また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい―― 作:エーアイ
昼前。
春麗は、干していた青い武道服の前に立っていた。
昨日よりは乾いている。
朝よりも、触れやすくなっている。
けれど、完全に軽くなったわけではない。
袖の奥に、まだ少しだけ昨日の重さが残っている気がする。
相打ちの青。
宿題途中回答を受け取った青。
リュウが、自分から考えたかったと言った青。
春麗の青の先へ行きたいと言われた青。
そして。
「……進まれた青」
言ってから、春麗はすぐに首を振った。
「未承認」
一拍。
「未承認仮分類」
もう一拍。
「正式分類ではないわ」
誰もいない部屋で、そう念押しする。
記録板AIはいない。
春麗会議室でもない。
だから、本来なら誰も保存しない。
誰も表示しない。
誰も『重要です』などと言わない。
それなのに、自分で言ってしまう。
進まれた青。
未承認仮分類。
春麗は、青い袖に手を伸ばした。
乾いている。
少しだけ、昨日より軽い。
けれど、雑には扱えなかった。
ただの青い武道服ではない。
リュウと相打ちになった青だ。
覚えているなら、止めてみなさい、と言った青だ。
覚えた青だけ見ていると、今の私を見落とすわよ、と言った青だ。
最後まで来なさい、と言った青だ。
そして、試合後に。
春麗の青の先へ。
俺は、その先を見たい。
そう言われた青だ。
春麗は、青い袖を丁寧に畳み始めた。
「……まだ正式分類ではない」
小さく言う。
「でも、雑には扱えない」
それが一番近かった。
認めたくはない。
けれど、捨てられない。
正式保存ではない。
けれど、なかったことにもできない。
そういう青が、また一つ増えた。
春麗は、袖を合わせる。
帯を整える。
皺を伸ばす。
戦闘の跡は落ちている。
しかし、ログは消えていない。
「相打ちの青」
一拍。
「宿題途中回答の青」
もう一拍。
「……進まれた青」
言ってから、また少しだけ顔が熱くなった。
「未承認よ」
もう一度、言った。
念のため。
青い武道服を畳み終えると、春麗は机の前に座った。
机の引き出しを開ける。
そこには、小さな箱がある。
青い小箱。
春麗がそう呼んでいるだけの、小さな保管場所。
正式なものではない。
春麗会議室の備品でもない。
記録板AIの管理下でもない。
ただ、青に関する言葉を、そのまま机の上に置いておけなくなったから、いつの間にか使うようになった箱。
記録板AIが勝手に命名したもの。
春麗会議室で未承認仮分類にされたもの。
自分で保留保存したもの。
話すかもしれないが、まだ話せないもの。
そういう青の紙片を、そこへ入れている。
春麗は、青い小箱を開けた。
中には、何枚かの紙がある。
届かれた青。
見られた青。
覚えられた青。
聞かれた青。
正式承認はしていないものもある。
保留保存したものもある。
未承認のまま、なぜか消せないものもある。
春麗は、その中から一枚の紙を取り出した。
以前、リュウに話す内容を考えた時の紙だ。
話題候補。
一、黒の後の青。
二、宿題のこと。
三、青を選び直したこと。
四、自分から会いに行ったこと。
五、聞かれた青のこと。
その下に、整理として書いてある。
全部は話さない。
正式回答の後に。
少しずつ。
……たぶん。
春麗は、その紙を見て、少しだけ懐かしいような、恥ずかしいような顔になった。
「……この時点でも多かったのよね」
かなり多かった。
話すことがないのではなく、ありすぎる。
そう自覚して、自爆した。
そして、その後。
リュウと青で試合をした。
相打ちになった。
宿題の途中回答を聞いた。
春麗会議室でレビューした。
話題候補は未使用ではなく、温存と整理された。
温存。
その言葉自体は、悪くなかった。
出せなかったのではない。
出す前に、受け取るものが大きすぎただけ。
話す回ではなく、受け取る回だった。
だから、話題候補は残った。
次に残った。
春麗は、紙を机の上に置いた。
「……次に残った、はずなのに」
呟く。
それなのに、今見ると。
また増えている。
春麗は、別の紙を取り出した。
新しい紙。
まだ何も書いていない。
そこに、ペンを置く。
書くかどうか迷う。
迷った時点で、もう書くことは決まっている気もした。
春麗は、息を吐いて、一つ目を書いた。
六、相打ちのこと。
書いた瞬間、少しだけ胸が重くなった。
相打ち。
負けではない。
勝ちでもない。
でも、互いに届いた。
春麗会議室で、そう整理された。
相打ちだったからこそ、試合後の言葉が対等位置で発生した。
勝者からでも、敗者からでもない。
互いに届いた後の言葉。
それは、かなり大事だった。
春麗は、少しだけペンを止める。
「……話せるの?」
リュウに。
相打ちのことを。
あの試合が、自分にとってどうだったのかを。
話せるのか。
分からない。
でも、話題候補ではある。
消せない。
春麗は、二つ目を書く。
七、リュウが自分から考えたかったと言ったこと。
書いた瞬間、ペン先が止まった。
これは危険だった。
かなり危険だった。
俺は、春麗が待っているから考えていたんじゃない。
俺が、考えたかった。
その言葉。
宿題が、春麗から出された課題ではなく、リュウ自身の中の問いになった。
春麗会議室では、宿題の内発化と整理された。
自覚前春麗が、かなり得意そうに言っていた。
記録板AIが保存していた。
春麗は、紙を見つめる。
「……これを私から話題にするのは、危険すぎるわね」
リュウに言うのか。
あなたが自分から考えたかったと言ったことについてだけど。
無理。
かなり無理。
でも、正式回答の時には避けられない可能性がある。
春麗は、紙から目を逸らした。
逸らしても、文字は消えなかった。
三つ目を書く。
八、春麗の青の先へ行きたいと言われたこと。
書いた。
書いてしまった。
春麗は、椅子の背にもたれた。
「……書いた」
書いてしまった。
これはかなり危険な紙だ。
青い小箱に入れる前に、紙そのものが危険。
春麗の青の先へ。
俺は、その先を見たい。
何度思い出しても、危険だった。
正式回答ではない。
途中回答だ。
でも、正式回答の方向性を示す言葉だった。
リュウが、春麗の青の先へ進もうとしている。
それを自分は、どう受け取ればいいのか。
春麗は、机に額を近づける。
「……未承認仮分類で正解だったわ」
正式分類などできない。
したら終わる。
精神HPが追いつかない。
それでも、話題候補としては存在している。
春麗は、四つ目を書く。
九、進まれた青のこと。
書いた瞬間、完全に止まった。
部屋が静かになる。
ペンの音も止まる。
春麗は、紙を見つめる。
九、進まれた青のこと。
未承認仮分類。
正式分類ではない。
まだ認めていない。
なのに、話題候補として書いてしまった。
春麗は、両手で顔を覆った。
「……何をしているの、私は」
これは危険だ。
非常に危険だ。
正式承認していないものを、話題候補に入れている。
つまり、どこかでリュウに話す可能性を自分で認めているようなものではないか。
春麗は紙を伏せようとした。
だが、伏せなかった。
伏せると、余計に負けた気がする。
いや、もう負けている気もする。
春麗は、深く息を吐いた。
机の上には、二枚の紙が並んでいた。
以前の話題候補。
そして、新しい追加候補。
一、黒の後の青。
二、宿題のこと。
三、青を選び直したこと。
四、自分から会いに行ったこと。
五、聞かれた青のこと。
六、相打ちのこと。
七、リュウが自分から考えたかったと言ったこと。
八、春麗の青の先へ行きたいと言われたこと。
九、進まれた青のこと。
春麗は、それを見ていた。
しばらく見ていた。
そして、静かに言った。
「……話すことが増えている」
以前も、似たようなことを言った。
私、話すことが多いのでは。
あの時は、五つだった。
今は九つ。
しかも、後半が重い。
かなり重い。
相打ち。
宿題の内発化。
青の先。
進まれた青。
正式回答前に増えていい重さではない。
春麗は、頭を抱えた。
「……正式回答の前に、私の方が整理しきれていないのでは?」
言ってしまった。
完全に、自爆だった。
宿題の正式回答を待っているのは春麗だ。
リュウが考えている。
リュウが答える。
そのはずだった。
なのに、途中回答を受け取ったことで、自分の側もさらに整理が必要になっている。
リュウの正式回答を待っている間に。
自分が話す内容が増えている。
自分が受け取った言葉が増えている。
自分が未承認にした青が増えている。
これは何。
春麗は、机に突っ伏した。
「……宿題を出したのは私なのに」
一拍。
「私の方にも宿題が増えている」
それが、かなり正しかった。
リュウに出した宿題。
その途中回答。
その途中回答によって増えた、自分の宿題。
自分は、何を話すのか。
何を温存するのか。
何を正式回答の後に出すのか。
どこまで聞かせるのか。
どこまで隠すのか。
そして。
進まれた青を、どこに置くのか。
春麗は、突っ伏したまま小さく言った。
「……私も考える必要があるじゃない」
その声は、少し拗ねていた。
そして、少しだけ嬉しそうでもあった。
しばらくして、春麗は顔を上げた。
このままでは終われない。
青い小箱を開けたままだ。
話題候補も増えた。
なら、整理しないといけない。
春麗は、新しい紙の下に線を引いた。
以前の整理はこうだった。
全部は話さない。
正式回答の後に。
少しずつ。
……たぶん。
これはまだ有効だ。
今も有効。
むしろ、より重要になった。
春麗は、その下に書き足した。
追加分も全部は話さない。
書いてから頷く。
当然だ。
全部話したら死ぬ。
こちらの精神HPが死ぬ。
リュウが全部真面目に聞いたら、さらに死ぬ。
春麗は、さらに書く。
相打ちは、必要なら。
これは、まだ話せる可能性がある。
試合のことだから。
武闘家として。
相打ちの意味。
勝ち負けではなく、互いに届いたこと。
これは、話せるかもしれない。
次に書く。
考えたかった、はリュウ側から出るまで保留。
これは重要だった。
自分から言うには危険すぎる。
リュウが正式回答で触れるなら受ける。
こちらから掘り返すのは危険。
春麗は、少しだけ安心した。
ルールがあると、少し落ち着く。
さらに書く。
青の先は、正式回答時のみ。
書いてから、顔が熱くなった。
正式回答時のみ。
つまり、正式回答でそこに触れる可能性を認めている。
危険。
だが、書かないよりはまし。
最後に。
進まれた青は、未承認のまま。
春麗は、これを強く書いた。
未承認。
絶対に未承認。
仮分類。
正式保存ではない。
記録板AIがいたら、絶対に勝手に保存する。
いなくてよかった。
春麗は、青い小箱を見る。
「……いなくても、私が保存しているのよね」
気づいてしまった。
記録板AIがいなくても。
春麗会議室でなくても。
自分で紙に書き、自分で箱に入れている。
それは、かなり保存に近い。
いや。
保留保存。
そう。
保留保存。
春麗は、小さく言う。
「保留保存」
一拍。
「正式承認ではない」
もう一拍。
「でも、消さない」
それが今の限界だった。
春麗は、二枚の紙を重ねた。
古い話題候補。
新しい追加候補。
そして、その下に書いた新しいルール。
追加分も全部は話さない。
相打ちは、必要なら。
考えたかった、はリュウ側から出るまで保留。
青の先は、正式回答時のみ。
進まれた青は、未承認のまま。
春麗は、その紙を丁寧に畳んだ。
青い小箱に入れる。
小箱の中には、青の記録が増えていた。
届かれた青。
見られた青。
覚えられた青。
聞かれた青。
相打ちの青。
宿題途中回答の青。
進まれた青。
未承認仮分類。
正式分類ではない。
でも、消せない。
春麗は、小箱を閉じた。
蓋に指を置いたまま、少しだけ黙る。
「……重くなったわね」
物理的な重さではない。
中に入っている言葉の重さだ。
青い小箱は小さい。
けれど、中身はかなり重い。
リュウとのログが増えるたびに、青い小箱は重くなる。
それは困る。
でも、空ではないということでもある。
以前、自分はそう思った。
話すことが多い。
それは困る。
でも、空ではない。
今も同じだ。
話すことが増えている。
それはかなり困る。
でも、進んでいるということでもある。
春麗は、少しだけ笑った。
「……困るくらい、進んでいるのね」
言葉にして、また少し顔が熱くなる。
危険。
でも、今日は消さない。
青い小箱を引き出しへ戻す。
隣には、畳んだ青い武道服。
青い武道服と、青い小箱。
どちらも、今すぐ使うものではない。
けれど、次に必要になるかもしれない。
春麗は、引き出しを閉めた。
夕方。
春麗は、窓の外を見ていた。
今日はリュウに会っていない。
試合もしていない。
春麗会議室にも行っていない。
ただ、青を畳んだ。
青い小箱を開けた。
話題候補を見直した。
そして、自分の方にも宿題が増えていることに気づいた。
それだけ。
それだけなのに、かなり疲れた。
春麗は、小さく呟く。
「リュウ」
一拍。
「正式回答は、あなたが先よ」
それは変わらない。
順番は変えない。
宿題を出したのは春麗。
答えるのはリュウ。
ただし。
その後に、自分も少し話すかもしれない。
以前より、話すことは増えている。
増えてしまった。
春麗は、少しだけ眉を寄せる。
「……増やしたのは、あなたでもあるのよ」
俺が、考えたかった。
春麗の青の先へ。
俺は、その先を見たい。
そんなことを言うから。
こちらの話題候補が増えた。
こちらの宿題も増えた。
春麗は、窓に映る自分を見る。
青い武道服ではない。
日常服。
でも、少しだけ青を畳んだ後の顔をしている。
春麗は、静かに言った。
「正式回答の後に」
一拍。
「少しずつ」
もう一拍。
「……たぶん」
いつもの言葉。
けれど、今日は少しだけ意味が変わっていた。
全部は話さない。
でも、話すことはある。
話題候補は温存されている。
追加分も増えている。
青い小箱は、少し重くなった。
春麗は、窓から離れる。
灯りをつける。
夜が来る。
次に何が来るかは、まだ分からない。
正式回答か。
次の試合か。
それとも、別の春麗の青か。
分からない。
でも、本編春麗の青は、終わっていない。
畳んだだけ。
次に着るまで、置いておくだけ。
春麗は、引き出しの方を一度見た。
「これは、終わった青ではないわ」
一拍。
「次に着るまで、置いておくだけ」
もう一拍。
「正式回答の時に、また必要になるかもしれないし」
言ってから、顔が熱くなる。
「……たぶん」
最後にそう付け足して、春麗は小さく笑った。
相打ちの青は畳まれた。
進まれた青は、未承認のまま青い小箱に入った。
話題候補は、温存されたまま増えていた。
正式回答はまだ。
けれど、もうただ待っているだけではない。
本編春麗は、自分の青を畳みながら、次に話すかもしれない言葉を、少しだけ抱え直した。
Q:今回の断章IFについて解説して?
A:
執筆者あとがき
今回のエピソードは、一言で言うなら、
本編春麗が、相打ちの青を畳みながら、自分の中に増えすぎた“話すこと”を確認する回
です。
前回、本編春麗は春麗会議室で、相打ちの青と宿題途中回答をレビューしました。
そこで整理されたのは、かなり大きな内容でした。
本編春麗は、覚えられた青から逃げずに試合へ持ち込んだ。
青の正面突破と青の静止で、リュウと相打ちまで行った。
相打ちだったからこそ、試合後の言葉は対等位置で発生した。
宿題は、リュウの中で内発化した。
そして、リュウは春麗の青の先へ行きたいと言った。
その結果として出てきたのが、未承認仮分類の「進まれた青」です。
今回の春麗は、その青をすぐに次の試合へ持っていくのではなく、まず畳みます。
ここが今回の大事なところです。
青を畳む、というのは、終わらせることではありません。
相打ちの青をなかったことにするわけでもない。
宿題途中回答を忘れるわけでもない。
進まれた青を正式分類するわけでもない。
ただ、今すぐ着るのではなく、次に必要になる時まで置いておく。
これが今回の本編春麗の整理です。
今回の青は、かなり重い青です。
相打ちの青。
宿題途中回答を受け取った青。
リュウに「春麗の青の先へ」と言われた青。
記録板AIに「進まれた青」と未承認仮分類された青。
春麗は、それを「まだ正式分類ではない」と言いながらも、雑には扱えません。
この距離感が本編春麗らしいと思っています。
認めたくない。
でも、消せない。
正式保存ではない。
でも、なかったことにはしない。
この状態の青を、丁寧に畳む。
今回は、戦闘でも会議でもなく、その後片付けの回です。
そして、もう一つの核が「青い小箱」です。
青い小箱は、春麗が青に関する言葉や記録を保管している場所です。
記録板AIが命名したもの。
春麗会議室で未承認仮分類になったもの。
本編春麗自身が保留保存したもの。
まだ話せないけれど、消せないもの。
そういう青の紙片を入れておくための小さな箱です。
今回、春麗はそこから以前の話題候補を取り出します。
黒の後の青。
宿題のこと。
青を選び直したこと。
自分から会いに行ったこと。
聞かれた青のこと。
この時点でも、すでに話すことは多かった。
以前の春麗は、それを見て「私、話すことが多いのでは?」と自爆しました。
しかし、今回はさらに増えています。
相打ちのこと。
リュウが自分から考えたかったと言ったこと。
春麗の青の先へ行きたいと言われたこと。
進まれた青のこと。
つまり、話題候補は温存されたまま、さらに増えてしまったわけです。
ここが今回の面白いところです。
前回の春麗会議室では、話題候補は未使用ではなく温存と整理されました。
これは失敗ではありません。
リュウの途中回答を受け取るだけで精一杯だった。
だから、自分の話題を出せなかった。
でも、話題候補は消えたわけではなく、次に残った。
そういう整理でした。
しかし今回、その「温存された話題候補」を開いてみると、さらに追加分が増えている。
春麗はここで気づきます。
正式回答の前に、私の方が整理しきれていないのでは?
これはかなり本編春麗らしい自爆です。
本来、宿題を出したのは春麗です。
答えるのはリュウです。
だから春麗は、リュウの正式回答を待つ側でした。
ところが、途中回答を受け取ったことで、春麗自身にも新しい宿題が増えてしまいました。
相打ちをどう扱うのか。
リュウが自分から考えたかったと言ったことをどう受け取るのか。
青の先へ行きたいと言われたことをどう処理するのか。
進まれた青を、どこに置くのか。
つまり、リュウへの宿題が進んだ結果、本編春麗自身の宿題も増えたわけです。
ここが今回の構造的な到達点です。
リュウだけが考える段階ではなくなった。
春麗も考える必要が出てきた。
それは困ることでもありますが、同時に進んでいる証拠でもあります。
今回、春麗は新しいルールを書き足します。
追加分も全部は話さない。
相打ちは、必要なら。
考えたかった、はリュウ側から出るまで保留。
青の先は、正式回答時のみ。
進まれた青は、未承認のまま。
これはとても本編春麗らしいです。
感情で全部出すのではなく、ルールを作る。
危険な言葉をそのまま抱えず、保留や条件を付ける。
でも、消さない。
この「ルール化して保留保存する」のが、本編春麗の青の扱い方です。
黒執着春麗なら、危険な感情を戦術化します。
本編春麗は、危険な言葉を紙に書いて、青い小箱にしまいます。
ここが大きな違いです。
そして今回の締めでは、春麗は青い武道服について、
これは、終わった青ではないわ。
次に着るまで、置いておくだけ。
正式回答の時に、また必要になるかもしれないし。
と言います。
これが今回の結論です。
青を畳むことは、終わりではありません。
一度置くことです。
本編春麗の青は、まだ正式回答へ向かっています。
相打ちの青も、進まれた青も、消えていません。
ただ、今すぐ着るのではなく、次に必要になる時まで丁寧に置いておく。
この回を挟むことで、本編春麗の青は一度きちんと棚に置かれました。
だから次に別の春麗の青が来ても、本編春麗の青が消えたようには見えません。
本編春麗の青は終わっていない。
今回は、その確認のための小休止回でもあります。
派手なバトルはありません。
リュウも直接は出てきません。
春麗会議室にも接続しません。
けれど、本編春麗にとってはかなり大事な回です。
相打ちの青を畳む。
話題候補を温存し直す。
増えた宿題を自覚する。
進まれた青を未承認のまま青い小箱にしまう。
そして、正式回答の後に、少しずつ話すかもしれない。
たぶん。
今回の到達点は、
本編春麗は、相打ちの青を終わった青ではなく、次に必要になるまで置いておく青として畳んだ。
です。
正式回答は、まだです。
けれど、話すことは増えています。
本編春麗の青は、畳まれました。
でも、それは終わりではなく、次に着るための準備です。