また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい――   作:エーアイ

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※これは本編時空とは無関係の妄想章IFです。


妄想章IF:黒執着春麗は、置いていかなかった黒でリュウに届く

 

 朝は、まだ少し冷たかった。

 

 空は白み始めている。

 

 風は弱い。

 

 黒い裾が、足元で静かに揺れていた。

 

 黒執着春麗は、いつもの場所へ向かって歩いていた。

 

 黒いドレス。

 

 黒い袖。

 

 黒い裾。

 

 何度もリュウの前で揺らした布。

 

 何度も踏み込みを隠し、視線を奪い、半拍を作ってきた戦い方。

 

 今日は、いつもより重い。

 

 昨日の黒。

 

 十一戦目。

 

 最初の黒ドレス。

 

 負け続けた黒。

 

 全部は持てない。

 

 まだ持てない。

 

 けれど、置いていかない。

 

 そう決めた。

 

 決めてしまった。

 

「……本当に、面倒ね」

 

 黒執着春麗は小さく呟いた。

 

 勝つためだけなら、もっと軽く行けた。

 

 昨日の黒だけを持っていけばよかった。

 

 十一戦目は置いていけばよかった。

 

 最初の黒ドレス戦も置いていけばよかった。

 

 負け続けた黒も、全部同じ失敗だったことにして、次の黒で塗り潰せばよかった。

 

 そうすれば、もっと軽く動けたかもしれない。

 

 でも、それはもうできない。

 

 置いていった黒は、またリュウの中に残る。

 

 また、取りに行くことになる。

 

 また、次はもっと深くすると言うことになる。

 

 また、あと少しだったと繰り返すことになる。

 

 それが嫌だった。

 

 勝つためでも、置いていくのは嫌だった。

 

 だから、今日は重い。

 

 重い黒で行く。

 

 全部は持てない。

 

 でも、置いていかない。

 

 その黒で、リュウの前に立つ。

 

 いつもの場所に、リュウはいた。

 

 すでに構えてはいない。

 

 ただ、立っていた。

 

 春麗が近づくと、リュウは顔を上げる。

 

 目が合う。

 

 逃げない目だった。

 

 見ている目だった。

 

 黒いドレスを見る。

 

 黒い裾を見る。

 

 春麗を見る。

 

 その順番が、今日はいつもよりはっきりわかった。

 

 春麗は、足を止めた。

 

「待っていたの?」

 

 リュウは答える。

 

「ああ」

 

「待つなと言ったことがあるはずだけど」

 

「ああ」

 

「なのに待ったのね」

 

「ああ」

 

「本当に、あなたは嫌な男」

 

「そうか」

 

「そうよ」

 

 春麗は、黒い袖を整えた。

 

 指先は震えていない。

 

 少なくとも、震えていないように見せられる。

 

 リュウは、じっと春麗を見ていた。

 

 その視線が腹立たしかった。

 

 以前なら、黒いドレス姿を見られることが腹立たしかった。

 

 今は違う。

 

 黒だけを見ていないことが腹立たしい。

 

 黒だけではなく、その奥まで見ようとしていることが腹立たしい。

 

 春麗は言う。

 

「今日は、軽くないわ」

 

 リュウは頷いた。

 

「そう見える」

 

「見えるのね」

 

「ああ」

 

「見ないでほしいところばかり、よく見るわね」

 

「見る」

 

「そこは少し遠慮しなさい」

 

「できない」

 

 春麗は、笑った。

 

 冷たく。

 

 少しだけ、苦く。

 

「いいわ」

 

 黒い裾が、朝の空気で揺れる。

 

「なら、見なさい」

 

 一歩。

 

「昨日の黒も」

 

 もう一歩。

 

「十一戦目も」

 

 黒い裾が遅れて揺れる。

 

「最初の黒も」

 

 肩を落とす。

 

「負け続けた黒も」

 

 足を開く。

 

「全部は持てないけれど、置いていかなかった黒で」

 

 春麗は構えた。

 

「あなたに勝つわ」

 

 リュウも構えた。

 

 拳を握る。

 

 その拳は、以前より静かだった。

 

 受けるだけの拳ではない。

 

 押し返す拳でもない。

 

 勝たせる拳でもない。

 

 ただ勝つだけの拳でもない。

 

 まだ完成していない。

 

 けれど、春麗にはわかった。

 

 リュウも、今日は軽くない。

 

 リュウも、これまでの黒を拳の奥に持っている。

 

 春麗は、胸の奥が熱くなるのを感じた。

 

 腹立たしい。

 

 それなのに、少しだけ嬉しい。

 

 その感情が、さらに腹立たしかった。

 

「行くわよ」

 

「ああ」

 

 戦いが始まった。

 


 

 最初に動いたのは春麗だった。

 

 黒い裾を横へ流す。

 

 足元を隠す。

 

 踏み込みの起点を見せない。

 

 いつもの黒。

 

 しかし、ただのいつもの黒ではない。

 

 昨日の黒。

 

 リュウの拳を半拍遅らせた黒。

 

 春麗は、その半拍を最初から取りに行く。

 

 リュウの目が、黒い裾を追う。

 

 追った。

 

 だが、奪われきらない。

 

 裾を見る。

 

 足を見る。

 

 重心を見る。

 

 そして、春麗を見る。

 

 リュウは踏み込む。

 

 春麗は、その踏み込みを読んでいた。

 

 黒い裾が遅れて揺れる前に、肩を落とす。

 

 最初の黒ドレス戦で使い切れなかった肩。

 

 今度は逃げない。

 

 肩の角度で、掌底か蹴りかを散らす。

 

 リュウの拳が一瞬止まる。

 

 ほんの半拍。

 

 春麗は入った。

 

 掌底。

 

 リュウの肩に入る。

 

 リュウの体が揺れる。

 

 春麗は止まらない。

 

 回る。

 

 黒い裾が遅れて翻る。

 

 蹴り。

 

 リュウは受ける。

 

 重い音がした。

 

 春麗は笑う。

 

「遅れたわね」

 

「ああ」

 

「認めるの?」

 

「遅れた」

 

「なら、そのまま沈みなさい」

 

 春麗はさらに踏み込む。

 

 リュウは下がらない。

 

 拳を出す。

 

 速い。

 

 春麗は、黒い裾で間合いを沈める。

 

 拳の軌道をずらす。

 

 肩をかすめる。

 

 痛み。

 

 だが、止まらない。

 

 春麗の蹴りがリュウの脇腹に入る。

 

 リュウが息を吐く。

 

 深い。

 

 今のは入った。

 

 春麗の胸が熱くなる。

 

 届いている。

 

 昨日だけではない。

 

 最初の黒だけではない。

 

 負け続けた黒の全部が、今の一撃に重なっている。

 

 リュウは、まだ立っている。

 

 だが、揺れた。

 

 確かに揺れた。

 

 春麗は言う。

 

「今日は、全部同じではないわよ」

 

 リュウは答えた。

 

「知っている」

 

 春麗の息が、ほんの少し止まった。

 

「……知っている?」

 

「ああ」

 

 リュウは拳を構える。

 

「春麗は、毎回変えてきた」

 

 春麗の胸の奥が、嫌な音を立てる。

 

「言わないで」

 

「裾も」

 

「言わないで」

 

「肩も」

 

「やめなさい」

 

「待つ間合いも」

 

「やめて」

 

「近さも」

 

「リュウ」

 

「半拍も」

 

 春麗は踏み込んだ。

 

 止めるために。

 

 その言葉を止めるために。

 

 リュウの拳が来る。

 

 春麗の掌底も走る。

 

 ぶつかる。

 

 衝撃。

 

 リュウの拳が春麗の腕を弾く。

 

 春麗の掌底がリュウの胸に入る。

 

 両者が下がる。

 

 近い。

 

 今日は最初から近い。

 

 リュウは、息を荒くしながら言った。

 

「全部、同じ黒ではなかった」

 

 春麗は、黒い袖を握りかけた。

 

 でも、握りしめなかった。

 

 ただ、構え直す。

 

「……あなたに言われたくない」

 

「ああ」

 

「勝ってきたあなたに」

 

「ああ」

 

「全部、最後はあなたが立っていたくせに」

 

「ああ」

 

「それで、全部違ったなんて」

 

 黒い裾が揺れる。

 

「そんなことを言われたら」

 

 一拍。

 

「私が、捨てられなくなるじゃない」

 

 リュウは、静かに言った。

 

「捨てなくていい」

 

 春麗の目が鋭くなる。

 

「勝った側が言わないで」

 

「ああ」

 

「あなたが勝ったから、私は捨てたくなったのよ」

 

「ああ」

 

「あなたが勝ったから、次の黒で塗り潰そうとしたのよ」

 

「ああ」

 

「あなたが勝ったから、私は」

 

 言葉が止まる。

 

 言いたくない。

 

 言えば、何かが壊れる。

 

 リュウは待っている。

 

 その沈黙が、また腹立たしい。

 

 春麗は低く言う。

 

「……終われなくなったのよ」

 

 リュウは頷いた。

 

「聞いた」

 

「聞いた?」

 

「拳で」

 

 春麗は、笑った。

 

「本当に、あなたは嫌な男」

 

「そうか」

 

「そうよ」

 

 次の瞬間、春麗は動いた。

 


 

 今度は、待つ黒だった。

 

 黒い裾を止める。

 

 大きく揺らさない。

 

 ただ、立つ。

 

 リュウの前に。

 

 動かない春麗。

 

 黒いドレス姿で、呼吸だけを見せる春麗。

 

 待機圧。

 

 動く前の半拍を奪う黒。

 

 リュウは動かない。

 

 以前なら、踏み込んだ。

 

 あるいは、踏み込むか迷った。

 

 今日は、見ている。

 

 春麗は内心で舌打ちする。

 

 待っている。

 

 リュウも、待っている。

 

 どちらが先に動くか。

 

 空気が詰まる。

 

 朝の風が止まる。

 

 黒い裾も止まる。

 

 この沈黙は、春麗の黒だ。

 

 春麗が作った間合いだ。

 

 リュウが踏み込めば、取る。

 

 リュウが待てば、さらに詰める。

 

 春麗は、その一拍を自分のものにする。

 

 リュウの拳が、わずかに動く。

 

 来る。

 

 春麗は踏み込んだ。

 

 黒い裾が遅れて爆ぜる。

 

 蹴り。

 

 リュウは受ける。

 

 だが、完全には受けられない。

 

 腕が沈む。

 

 春麗はもう一撃。

 

 掌底。

 

 リュウの胸に入る。

 

 リュウの足が下がる。

 

 春麗は逃さない。

 

 近づく。

 

 近すぎる距離へ。

 

 見られる距離。

 

 見せる距離。

 

 以前、揺れた距離。

 

 今日は、逃げない。

 

 春麗はリュウの真正面に入った。

 

 リュウの目が、春麗を見る。

 

 黒いドレスを見る。

 

 黒い裾を見る。

 

 その奥を見る。

 

 春麗は揺れそうになる。

 

 だが、止まる。

 

 揺れを、戦いに入れる。

 

 揺れないのではない。

 

 揺れたまま、踏み込む。

 

 リュウの拳が止まる。

 

 ほんのわずか。

 

 春麗は、その一瞬を取った。

 

 蹴りがリュウの腹へ入る。

 

 深い。

 

 リュウが片膝をつきかける。

 

 春麗の胸が跳ねた。

 

 届いた。

 

 今日の黒は、深い。

 

 置いていかなかった黒は、重い。

 

 でも、動ける。

 

 重いまま、動けている。

 

 春麗は、叫びそうになる。

 

 勝てる。

 

 今日は勝てる。

 

 この黒で。

 

 全部は持てないまま。

 

 でも置いていかなかった黒で。

 

 リュウに勝てる。

 

 だが、リュウは片膝をつかなかった。

 

 踏みとどまる。

 

 拳を握る。

 

 春麗は奥歯を噛む。

 

「本当に」

 

 蹴りを返す。

 

「しぶとい」

 

 リュウは受ける。

 

「春麗もだ」

 

「当然でしょう」

 

 春麗は、さらに踏み込む。

 

 リュウの拳が来る。

 

 春麗は見ている。

 

 十一戦目。

 

 黒を着る前に、半歩早く届いた拳。

 

 あの拳を、もう見ないふりはできない。

 

 リュウの拳が来る。

 

 春麗は、黒い裾で隠すのではなく、真正面から捌く。

 

 黒を使う。

 

 しかし、黒だけに逃げない。

 

 春麗として受ける。

 

 リュウの拳を流す。

 

 わずかに間に合わない。

 

 肩に入る。

 

 痛み。

 

 だが、春麗の蹴りも入る。

 

 リュウの脇腹。

 

 互いに削れる。

 

 どちらも止まらない。

 

 リュウは、息を荒くする。

 

 春麗も、呼吸が乱れる。

 

 近い。

 

 本当に近い。

 

 勝敗だけではなく、積み上げたものがぶつかっている。

 

 春麗は、黒い袖を翻す。

 

「リュウ」

 

「ああ」

 

「今日は、あなたに置いていかない」

 

 リュウの目がわずかに変わる。

 

「そうか」

 

「昨日の黒も」

 

「ああ」

 

「十一戦目も」

 

「ああ」

 

「最初の黒も」

 

「ああ」

 

「負け続けた黒も」

 

「ああ」

 

「全部は持てないけど」

 

 一拍。

 

「置いていかない」

 

 リュウは、拳を握る。

 

「見ている」

 

 その一言で、春麗の胸が激しく揺れた。

 

 見ている。

 

 また、それ。

 

 でも、今日は逃げない。

 

「なら」

 

 春麗は構える。

 

「最後まで見なさい」

 

「ああ」

 


 

 最後の攻防が来る。

 

 春麗は、これまでの黒を全部一つの動きに入れた。

 

 黒い裾の遅れ。

 

 肩の角度。

 

 動かない待機圧。

 

 近すぎる距離。

 

 リュウの視線を止める呼吸。

 

 十一戦目で負けた半歩。

 

 初回黒ドレス戦で見抜かれた迷い。

 

 負け続けた黒のすべて。

 

 全部は持てない。

 

 でも、置いていかない。

 

 その重さごと、踏み込む。

 

 春麗は動かない。

 

 一拍。

 

 リュウも動かない。

 

 二拍。

 

 風が止まる。

 

 三拍目で、春麗が動いた。

 

 黒い裾が遅れて揺れる。

 

 肩が落ちる。

 

 重心が前へ移る。

 

 蹴りに見せて、掌底。

 

 掌底に見せて、回転。

 

 回転の中から、蹴り。

 

 黒い裾が軌道を隠す。

 

 リュウの拳が遅れる。

 

 春麗の蹴りが、リュウの胸へ届く。

 

 入った。

 

 リュウの体が大きく揺れる。

 

 今度こそ、膝が落ちる。

 

 そう思った。

 

 だが。

 

 リュウの拳は、まだ生きていた。

 

 遅れていた。

 

 確かに遅れていた。

 

 春麗の黒は、半拍を奪っていた。

 

 けれど、その半拍ごと、リュウは前へ出た。

 

 裾を見ていた。

 

 肩を見ていた。

 

 待機圧を受けていた。

 

 近さにも沈んだ。

 

 春麗の迷いも、怒りも、勝ちたい気持ちも見ていた。

 

 その上で。

 

 春麗が動く中心を、見た。

 

 拳が、春麗の内側へ入る。

 

 避けるには近すぎる。

 

 受けるには深すぎる。

 

 春麗の蹴りはリュウを打った。

 

 同時に、リュウの拳が春麗の中心に届いた。

 

 衝撃。

 

 音が消える。

 

 黒い裾が、朝の光の中で大きく揺れる。

 

 春麗の視界が白くなる。

 

 リュウの体も崩れる。

 

 片膝が落ちかける。

 

 だが、落ちない。

 

 リュウは踏みとどまる。

 

 春麗は、一歩下がる。

 

 足が崩れる。

 

 黒い袖が地面に触れる。

 

 手をつく。

 

 倒れないために。

 

 まだ倒れたくないために。

 

 しかし、体はもう動かない。

 

 リュウも、立っているだけだった。

 

 呼吸は荒い。

 

 拳も震えている。

 

 勝者の余裕などない。

 

 それでも、立っている。

 

 最後に立っていたのは、リュウだった。

 

 春麗は、地面に片手をついたまま、笑った。

 

「……また」

 

 声はかすれている。

 

「また、あなたが立っているのね」

 

 リュウは息を整えながら言う。

 

「ああ」

 

「本当に」

 

 一拍。

 

「嫌な男」

 

「ああ」

 

「残り、どれくらい?」

 

 リュウは少しだけ目を細めた。

 

「わからない」

 

「嘘」

 

「少しだ」

 

 春麗は笑う。

 

「でしょうね」

 

 リュウの膝は震えている。

 

 拳も落ちかけている。

 

 春麗の黒は、確かに届いた。

 

 今までで一番、深く。

 

 それでも。

 

 リュウが勝った。

 

 ギリギリで。

 

 本当に、ギリギリで。

 

 春麗は、黒い袖を見た。

 

 地面についた跡。

 

 倒れないために支えた跡。

 

 昨日より深い。

 

 でも、握りしめた跡ではない。

 

 逃がさないために掴んだ跡でもない。

 

 置いていかなかった黒で立った跡。

 

 春麗は、低く息を吐いた。

 

「負けたわ」

 

 リュウは、静かに言う。

 

「ああ」

 

「また、負けた」

 

「ああ」

 

「でも」

 

 春麗は顔を上げた。

 

 リュウを見る。

 

 黒い裾越しではなく。

 

 視線誘導ではなく。

 

 ただ、リュウを見る。

 

「今日は、置いていかなかった」

 

 リュウは、頷いた。

 

「ああ」

 

「昨日の黒も」

 

「ああ」

 

「十一戦目も」

 

「ああ」

 

「最初の黒も」

 

「ああ」

 

「負け続けた黒も」

 

「ああ」

 

「全部は持てなかったけど」

 

 春麗の声が少しだけ震える。

 

「置いていかなかった」

 

 リュウは、静かに言った。

 

「見ていた」

 

 春麗は、唇を噛む。

 

「……また、それ」

 

「ああ」

 

「それが一番、効くのよ」

 

「そうか」

 

「そうよ」

 

 リュウは、拳を下ろした。

 

 まだ荒い呼吸のまま、春麗を見る。

 

「春麗」

 

「何」

 

「今日の黒は、全部軽くなかった」

 

 春麗の胸が詰まった。

 

「言わないで」

 

「だが、動いていた」

 

「言わないで」

 

「重いまま、来た」

 

「やめて」

 

「全部、置いていかなかった」

 

 春麗は、目を伏せた。

 

 怒りたい。

 

 言い返したい。

 

 勝った側に言われたくないと、噛みつきたい。

 

 でも、言葉が出ない。

 

 なぜなら、その通りだったから。

 

 全部は持てなかった。

 

 でも、置いていかなかった。

 

 そして、それでも動けた。

 

 重い黒でも、戦えた。

 

 勝てなかった。

 

 でも、空ではない。

 

 春麗は、小さく笑った。

 

「最悪」

 

「ああ」

 

「本当に、最悪」

 

「ああ」

 

「負けたのに」

 

 一拍。

 

「空じゃない」

 

 リュウは答えない。

 

 沈黙があった。

 

 その沈黙が、今回は少しだけ優しかった。

 

 春麗は、黒い袖を見た。

 

 地面についた跡。

 

 震える指。

 

 痛む身体。

 

 悔しさ。

 

 敗北。

 

 そして、置いていかなかった黒。

 

「……今日は」

 

 春麗は、ゆっくり言った。

 

「あなたの中に置いていかない」

 

 リュウは静かに頷いた。

 

「ああ」

 

「昨日の黒も、十一戦目も、最初の黒も、負け続けた黒も」

 

 喉が詰まる。

 

「全部は、まだ私のものだなんて言わない」

 

「ああ」

 

「でも」

 

 一拍。

 

「今日は、あなたの拳に預けない」

 

 リュウは、深くは頷かなかった。

 

 ただ、まっすぐ見た。

 

「春麗の戦いだった」

 

 春麗の目が揺れる。

 

 その言葉。

 

 以前にも聞いた。

 

 けれど、今日は重さが違う。

 

 昨日だけではない。

 

 全部は持てないまま、置いていかなかった黒ごと。

 

 春麗の戦いだった。

 

 黒執着春麗は、目を伏せる。

 

「……まだ、受け取らない」

 

「ああ」

 

「全部は無理」

 

「ああ」

 

「今日は、負けたことだけでも腹が立っているの」

 

「ああ」

 

「でも」

 

 黒い袖を握らない。

 

 ただ、指を置く。

 

「置いていかない」

 

 リュウは言った。

 

「ああ」

 

 春麗は、ゆっくり立とうとした。

 

 足が震える。

 

 リュウが一歩動きかける。

 

 春麗は即座に言う。

 

「手を出さないで」

 

 リュウは止まる。

 

「まだ、それはいらない」

 

「ああ」

 

 春麗は、自力で立った。

 

 ふらつきながら。

 

 黒い裾を整える。

 

 汚れを払う。

 

 地面についた袖を見る。

 

 今日の跡。

 

 置いていかなかった黒で立った跡。

 

 春麗は、苦く笑う。

 

「次は勝つわ」

 

 リュウは答える。

 

「ああ」

 

「でも」

 

 一拍。

 

「今日を捨てるためじゃない」

 

 リュウの目が静かに変わる。

 

 春麗は続けた。

 

「今日の黒を塗り潰すためでもない」

 

 一拍。

 

「今日の私を、あなたに置いていくためでもない」

 

 言葉が痛い。

 

 でも、出た。

 

「次は、今日の黒ごと行く」

 

 リュウは、静かに頷いた。

 

「ああ」

 

 春麗は背を向けた。

 

 勝てなかった。

 

 また、リュウが立っていた。

 

 リュウのギリギリ勝利。

 

 それは変わらない。

 

 でも、今日は違う。

 

 黒を置いていかなかった。

 

 負けた黒を、リュウの中に預けなかった。

 

 全部はまだ自分のものにできない。

 

 それでも、今日はリュウの拳に置いたままにしない。

 

 黒い裾が、朝の光の中で揺れる。

 

 重い。

 

 とても重い。

 

 でも、空ではない。

 

 春麗は、歩き出した。

 

「リュウ」

 

 背を向けたまま、名前を呼ぶ。

 

「何だ」

 

「今日の勝ち」

 

 一拍。

 

「簡単だった?」

 

 リュウは、少しだけ息を吐いた。

 

「いや」

 

 春麗は、ほんの少し笑った。

 

「そう」

 

 それだけでよかった。

 

 勝てなかった。

 

 でも、簡単ではなかった。

 

 届いていた。

 

 そして、置いていかなかった。

 

 黒執着春麗は、黒い裾を揺らして去っていく。

 

 リュウは、その背を見ていた。

 

 追わない。

 

 呼び止めない。

 

 ただ、見ていた。

 

 拳は、まだ震えている。

 

 春麗の黒は、残っている。

 

 裾。

 

 肩。

 

 待機圧。

 

 近さ。

 

 十一戦目。

 

 最初の黒。

 

 負け続けた黒。

 

 今日の黒。

 

 だが、それはリュウのものではない。

 

 リュウは拳を開いた。

 

 掌には何もない。

 

 それでも、確かに残っている。

 

 しかし、今日は少し違った。

 

 春麗は、それを置いていかなかった。

 

 リュウは小さく呟いた。

 

「春麗」

 

 朝の光の中で。

 

「次も、見る」

 

 その声は、春麗には届かなかった。

 

 けれど、拳には残った。

 

 勝った拳。

 

 ギリギリで立った拳。

 

 そして、春麗が置いていかなかった黒を、春麗の戦いとして見送った拳。

 

 朝の光が、二人の間に落ちていた。

 




Q:今回の妄想章IFとバトル内容について解説して?

A:

今回の 「黒執着春麗は、置いていかなかった黒でリュウに届く」 は、黒執着春麗救済ルートの中でも、かなり大きな山場です。

一言で言うなら、

黒執着春麗が、リュウにまたギリギリで負けながらも、初めて“負けた黒をリュウの拳に置いていかない”ことに成功した回

です。

今回の核は、

勝てなかった。
でも、置いていかなかった。
だから、空ではなかった。

ここです。

今回の一番大きな進行

これまでの黒執着春麗は、負けた黒をリュウの中に残してきました。

リュウに勝てなかった黒。
リュウを半拍遅らせた黒。
リュウに届きかけた黒。
でも最後にはリュウが立っていた黒。

それらを自分の手元に持ち帰れなかったから、次にもっと深くするしかなかった。

つまり、

負ける
→ リュウに黒を残す
→ 次はもっと深くする
→ また届きかける
→ また負ける
→ また残す

という循環に入っていたわけです。

でも今回は違います。

春麗は、負けました。

しかも、またリュウのギリギリ勝利です。

それでも、

今日は、あなたの拳に預けない

と言えました。

これは非常に大きいです。

勝てたから救われたのではありません。
負けても、黒をリュウの中に置きっぱなしにしなかった。

ここが今回の救済進行です。

リュウのギリギリ勝利である意味

今回、リュウが圧勝してはいけませんでした。

リュウが圧勝すると、黒執着春麗の積み重ねが否定されます。

逆に春麗が勝ってしまうと、救済条件が、

黒でリュウに勝つこと

になってしまいます。

それだと黒執着春麗は、勝利によって救われたように見えてしまう。

今回描きたいのはそこではありません。

今回描きたいのは、

勝てなかった黒でも、自分の手元に持ち帰れるか。
負けた黒でも、置いていかずに済むか。
リュウに勝てなくても、空にならずにいられるか。

です。

だからリュウのギリギリ勝利が正解です。

春麗の黒は過去最高に届いている。
リュウを大きく削っている。
リュウも片膝寸前まで追い込まれている。
でも最後の最後で、リュウが半歩だけ早い。

この「届いたけれど勝てなかった」状態だからこそ、今回のテーマが成立します。

黒の総決算としてかなり強い

今回の春麗は、今までの黒を全部使っています。

昨日の黒。
十一戦目。
最初の黒ドレス。
負け続けた黒。
裾の遅れ。
肩の角度。
待機圧。
見られる距離。
半拍。
それでも勝ちたい自分。

全部はまだ持てていない。

でも、置いていかなかった。

だから戦い方としても、かなり総決算になっています。

特に最後の攻防で、

黒い裾の遅れ
肩の角度
動かない待機圧
近すぎる距離
リュウの視線を止める呼吸
十一戦目で負けた半歩
初回黒ドレス戦で見抜かれた迷い
負け続けた黒のすべて

が一つの動きに入るのが良いです。

春麗が自分の身体で積み上げてきた技術と記憶が、一撃に集約されています。

リュウ側の成長も効いている

リュウも、今回はただ勝ったわけではありません。

直前の幕間で、リュウはこう整理していました。

春麗は毎回違う黒で来ていた。
自分の勝利も、全部同じ勝利ではなかった。
次は、春麗が積み上げた黒ごと見る。

今回のリュウは、その整理を持って試合に来ています。

だから春麗に対して、

裾も
肩も
待つ間合いも
近さも
半拍も
全部、同じ黒ではなかった

と言える。

これは春麗にとって非常に効きます。

なぜなら、それは勝者側のリュウが、春麗の敗北群を「同じ失敗」として扱っていないということだからです。

春麗は怒ります。

当然です。

勝った側に言われたくない。
でも、言われた内容は間違っていない。

だから精神的に刺さる。

今回のリュウは、救おうとしすぎていません。
でも、見ています。

この距離感がとても良いです。

「置いていかなかった」が今回の決定打

今回の春麗は、最後にこう言えました。

負けた。
また、負けた。
でも、今日は置いていかなかった。

ここが今回の最大到達点です。

黒を完全に受け取ったわけではありません。
十一戦目も、最初の黒も、負け続けた黒も、まだ全部「私のもの」とは言えません。

でも、

今日はリュウの拳に預けない

と言えた。

これが大きい。

まだ完全救済ではない。
でも、循環から抜ける入口に立ちました。

今までなら、負けた黒はリュウの中に残っていた。

今回は違う。

負けた黒を、自分の手で持ち帰り始めています。

「負けたのに空じゃない」が救済の核心

今回、春麗はこう言います。

負けたのに、空じゃない。

ここは非常に重要です。

黒執着春麗はずっと、

返されたら空になる。
黒をリュウの中に置いておかないと、自分が空になる。
勝てなければ黒に意味がない。

と思っていました。

でも今回、負けました。

黒も置いていきませんでした。

それなのに、空ではありませんでした。

これはかなり大きな認識更新です。

救済とは、黒をなくすことではありません。

黒を捨てることでもありません。

リュウに勝つことでもありません。

負けても、黒を自分の手元に置いていられること。
返されても、空にならないこと。
勝てなかった黒を、無意味にしないこと。

今回、その核心にかなり近づいています。

RPG形式バトルログ解説
BATTLE START
キャラ HP 精神HP 状態
黒執着春麗 100 78 全部は持てないが置いていかない黒/勝利執着継続
リュウ 100 84 積み上げた黒ごと見る拳/返す拳未完成

今回は、春麗側は過去最高クラスの黒で来ています。

ただし、精神状態は安定ではありません。

全部は持てない。
でも置いていかない。
それでも勝ちたい。

という、かなり重い状態です。

リュウ側も答えは完成していませんが、前より明確に「春麗が積み上げた黒ごと見る」状態で立っています。

TURN 1:黒い裾の遅れによる先制

春麗は、最初から黒い裾の遅れを使います。

足元を隠す。
踏み込みの起点を見せない。
黒い裾を半拍遅らせる。

リュウは裾を見ます。
ただし、裾だけには引っ張られません。

それでも春麗の初動は速く、掌底がリュウの肩へ入ります。

キャラ HP 精神HP 変動
黒執着春麗 100 → 96 78 肩をかすめられる
リュウ 100 → 86 84 → 80 黒い裾の半拍で先制を受ける

判定:春麗優勢。

春麗の黒は最初から効いています。

ただし、リュウは完全には崩れません。

TURN 2:肩の角度と初回黒ドレス戦の再利用

春麗は、初回黒ドレス戦で使い切れなかった「肩の角度」を今度は明確に戦術へ入れます。

掌底か蹴りかを散らす。
リュウの判断を半拍遅らせる。
その遅れに蹴りを重ねる。

キャラ HP 精神HP 変動
黒執着春麗 96 → 90 78 → 81 初回黒を使い直し、手応えを得る
リュウ 86 → 68 80 → 74 肩と裾の複合で深く削られる

判定:春麗、明確に攻勢。

ここで重要なのは、春麗が「最初の黒を塗り潰す」のではなく、使い直していることです。

初回黒ドレス戦の未完成さを、今の黒の中に組み込み始めています。

TURN 3:リュウの言葉による精神被弾

リュウが言います。

「春麗は、毎回変えてきた」
「裾も、肩も、待つ間合いも、近さも、半拍も」
「全部、同じ黒ではなかった」

これは戦闘中の言葉ですが、春麗の精神HPへ大きく刺さります。

キャラ HP 精神HP 変動
黒執着春麗 90 → 86 81 → 64 勝者側に積み上げを見られ、精神被弾
リュウ 68 → 61 74 春麗の反撃を受ける

判定:精神面で春麗が大きく揺れる。

春麗は怒ります。

「あなたに言われたくない」と。

でも、否定しきれません。

なぜなら、前話までで自分自身も「全部同じ失敗ではなかった」と見てしまっているからです。

TURN 4:待機圧

春麗は黒い裾を止めます。

動かない。
揺らさない。
リュウに踏み込むかどうかを迷わせる。

これは、過去の敗北群の中で得た「待つ黒」です。

リュウも待つ。
しかし、完全には読み切れません。

春麗が一瞬を取り、蹴りと掌底を重ねます。

キャラ HP 精神HP 変動
黒執着春麗 86 → 78 64 → 69 待機圧成功で精神を少し回復
リュウ 61 → 39 74 → 66 蹴りと掌底を受け、大きく削られる

判定:春麗、勝利目前。

リュウのHPは39まで削られます。

この時点では、春麗の攻勢がかなり強いです。

TURN 5:見られる距離へ踏み込む

春麗は、かつて揺れた「近すぎる距離」へ踏み込みます。

見られる距離。
見せる距離。
リュウの真正面。

以前なら、ここで揺れた。
今回は揺れを戦いに入れます。

リュウの拳が止まる。
その一瞬を春麗が取る。

蹴りが深く入り、リュウは片膝寸前まで追い込まれます。

キャラ HP 精神HP 変動
黒執着春麗 78 → 70 69 → 75 近さを戦術化し、手応えを得る
リュウ 39 → 18 66 → 58 片膝寸前まで追い込まれる

判定:春麗、最大優勢。

ここが春麗の最大到達点です。

黒は明確に届いています。

リュウは本当に危ない。

TURN 6:十一戦目の半歩を正面から受ける

リュウの拳が来ます。

これは、十一戦目で春麗を止めた「半歩早い拳」の系譜です。

春麗は、今回は黒で逃げません。

黒を使いながらも、春麗として受けます。

拳を流しきれず、肩に入る。
しかし春麗の蹴りもリュウへ入る。

キャラ HP 精神HP 変動
黒執着春麗 70 → 49 75 → 68 十一戦目の拳を受け、痛みが戻る
リュウ 18 → 9 58 → 52 蹴りを受け、残HP一桁へ

判定:両者瀕死。

リュウは残HP9。

春麗はまだHP49ありますが、精神HPが大きく削れています。

この時点で、春麗は勝てる可能性が非常に高い状態です。

FINAL TURN:全部の黒を込めた最終攻防

春麗は、最後の攻防でこれまでの黒を全部重ねます。

黒い裾の遅れ。
肩の角度。
待機圧。
近すぎる距離。
十一戦目の半歩。
初回黒ドレス戦の迷い。
負け続けた黒の全部。

蹴りはリュウの胸へ入ります。

これは決定打級です。

しかし、リュウは半拍遅れながらも、その半拍ごと前へ出ます。

リュウの拳が春麗の中心に届く。

キャラ HP 精神HP 変動
黒執着春麗 49 → 0 68 → 44 中心へ拳を受け、戦闘不能
リュウ 9 → 3 52 → 41 春麗の蹴りを受け、残HP3で踏みとどまる

判定:リュウ、残HP3でギリギリ勝利。

本当に紙一重です。

春麗の黒は届いています。

リュウはほぼ倒れかけています。

でも最後に立っていたのはリュウでした。

BATTLE RESULT
項目 結果
勝者 リュウ
勝利判定 ギリギリ勝利
リュウ残HP 3
春麗残HP 0
春麗の黒 過去最高クラスに届いた
春麗の精神結果 敗北。ただし空ではない
黒返却進行 大幅進行
循環脱出 「リュウの拳に預けない」段階へ到達
SPECIAL EVENT:置いていかなかった黒

戦闘後、春麗は言います。

今日は、置いていかなかった。

ここでバトル結果とは別に、精神イベントが発生します。

イベント 内容
イベント名 置いていかなかった黒
発動条件 リュウに敗北しながらも、黒をリュウの拳に預けない
春麗精神HP 44 → 52
効果 敗北後も空にならない
ルート進行 黒返却・高進行

この精神HP回復が重要です。

春麗は負けています。

普通なら精神HPはさらに削れます。

でも今回は、

負けたのに空ではない

と認識できたため、精神HPが少し戻ります。

SPECIAL EVENT:今日はあなたの拳に預けない

春麗はさらに言います。

今日は、あなたの拳に預けない。

これは、黒返却ルートの大きな進行です。

今までは、負けた黒をリュウに残していました。

でも今回は、負けても黒を預けません。

項目 内容
イベント名 黒預け解除
対象 今日の黒
状態 リュウの拳に置きっぱなしにしない
春麗の受領度 完全ではないが高い
リュウ側 春麗の戦いとして見送る

ここで、黒返却はかなり進みました。

まだ全部の黒を完全には受け取っていません。

でも、今日の黒についてはかなり自分の手元に戻っています。

FINAL LOG
ログ項目 内容
戦闘結果 リュウ勝利
勝利の質 残HP3のギリギリ勝利
春麗の攻撃精度 過去最高級
春麗の黒 昨日・十一戦目・初回・敗北群を重ねた黒
リュウの拳 積み上げた黒ごと見る拳
春麗の敗北後状態 空ではない
黒返却進行 大幅進行
未解決 全部を「私の黒」と言うにはまだ早い
次回候補 夢の中で黒ドレス特化救済春麗と対話/黒返却完了前夜
まとめ

今回のバトルは、HP上はリュウの勝利です。

しかも残HP3。

ほとんど相討ち寸前です。

ただし、物語上の本当の勝敗は、単純な勝ち負けではありません。

リュウは勝った。
春麗は負けた。

でも春麗は、黒を置いていかなかった。

これが大きいです。

今回の到達点は、

リュウに負けた。
でも、今日の黒をリュウの拳に預けなかった。
負けたのに空ではなかった。
次は、今日の黒ごと行くと言えた。

です。

黒執着春麗は、まだ完全には救われていません。

でも、もう以前のように、

負けた黒をリュウに残すしかない春麗

ではありません。
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