また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい――   作:エーアイ

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※本編確定ではなく、断章IFです。
メタ要素多めの回になっています。


断章IF:春麗会議は、現在のルート一覧を表示する

 

 春麗会議室に入った瞬間、本編春麗は妙な違和感を覚えた。

 

 いつもの円卓。

 

 いつもの記録板。

 

 いつもの椅子。

 

 そして、いつもの春麗たち。

 

 けれど、中央の記録板だけが、普段よりも明らかに張り切っていた。

 

 まだ誰も議題を宣言していない。

 

 それなのに、記録板はすでに淡く光っている。

 

 自覚前春麗が、それを見て警戒した。

 

「……今日は私のログではないでしょうね」

 

 本編春麗は首を振る。

 

「たぶん違うわ」

 

「たぶん?」

 

「私にもわからないもの」

 

 黒ドレス特化救済春麗が、少し楽しそうに記録板を見る。

 

「こういう時の会議室は、だいたい余計なことを表示するわね」

 

 通常救済版春麗が穏やかに言う。

 

「でも、必要な時に表示されることも多いわ」

 

 行き遅れに恐怖する春麗は、少し不安そうに呟いた。

 

「私の三択回答ではないわよね……?」

 

 自覚前春麗が即座に言う。

 

「それはまだ開けてはいけない箱よ」

 

 本編春麗も頷いた。

 

「今日は違うと思うわ」

 

 その時、記録板が大きく光った。

 

 全員がそちらを見る。

 

 そして、文字が浮かび上がる。

 

 現在のルート一覧を表示します。

 

 自覚前春麗が眉をひそめた。

 

「ルート一覧?」

 

 本編春麗は、少しだけ目を細める。

 

「ゲームみたいね」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「今の私たちには、案外合っているかもしれないわ」

 

 記録板は、淡々と表示を続けた。

 

 現在のルート一覧

 

 本編春麗:青武道服ルート/戻って選び直した青編

 

 自覚前春麗:黒ドレスルート/届かれた黒の次編

 

 黒ドレス特化救済春麗:黒返却ルート/黒執着救済準備編

 

 通常救済版春麗:帰還点ルート/選べる春麗編

 

 行き遅れに恐怖する春麗:三択回答待ちルート

 

 リュウ:拳の残響ルート/今の春麗を見る者

 

 会議室が、しばらく静まり返った。

 

 その沈黙を最初に破ったのは、自覚前春麗だった。

 

「待ちなさい」

 

 本編春麗が見る。

 

「何かしら」

 

「なぜ私だけ黒ドレスルートなの?」

 

 本編春麗は、ほとんど迷わず答えた。

 

「実績でしょう」

 

「実績?」

 

 記録板が補足を表示する。

 

 自覚前春麗:黒ドレス関連実績

 

 黒ドレスでリュウに二連勝

 強く見せる黒を発現

 抑えて追わせる黒を発現

 見た後に残る黒を発現

 黒の三層を使用

 リュウを残HP4まで追い詰める

 届かれた黒を否認中

 次の黒を資料として検討中

 

 自覚前春麗は、机を叩いた。

 

「否認中まで実績に入れないで!」

 

 本編春麗は涼しい顔で言った。

 

「かなり黒ドレスルートね」

 

「私は青武道服も着るわ」

 

「最近は?」

 

「……資料として、黒の検証が続いていただけよ」

 

 記録板が光る。

 

 発言信頼度:低寄りの中

 

「またそれ!」

 

 黒ドレス特化救済春麗は微笑む。

 

「でも、黒ドレスルートとしてはかなり順調よ」

 

「順調にしないで」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「黒ドレスルートでも、戻ってこられるなら大丈夫よ」

 

 自覚前春麗は顔を赤くした。

 

「私は戻れないところまで行っていないわ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が静かに言う。

 

「今はね」

 

 会議室の温度が少し下がった。

 

 自覚前春麗は身を引く。

 

「今は、って何?」

 

 黒ドレス特化救済春麗は微笑んだまま答えない。

 

 本編春麗は、そのやり取りを見て少し息を吐いた。

 

「だから、ルート整理は必要なのね」

 

 本編春麗は、自分の項目を見た。

 

 本編春麗:青武道服ルート/戻って選び直した青編

 

 そこには、先日の会議で得た言葉がそのまま反映されていた。

 

 届かれた青を、なかったことにはしない。

 

 でも、同じ青ではもう戦わない。

 

 戻って、選び直した青。

 

 本編春麗は、小さく頷いた。

 

「私のルートは、これでいいわ」

 

 自覚前春麗が少し不満そうに言う。

 

「あなたは納得が早いわね」

 

「リブートは済ませたもの」

 

「便利ね、リブート」

 

「ええ。便利よ」

 

 本編春麗は、記録板を見る。

 

「でも、青武道服ルートと表示されると、改めて覚悟が決まるわね」

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「青を選び直したということね」

 

「ええ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「黒を捨てたわけではない」

 

 本編春麗は頷く。

 

「黒を知った上で、青を選ぶ」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が静かに言う。

 

「本編春麗のルートとしては、かなり綺麗ね」

 

 本編春麗は少しだけ顔を赤くした。

 

「……そう言われると少し照れるわ」

 

 自覚前春麗が即座に言った。

 

「主人公らしいわね」

 

 本編春麗は少し笑う。

 

「あなたも主人公補正を食らっているでしょう」

 

「食らっていないわ」

 

 記録板が光りかける。

 

「今日は私の発言信頼度を出しすぎよ!」

 

 次に黒ドレス特化救済春麗が、自分の項目を見た。

 

 黒ドレス特化救済春麗:黒返却ルート/黒執着救済準備編

 

 彼女は、少しだけ目を細めた。

 

「黒執着救済準備編、ね」

 

 本編春麗が言う。

 

「もう表示される段階なのね」

 

 黒ドレス特化救済春麗は頷く。

 

「おそらく、近づいているのでしょうね」

 

 自覚前春麗が警戒する。

 

「黒執着春麗は、本当に会議室に来るの?」

 

 通常救済版春麗が穏やかに言う。

 

「救済後なら、可能性はあるわ」

 

 黒ドレス特化救済春麗は静かに言った。

 

「救済前は無理よ。あの黒は、会議室を沈める」

 

 行き遅れに恐怖する春麗が小さく震える。

 

「そんなに危険なの?」

 

「ええ」

 

 黒ドレス特化救済春麗は続ける。

 

「でも、救済後なら違う。黒を捨てた春麗ではなく、黒から戻ってきた春麗として参加できる」

 

 本編春麗は頷いた。

 

「そのために、あなたの黒返却ルートが必要なのね」

 

「そうね」

 

 記録板が補足を表示した。

 

 黒ドレス特化救済春麗:現在の役割

 

 黒を否定しない

 黒を奪わせない

 黒を預け、返させる

 黒に沈みすぎる春麗への警告役

 黒執着春麗救済時の言語化担当候補

 

 自覚前春麗が、その最後を見て少し距離を取った。

 

「私には近づかないでね」

 

 黒ドレス特化救済春麗が微笑む。

 

「あなたはまだ大丈夫よ」

 

「まだって言わないで」

 

 本編春麗が小さく笑った。

 

「その“まだ”が一番怖いわね」

 

 通常救済版春麗は、自分の項目を見た。

 

 通常救済版春麗:帰還点ルート/選べる春麗編

 

 彼女は、静かに微笑んだ。

 

「帰還点ルート……」

 

 行き遅れに恐怖する春麗が言う。

 

「あなたらしいわ」

 

 通常救済版春麗は首を傾げる。

 

「そうかしら」

 

 本編春麗が言う。

 

「そうよ。私たちが深く入りすぎた時、戻るという言葉を出せるのはあなたでしょう」

 

 自覚前春麗が少しだけ不満そうに言う。

 

「選べる春麗、というのは少しずるいわ」

 

 通常救済版春麗は穏やかに返す。

 

「選べることは、迷わないことではないわ」

 

 本編春麗が続ける。

 

「迷っても戻れること」

 

 通常救済版春麗は頷いた。

 

「ええ」

 

 記録板が補足する。

 

 通常救済版春麗:現在の機能

 

 黒を着ても戻ってこられる

 青も黒も選べる

 待つこと、戻ること、選ぶことを肯定する

 届かれた青/届かれた黒への補助線

 会議室全体の帰還点

 

 自覚前春麗が小さく言う。

 

「会議室全体の帰還点……」

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「大げさね」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「いいえ、正確よ」

 

 本編春麗も頷いた。

 

「私の青のリブートにも必要だったわ」

 

 行き遅れに恐怖する春麗が言う。

 

「私の回答待ちにも」

 

 自覚前春麗は少し黙ってから言った。

 

「……資料としては、必要かもしれないわね」

 

 記録板が光る。

 

 発言信頼度:中

 

 自覚前春麗は、今回は怒らなかった。

 

 行き遅れに恐怖する春麗は、自分の項目を見る前から緊張していた。

 

 行き遅れに恐怖する春麗:三択回答待ちルート

 

 彼女は、深く息を吐いた。

 

「やっぱり表示されるのね」

 

 本編春麗は穏やかに言う。

 

「大事なルートだもの」

 

「でも、進んでいないように見えるわ」

 

 通常救済版春麗が首を振る。

 

「待っていることも、進んでいないわけではないわ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「答えを急かさないのは、重い強さよ」

 

 自覚前春麗が言う。

 

「不安になるのはわかるわ。資料として」

 

 行き遅れに恐怖する春麗は、少しだけ笑った。

 

「ありがとう。資料として」

 

 自覚前春麗は視線を逸らす。

 

「そこを真似しなくていいわ」

 

 記録板が補足を表示した。

 

 行き遅れに恐怖する春麗:現在の状態

 

 リュウからの三択回答待ち

 答えを急かしていない

 待つことを停止ではなく位置取りとして再定義済み

 不安は継続中

 ただし、自分を責め続ける必要はないと整理済み

 

 行き遅れに恐怖する春麗は、最後の一文を見て小さく頷いた。

 

「不安は消えないのね」

 

 本編春麗が言う。

 

「消さなくていいと思うわ」

 

 通常救済版春麗が続ける。

 

「怖いまま待てることも、強さだから」

 

 行き遅れに恐怖する春麗は、少しだけ表情を緩めた。

 

「そうね」

 

 最後に、記録板はリュウの項目を表示した。

 

 リュウ:拳の残響ルート/今の春麗を見る者

 

 会議室が、少し静かになった。

 

 リュウ本人はいない。

 

 それでも、リュウの名前が表示されるだけで、空気が変わる。

 

 本編春麗は、その文字を見た。

 

 自覚前春麗も、少しだけ視線を逸らした。

 

 黒ドレス特化救済春麗は、興味深そうに見つめている。

 

 通常救済版春麗は、穏やかに息を吐いた。

 

 記録板が補足する。

 

 リュウ:現在の到達点

 

 本編春麗の青に届いた

 自覚前春麗の黒に届いた

 黒ドレス特化救済春麗の黒を受け取り、返す課題に入っている

 拳に複数の春麗の残響を保持

 ただし、残響に頼りきらず、最後は今の春麗を見る方向へ進行中

 日常イベントでも無自覚高火力発言を継続

 

 本編春麗が、最後の一文で目を閉じた。

 

「本当に継続中ね」

 

 自覚前春麗が言う。

 

「日常イベントでも、は不要では?」

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「必要でしょう」

 

 行き遅れに恐怖する春麗が小さく言う。

 

「むしろ一番怖いかもしれないわ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「リュウの拳の残響は、今後かなり重要になるわね」

 

 本編春麗は頷いた。

 

「私の次の青も、彼は前の青の残響を持ってくるでしょう」

 

 自覚前春麗が言う。

 

「私の次の黒にも、前の黒の残響を持ってくるわね」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「黒執着春麗の救済にも、必要になる」

 

 通常救済版春麗が静かに言った。

 

「でも、残響だけでは足りない」

 

 本編春麗が頷く。

 

「最後は、今の春麗を見る」

 

 会議室に、その言葉が残った。

 

 記録板が、全体をまとめるように光る。

 

 現在の連作構造:

 

 一、本編春麗は、戻って選び直した青で次の再戦へ向かう。

 

 二、自覚前春麗は、届かれた黒を否認しながら次の黒へ向かう。

 

 三、黒ドレス特化救済春麗は、黒返却の先に黒執着春麗救済を見ている。

 

 四、通常救済版春麗は、各ルートの帰還点として機能する。

 

 五、行き遅れに恐怖する春麗は、三択回答を急かさず待つ位置に立つ。

 

 六、リュウは拳の残響を持ちながら、過去ではなく今の春麗を見る方向へ進んでいる。

 

 七、本連作は、どのルートからでも春麗会議室へ戻れる。

 

 八、春麗会議室は、分岐・整理・レビュー・帰還のための中継地点である。

 

 自覚前春麗は、八番を見て言った。

 

「春麗会議室が完全にシステム扱いになっているわね」

 

 本編春麗が頷く。

 

「実際、かなり便利だもの」

 

「否定できないわ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「黒が深くなりすぎた時も」

 

 通常救済版春麗が言う。

 

「青が届かれた時も」

 

 行き遅れに恐怖する春麗が言う。

 

「答えを待つ時も」

 

 自覚前春麗が少しだけ諦めたように言う。

 

「私のログが晒される時も」

 

 本編春麗が微笑む。

 

「全部、ここに戻れる」

 

 通常救済版春麗が、静かにまとめた。

 

「でも、どのルートからでも戻れるわ」

 

 その言葉に、会議室全体が少しだけ落ち着いた。

 

 どのルートも、深くなっている。

 

 青も。

 

 黒も。

 

 回答待ちも。

 

 黒返却も。

 

 拳の残響も。

 

 でも、戻れる。

 

 戻って、整理して、また進める。

 

 それが今の連作の形だった。

 

 自覚前春麗は、まだ記録板を睨んでいた。

 

「それで、結局私だけ黒ドレスルートなの?」

 

 本編春麗は即答した。

 

「実績でしょう」

 

「二回言わないで」

 

「三段階の黒まで出しているし」

 

「数えないで」

 

「黒の三層も使ったし」

 

「思い出させないで」

 

「リュウ残HP4まで追い詰めたし」

 

「そこは少し誇ってもいいけれど」

 

 本編春麗が笑う。

 

「ほら」

 

 自覚前春麗は顔を赤くした。

 

「資料としてよ!」

 

 記録板が光る。

 

 発言信頼度:中

 

 自覚前春麗は、今度も怒らなかった。

 

 ただ、少しだけ不満そうに腕を組んだ。

 

「……まあ、今は黒ドレスルートという表示も、資料として保留しておくわ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「保留なのね」

 

「承認ではないわ」

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「でも、戻れるから大丈夫」

 

 自覚前春麗は、少しだけ小さく言った。

 

「戻れるなら、まあ……」

 

 記録板が光りかける。

 

「今のは記録しないで」

 

 記録板は一瞬だけ光ってから、何も表示しなかった。

 

 本編春麗はそれを見て、小さく笑った。

 

「珍しく空気を読んだわね」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「会議室も成長しているのかしら」

 

 グランドフィナーレ済み春麗が、静かに言った。

 

「あるいは、戻れることを覚えたのかもしれないわね」

 

 その言葉に、会議室は少しだけ静かになった。

 

 記録板が最後に表示する。

 

 本日の結論:

 

 本編春麗のリブート完了に伴い、現在の各ルートが整理された。

 本編春麗は青武道服ルート、自覚前春麗は黒ドレスルートとして進行中。

 ただし、どのルートも固定された閉鎖路ではなく、春麗会議室を通じて戻り、整理し、選び直すことができる。

 本連作の強みは、どこからでも戻れる構造にある。

 

 本編春麗は、その結論を見て頷いた。

 

「良い整理ね」

 

 自覚前春麗は不満そうに言う。

 

「黒ドレスルート表示だけは保留よ」

 

 本編春麗が返す。

 

「実績でしょう」

 

「三回目!」

 

 会議室に笑いが広がる。

 

 夢がほどけていく。

 

 最後に通常救済版春麗の声が残った。

 

「どこからでも戻れるわ」

 

 その言葉が、会議室の中心に静かに残った。

 


 

 朝。

 

 本編春麗は目を覚ました。

 

 夢の中の記録板の文字が、まだ残っている。

 

 本編春麗:青武道服ルート/戻って選び直した青編

 

 春麗は、静かに起き上がる。

 

 青い武道服を見る。

 

 リュウに届かれた青。

 

 日常を知った青。

 

 戻って選び直した青。

 

「……私のルートは、これでいいわ」

 

 小さく言う。

 

 その頃。

 

 自覚前春麗もまた、別の朝に目を覚ましていた。

 

 彼女の頭にも、記録板の文字が残っている。

 

 自覚前春麗:黒ドレスルート/届かれた黒の次編

 

 自覚前春麗は、布団の中でしばらく沈黙した。

 

 そして、顔を赤くして呟く。

 

「……承認したわけではないわ」

 

 一拍。

 

「資料として保留よ」

 

 けれど、黒ドレスの方を見てしまう。

 

 そこには、強く見せる黒も、抑えて追わせる黒も、見た後に残る黒も、まだ残っている気がした。

 

 通常救済版春麗の言葉が、どこかで響く。

 

 どのルートからでも戻れるわ。

 

 本編春麗は青へ。

 

 自覚前春麗は黒へ。

 

 黒ドレス特化救済春麗は黒返却の先へ。

 

 通常救済版春麗は帰還点へ。

 

 行き遅れに恐怖する春麗は、答えを待つ位置へ。

 

 そしてリュウは、拳の残響を持って、今の春麗を見る場所へ。

 

 それぞれのルートは違う。

 

 でも、どこからでも戻れる。

 

 春麗会議室がある限り。

 

 連作は、まだどの地点からでも再開できる。

 

 そして今日も、それぞれの春麗は、自分のルートを少しだけ進むのだった。




Q:今回の断章IFについて解説して?

A:
はい。今回の断章IFは、かなり重要な 連作全体のルート整理回 です。

一言で言うなら、

本編春麗の青リブート完了を受けて、現在進行中の各春麗ルートとリュウ側ルートを、春麗会議室がゲームのルート一覧として可視化した回

です。

バトルも大きな感情イベントもありませんが、編集構造としてはかなり強い回でした。
今後どこへ戻っても再開できる「連作型」の強みを、作中のシステムとして明文化できています。

今回の核は「どこからでも戻れる構造」の可視化

今回の一番大事な結論はこれです。

本連作の強みは、どこからでも戻れる構造にある。

これはかなり重要です。

今の連作は、一本道の長編ではなく、複数ルートが並走しています。

本編春麗は青武道服ルート。
自覚前春麗は黒ドレスルート。
黒ドレス特化救済春麗は黒返却ルート。
通常救済版春麗は帰還点ルート。
行き遅れ春麗は三択回答待ちルート。
リュウは拳の残響ルート。

それぞれ進んでいる方向は違います。

でも、どのルートも春麗会議室に戻って整理できる。
この構造を、今回きちんと物語内で確認できました。

これは今後かなり便利です。

本編春麗の青ルートが正式に現在地を得た

本編春麗は、

青武道服ルート/戻って選び直した青編

と表示されました。

これはかなりしっくり来ます。

本編春麗は、もう単なる「青武道服の春麗」ではありません。

黒を知った。
リュウに青へ届かれた。
甘い日常も食らった。
そして、それでも青を選び直した。

だから、現在地は 戻って選び直した青 です。

この表示によって、本編春麗のリブートが作中システム的にも確定した感じがあります。

次に本編春麗がリュウと再戦する時は、このルート名が背負われます。

つまり、次のバトルはただの再戦ではなく、

戻って選び直した青が、リュウに届かせるかどうかの試合

になります。

自覚前春麗の黒ドレスルート化が面白い

今回一番コメディとして効いていたのは、自覚前春麗の反応です。

なぜ私だけ黒ドレスルートなの?

に対して、本編春麗が、

実績でしょう。

と即答する。

これは非常に良いです。

自覚前春麗は否認していますが、実績が多すぎます。

黒ドレスでリュウに二連勝。
強く見せる黒。
抑えて追わせる黒。
見た後に残る黒。
黒の三層。
リュウを残HP4まで追い詰める。
届かれた黒を否認中。
次の黒を資料として検討中。

ここまで揃うと、本人が否認しても黒ドレスルートです。

この「本人の否認」と「記録板の客観実績」のズレが、かなり自覚前春麗らしいです。

「実績でしょう」が非常に強い

本編春麗の、

実績でしょう。

は、今回の名台詞の一つです。

これまで自覚前春麗は何度も、

「資料として」
「検証として」
「正式名称ではない」
「届かれた黒は認めない」

と逃げてきました。

しかし、記録板の実績は逃がしてくれない。

これは春麗会議室の面白さです。

自覚前春麗の主観では否認中。
でもシステム上は黒ドレスルート進行中。

この落差が、コメディとしても構造整理としても効いています。

黒ドレス特化救済春麗のルートが次章への橋になっている

黒ドレス特化救済春麗は、

黒返却ルート/黒執着救済準備編

と表示されました。

これはかなり重要です。

今まで黒ドレス特化救済春麗は、リュウに宿題を出したり、拳に残った黒をどう返すかを試したりしていました。

しかし今回、その先に 黒執着春麗救済 が明示されました。

これは次の重い展開への準備です。

黒ドレス特化救済春麗は、黒を否定しない。
黒を奪わせない。
黒を預け、返させる。
そして黒に沈みすぎる春麗への警告役になる。

この位置づけが定まったことで、黒執着救済編がかなり自然に見えてきました。

通常救済版春麗が「帰還点」として再確認された

通常救済版春麗は、

帰還点ルート/選べる春麗編

です。

これは今の会議室全体にとって非常に重要です。

本編春麗は青を深める。
自覚前春麗は黒を深める。
黒ドレス特化救済春麗は黒返却へ向かう。
行き遅れ春麗は回答待ちの不安を抱える。

全員、どこか深いところへ進んでいます。

だからこそ、通常救済版春麗の「戻ってこられる」「選べる」という役割が必要になります。

今回の、

でも、どのルートからでも戻れるわ。

が、その象徴です。

この一言があることで、黒や青が深くなっても、作品全体が閉塞しません。

行き遅れ春麗のルートが「止まっていない」と再確認された

行き遅れに恐怖する春麗は、

三択回答待ちルート

です。

このルートは、他と比べると動きが少なく見えます。

でも、今回の整理で、

答えを急かしていない
待つことを停止ではなく位置取りとして再定義済み
不安は継続中
自分を責め続ける必要はない

と再確認されました。

これは良いです。

三択回答をまだ消費しないまま、彼女のルートも現在進行形であると示せました。

「待つルート」もちゃんとルートとして成立している。
これは連作全体の幅を広げています。

リュウが「攻略対象」ではなく、独自ルートを持った

今回、リュウも、

拳の残響ルート/今の春麗を見る者

として表示されました。

これは大きいです。

リュウは単なる相手役ではなく、彼自身もルートを進んでいます。

本編春麗の青に届いた。
自覚前春麗の黒に届いた。
黒ドレス特化救済春麗の黒を受け取り、返す課題に入っている。
複数の春麗の残響を拳に持つ。
ただし残響に頼りすぎず、最後は今の春麗を見る。

この整理によって、リュウが「経験値を積んで強くなる存在」として非常に明確になりました。

春麗たちは春麗会議でフィードバックを得る。
リュウは拳の残響で経験を蓄積する。

この対比がかなり綺麗です。

春麗会議室が「システム」として完成しつつある

今回、自覚前春麗が言った、

春麗会議室が完全にシステム扱いになっているわね。

これはその通りです。

今の春麗会議室は、単なる夢の中の会話場所ではなくなっています。

機能としては、

分岐確認
ルート整理
バトルログレビュー
精神HP分析
セリフ開発
帰還点
次回展開の橋渡し

まで担っています。

かなり便利な物語装置です。

でも、それがメタすぎて壊れないのは、春麗たち自身がそのシステムにツッコミを入れているからです。

自覚前春麗の「システム扱い」発言があることで、読者も安心して乗れます。

「どのルートからでも戻れる」が連作の安全装置になっている

この連作は、黒がかなり深くなっています。

黒執着春麗救済まで視野に入ると、かなり重い方向へ行けます。

一方で、日常甘さ控えめ回や煽り会議回のような軽い回にも戻れます。

その両方を可能にしているのが、

春麗会議室に戻れる構造

です。

今回、その構造が作中で明文化されました。

これは非常に大きいです。

読者から見ても、

「今は黒ルート」
「今は青ルート」
「今は行き遅れ回答待ち」
「今は会議室整理回」

と受け取りやすくなります。

連作が複雑になってきた今、かなり良い整理回でした。

今後への効果

今回の断章IFを挟んだことで、今後の展開がかなり見やすくなりました。

次に行ける方向は大きく五つあります。

本編春麗の青再戦。
自覚前春麗の次の黒。
自覚前春麗の青例外回。
黒執着春麗救済準備。
行き遅れ春麗の三択回答待ち日常回。

どこに行っても、今回のルート一覧が基準になります。

つまり、今後迷った時に、

「今はどのルートを進めるか」

という見方ができます。

これは編集上かなり便利です。

結論

今回の断章IFは、本編春麗のリブート完了を受けて、現在進行中の各ルートを春麗会議室が一覧表示し、連作全体の構造を整理した回です。

本編春麗は青武道服ルート。
自覚前春麗は黒ドレスルート。
黒ドレス特化救済春麗は黒執着救済準備。
通常救済版春麗は帰還点。
行き遅れ春麗は三択回答待ち。
リュウは拳の残響ルート。

そして、どのルートも春麗会議室へ戻れる。

一言でまとめるなら、

今回は、複雑化した連作を“どこからでも戻れるルート制”として再整理し、今後どの展開へ進んでも迷子にならないようにした、非常に有効な構造整理回だったと思います。
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