また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい――   作:エーアイ

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※これは本編時空ではなく、妄想章IFです。
黒執着春麗の後日談です。


妄想章IF後日談:救済後の黒執着春麗は、青を選んでリュウに勝つ

 

 棚の中に、黒があった。

 

 畳まれている。

 

 布紐が添えられている。

 

 勝った黒。

 

 負けた黒。

 

 戻ってきた黒。

 

 選んだ黒。

 

 その隣ではない。

 

 同じ棚の少し離れた場所に、青い武道服があった。

 

 黒執着春麗は、棚の前に立っていた。

 

 朝の光が、黒と青の両方に触れている。

 

 黒は、もう隠していない。

 

 青も、奥へ押し込んでいない。

 

 どちらも、そこにある。

 

 春麗は、しばらく黒を見た。

 

 次に、青を見る。

 

 青い武道服。

 

 黒を着る前の自分が知っていた色。

 

 十連勝した自分が着ていた色。

 

 十一戦目で、リュウに負けた自分が着ていた色。

 

 黒へ行く前の色。

 

 そして、今の自分がもう一度選ぶかもしれない色。

 

「……戻るわけじゃない」

 

 春麗は小さく言った。

 

 棚の前で、自分に言い聞かせるように。

 

「青に戻るわけじゃない」

 

 一拍。

 

「黒を捨てるわけでもない」

 

 黒はそこにある。

 

 昨日も、一昨日も、何度も確認した。

 

 黒を着ない日も、黒は消えなかった。

 

 黒で勝った日も、黒は特別な祭壇にはならなかった。

 

 黒を着ていない自分をリュウに見られても、黒は棚の中にあった。

 

 勝った黒も、精神HPで負けた翌日も、どちらも自分だった。

 

 なら。

 

 青を着ることは、黒を否定することではないはずだった。

 

 春麗は、青い武道服に触れた。

 

 布の感触が、黒とは違う。

 

 軽い。

 

 だが、軽すぎるわけではない。

 

 この青にも、記憶がある。

 

 蹴りの速さ。

 

 踏み込みの鋭さ。

 

 迷わなかった十戦。

 

 そして、迷いが生まれた十一戦目。

 

 リュウに追いつかれた日。

 

 黒を必要にした始まり。

 

 春麗は、青い布を握った。

 

 黒の時とは違う痛みがある。

 

 青は、懐かしいだけではなかった。

 

 青にも、敗北がある。

 

 青にも、終われなさがある。

 

 けれど、今なら。

 

 今なら、少しだけ見られる。

 

「今日は」

 

 春麗は、黒を見た。

 

 次に、青を見た。

 

「青を選ぶわ」

 

 言った瞬間、胸が少しだけ重くなった。

 

 けれど、空ではない。

 

 黒を捨てる重さではない。

 

 青を選ぶ重さだった。

 

 春麗は、黒い袖の端に軽く触れた。

 

「今日は、あなたを置いていくわけじゃない」

 

 一拍。

 

「棚に置いていく」

 

 黒は何も答えない。

 

 それでよかった。

 

 春麗は、青い武道服を取り出した。

 

 袖に手を通す。

 

 帯を締める。

 

 鏡の前に立つ。

 

 鏡の中には、青い武道服の春麗がいた。

 

 黒を着ていない春麗。

 

 でも、黒を知らなかった春麗ではない。

 

 黒を棚に置けるようになった春麗。

 

 黒を持ったまま、青を選んだ春麗。

 

 春麗は、鏡の中の自分を見た。

 

「今日は、あなたを使う」

 

 一拍。

 

「でも、昔に戻るためじゃない」

 

 青い袖が、朝の光を受ける。

 

 黒い裾は揺れない。

 

 それでも、春麗は立っている。

 

「行くわ」

 

 彼女は、棚の扉を少しだけ開けたまま、部屋を出た。

 

 黒が見えるように。

 

 青で出ていっても、黒がそこにあるとわかるように。

 


 

 リュウは、いつもの場所にいた。

 

 春麗が近づくと、リュウは顔を上げた。

 

 その視線が、春麗へ向く。

 

 青を見る。

 

 春麗を見る。

 

 それから、一瞬だけ、何かを探すように間合いを見た。

 

 黒ではない。

 

 裾ではない。

 

 けれど、リュウは何かを見ていた。

 

 春麗は、少しだけ目を細める。

 

「今、黒を探した?」

 

 リュウは正直に答えた。

 

「ああ」

 

「本当に、あなたは正直ね」

 

「今日は青なんだな」

 

「ええ」

 

「戦うのか」

 

「戦うわ」

 

「そうか」

 

 リュウは構えた。

 

 春麗は、まだ構えない。

 

 少しだけ、青い袖を見る。

 

「言っておくけれど」

 

「ああ」

 

「黒を捨てたわけじゃない」

 

「ああ」

 

「青に逃げたわけでもない」

 

「ああ」

 

「昔に戻ったわけでもない」

 

「ああ」

 

「今日は、青を選んだだけ」

 

 リュウは、静かに頷いた。

 

「わかる」

 

 春麗の胸が、少しだけ跳ねる。

 

「……本当に?」

 

「ああ」

 

「では、何がわかるのか言ってみなさい」

 

 言ってから、春麗は少し後悔した。

 

 リュウに説明させるのは危険だ。

 

 救済後の黒執着春麗は、その危険をすでに知っている。

 

 だが、もう遅い。

 

 リュウは春麗を見て、言った。

 

「今日の青は、黒を置いてきた青じゃない」

 

 春麗の精神HPが、一瞬で削れた。

 

「……リュウ」

 

「ああ」

 

「あなた、本当に危険ね」

 

「そうか」

 

「そうよ」

 

 リュウは続けた。

 

「黒を知っている青だ」

 

 春麗は、構える前に少しだけ顔を逸らした。

 

「……戦う前に精神HPを削らないで」

 

「すまない」

 

「謝るところじゃないわ」

 

 けれど、胸の奥で何かが静かに整った。

 

 黒を置いてきた青ではない。

 

 黒を知っている青。

 

 その言葉は、腹立たしいほど正しかった。

 

 だから、効いた。

 

 春麗は深く息を吐き、ようやく構えた。

 

「今の分も含めて、勝つわ」

 

「ああ」

 

「そこは止めないのね」

 

「春麗だからな」

 

「またそれ」

 

 春麗は、青い袖を揺らした。

 

 黒い裾はない。

 

 視線誘導も、半拍遅れる布もない。

 

 だが、青には青の速さがある。

 

 春麗は踏み込んだ。

 


 

 青の一歩は、黒より速かった。

 

 黒い裾で視線を遅らせるのではない。

 

 隠すのでもない。

 

 待たせるのでもない。

 

 正面から入る。

 

 リュウの拳が動く。

 

 速い。

 

 春麗は、その拳を見ていた。

 

 十一戦目の拳。

 

 青の自分を止めた拳。

 

 黒へ向かわせた拳。

 

 けれど、今の春麗は、その拳を弱さの記憶にはしない。

 

 踏み込む。

 

 拳の外側へ。

 

 蹴り。

 

 リュウの脇腹に入る。

 

 浅い。

 

 すぐにリュウの拳が返る。

 

 春麗は腕で受ける。

 

 重い。

 

 青い袖が揺れる。

 

 黒とは違う。

 

 布は視線を奪わない。

 

 半拍を作らない。

 

 その代わり、身体が軽い。

 

 足が先に出る。

 

 青は隠さない。

 

 青は見せる。

 

 ここにいる。

 

 正面から来る。

 

 その宣言のように、春麗は続けて踏み込んだ。

 

 リュウは下がらない。

 

 拳と蹴りが交差する。

 

 春麗の足が、リュウの防御を叩く。

 

 リュウの拳が、春麗の肩を打つ。

 

 痛い。

 

 だが、春麗は止まらない。

 

 黒なら、ここで半拍を作った。

 

 裾を揺らし、視線を逸らし、間合いを沈めた。

 

 でも今日は、青だ。

 

 半拍は布では作らない。

 

 自分の足で作る。

 

 踏み込みの角度。

 

 蹴りの戻し。

 

 肩の開き。

 

 呼吸の切り替え。

 

 黒で学んだことを、青の身体に戻す。

 

 春麗の蹴りが、今度は深く入った。

 

 リュウの体が揺れる。

 

「速い」

 

 リュウが言った。

 

「当然よ」

 

 春麗は返す。

 

「青なのだから」

 

 一拍。

 

「でも、昔の青じゃない」

 

 掌底が入る。

 

 リュウの胸を打つ。

 

 リュウは一歩下がる。

 

 春麗は追う。

 

 青い武道服が、朝の光を切る。

 


 

 中盤。

 

 リュウが踏み込みを変えた。

 

 拳の軌道が、十一戦目のそれに近づく。

 

 春麗は気づいた。

 

 あの拳。

 

 青の自分を止めた拳。

 

 黒を必要にした拳。

 

 以前なら、胸の奥が固まった。

 

 今も固まる。

 

 だが、止まらない。

 

 春麗は、その拳を黒で隠さない。

 

 青で迎える。

 

 真正面。

 

 リュウの拳が中心に来る。

 

 春麗は半歩だけ外す。

 

 蹴りを返す。

 

 リュウは受ける。

 

 拳がさらに返る。

 

 春麗の脇腹に入る。

 

 重い。

 

 息が止まる。

 

 膝が落ちかける。

 

 しかし、春麗は床を踏む。

 

 青い足が、踏み直す。

 

 十一戦目の自分は弱くなかった。

 

 そう決めた。

 

 なら、今の青も弱さではない。

 

 負けた青ではない。

 

 戻った青でもない。

 

 選んだ青だ。

 

 春麗は、息を吐いた。

 

「リュウ」

 

「ああ」

 

「この青は、あの日の続きよ」

 

 リュウの目が静かに変わる。

 

「十一戦目か」

 

「ええ」

 

「そうか」

 

「でも」

 

 春麗は、踏み込む。

 

「負けを取り戻すためじゃない」

 

 蹴りが、防御の上から入る。

 

「今日の勝ちを取りに来たの」

 

 リュウの足が沈む。

 

 春麗も痛む。

 

 互いに削れている。

 

 だが、春麗の目は逸れない。

 

 青は、まっすぐだった。

 

 黒のように視線を絡め取らない。

 

 けれど、逃がさない。

 

 正面から、リュウの拳へ入っていく。

 

 リュウは、春麗を見ていた。

 

「黒を知った後の青は」

 

 春麗は嫌な予感がした。

 

「言わなくていいわ」

 

「深い」

 

 春麗の精神HPが削れた。

 

「言わなくていいと言ったでしょう!」

 

「すまない」

 

「謝るな!」

 

 だが、動きは止まらなかった。

 

 むしろ、少しだけ鋭くなる。

 

 怒りではない。

 

 照れでもない。

 

 見られたことを受けたまま、踏み込む力。

 

 黒で身につけたそれが、青の速さに乗っている。

 

 春麗は、近づく。

 

 黒い裾がなくても、見られる距離へ入れる。

 

 青のまま。

 

 リュウの目を見る。

 

 そこに、迷いはない。

 

 リュウは黒を探していない。

 

 青を見ている。

 

 黒を知っている青を。

 

 春麗を見る。

 

 それが、少しだけ胸を刺した。

 

 でも、刺されたまま、蹴る。

 

 リュウの防御が遅れる。

 

 青の足が、リュウの肩を打った。

 


 

 終盤。

 

 リュウの呼吸が荒い。

 

 春麗の呼吸も荒い。

 

 黒の時と同じだ。

 

 勝つ時も負ける時も、楽ではない。

 

 救済後でも、リュウは甘くない。

 

 リュウは踏み込む。

 

 拳が速い。

 

 春麗は青で受ける。

 

 布に頼らない。

 

 視線誘導に頼らない。

 

 ただ、身体で読む。

 

 リュウの拳が春麗の腕を弾く。

 

 春麗の体勢が崩れる。

 

 リュウの次の拳が来る。

 

 十一戦目なら、ここで止められた。

 

 青の春麗は、ここで負けた。

 

 しかし、今の春麗は、そこで黒を思い出した。

 

 棚の中の黒。

 

 見られる距離。

 

 半拍。

 

 待機圧。

 

 黒を着ていないのに、黒で覚えた間が身体にある。

 

 春麗は、崩れた体勢のまま、一拍だけ止まった。

 

 黒の待機圧ではない。

 

 青の静止。

 

 リュウの拳が、一瞬だけ判断を変える。

 

 そこを取る。

 

 春麗は足を返した。

 

 蹴り。

 

 リュウの脇腹。

 

 深い。

 

 リュウの動きが止まる。

 

 しかし、リュウの拳も春麗の肩に入った。

 

 春麗の視界が揺れる。

 

 リュウの膝も揺れる。

 

 互いに、ほとんど残っていない。

 

 春麗は歯を食いしばる。

 

 青い袖が乱れる。

 

 汗が頬を伝う。

 

 黒なら、ここで裾を流した。

 

 だが、今日は青。

 

 最後は、青で行く。

 

 まっすぐ。

 

 速く。

 

 隠さずに。

 

「リュウ」

 

「ああ」

 

「見ていなさい」

 

「ああ」

 

「黒を知った後の青よ」

 

 自分で言った。

 

 リュウに言われる前に。

 

 その言葉を、自分のものとして。

 

 春麗は踏み込んだ。

 

 リュウも踏み込む。

 

 拳と蹴りが交差する。

 

 リュウの拳が、春麗の頬をかすめる。

 

 痛み。

 

 熱。

 

 だが、中心は外れた。

 

 春麗の足が、リュウの防御を越える。

 

 青の速さ。

 

 黒で覚えた半拍。

 

 十一戦目を弱さにしない踏み込み。

 

 最初の黒を塗り潰さない視線。

 

 負け続けた黒を束ねた呼吸。

 

 その全部が、青に乗った。

 

 蹴りが、リュウの胸へ入る。

 

 深く。

 

 リュウの体が後ろへ揺れる。

 

 それでも、リュウは立とうとする。

 

 春麗も止まらない。

 

 最後の掌底。

 

 青い袖が、朝の光を切る。

 

 掌底が入る。

 

 リュウの胸。

 

 今度こそ、リュウの膝が落ちた。

 

 片膝。

 

 拳は握られている。

 

 だが、立ち上がれない。

 

 春麗は、立っていた。

 

 足は震えている。

 

 肩も痛い。

 

 頬も熱い。

 

 息も荒い。

 

 それでも、立っていた。

 

 青で。

 

 リュウに。

 

 勝った。

 

 ギリギリで。

 

 本当に、ギリギリで。

 


 

 しばらく、誰も喋らなかった。

 

 風が吹いた。

 

 黒い裾はない。

 

 青い袖が揺れた。

 

 春麗は、息を整えようとして失敗した。

 

 胸が熱い。

 

 勝った。

 

 青で。

 

 黒を棚に置いたまま。

 

 黒を捨てずに。

 

 黒を否定せずに。

 

 青を選んで。

 

 勝った。

 

「……勝ったわ」

 

 声は小さかった。

 

 リュウは、片膝のまま頷く。

 

「ああ」

 

「本当に?」

 

「ああ」

 

「青で?」

 

「ああ」

 

「黒を棚に置いてきたのに?」

 

「ああ」

 

「黒を捨てたわけじゃないわ」

 

「ああ」

 

「青に逃げたわけでもない」

 

「ああ」

 

「今日は、青を選んだだけ」

 

「ああ」

 

 リュウは、春麗を見上げた。

 

「いい青だった」

 

 春麗の精神HPが、勝利直後に削れた。

 

「……リュウ」

 

「ああ」

 

「今、勝った直後なのよ」

 

「ああ」

 

「そこで精神HPを削るのをやめなさい」

 

「すまない」

 

「謝るところではないわ」

 

 リュウは、少しだけ考えてから言った。

 

「黒を知っているから、青が前に出ていた」

 

 春麗の精神HPがさらに削れた。

 

「追撃しないで!」

 

「追撃だったか」

 

「そうよ!」

 

 春麗は、顔を背ける。

 

 青で勝った。

 

 その事実だけでも胸が熱いのに、リュウが余計なことを言う。

 

 でも。

 

 今回も、間違えてはいなかった。

 

 黒を知った後の青。

 

 黒を棚に置けるようになった春麗の青。

 

 昔に戻る青ではない。

 

 黒を否定する青でもない。

 

 選んだ青。

 

 それをリュウは見た。

 

 春麗は、深く息を吐く。

 

「……間違えて覚えないで」

 

 リュウは頷く。

 

「ああ」

 

「今日の青は、黒を捨てた青じゃない」

 

「ああ」

 

「昔に戻った青でもない」

 

「ああ」

 

「私が選んだ青よ」

 

 リュウは静かに言った。

 

「覚えている」

 

 春麗は、少しだけ頬を赤くした。

 

「……なら、いいわ」

 

 リュウは立ち上がろうとする。

 

 少しふらつく。

 

 春麗は手を出さない。

 

 リュウも求めない。

 

 それでいい。

 

 互いに、限界だった。

 

 でも、今日は春麗が立っている。

 

 青で。

 

 黒を知った青で。

 

 春麗は背を向ける。

 

「帰るわ」

 

「ああ」

 

「次も勝つわ」

 

「ああ」

 

「青か黒かは、私が決める」

 

「ああ」

 

 リュウは、少しだけ笑ったように見えた。

 

「春麗だからな」

 

 春麗は、振り返らずに言った。

 

「その言い方、本当に危険よ」

 

「そうか」

 

「そうよ」

 

 けれど、足取りは止まらなかった。

 

 青い袖が揺れる。

 

 黒い裾はない。

 

 でも、棚の中の黒は消えていない。

 

 そして今日の青も、もう消えない。

 


 

 部屋に戻ると、棚の扉は少し開いていた。

 

 黒が見える。

 

 春麗は、その前に立った。

 

 今日は、青で勝った。

 

 黒は棚にあった。

 

 それでも、勝った。

 

 春麗は、青い武道服の袖を見た。

 

 汚れている。

 

 袖。

 

 肩。

 

 裾ではなく、足元。

 

 戦いの跡。

 

 青の勝利の跡。

 

 春麗は、水を用意した。

 

 昨日の黒を洗った時と同じように。

 

 勝った青を洗う。

 

 消すためではない。

 

 整えるために。

 

 青で勝ったことを祭壇に上げるためではない。

 

 今日の青を、手元に置ける形にするために。

 

 布を洗う。

 

 水が汚れを落とす。

 

 今日の勝利は消えない。

 

 春麗は、静かに息を吐いた。

 

「青も、同じなのね」

 

 勝った黒も畳めた。

 

 負けた黒も畳めた。

 

 そして、勝った青も整えられる。

 

 青を畳む。

 

 袖を揃える。

 

 肩を整える。

 

 戦闘服として、手元に置ける形にする。

 

 春麗は、少し迷った。

 

 青を、黒とは別の場所に置くべきか。

 

 黒の隣に置くべきか。

 

 十一戦目の青と、今日の青をどう扱うべきか。

 

 しばらく考えてから、春麗は棚を開けた。

 

 黒のある棚。

 

 その少し離れたところに、青を置く。

 

 同じ棚。

 

 同じ段。

 

 でも、重ならない場所。

 

 黒は黒。

 

 青は青。

 

 どちらも、自分が選んだもの。

 

「勝った青だから、黒の上に置くわけじゃない」

 

 一拍。

 

「黒を捨てた青だから、別にするわけでもない」

 

 青い袖を整える。

 

「どちらも、私が選んだ戦闘服」

 

 言ってから、春麗は少しだけ黙った。

 

 そして、小さく笑った。

 

「……今日は訂正しないわ」

 

 棚の中には、黒がある。

 

 青もある。

 

 勝った黒。

 

 勝った青。

 

 負けた黒。

 

 まだ重い十一戦目。

 

 最初の黒。

 

 全部が、同じ場所にあるわけではない。

 

 でも、同じ棚にある。

 

 春麗は、棚の扉を少しだけ開けたままにする。

 

 黒も見える。

 

 青も見える。

 

 どちらも、そこにある。

 

 鏡の前に立つ。

 

 青を脱いだ春麗が映る。

 

 黒を着ていない。

 

 青も脱いだ。

 

 それでも、春麗は立っている。

 

 棚の中には、選んだ黒と、選んだ青がある。

 

「次は」

 

 いつもの言葉が浮かぶ。

 

 次は勝つ。

 

 それはまだある。

 

 けれど、今日は自然に続きが出た。

 

「青でも、黒でも」

 

 一拍。

 

「私が選ぶ」

 

 その言葉は、静かだった。

 

 宣言というより、確認だった。

 

 黒執着春麗は、鏡の中の自分を見た。

 

 黒を持ったまま、黒だけではなくなった春麗。

 

 青を選んでも、黒を失わなかった春麗。

 

 その春麗が、そこにいた。

 

 春麗は、少しだけ苦く笑う。

 

「本当に、面倒なところまで来たわね」

 

 でも、その声は悪くなかった。

 

 棚の中で、黒と青が静かに並んでいる。

 

 リュウに勝った黒。

 

 リュウに勝った青。

 

 どちらも、春麗が選んだもの。

 

 夜が来る。

 

 明日も来る。

 

 次にどちらを着るかは、まだ決めていない。

 

 それでよかった。

 

 決められる。

 

 選べる。

 

 それが、今の春麗だった。

 




Q:今回の妄想章IF後日談について解説して?

A:

今回のエピソードは、一言で言うなら、

救済後の黒執着春麗が、黒を捨てずに青を選び直し、その青でリュウにギリギリ勝つ回

です。

黒執着春麗は、これまで黒で戦ってきました。

黒ドレス。
黒の見せ方。
黒の半拍。
黒を使った視線誘導。
リュウに届くために必要だった黒。

それは、彼女にとってとても大事なものでした。

しかし同時に、黒だけを自分にしてしまう危険もありました。

だから今回の重要なポイントは、

黒で勝った春麗が、黒を否定せずに青を選ぶ

というところです。

これは、昔の青に戻る話ではありません。

黒を着る前の春麗に戻るわけではない。
黒を捨てるわけでもない。
黒をなかったことにするわけでもない。
青に逃げるわけでもない。

黒を棚に置けるようになった春麗が、今度は青を選ぶ。

この順番が非常に大事です。

冒頭で、春麗は棚の中の黒と青を見ています。

黒は隠していない。
青も奥へ押し込んでいない。
どちらも、そこにある。

この時点で、救済後の黒執着春麗の現在地がかなりはっきりしています。

以前の彼女なら、黒だけに寄っていたかもしれません。

黒こそ自分。
黒で勝てる自分こそ本物。
黒を失えば空になる。

そういう危険な方向へ行っていた可能性があります。

でも、今の彼女は違います。

黒は棚にある。
青も棚にある。
どちらも見える。

そして、その中から今日は青を選ぶ。

これは、黒を捨てたからではありません。

選べるようになったからです。

今回の核は、ここです。

黒執着春麗は、黒だけの春麗ではなくなった。

黒を持っている。
黒を知っている。
黒で勝ったこともある。
黒で精神HPを削られたこともある。
それでも、今日は青を選べる。

これが救済後の大きな進展です。

リュウの反応も、非常に重要です。

リュウは、青で来た春麗を見て、最初に黒を探します。

これは自然です。

彼は黒を知っている。
黒の春麗を見ている。
黒で勝った春麗も知っている。

だから、青で来た春麗を見た時に、黒がないことを確認する。

でも、そこで終わりません。

春麗が「黒を捨てたわけじゃない」「青に逃げたわけでもない」「昔に戻ったわけでもない」と言うと、リュウは、

今日の青は、黒を置いてきた青じゃない。
黒を知っている青だ。

と言います。

これは今回のリュウの危険発言です。

いつものことですが、リュウは見てはいけないところを普通に見ます。

春麗本人がまだ言葉にしきれていない現在地を、先に言葉にしてしまう。

黒を置いてきた青ではない。
黒を知っている青。

この言葉で、今回の青の意味が定まります。

今回の青は、昔の青ではありません。

黒を知らなかった青ではない。
十一戦目で負けた青でもない。
黒から逃げる青でもない。

黒を知った後の青です。

だから、今回の戦闘は青の回でありながら、黒の経験がしっかり入っています。

青は隠さない。
青は正面から行く。
青は速い。

しかし、黒で覚えた間合い、半拍、視線、見られる距離の感覚は、青の身体にも残っています。

ここが今回の戦闘の面白いところです。

春麗は黒ドレスを着ていません。

黒い裾もない。
視線誘導の布もない。
黒の待機圧も使っていない。

それでも、黒で学んだものは消えていない。

黒の経験を、青の身体に戻している。

だから、今回の春麗は「青だけど、黒を知っている春麗」になっています。

中盤で、リュウが十一戦目の拳に近い軌道を出してくるのも重要です。

あれは、黒へ向かうきっかけになった拳です。

青の春麗が止められた拳。
青の敗北の記憶。
黒を必要にした始まり。

普通なら、ここで春麗の青は止まってもおかしくありません。

でも、今回の春麗は違います。

この青は、あの日の続きよ。
でも、負けを取り戻すためじゃない。
今日の勝ちを取りに来たの。

この台詞がかなり良いです。

過去の敗北をなかったことにするのではない。
十一戦目を弱さの記憶だけにしない。
でも、リベンジだけにもしない。

今日の勝ちを取りに来た。

ここで、青が過去の回収ではなく、現在の選択になります。

終盤では、黒を着ていないのに、黒で覚えた半拍が身体に残っている描写が出ます。

ここも非常に重要です。

黒は衣装だけではない。
黒で得た経験は、春麗の身体に残っている。
それを青で使える。

つまり、今回の勝利は、

青だけで勝った

でもなく、

黒の力で青を上書きした

でもありません。

黒を知った春麗が、青を選んで勝った

です。

だから勝利後、春麗は何度も確認します。

青で勝った。
黒を棚に置いたまま勝った。
黒を捨てたわけではない。
青に逃げたわけでもない。
今日は、青を選んだだけ。

この確認が、かなり黒執着春麗らしいです。

彼女にとって、これはただの勝利ではありません。

黒以外でも自分は空ではない、という確認です。

黒で勝った自分もいる。
青で勝った自分もいる。

どちらかだけが本物ではない。

勝った黒も、勝った青も、どちらも自分が選んだもの。

ここまで来られたのが、今回の大きな到達点です。

そして、最後の棚の描写がとても大事です。

春麗は、勝った青を洗い、整え、棚に置きます。

黒の上に置くわけではない。
黒を捨てた青だから別にするわけでもない。
同じ棚の、少し離れた場所に置く。

この配置が非常に良いです。

黒と青は重ならない。
でも、別世界でもない。

同じ棚にある。
同じ春麗の中にある。

黒は黒。
青は青。
どちらも、自分が選んだ戦闘服。

この整理によって、黒執着春麗は「黒だけの春麗」から一段進みました。

今回のラストで、

青でも、黒でも、私が選ぶ

と言えるようになったこと。

これが今回の本当の勝利です。

リュウに勝ったことも大きいです。

でも、それ以上に大きいのは、

黒を持ったまま、青も選べる春麗になった

ということです。

これは救済後の黒執着春麗にとって、かなり重要なエピソードです。

これまでの彼女は、黒に救われ、黒に縛られ、黒でリュウに届きました。

でも今回、青でも届いた。

黒を捨てずに。

黒を上書きせずに。

黒と青を同じ棚に置けるようになった。

今回の到達点は、

救済後の黒執着春麗は、黒だけではなく、青も自分の選択肢として取り戻した

です。

そして、これは本編春麗の青とは別の意味を持つ青です。

本編春麗の青は、正式回答へ向かう青。
リュウと話しながら進む青。
宿題や聞かれた青を抱える青。

一方、黒執着春麗の青は、

黒を持ったまま、黒以外でも自分として立てることを確認する青

です。

同じ青でも、役割が違います。

だからこの回は、本編春麗の青を奪う回ではなく、黒執着春麗が自分の青を取り戻す回になっています。

青でも、黒でも、私が選ぶ。

この言葉は、救済後の黒執着春麗にとって、かなり大きな前進だと思います。

RPG形式バトル解説

黒執着春麗 vs リュウ
黒を知った青/選んだ青のギリギリ勝利戦

今回のバトルは、一言で言うなら、

黒で勝った春麗が、黒を棚に置いたまま青を選び、黒で得た経験を青の身体に戻してリュウにギリギリ勝つバトル

です。

表面的には「青武道服でリュウに勝つ試合」です。

しかし、内部構造としてはもっと複雑です。

黒を捨てたわけではない。
青に逃げたわけでもない。
昔に戻ったわけでもない。
黒を知った後の青で勝つ。

これが今回のバトルの本質です。

戦闘開始時ステータス

黒執着春麗

HP:100
精神HP:100
装備:青武道服
状態:救済後/黒を棚に置ける状態/青を再選択
特殊状態:黒を知っている青
戦闘目的:黒を捨てずに、青でもリュウへ届くことを確認する
危険要素:リュウの無自覚高火力発言

春麗側バフ

黒を知った青:発動中
黒の経験値:身体に残存
青の速度補正:上昇
十一戦目の記憶:精神負荷あり
棚に置いた黒:安定補正
選択権の回復:精神支柱

春麗側デバフ

青の敗北記憶:中盤以降に発動
黒の不在による視線誘導低下
リュウの発言による精神HP被弾リスク

リュウ

HP:100
精神HP:100
状態:通常
戦闘目的:青を選んだ春麗と戦う
観測状態:黒ではなく、青で来た春麗を確認
特殊能力:無自覚観測/高火力発言/春麗の現在地を見抜く

リュウ側バフ

黒の春麗を知っている
青の春麗も知っている
十一戦目の拳を持っている
春麗の変化を見抜く力

リュウ側デバフ

春麗の青の再構築に対して初見補正あり
黒を警戒していた分、青の正面速度への反応がわずかに遅れる

PRE-BATTLE:装備選択フェーズ

春麗は棚の前で、黒と青を見ます。

黒は隠していない。
青も奥へ押し込んでいない。
どちらもそこにある。

ここで春麗は、青を選びます。

ただし、これは昔に戻る選択ではありません。

黒を捨てたわけではない。
黒を置いてきたわけでもない。
黒を棚に置いたまま、今日は青を選ぶ。

この時点で、春麗に重要なバフが入ります。

春麗 精神HP:100 → 94

理由:青を選ぶこと自体に重さがあるため。

ただし同時に、

選択権の回復:発動
黒を棚に置く安定補正:発動
黒を知った青:発動準備

になります。

TURN 1:試合前会話/リュウの観測

リュウは春麗を見て、黒を探します。

春麗はそれに気づきます。

今、黒を探した?

リュウは正直に答えます。

ああ。

この時点で、リュウは黒の春麗を知っているからこそ、青の春麗を見る準備に入っています。

春麗は説明します。

黒を捨てたわけじゃない。
青に逃げたわけでもない。
昔に戻ったわけでもない。
今日は、青を選んだだけ。

ここでリュウの高火力発言。

今日の青は、黒を置いてきた青じゃない。
黒を知っている青だ。

春麗 精神HP:94 → 78

かなり大きく削れます。

理由は、この言葉があまりにも正確だからです。

リュウは、春麗がまだ自分で慎重に扱っている現在地を、普通に言葉にしてしまいました。

ただし、ここで春麗の戦闘軸も定まります。

黒を知っている青:完全発動

TURN 2:序盤/青の正面突破

春麗は青で踏み込みます。

黒ドレスの時のように、裾で視線を遅らせるわけではありません。

隠さない。
待たせない。
正面から入る。

春麗の初動は、黒より速い。

リュウは迎撃しますが、春麗の蹴りが脇腹へ入ります。

浅いヒット。

リュウも反撃。

春麗は腕で受けます。

HP変動

春麗 HP:100 → 88
リュウ HP:100 → 91

序盤は春麗が速度で先行しますが、リュウの拳も届いています。

ここで重要なのは、春麗が黒の半拍に頼っていないことです。

青の正面突破で、まずリュウに届いています。

TURN 3:青の身体に黒の経験を戻す

春麗は、青の軽さを使います。

黒い裾はない。
でも、足が先に出る。
青は隠さない。
青は見せる。

ここで春麗は、黒で学んだことを青の身体に戻し始めます。

踏み込みの角度。
蹴りの戻し。
肩の開き。
呼吸の切り替え。

これにより、春麗の攻撃が深くなります。

春麗の蹴りがリュウに深く入る。
掌底も胸へ届く。

HP変動

春麗 HP:88 → 78
リュウ HP:91 → 76

春麗がやや優勢。

ただし、リュウもまだ余裕があります。

このフェーズの判定

春麗:青の速度で主導権取得
リュウ:防御しつつ春麗の変化を観測
戦況:春麗やや優勢

TURN 4:中盤/十一戦目の拳

リュウが踏み込みを変えます。

拳の軌道が、十一戦目に近づく。

これは春麗にとって大きな精神トリガーです。

十一戦目。
青の自分が負けた日。
リュウに追いつかれた日。
黒を必要にした始まり。

春麗 精神HP:78 → 65

ただし、今回の春麗は止まりません。

この青は、あの日の続きよ。
でも、負けを取り戻すためじゃない。
今日の勝ちを取りに来たの。

ここで春麗は、十一戦目を「弱さ」ではなく「続き」として扱います。

春麗 精神HP:65 → 72

自己回復が入ります。

理由は、過去の敗北を現在の選択に変換できたためです。

HP変動

春麗 HP:78 → 61
リュウ HP:76 → 62

両者とも大きく削れます。

TURN 5:リュウの無自覚高火力発言

リュウは春麗を見て言います。

黒を知った後の青は、深い。

春麗 精神HP:72 → 52

これはかなり危険です。

戦闘中に春麗の現在地を言語化してしまうリュウのいつもの無自覚高火力です。

ただし、今回の春麗は止まりません。

見られたことを受けたまま、踏み込みます。

これにより、戦闘面では逆に鋭くなります。

状態変化

春麗:精神HP低下
春麗:攻撃集中上昇
リュウ:春麗の青を正確に観測中

HP変動

春麗 HP:61 → 49
リュウ HP:62 → 48

ほぼ互角。

TURN 6:終盤突入/黒を着ていない青の半拍

終盤、リュウの拳が春麗の腕を弾きます。

春麗の体勢が崩れます。

ここは十一戦目なら負けていた場面です。

しかし、今回の春麗は黒で得た経験を使います。

黒い裾はない。
黒ドレスは着ていない。
でも、黒で覚えた間が身体に残っている。

春麗は、崩れた体勢のまま一拍止まります。

黒の待機圧ではない。
青の静止。

リュウの判断が一瞬だけ変わる。

その隙を取ります。

春麗の蹴りがリュウの脇腹へ深く入る。

同時にリュウの拳も春麗の肩に入る。

HP変動

春麗 HP:49 → 26
リュウ HP:48 → 23

両者危険域。

このターンの重要点

黒の技術を黒のまま使ったのではなく、青の中に戻している。

つまり、

黒の経験値が青に統合された

ということです。

FINAL TURN:黒を知った後の青

春麗は言います。

見ていなさい。
黒を知った後の青よ。

ここは、非常に大事です。

これまでリュウが言語化していた「黒を知った青」を、春麗自身が自分の言葉として言います。

精神HP回復

春麗 精神HP:52 → 70

理由:リュウに言われた言葉を、自分の言葉として取り戻したため。

リュウも踏み込みます。

拳と蹴りが交差。

リュウの拳が春麗の頬をかすめる。

春麗の中心は外れます。

春麗の足が、リュウの防御を越えます。

青の速さ。
黒で覚えた半拍。
十一戦目を弱さにしない踏み込み。
負け続けた黒を束ねた呼吸。

その全部が青に乗ります。

蹴りがリュウの胸へ入る。

リュウはまだ立とうとする。

春麗は最後の掌底。

青い袖が朝の光を切る。

掌底がリュウの胸へ入る。

リュウ、片膝。

春麗、立っている。

最終HP変動

春麗 HP:26 → 6
リュウ HP:23 → 0

BATTLE RESULT

黒執着春麗 WIN

HP残量

春麗 HP:6 / 100
リュウ HP:0 / 100

春麗 精神HP:70 / 100
ただし、試合後リュウの発言で再び削られます。

POST-BATTLE EVENT:勝利確認

春麗は確認します。

勝った。
青で。
黒を棚に置いてきたのに。
黒を捨てたわけじゃない。
青に逃げたわけでもない。
今日は、青を選んだだけ。

これは、春麗自身が勝利の意味を確認している場面です。

リュウはそれを受けて言います。

いい青だった。

春麗 精神HP:70 → 54

さらに追撃。

黒を知っているから、青が前に出ていた。

春麗 精神HP:54 → 36

リュウの無自覚褒め殺しが発動しています。

ただし、今回は精神HPノックアウトまでは行きません。

なぜなら、春麗はすでに勝利の意味をある程度自分で掴んでいるからです。

春麗は言います。

今日の青は、黒を捨てた青じゃない。
昔に戻った青でもない。
私が選んだ青よ。

リュウは答えます。

覚えている。

春麗 精神HP:36 → 24

かなり削られます。

しかし、春麗は倒れません。

今回は勝利の青を持ち帰ることに成功します。

FINAL RESULT

戦闘結果

黒執着春麗 勝利

肉体HP

春麗:6 / 100
リュウ:0 / 100

精神HP

春麗:24 / 100
リュウ:100 / 100

判定

肉体戦:春麗 WIN
精神戦:リュウ軽度優勢
総合:春麗が勝利ログを保持して帰還

獲得ログ

選んだ青
黒を知った後の青
黒を棚に置いたまま勝った青
リュウに勝った青
黒と青を同じ棚に置ける春麗

戦闘後処理:青を洗う

部屋に戻った春麗は、青を洗います。

ここはかなり重要です。

勝った青を祭壇にするのではない。
勝利を黒より上に置くのでもない。
青を整え、手元に置ける形にする。

勝った黒も畳めた。
負けた黒も畳めた。
勝った青も整えられる。

これにより、春麗は青を特別視しすぎず、黒と同じように扱えるようになります。

棚配置フェーズ

春麗は、青を黒と同じ棚に置きます。

ただし、重ねない。

同じ段。
少し離れた場所。

この配置には意味があります。

黒は黒。
青は青。
どちらも自分が選んだもの。

勝った青を黒の上に置くわけではない。
黒を捨てた青だから別にするわけでもない。

この配置によって、黒と青の関係が整理されます。

黒と青は上下関係ではない。
優劣でもない。
どちらも選択肢。

これが今回の最大の戦後処理です。

最終到達点

今回の到達点は、

青でも、黒でも、私が選ぶ

です。

これは、救済後の黒執着春麗にとって非常に大きいです。

黒だけが自分ではない。
青に戻る必要もない。
黒を捨てる必要もない。
青を選んでも、黒は消えない。
黒を持っていても、青で勝てる。

これにより、黒執着春麗は「黒だけの春麗」から進みます。

最終リザルト

BATTLE RESULT:黒執着春麗 WIN
MENTAL RESULT:リュウの追撃により春麗精神HP大幅減少
STORY RESULT:黒と青の両方を選べる春麗へ前進
NEW LOG:選んだ青
NEW STATUS:黒を持ったまま、青でも勝てる春麗
NEXT POSSIBILITY:黒でも青でも、自分で選ぶ戦闘服ラインへ

まとめ

今回のバトルは、単なる青武道服での勝利ではありません。

これは、

黒を知った春麗が、黒を捨てず、青を選び、青でリュウに勝った試合

です。

黒の経験は消えていません。
青の敗北も消えていません。
十一戦目も消えていません。

その全部を持ったまま、春麗は青で勝ちました。

だからこの勝利は、黒を否定する勝利ではなく、

黒と青の両方を自分の棚に置けるようになる勝利

です。

今回の黒執着春麗は、かなり大きく進みました。

黒だけではない。
青に戻ったわけでもない。

青でも、黒でも、私が選ぶ。

この一言が、今回の勝利の本当の意味だと思います。
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