また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい――   作:エーアイ

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※本編確定ではなく、断章IFです。
今回はメタ要素多めの春麗会議の説明会になります。


断章IF:春麗会議は、参加者表示の必要性について説明する

 

『本日の会議を開始します』

 

 白い円卓の中央で、記録板AIの文字が淡く光った。

 

 いつもの春麗会議室。

 

 ただし、今日は少しだけ空気が違う。

 

 中央に大きなバトルログは置かれていない。

 

 黒のログ束も、青のログ札も、議題の中心にはない。

 

 代わりに、記録板AIの表示が大きく出ている。

 

『本日の参加者』

 

『本編春麗:常駐参加』

 

『自覚前春麗:常駐参加』

 

『通常救済版春麗:常駐参加』

 

『行き遅れに恐怖する春麗:常駐参加』

 

『黒ドレス特化救済春麗:特別参加』

 

『グランドフィナーレ春麗:特別参加』

 

『記録板AI:進行・記録担当』

 

『黒執着春麗:本日不参加』

 

 表示を見た瞬間、自覚前春麗が手を上げた。

 

「待って」

 

『はい』

 

「最近、それを見るけれど」

 

『はい』

 

「本日の参加者、という表示」

 

『はい』

 

「なんで?」

 

 記録板AIは、一拍置いた。

 

 そして、淡々と表示した。

 

『読者に参加者が分かりにくいからです』

 

 円卓が静かになった。

 

 本編春麗が額に手を当てる。

 

「いきなりメタに踏み込んだわね」

 

『本日は説明会ですので』

 

「便利に使わないで」

 

 自覚前春麗は、資料を開きながら言った。

 

「読者に分かりにくい、というのはどういう意味?」

 

『春麗会議室は、常に全員が発言する場ではありません』

 

『議題に応じて参加者が立ち上がる可変型の会議場です』

 

『しかし、登場人物が増加したため、誰がその回にいるのか、誰がいないのかが読者に伝わりにくくなっています』

 

 通常救済版春麗が、静かに頷いた。

 

「確かに、最近は黒執着春麗のログ、本編春麗の青、自覚前春麗の再起動、行き遅れ春麗の待機が続いているものね」

 

『はい』

 

『さらに、黒ドレス特化救済春麗とグランドフィナーレ春麗は常駐メンバーではなく、必要に応じて参加する特別参加メンバーです』

 

『そのため、冒頭で参加者を明示することで、読者の混乱を軽減します』

 

 行き遅れに恐怖する春麗が、少しだけ首を傾げた。

 

「待っている側からすると、誰がその場にいるのか分かるのは安心するわ」

 

『適切な補足です』

 

「補足扱いなのね」

 

 本編春麗が、表示を見ながら言った。

 

「ただ、一つ確認したいのだけれど」

 

『はい』

 

「黒執着春麗:本日不参加、これは必要?」

 

『本日は必要です』

 

 本編春麗は眉を寄せる。

 

「読者には、黒執着春麗が春麗会議室の参加者ではなく、原則として観測対象であることはだいぶ伝わっていると思うわ」

 

『はい』

 

「なら、毎回表示すると少しくどいのでは?」

 

『その通りです』

 

 自覚前春麗が顔を上げた。

 

「その通りなの?」

 

『はい』

 

『通常回では、黒執着春麗不参加の表示は省略可能です』

 

『ただし本日は、春麗会議室の参加者整理を行う説明回であるため、例外的に表示しています』

 

 本編春麗は少しだけ納得した。

 

「説明回だから、あえて出したのね」

 

『はい』

 

『以降、通常運用では、必要がなければ黒執着春麗不参加の表示は省略します』

 

 通常救済版春麗が穏やかに言う。

 

「その方が自然ね。黒執着春麗は、基本的にはこの会議室へ来る春麗ではないもの」

 

 黒ドレス特化救済春麗が、静かに目を伏せる。

 

「黒執着春麗は、観測対象よ。ただし、軽く扱っていい対象ではないわ」

 

 本編春麗がそちらを見る。

 

「黒ドレス特化救済春麗としては、そこは重要?」

 

「重要よ」

 

 黒ドレス特化救済春麗は、淡々と続けた。

 

「彼女は、黒ドレスを選んだ自分をかなり深いところまで持っていった春麗。だから、会議室へ呼んで全員で整理するより、必要な時に外から慎重に見る方がいい」

 

 一拍。

 

「黒を否定しない。でも、黒だけにしない。その距離が必要なの」

 

 自覚前春麗が資料に書き込む。

 

「観測対象。原則不参加。黒ドレス関連議題では黒ドレス特化救済春麗が確認」

 

「資料にしないで」

 

 本編春麗が言う。

 

「資料としては必要よ」

 

「出たわね、資料として」

 

『自覚前春麗:通常運転を確認』

 

「記録しなくていい」

 

『保存しました』

 

「保存しないで」

 

 少しだけ会議室に笑いが生まれた。

 


 

 記録板AIは、改めて表示を切り替えた。

 

『春麗会議室・参加者運用整理』

 

『一、春麗会議室は全員常時参加型ではありません』

 

『二、議題に応じて参加者が立ち上がる可変型です』

 

『三、常駐メンバーは以下の通りです』

 

『本編春麗』

 

『自覚前春麗』

 

『通常救済版春麗』

 

『行き遅れに恐怖する春麗』

 

『記録板AI』

 

『四、黒ドレス特化救済春麗は、黒ドレスや黒執着に関する議題の専門顧問として必要時参加します』

 

『五、グランドフィナーレ春麗は、節目や大きな総括時の特別参加です』

 

『六、黒執着春麗は原則として春麗会議室へ参加しません』

 

『七、黒執着春麗は観測対象であり、必要時のみ慎重に扱います』

 

 グランドフィナーレ春麗が、静かに微笑んだ。

 

「こうして並べると、だいぶ整理されたわね」

 

 本編春麗がそちらを見る。

 

「あなたは、やっぱり節目限定なの?」

 

「ええ」

 

 グランドフィナーレ春麗は、落ち着いた声で言った。

 

「私は、日常の細かいログに毎回出る役ではないわ」

 

 一拍。

 

「すべてが積み重なった後で、最後にどこへ向かうかを見る役」

 

 行き遅れに恐怖する春麗が、小さく頷く。

 

「だから、答えを待つ途中には出すぎない方がいいのね」

 

「そうね」

 

 グランドフィナーレ春麗は続ける。

 

「待つ時間には、待つ時間の意味がある。途中で最終視点が出すぎると、現在地の不安や揺れが薄くなってしまう」

 

 本編春麗が少しだけ考える。

 

「つまり、あなたは強いけれど、出しすぎると最終回感が出る」

 

「身も蓋もない言い方をすれば、そうね」

 

『グランドフィナーレ春麗:節目限定参加理由を確認』

 

 自覚前春麗が資料を見る。

 

「最終回感……」

 

「そこを資料にしないで」

 

「資料としては分かりやすいわ」

 

『保存しました』

 

「だから保存しないで」

 

 黒ドレス特化救済春麗が、静かに言った。

 

「私も同じよ。黒ドレスや黒執着の議題でない時に出すぎると、黒の扱いが重くなりすぎる」

 

 本編春麗が頷く。

 

「あなたが出ると、どうしても黒の専門回になるものね」

 

「ええ」

 

「だから、黒を着ない選択や、黒を棚に置く判断の時には必要だけど、青の正式回答や行き遅れ春麗の待機には必須ではない」

 

「その通り」

 

 通常救済版春麗が補足する。

 

「私は逆に、広い帰還点として常駐しているけれど、毎回強く発言する必要はないわ」

 

 自覚前春麗が手を止める。

 

「常駐していても、発言しないことがある?」

 

『はい』

 

『本日の参加者表示は、発言保証ではありません』

 

『参加しているが、議題に応じて発言しない場合があります』

 

 本編春麗が目を細める。

 

「それ、かなり大事ね」

 

『はい』

 

『読者向けにも重要です』

 

『参加者として表示されていても、必ず全員が台詞を持つとは限りません』

 

『逆に、表示されていないメンバーが突然発言することは原則として避けます』

 

 自覚前春麗が、少し納得したように頷いた。

 

「つまり、参加者表示は読者への地図なのね」

 

『表現として適切です』

 

「地図か」

 

 行き遅れ春麗が静かに言う。

 

「誰がいるか分かると、待つ側も安心するわ」

 

 本編春麗は少しだけ笑う。

 

「本当にあなたの管轄は広いわね」

 

「不明瞭なまま待つのは怖いもの」

 

『行き遅れ春麗:参加者表示による待機不安軽減を確認』

 

「保存されるのね」

 

『保存しました』

 


 

 記録板AIは、さらに表示を切り替えた。

 

『春麗会議室・現在の主な役割』

 

『本編春麗:青の本筋、宿題、正式回答待ち、主人公軸』

 

『自覚前春麗:未確定性、資料化、決める前の位置、次位置未定』

 

『通常救済版春麗:帰還点、安定化、戻れる場所の確認』

 

『行き遅れに恐怖する春麗:待機、答えを急かさない位置、怖いまま待つ進行』

 

『黒ドレス特化救済春麗:黒ドレス、黒執着、黒を否定せず扱うための専門整理』

 

『グランドフィナーレ春麗:最終視点、節目の総括、到達点の確認』

 

『記録板AI:ログ表示、精神HP管理、未承認仮分類、余計な保存』

 

 本編春麗が最後の行を見た。

 

「余計な保存って自覚あるの?」

 

『読者理解のためです』

 

「便利ね、その言い訳」

 

 自覚前春麗が手を上げる。

 

「私のところに、資料化ってあるけど」

 

『はい』

 

「もう少し言い方があるのでは?」

 

『資料として距離を取る傾向』

 

「長いわ」

 

『では、資料化』

 

「戻った」

 

 通常救済版春麗が、やわらかく笑う。

 

「でも、あなたの役割は大事よ。資料にして距離を取るから見えるものがある」

 

 自覚前春麗は、少しだけ目を逸らした。

 

「資料係では終わらないけれどね」

 

『自覚前春麗:資料係では終わらない発言を再確認』

 

「再確認しなくていい」

 

『重要です』

 

 本編春麗が、青の本筋という表示を見る。

 

「私のところは、ずいぶん重いわね」

 

『主人公軸ですので』

 

「主人公軸」

 

『はい』

 

「最近、黒執着春麗のログがかなり強いけれど?」

 

『それでも本編春麗は主人公軸です』

 

 本編春麗は、少しだけ黙った。

 

 黒執着春麗のログは強い。

 

 黒ドレスでリュウに勝った。

 

 その翌日に精神HPを削られた。

 

 そして、春麗会議でも確認された。

 

 かなり強い。

 

 けれど、それは本編春麗が消えるという意味ではない。

 

 青の本筋。

 

 宿題。

 

 正式回答待ち。

 

 聞かれた青。

 

 それらは、まだ進行中だ。

 

「……そこは保存しておいて」

 

『本編春麗:主人公軸継続を保存しました』

 

「余計ではない保存ね」

 

『はい』

 

 黒ドレス特化救済春麗が静かに言う。

 

「黒執着春麗のログが強くなるほど、本編春麗の青も必要になる」

 

 本編春麗が顔を上げる。

 

「どういう意味?」

 

「黒ドレスのログは強い。けれど、それだけが続くと重くなりすぎる」

 

 一拍。

 

「青があるから、黒が沈みきらない。黒があるから、青もただ明るいだけでは終わらない」

 

 グランドフィナーレ春麗が頷いた。

 

「どちらも必要よ。黒の後に青が戻り、青の途中で黒が響く。その往復が、この連作の厚みになっている」

 

 通常救済版春麗が続ける。

 

「だからこそ、参加者表示が必要になるのね。今どの軸を扱っているのか、読者が分かるように」

 

『正解です』

 

 自覚前春麗が小さく笑う。

 

「完全に説明会ね」

 

『本日は説明会ですので』

 


 

 本編春麗は、改めて円卓を見回した。

 

 自分。

 

 自覚前春麗。

 

 通常救済版春麗。

 

 行き遅れに恐怖する春麗。

 

 黒ドレス特化救済春麗。

 

 グランドフィナーレ春麗。

 

 記録板AI。

 

 黒執着春麗はいない。

 

 でも、その不在にも意味がある。

 

 ここにいないから、軽く扱うわけではない。

 

 ここにいないからこそ、観測対象として慎重に扱う。

 

 必要なら、黒ドレス特化救済春麗が専門的に確認する。

 

 それ以外は、ログとして見届ける。

 

 本編春麗は、静かに言った。

 

「読者向けの整理としては、今日の回は必要ね」

 

『はい』

 

「ただし、毎回こんなに説明するとテンポが落ちる」

 

『そのため、本日は説明会として独立させています』

 

「なるほど」

 

 自覚前春麗が資料を閉じる。

 

「つまり、以降は冒頭の参加者表示だけで、読者が“今回は誰の回か”を把握しやすくする」

 

『はい』

 

「そして、必要がなければ全部説明しない」

 

『はい』

 

「黒執着春麗の不参加も、通常時はわざわざ出さない」

 

『はい』

 

「黒ドレス特化救済春麗やグランドフィナーレ春麗は、特別参加の時だけ表示される」

 

『はい』

 

「分かりやすいわね」

 

『保存しました』

 

「今のは保存していいわ」

 

 本編春麗が少しだけ笑った。

 

 グランドフィナーレ春麗が、静かに言う。

 

「物語が長くなるほど、読者に現在地を示すことは大切になるわ」

 

 一拍。

 

「ただし、説明しすぎると物語が止まる。だから、説明会として一度整理し、以降は自然に使う。それで良いと思う」

 

 黒ドレス特化救済春麗も頷く。

 

「黒の扱いも同じよ。一度整理しておけば、毎回説明しなくていい。読者も、黒を着る意味、黒を棚に戻す意味を受け取りやすくなる」

 

 通常救済版春麗が続ける。

 

「戻れる場所も、毎回説明しなくていい。ただ、必要な時にそこにあると分かればいい」

 

 行き遅れに恐怖する春麗が、静かに言った。

 

「待つ位置も同じ。説明された後なら、待っているだけの回も止まって見えにくくなる」

 

 自覚前春麗が、最後に言う。

 

「未確定も同じね。決めていないことが止まっているわけではない、と読者が知っていれば、次位置未定でも進行になる」

 

 記録板AIが、最後の結論を表示した。

 

『本日の結論』

 

『一、春麗会議室は議題に応じて参加者が変わる可変型です』

 

『二、冒頭の参加者表示は、読者に現在地を示すための地図です』

 

『三、常駐メンバーでも必ず発言するとは限りません』

 

『四、特別参加メンバーは必要な時のみ登場します』

 

『五、黒執着春麗は原則として会議室参加者ではなく、観測対象です』

 

『六、黒ドレス特化救済春麗は黒関連の専門顧問です』

 

『七、グランドフィナーレ春麗は節目の総括役です』

 

『八、今後も参加者表示により、その回の議題と視点を明確化します』

 

 本編春麗は、その表示を見て頷いた。

 

「かなりメタだけど、必要な回だったわね」

 

『はい』

 

「ただし」

 

『はい』

 

「次回からは、もう少し自然にやりなさい」

 

『努力します』

 

「努力なのね」

 

『仕様です』

 

「仕様に逃げないで」

 

 会議室に、少しだけ笑いが広がった。

 

 黒のログも、青のログも、今日は中央にない。

 

 けれど、どちらも消えていない。

 

 ただ、今日はその前に、この場所そのものを整えた。

 

 誰がいるのか。

 

 誰がいないのか。

 

 誰が何を担当するのか。

 

 どの視点でログを見るのか。

 

 それを確認する回。

 

 春麗会議室は、ただのツッコミ空間ではない。

 

 長くなった物語を、読者と春麗たちが一緒に見失わないための場所でもある。

 

 記録板AIの表示が、静かに小さくなっていく。

 

『本日の説明会を終了します』

 

『次回以降、参加者表示を通常運用へ移行します』

 

 本編春麗が、最後に言った。

 

「では、次からはまた本題ね」

 

 自覚前春麗が資料を抱える。

 

「資料としては、かなり有用だったわ」

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「戻れる場所も確認できたわね」

 

 行き遅れ春麗が頷く。

 

「誰がいるか分かれば、待ちやすいわ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が静かに言う。

 

「黒の時は呼びなさい」

 

 グランドフィナーレ春麗が、穏やかに締めた。

 

「節目の時に、また来るわ」

 

 記録板AIが最後に一行だけ表示する。

 

『春麗会議室:参加者表示運用、正式採用』

 

 本編春麗は、少しだけ目を細めた。

 

「……そこは正式採用なのね」

 

『はい』

 

 円卓の光が、ゆっくり落ち着いていく。

 

 説明会は終わった。

 

 次からまた、誰かの青が、誰かの黒が、誰かの未確定が、誰かの待機が議題になる。

 

 その時、最初に誰がいるかを示すこと。

 

 それもまた、長く続く物語には必要な記録だった。

 




Q:今回の断章IFについて解説して?

A:

今回のエピソードは、一言で言うなら、

春麗会議室そのものの使い方を、読者向けに一度整理する説明回

です。

最近の連作では、本編春麗、黒執着春麗、自覚前春麗、行き遅れに恐怖する春麗、通常救済版春麗、黒ドレス特化救済春麗など、かなり多くの春麗が登場しています。

それぞれに役割があります。

本編春麗は、青の本筋と宿題の正式回答待ちを抱える主人公軸。

自覚前春麗は、まだ決める前の位置、次位置未定、資料として距離を取る春麗。

通常救済版春麗は、迷っても戻れる場所、安定化、帰還点。

行き遅れに恐怖する春麗は、怖いまま答えを急かさず待つ春麗。

黒ドレス特化救済春麗は、黒ドレスや黒執着に関する専門整理を担当する春麗。

グランドフィナーレ春麗は、節目や到達点を見るための特別な視点です。

ここまで増えてくると、読者視点では、

今回は誰がいるのか。
誰が発言する回なのか。
誰が常駐で、誰が特別参加なのか。
黒執着春麗は会議室に来るのか。

という点が少し分かりにくくなります。

そこで今回、記録板AIにあえて説明してもらいました。

今回のポイントは、

春麗会議室は、全員常時参加型ではない

ということです。

春麗会議室には常駐メンバーがいます。

本編春麗。
自覚前春麗。
通常救済版春麗。
行き遅れに恐怖する春麗。
記録板AI。

このあたりは、基本的に会議室の中心メンバーです。

ただし、常駐しているからといって、毎回必ず全員が発言するわけではありません。

議題に応じて、必要な春麗が前に出ます。

逆に、黒ドレス特化救済春麗やグランドフィナーレ春麗は特別参加です。

黒ドレス特化救済春麗は、黒ドレス、黒執着、黒を否定せず扱うための専門整理が必要な時に出ます。

グランドフィナーレ春麗は、節目や大きな総括、物語の到達点を確認する時に出る春麗です。

だから、この二人は強い視点を持っていますが、毎回出るわけではありません。

出しすぎると、黒の重さが常に前面に出すぎたり、最終回感が強くなりすぎたりします。

今回は説明会なので、黒執着春麗を除いたフルメンバー参加にしました。

ここで大事なのは、黒執着春麗の扱いです。

黒執着春麗は、原則として春麗会議室に参加する春麗ではありません。

彼女は基本的に観測対象です。

今回も、会議室にはいません。

ただし、軽く扱っていい存在ではありません。

黒ドレスを選んだ自分を深いところまで持っていった春麗であり、黒の扱いに関しては非常に慎重に見る必要がある存在です。

だからこそ、黒ドレス特化救済春麗が必要になります。

黒執着春麗を直接会議室へ呼んで全員でいじるのではなく、必要な時に黒ドレス特化救済春麗が専門的に確認する。

この距離感が大事です。

今回、記録板AIが「読者に参加者が分かりにくいからです」とかなりメタな説明をしました。

これは本当にメタです。

ただ、この連作では春麗会議室そのものが、ある程度メタ構造を持っています。

精神HP。
未承認仮分類。
ログ。
参加者表示。
議題。

こういう仕組みを使って、春麗たち自身が自分たちの状況を整理しています。

なので今回は、その仕組みを読者にも一度見える形で整理しました。

今回のキーワードは、

参加者表示は、読者への地図

です。

長く続く連作では、現在地が分かることがかなり大事になります。

今は本編春麗の青の話なのか。

自覚前春麗の未確定性の話なのか。

行き遅れ春麗の待機の話なのか。

黒ドレス特化救済春麗が必要な黒の話なのか。

グランドフィナーレ春麗が出るような節目なのか。

そこを最初に示すことで、読者も入りやすくなります。

また、今回の説明では、各春麗の役割も改めて整理しています。

本編春麗は、青の本筋、宿題、正式回答待ち、主人公軸。

黒執着春麗のログが強くなってきても、本編春麗の主人公軸は消えません。

むしろ、黒のログが強いからこそ、本編春麗の青も必要になります。

黒だけだと重くなる。

青だけだと軽くなりすぎる。

黒の後に青が戻り、青の途中で黒が響く。

その往復が、この連作の厚みになっています。

自覚前春麗は、資料として距離を取る春麗です。

ただし、資料係で終わるわけではありません。

決める前の位置、次位置未定という独自の進行があります。

通常救済版春麗は、戻れる場所です。

派手な役ではないですが、黒に寄りすぎても、青へ戻るのを迷っても、待つことが怖くなっても、帰還点として必要な春麗です。

行き遅れに恐怖する春麗は、待つことを扱います。

答えを急かさない。

怖いまま待つ。

止まっているように見えても、それも進行であることを示す役です。

黒ドレス特化救済春麗は、黒の専門顧問です。

黒を否定しない。

でも、黒だけにしない。

黒を着る意味、黒を棚に戻す意味を扱う時に必要になります。

グランドフィナーレ春麗は、最終視点です。

毎回出る存在ではありません。

節目で出るからこそ意味があります。

今回のエピソードは、物語が大きく動く回ではありません。

リュウも出ません。

精神HPノックアウトもありません。

黒執着春麗本人の新しいログもありません。

でも、かなり大事な回です。

なぜなら、これから先の春麗会議室を読みやすくするための整理回だからです。

誰がいるのか。

誰がいないのか。

誰がどの役割なのか。

誰が常駐で、誰が特別参加なのか。

黒執着春麗はなぜ会議室にいないのか。

それを一度確認しておくことで、今後の会議室回が自然に読めるようになります。

今回の到達点は、

春麗会議室の参加者表示は、読者に現在地を示すための地図である

です。

少しメタな回ですが、長く続く連作にはこういう整理回も必要だと思っています。

次回以降、春麗会議室では冒頭に参加者が表示されることがあります。

それは単なる形式ではなく、

今回はどの春麗の視点で、どのログを扱うのか

を示すためのものです。

本編春麗の青。

自覚前春麗の未確定。

通常救済版春麗の帰還点。

行き遅れ春麗の待機。

黒ドレス特化救済春麗の黒整理。

グランドフィナーレ春麗の節目。

それぞれの役割を確認したうえで、また次の議題へ進みます。

今回は、そのための説明会でした。
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