 

「今日は、ログではなく私の報告になるわ」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が頷く。

 

「当日回だから、それでいい」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「本人の一次報告ね」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「記録になる前の痛み」

 

 自覚前春麗が小さく言う。

 

「それ、一番きついわ」

 

 本編春麗は、少しだけ笑った。

 

「ええ。きついわ」

 

 そして、まっすぐ言った。

 

「リュウは強かった」

 

 会議室が静かになる。

 

「本当に強かった」

 

 一拍。

 

「私は、悔しい。でも嬉しいところもある。届かれたことが、嫌ではなかった」

 

 自覚前春麗が、少し驚いたように見る。

 

 黒ドレス特化救済春麗は、満足そうに目を細めた。

 

 通常救済版春麗は、穏やかに微笑む。

 

 行き遅れに恐怖する春麗は、少し安心したような顔をした。

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

「それを認められるのは、かなり本編春麗ね」

 

 本編春麗は小さく頷いた。

 

「ええ」

 

 一拍。

 

「でも、次は取り返すわ」

 

 自覚前春麗が笑う。

 

「そう来なくてはね」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「ログレビューが楽しみね」

 

 本編春麗は顔をしかめた。

 

「楽しみにしないで」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「次回、今日のログが開示されるのね」

 

 記録板が静かに光った。

 

 次回候補:本編春麗、リュウ辛勝戦の過去ログをレビューする件。

 

 本編春麗は、その文字を見て深く息を吐いた。

 

「……精神HPログ、見たくないわ」

 

 自覚前春麗が、やけに優しい声で言った。

 

「わかるわ」

 

 本編春麗は、少し笑った。

 

「でも、見るのでしょうね」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が言う。

 

「記録になれば、意味にできるもの」

 

 本編春麗は、記録板を見た。

 

「なら、今日はここまで」

 

 会議室の光が薄れていく。

 

 夢がほどけていく。

 

 最後に、本編春麗は小さく呟いた。

 

「リュウ、今日は本当に強かったわ」

 

 その言葉は、記録板には残らなかった。

 

 まだ、ログ化されていない。

 

 ただ、本編春麗の中に残った。

 


 

 朝。

 

 本編春麗は目を覚ました。

 

 窓から朝の光が入っている。

 

 身体に、まだ試合の感触が残っていた。

 

 肩口。

 

 リュウの拳。

 

 最後に届かれた瞬間。

 

 そして、差し出された手。

 

 春麗は布団の中で、しばらく動かなかった。

 

 負けた。

 

 リュウに負けた。

 

 三連勝の後、四戦目で届かれた。

 

 悔しい。

 

 悔しいに決まっている。

 

 でも。

 

「……強かったわね」

 

 小さく呟く。

 

 その言葉は、昨夜も言った。

 

 何度思い返しても、そこは変わらない。

 

 リュウは強かった。

 

 残響を持ってきた。

 

 拳で考えてきた。

 

 春麗の青に、届いた。

 

 そして、試合後の言葉で精神HPまで持っていった。

 

 春麗は顔を覆った。

 

「待っていた青、って何よ……」

 

 思い出すだけで危険だった。

 

 けれど、否定しきれない。

 

 自分は、本当にどこかで待っていたのかもしれない。

 

 簡単には届かせたくない。

 

 でも、永遠に届かないままでいてほしいわけではない。

 

 そのめんどくささに、リュウは拳で届いてきた。

 

 春麗は起き上がった。

 

 鏡の前に立つ。

 

 そこには、本編春麗がいた。

 

 三連勝した春麗。

 

 四戦目で負けた春麗。

 

 リュウが本当に強かったと認めた春麗。

 

 精神HPもノックアウトされた春麗。

 

「次は、取り返すわ」

 

 静かに言う。

 

 一拍。

 

「ただし」

 

 春麗は少しだけ顔を赤くする。

 

「昨日のリュウが強かったことは、認めてあげる」

 

 言ってから、すぐに付け足した。

 

「戦術的評価として」

 

 便利な言葉だった。

 

 だが、今日ばかりは少しだけ薄い。

 

 春麗は窓を開けた。

 

 朝の空気が入ってくる。

 

 次回、きっとログが開示される。

 

 HP推移。

 

 精神HP推移。

 

 リュウの辛勝。

 

 自分の敗北。

 

 そして、あの言葉。

 

 待っていた青。

 

 記録板は、きっと容赦なく表示するだろう。

 

 春麗は深く息を吐いた。

 

「また戦ってくれなんて言わないで」

 

 いつもの言葉。

 

 そして、今日は続けた。

 

「でも、取り返すまでは終われないわ」

 

 言ってから、少しだけ笑った。

 

 これでは、また次が生まれてしまう。

 

 春麗は今日も、めんどくさい。

 

 ただし今日は、リュウに本当に届かれ、その強さを認め、次に取り返すことを決めた春麗だった。

 




Q:今回の断章IFとバトル内容について解説して?

A:

はい。今回の断章IFは、かなり大きな転換点です。

一言で言うなら、

本編春麗が過去ログで対策して青で挑み、リュウが拳の残響でその青に本当に届き、四戦目で辛勝する回です。

これまで本編春麗は三連勝していました。青い武道服で勝ち、黒の経験を青に沈め、勝者煽りまで九十九点を取っていた。つまり、春麗側の完成度はかなり高かった。

しかし今回、リュウがついに届きます。

それも偶然ではなく、これまでの敗北、黒への遅れ、青に外された呼吸、春麗が次を閉じていなかった感覚――それらを拳の残響として持ち込んだ結果として届いた。

だから今回の負けは、春麗にとってただの敗北ではありません。

リュウが本当に強くなって、自分の青に届いたことを認める敗北です。

今回の核は「春麗が負けを受け取れるようになった」こと

今回の春麗は、負けています。

三連勝後の四戦目で、リュウに辛勝される。

でも、春麗はただ悔しがるだけではありません。

あなたの勝ちね。
悔しいわ。
でも、本当に強かった。

この言葉が非常に大きいです。

以前の春麗なら、ここで照れ隠し、煽り、否認、あるいはリュウの言葉に被弾して逃げる流れになりやすかった。

でも今回は、自分からリュウの強さを認めています。

これは本編春麗の成熟です。

勝つことだけでなく、届かれることも物語の一部として受け取れるようになった。

ただし、受け取った瞬間に精神HPは削られます。

なぜなら、リュウが強かったと認めることは、同時に、

自分がどこかで届いてほしいと思っていたことを認めること

にもなるからです。

ここが今回の一番めんどくさくて良いところです。

リュウの勝利が「残響の成果」になっている

今回のリュウは、急に強くなったわけではありません。

前回までのリュウは三連敗していました。

春麗の青に届かなかった。
黒を探して遅れた。
黒と青を見分けようとして遅れた。
青の中に黒が沈んでいることに気づくのが遅れた。

その全部が、拳に残響として残っていた。

今回リュウは、その残響を使っています。

特に重要なのは、

黒を追わない。
黒を無視しない。
春麗を見る。

この三つです。

前回までのリュウは、春麗の黒を探そうとして遅れた。

今回は、春麗が黒の気配を出しても、受けを早出ししない。
春麗が青で抜けようとしても、追いすぎない。
春麗の呼吸の奥に黒があっても、そこに反応しすぎない。

だから、春麗の勝ち筋だった「黒を沈めた青」のタイミングに、リュウがついに合わせてきた。

これはかなり説得力があります。

本編春麗の青も弱くなっていない

ここも重要です。

春麗が負けたからといって、春麗の青が弱くなったわけではありません。

むしろ今回の春麗は、過去ログを参照してかなり高精度に戦っています。

前回の勝ち筋を理解している。
リュウがどこで遅れたかも把握している。
リュウの拳の残響があることも知っている。
その上で、青で迎え撃っている。

つまり春麗側も強い。

その強い春麗に、リュウが辛勝した。

だから、リュウの勝利に価値があります。

圧勝ではない。

春麗を弱体化させて勝ったのでもない。

春麗が青の完成度を保ったまま、リュウがそこへ届いた。

ここが今回の勝利の美味しさです。

「待っていた青」が精神HP即死級

試合後のリュウの言葉が非常に強いです。

今日、届いたのは、春麗が待っていた青だったからだと思う。

これは危険すぎます。

なぜなら、春麗が一番認めたくないところを突いているからです。

春麗はリュウに勝ちたい。
届かせたくない。
でも、永遠に届かないままでいてほしいわけではない。
三連勝した後、どこかでリュウにも届いてほしいと思っていた。

その矛盾を、リュウが拳で届いた後に言語化してしまう。

これは精神HPが持ちません。

しかも、今回はリュウが勝っています。

負けた側からの高得点回答ではなく、勝った側からの無自覚高火力です。

春麗からすると、

試合にも負けた。
精神HPにも刺された。
でも否定しきれない。

なので、完全ノックアウトになります。

春麗会議で当日ログが見られないのが良い

今回の春麗会議では、当日ログが見られません。

これがかなり良いです。

前回までに《過去戦闘ログ閲覧機能》が導入されましたが、当日ログは閲覧不可という制限があります。

だから今回、春麗たちはHP推移や精神HP推移をまだ確認できません。

ログではなく、本編春麗本人の一次報告で会議が進む。

これは非常に良いです。

記録になる前の痛み。
数値化される前の敗北。
本人がまだ生々しく持っている感触。

これを春麗会議で共有することで、ログレビュー回とは違う重さが出ています。

次回のログレビュー回への引きにもなっています。

RPG形式バトル解説
本編春麗《青武道服・過去ログ参照モード》 vs リュウ《拳の残響・今日の青到達モード》
戦闘前ステータス
本編春麗《青武道服・ログ参照済み》
HP:100 / 100
精神HP:100 / 100

装備:
・青い武道服
・過去戦闘ログ参照済み
・《青の中に沈む黒》習得済み
・試合後リュウ発言への警戒あり

状態:
・リュウに三連勝中
・前回、勝者煽り99点を達成
・ただし「今日の青に届きたい」で精神HPノックアウト済み
・今回はリュウが届きたいと言った“青”で迎え撃つ
リュウ《拳の残響蓄積》
HP:100 / 100
精神HP:100 / 100

パッシブ:
・《拳の残響》
・《無敵の鈍感力》
・《今日の青に届きたい》

状態:
・本編春麗に三連敗中
・黒を探しすぎると遅れることを身体で覚えている
・青だけを見ても外されることを身体で覚えている
・春麗を黒だけでも青だけでもなく春麗として見る方向へ移行中
フェーズ1:開幕、春麗のログ対策とリュウの残響
春麗 HP:100 / 100
春麗 精神HP:100 / 100
リュウ HP:100 / 100
戦況:春麗やや優勢

春麗は、前回までの勝ち筋を使います。

春麗スキル:《黒の静止を見せる青》
効果:
・黒の気配だけを見せる
・リュウに受けを早く出させる
・青の速度で外す

前回なら、ここでリュウは反応していました。

しかし今回は違います。

リュウパッシブ:《拳の残響》
発動:
・黒を見ても即座に追わない
・受けを早出ししない
・春麗の青を最後まで見る

春麗の攻撃はわずかに外れます。

春麗攻撃:《青黒誘導蹴り》
結果:回避される

リュウ反撃:《待ってから踏み込む拳》
春麗 HP:100 → 86

ここで春麗は気づきます。

春麗状態:《リュウが待ったことを確認》
精神HP:100 → 96

精神HPが少し削れたのは、リュウが本当に近づいてきたことを実感したためです。

フェーズ2:中盤、過去ログ vs 拳の残響
春麗 HP:86 / 100
春麗 精神HP:96 / 100
リュウ HP:92 / 100
戦況:互角

春麗は過去ログを活かして攻めます。

春麗スキル:《ログ参照・到達距離管理》
効果:
・前回リュウが届きかけた距離を把握
・半歩外側で青の蹴りを展開
・リュウの拳の射程を管理

春麗の攻撃。

春麗攻撃:《青武道服・外側連撃》
リュウ HP:92 → 74

リュウも拳の残響で対応します。

リュウスキル:《残響踏み込み》
効果:
・届かなかった距離を身体が覚えている
・前回より半歩深く踏み込む
・春麗の外側管理を崩す
リュウ攻撃:《半歩深い拳》
春麗 HP:86 → 68

春麗はまだ優勢を保っていますが、リュウが近い。

春麗状態:《前回より近い》
精神HP:96 → 88

ここは精神HPダメージというより、警戒値上昇です。

フェーズ3:青の中に沈む黒をめぐる攻防
春麗 HP:68 / 100
春麗 精神HP:88 / 100
リュウ HP:74 / 100
戦況:完全互角

春麗は黒をより深く沈めます。

春麗スキル:《青の中に沈む黒・深層》
効果:
・黒を見せない
・青だけに見せる
・しかし呼吸の奥で受けをずらす

これによりリュウの反応をずらそうとします。

春麗攻撃:《呼吸ずらし蹴り》
リュウ HP:74 → 58

しかし、リュウは黒を探しません。

リュウパッシブ:《黒を探さない》
効果:
・黒の所在を探して遅れない
・青を見ながら、黒の残響を拳に残したまま踏み込む

リュウの反撃。

リュウ攻撃:《黒を追わない拳》
春麗 HP:68 → 51

春麗は内心で驚きます。

春麗 精神HP:88 → 76
状態:《残響接近被弾》

ここで春麗はリュウを評価し始めます。

春麗内心:
「今日のリュウは、本当に強い」

この認識が、後の精神HPノックアウトの伏線になります。

フェーズ4:終盤、春麗が勝ち筋に入る
春麗 HP:31 / 100
春麗 精神HP:76 / 100
リュウ HP:28 / 100
戦況:紙一重

春麗は勝ち筋を作ります。

春麗スキル:《青の急停止》
効果:
・黒ではなく青の速度の中で止まる
・リュウの拳を誘導する
・脇の隙へ入る

成功判定。

リュウ状態:《拳誘導》
一見、春麗の勝ち筋発生

春麗は最終攻撃へ入ります。

春麗攻撃準備:《青武道服・回転決着蹴り》
命中すればリュウ HP:28 → 0

しかし、リュウはそこで待っています。

リュウスキル:《届きかけた場所ではなく、勝ち筋の場所で待つ》
効果:
・春麗が勝つために入る位置を読む
・過去の到達未遂を残響として補正
・最終ターンの先手判定上昇

リュウの読みが勝ります。

フェーズ5:最終ターン、リュウの辛勝
春麗 HP:14 / 100
リュウ HP:12 / 100
先手判定:リュウ +0.1ターン

同時攻撃。

春麗攻撃:《青武道服・回転決着蹴り》
リュウ HP:12 → 2
状態:リュウ瀕死

リュウも同時に拳を入れます。

リュウ攻撃:《今日の青に届く拳》
春麗 HP:14 → 0
状態:春麗戦闘不能

最終結果。

勝者:リュウ
勝利形式:辛勝
リュウ残HP:2 / 100
春麗残HP:0 / 100

これは圧勝ではありません。

本当に紙一重です。

リュウは、春麗の青にようやく届いた。

春麗は、負けたが弱くなったわけではない。

試合後イベント:春麗の自己認識被弾

試合後、春麗はリュウを認めます。

春麗発言:
「あなたの勝ちね」
「悔しいわ」
「でも、本当に強かった」

ここで春麗の精神HPが削れます。

春麗 精神HP:76 → 42
状態:《リュウの強さを認めた被弾》

理由は、単にリュウを褒めたからではありません。

リュウが届いたことを、春麗自身が認めたからです。

続いてリュウの発言。

リュウ:
「今日は、届いた」
春麗 精神HP:42 → 26
状態:《今日届いた 被弾》

さらに、

リュウ:
「春麗の青は、前より遠かった」
「近づいたと思ったら、もっと遠くなっていた」
春麗 精神HP:26 → 12
状態:《青の距離を認められた被弾》

ここは、春麗にとって少し嬉しい評価です。

自分の青が前より遠くなっていた。
つまり、自分も進んでいた。

しかし、リュウはそこへ届いた。

さらにリュウは言います。

リュウ:
「拳に残っていたものを捨てなかった」
「黒を追いすぎた遅れも、青に外された呼吸も、全部持って行った」
春麗 精神HP:12 → 5
状態:《拳の残響を本人から聞いた被弾》

そして最大打点。

リュウ:
「今日、届いたのは、春麗が待っていた青だったからだと思う」
春麗 精神HP:5 → 0
状態:《待っていた青 被弾》

追加余韻ダメージ。

春麗 精神HP:0 → -40相当
状態:《自分が届いてほしかったことを認める寸前 オーバーキル》
最終リザルト
本編春麗《青武道服・四戦目》
HP:0 / 100
精神HP:0 / 100

試合結果:敗北
敗北形式:リュウの辛勝
精神戦結果:ノックアウト

評価:
・青の完成度は維持
・過去ログ対策も有効
・ただしリュウの拳の残響が到達
・試合後の「待っていた青」で精神HP崩壊
リュウ《拳の残響・今日の青到達》
HP:2 / 100
精神HP:残存

試合結果:勝利
勝利形式:辛勝

評価:
・三連敗の残響を活用
・黒を探さず、青だけにも囚われず、春麗を見る方向へ移行
・今日の青に初到達
・勝利後の無自覚高火力で春麗の精神HPをノックアウト
春麗会議での当日評価

今回の会議では、当日ログは見られません。

そのため、数値ログではなく本人報告になります。

本日戦闘ログ:未反映
閲覧可能時期:翌朝以降
会議形式:本人一次報告

本編春麗の報告内容はこうです。

本人報告:
・リュウに辛勝された
・本当に強かった
・拳の残響で近づいてきた
・今日の青に届かれた
・精神HPもノックアウトされた
・でも嫌ではなかった
・次は取り返す

これが今回の会議の重要ポイントです。

ログで確認する前に、本人が自分の言葉で負けを受け取っている。

これは本編春麗の成熟です。

今回の構造的な意味

今回の断章IFは、かなり綺麗な四戦目になっています。

三連勝していた春麗。
その青に届きたいと言ったリュウ。
拳の残響で近づくリュウ。
過去ログで対策する春麗。
そして、最終的にリュウが辛勝。

ここで重要なのは、どちらか一方が一方的に強かったわけではないことです。

春麗は過去ログで強くなっている。
リュウは拳の残響で強くなっている。
その二つがぶつかって、リュウがHP2で辛勝する。

これなら、リュウが勝っても春麗の格は落ちません。

むしろ、春麗の青が強いからこそ、リュウの勝利が価値を持ちます。

結論

今回の断章IFは、本編春麗の青に、リュウがついに届いた回です。

春麗は過去ログを参照して準備した。
リュウは拳の残響を持ってきた。
春麗は青で迎え撃った。
リュウは辛勝した。

そして春麗は、

リュウが本当に強かったこと
自分の青に本当に届かれたこと
自分がどこかでそれを待っていたこと

を認めかけて、精神HPをノックアウトされました。

一言でまとめるなら、

春麗は勝ち続けたかった。
でも、リュウに届いてほしくなかったわけではない。
四戦目でリュウはその青に届き、春麗は悔しさと嬉しさごと負けを受け取った。

これはかなり良い、本編春麗とリュウの関係が一段進む敗北回だったと思います。
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