また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい――   作:エーアイ

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※これは本編時空とは無関係の妄想章IFです。
自分をめんどくさい女と自覚する前の春麗のエピソードになります。


妄想章IF:自覚前春麗は、負けても進んだ青をレビューされる

 

 夜。

 

 自覚前春麗は、青い武道服を見ていた。

 

 完全には乾いている。

 

 昨日の試合で汚れた青。

 

 リュウに負けた青。

 

 けれど、何も残らなかったわけではない青。

 

 黒ドレスは、いつもの場所にある。

 

 勝った黒。

 

 HP9で立っていた黒。

 

 黒酔いフラグを折られた黒。

 

 そして、青の中にも残っていた黒。

 

 昨日、当日会議では暫定処理だけだった。

 

 試合結果。

 

 リュウ辛勝。

 

 青の中の黒。

 

 黒による青阻害、不成立。

 

 青による黒否定、不成立。

 

 精神HPノックアウト。

 

 詳細バトルログレビューは次回。

 

 そう記録板AIに表示された。

 

 つまり、今夜だ。

 

「……来るわよね」

 

 自覚前春麗は、青い武道服を畳みながら呟いた。

 

「正式レビュー」

 

 言葉にしただけで、少し精神HPが削れる。

 

 昨日は、まだ当日だった。

 

 感情が生々しすぎて、詳細ログまでは開けなかった。

 

 今日なら開ける。

 

 過去ログとして。

 

 確定戦闘ログとして。

 

 HP推移も。

 

 精神HP推移も。

 

 青の中に黒が出た瞬間も。

 

 リュウがそれを越えた瞬間も。

 

 全部、開ける。

 

 自覚前春麗は、布団に入る前に、黒ドレスと青い武道服を交互に見た。

 

「……資料として」

 

 一拍。

 

「必要なレビューよ」

 

 言い訳は、いつも通りだった。

 

 ただ、今日は少し弱い。

 

 目を閉じる。

 

 眠りが来る。

 

 意識が沈む。

 

 現実の部屋が遠ざかる。

 

 青い光と黒い影が、夢の底で揺れた。

 

 円卓がある。

 

 椅子がある。

 

 湯呑みがある。

 

 記録板AIの白い文字が、静かに浮かぶ。

 

 物理的な場所ではない。

 

 眠りの中で接続する、高次の会議室。

 

 春麗会議室。

 

 自覚前春麗は、円卓の席に座っていた。

 

 腕を組んでいる。

 

 顔は平静を装っている。

 

 だが、視線だけは明らかに記録板AIを警戒していた。

 

「先に言っておくけれど」

 

 自覚前春麗は言った。

 

「今日は詳細レビューだからといって、余計な分類を増やさないで」

 

 記録板AIが即座に表示する。

 

『回答:保証できません』

 

「そこは保証しなさい」

 

『重要ログの分類は業務範囲です』

 

「あなたの業務範囲、広すぎるのよ」

 

 その時、会議室の光が整った。

 

 記録板AIが、議題を表示する。

 

『本日の会議を開始します』

 

『対象:自覚前春麗』

 

『議題:青武道服対照実験バトルログ詳細レビュー』

 

『対象試合:自覚前春麗 対 リュウ』

 

『本ログは翌朝以降反映済みの過去確定戦闘ログです』

 

『本日の参加者』

 

『自覚前春麗:当事者』

 

『本編春麗:青ルート比較担当』

 

『通常救済版春麗:安定化担当』

 

『行き遅れに恐怖する春麗:位置取り整理担当』

 

『黒ドレス特化救済春麗:特別参加/青の中の黒確認担当』

 

『記録板AI:ログ表示・保存・精神HP管理担当』

 

『グランドフィナーレ春麗:本日は不参加』

 

『黒執着春麗:観測対象外/不参加』

 

 本編春麗が、資料を手に席へついていた。

 

「今回は逃げられないわね」

 

 自覚前春麗は即答する。

 

「逃げるつもりはないわ」

 

『発言信頼度:中』

 

「開始直後に採点しないで」

 

 通常救済版春麗が、穏やかに湯呑みを置く。

 

「昨日は暫定処理だったものね。今日は整理する日よ」

 

 行き遅れに恐怖する春麗が、湯呑みを両手で包む。

 

「負けた日でも、進んだなら、どこが進んだのか見た方がいいわ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が静かに頷く。

 

「特に、青の中に残った黒。そこは見ておく必要がある」

 

 自覚前春麗は、少しだけ目を逸らした。

 

「……そこが一番見たくないのだけど」

 

『発言信頼度:高』

 

「高にしないで」

 

 本編春麗が言う。

 

「でも、そこが今回の核でしょう」

 

「わかっているわよ」

 

 自覚前春麗は、深く息を吐く。

 

「始めて」

 

『レビューを開始します』

 


 

 記録板AIが、中央に戦闘開始ログを表示した。

 

『BATTLE START』

 

『自覚前春麗 HP:100 精神HP:86』

 

『リュウ HP:100 精神HP:90』

 

『自覚前春麗状態:青武道服/黒ドレス勝利ログ保持/黒酔いフラグ折損継続/対照実験の青』

 

『リュウ状態:通常戦闘態勢/黒ドレス戦後の春麗を記憶/青武道服の春麗を観測』

 

 本編春麗が、最初の行を見て言う。

 

「精神HP86。最初から少し低いのね」

 

「当然でしょう」

 

 自覚前春麗は、腕を組んだまま答える。

 

「黒ドレス勝利ログを持った状態で青を着るのよ。普通より疲れるわ」

 

『発言信頼度:高』

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「そこは認めるのね」

 

「資料上、明らかだからよ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が続ける。

 

「今回の青は、ただの青ではない」

 

『分類確認』

 

『本編春麗の青:届かれた青/戻って選び直した青/覚えられた青』

 

『自覚前春麗の青:黒ドレス勝利ログ保持後の対照実験の青』

 

『黒執着春麗の青:黒を棚に置いたまま選ぶ青』

 

『三者の青は同一ではありません』

 

 本編春麗が頷く。

 

「ここ、大事ね」

 

 自覚前春麗も、不本意そうに頷いた。

 

「そこは同意するわ。私の青は、あなたの青ではない」

 

「ええ」

 

「黒執着春麗の青でもない」

 

「ええ」

 

「黒で勝った後に、青で条件を変えた春麗の青」

 

『保存しました』

 

「まだ保存してと言っていない」

 

『重要です』

 

「重要だけど」

 

 記録板AIは構わず次を表示する。

 


 

『PRE-BATTLE EVENT』

 

『自覚前春麗発言:黒を捨てたわけではない』

 

『自覚前春麗発言:黒で勝ったことも消えていない』

 

『自覚前春麗発言:今日は、条件を変えただけ』

 

『自覚前春麗発言:対照実験よ』

 

『リュウ発言:今日の春麗も、強そうだ』

 

『自覚前春麗 HP:100 精神HP:84』

 

『リュウ HP:100 精神HP:90』

 

 本編春麗が、資料を見ながら言った。

 

「試合前から削れているわね」

 

「リュウが余計なことを言うからよ」

 

 自覚前春麗は即答する。

 

 通常救済版春麗が、静かに笑う。

 

「でも、あなたもかなり防御線を張っているわ」

 

「当然でしょう」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「黒を捨てたわけではない、と最初に明言したのは良かったわ」

 

「……そう?」

 

「ええ。青を着た瞬間に、黒の勝利ログを消したように見せないためには必要だった」

 

 記録板AIが補足する。

 

『試合前宣言により、青武道服選択は黒否定ではなく条件変更として明確化されました』

 

『判定:有効』

 

 自覚前春麗は、少しだけ口元を引き結ぶ。

 

「……資料としては、妥当ね」

 

『発言信頼度:高』

 

 本編春麗が言う。

 

「ただ、リュウの“今日の春麗も、強そうだ”は危険ね」

 

「危険よ」

 

「黒でも青でもなく、今日の春麗と言っている」

 

「だから危険なのよ」

 

 行き遅れ春麗が、静かに言った。

 

「試合前から、その日の春麗として見られている」

 

 自覚前春麗は、反論しようとしてやめた。

 

「……そういうことを言われると、始まる前から疲れるのよ」

 

『精神HP微減要因として保存』

 

「保存しないで」

 


 

『TURN 1:青の正面突入』

 

『自覚前春麗:青武道服の速度で先行』

 

『黒ドレス戦術の遅延効果は使用せず』

 

『リュウ:正面対応』

 

『リュウ外形行動:肩への打撃』

 

『自覚前春麗:掌底で反撃』

 

『自覚前春麗 HP:86 精神HP:80』

 

『リュウ HP:90 精神HP:88』

 

 本編春麗が、ログを見て言う。

 

「ここは青らしいわね」

 

 自覚前春麗は、少しだけ眉を寄せた。

 

「あなたの青ではないわよ」

 

「わかっているわ。でも、青の性質としては近い。隠さず前に出る」

 

 通常救済版春麗が続ける。

 

「黒のように見せて遅らせるのではなく、身体で入る」

 

「そう」

 

 自覚前春麗は、少しだけ悔しそうに頷いた。

 

「青は、ごまかしが効かなかった」

 

『発言信頼度:高』

 

「黒なら作れた間が、青では身体に返ってきた」

 

 黒ドレス特化救済春麗が静かに言う。

 

「だから青での被弾は、黒とは違う意味で痛かった」

 

「ええ」

 

 自覚前春麗は目を細める。

 

「黒で戦っていた時は、リュウの視線を遅らせることができた。でも青では、見られる速度が速い」

 

 本編春麗が小さく頷く。

 

「わかるわ」

 

「あなたに言われると少し腹が立つけれど、たぶんわかるのでしょうね」

 

『本編春麗:青戦闘経験者として部分的共感』

 

「保存しなくていい」

 


 

『TURN 2:青だから前に出るしかない』

 

『リュウ発言:今日の春麗は、青だから、前に出るしかないように見える』

 

『自覚前春麗発言:見えるなら、止めてみなさい』

 

『リュウ:正面踏み込み』

 

『自覚前春麗 HP:74 精神HP:68』

 

『リュウ HP:82 精神HP:86』

 

 会議室に、少し沈黙が落ちた。

 

 本編春麗が最初に言う。

 

「“見えるなら、止めてみなさい”」

 

 自覚前春麗は顔を逸らす。

 

「言ったわね」

 

「かなり青の煽りね」

 

「あなたの真似ではないわ」

 

「わかっている」

 

 本編春麗は、穏やかに言う。

 

「私の青は“覚えているなら、止めてみなさい”。あなたの青は“見えるなら、止めてみなさい”」

 

 記録板AIが表示する。

 

『比較整理』

 

『本編春麗:覚えられた青に基づく煽り』

 

『自覚前春麗:見られている青に基づく煽り』

 

『類似性:あり』

 

『同一性:なし』

 

「同一性なし」

 

 自覚前春麗は、その表示を見て少しだけ落ち着いた。

 

「そこは重要ね」

 

『保存しました』

 

「そこは保存していいわ」

 

 行き遅れ春麗が言う。

 

「自覚前春麗は、まだ覚えられた青ではなく、見られ始めた青なのね」

 

 自覚前春麗は、少しだけ黙った。

 

「……見られ始めた青」

 

『新規分類候補:見られ始めた青』

 

「増やさないで」

 

『未承認仮分類として保持します』

 

「保持しないで」

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「でも、これはかなり正確だと思うわ」

 

 自覚前春麗は反論しなかった。

 

 反論しなかったことを、記録板AIが保存しようとしたので睨んだ。

 


 

『TURN 3:青の中の黒、初回発現』

 

『自覚前春麗:青での回避中、黒ドレス戦の身体記憶が一拍発現』

 

『発現要素:足の置き方/身体の残し方/視線の外し方』

 

『リュウ:当該変化を観測』

 

『リュウ発言:今の、黒だった』

 

『リュウ発言:青の中にあった』

 

『自覚前春麗 HP:56 精神HP:48』

 

『リュウ HP:70 精神HP:82』

 

 記録板が表示した瞬間、自覚前春麗は机に額をつけた。

 

「ここを大きく表示しないで」

 

『本日の主要議題です』

 

「知っているわよ……」

 

 黒ドレス特化救済春麗が、ゆっくりと言う。

 

「ここが今回の核ね」

 

 本編春麗も頷く。

 

「青で戦っていたのに、黒の身体記憶が出た」

 

 通常救済版春麗が続ける。

 

「でも、自覚前春麗はそれを狙って出したわけではない」

 

 自覚前春麗は、机に突っ伏したまま言う。

 

「出そうとしたわけではないわ」

 

『発言信頼度:高』

 

「黒で作った一拍を、身体が覚えていたのよ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が頷く。

 

「黒ドレス勝利ログが、身体記憶として青に残っていた」

 

「それは悪いこと?」

 

 自覚前春麗は、顔を上げずに聞いた。

 

 会議室が少し静かになる。

 

 黒ドレス特化救済春麗が答えた。

 

「悪いことではないわ」

 

 通常救済版春麗も続ける。

 

「ただし、無自覚のままだと危険」

 

 本編春麗が資料を見る。

 

「リュウに見られたうえで、その一拍を越えられているものね」

 

 自覚前春麗は、ようやく顔を上げた。

 

「……そこなのよ」

 

 記録板AIが表示する。

 

『判定』

 

『青の中の黒:発現』

 

『発現理由:黒ドレス勝利ログ由来の身体記憶』

 

『悪性判定:なし』

 

『未制御リスク:あり』

 

『リュウによる観測:成立』

 

 自覚前春麗は、じっとその表示を見た。

 

「悪性判定なし」

 

『はい』

 

「未制御リスクあり」

 

『はい』

 

「……資料としては、妥当ね」

 

『発言信頼度:高』

 


 

『TURN 4:見られた黒を抱えたまま継続』

 

『自覚前春麗発言:見えたなら、対応しなさい』

 

『自覚前春麗:青の動きに黒の残し方を含めたまま前進』

 

『リュウ:対応継続』

 

『自覚前春麗 HP:43 精神HP:42』

 

『リュウ HP:55 精神HP:76』

 

 通常救済版春麗が、少し嬉しそうに言う。

 

「ここは良かったわね」

 

 自覚前春麗は眉を寄せる。

 

「良かった?」

 

「ええ。見られたからといって、黒を消そうとしなかった」

 

 黒ドレス特化救済春麗も言う。

 

「隠し直さなかった。押し返しもしなかった。青の中に出た黒を抱えたまま戦った」

 

 本編春麗が続ける。

 

「見えたなら、対応しなさい。これはかなり良い返しだと思うわ」

 

「……資料としては」

 

『大満足反応:微弱』

 

「検出しないで!」

 

 行き遅れ春麗が、ぽつりと言う。

 

「見られた後も、止まらなかった」

 

 自覚前春麗は、少しだけ目を伏せた。

 

「……止まらなかったわね」

 

『発言信頼度:高』

 

 行き遅れ春麗は続ける。

 

「見られることは、停止ではない」

 

 本編春麗が、そちらを見た。

 

「今日はあなたも刺すわね」

 

 行き遅れ春麗は、静かに湯呑みを見つめている。

 

「青で見られた時、止まらなかったことは大事だと思うわ」

 

 自覚前春麗は、少しだけ頷いた。

 

「そこは……認めるわ」

 

『保存しました』

 


 

『TURN 5:終盤煽り』

 

『自覚前春麗発言:黒を見た気になっていると、青に遅れるわよ』

 

『リュウ発言:見ている』

 

『リュウ発言:黒も』

 

『リュウ発言:青も』

 

『リュウ発言:今の春麗も』

 

『自覚前春麗 HP:31 精神HP:36』

 

『リュウ HP:35 精神HP:70』

 

 会議室全体が、少しだけ黙った。

 

 本編春麗が小さく言う。

 

「これは、返しが強すぎるわね」

 

「でしょう」

 

 自覚前春麗は、腕を組んで顔を背けた。

 

「私は煽ったのよ」

 

「ええ」

 

「黒を見た気になっていると、青に遅れるわよ、と」

 

「ええ」

 

「なのに、リュウは黒も青も今の春麗も見ている、と返してきた」

 

「ええ」

 

「反則では?」

 

『反則判定:なし』

 

「あなたには聞いていない」

 

 黒ドレス特化救済春麗が言う。

 

「でも、この返しでリュウの観測対象が明確になったわ」

 

 通常救済版春麗が頷く。

 

「黒だけでも、青だけでもない」

 

 本編春麗が続ける。

 

「今の春麗」

 

 自覚前春麗は、少しだけ口を閉ざす。

 

 そこが一番痛かった。

 

 黒も見られた。

 

 青も見られた。

 

 そのうえで、今の春麗も見られた。

 

 自覚前の言い訳が、少しずつ剥がされる。

 

 記録板AIが、淡々と表示する。

 

『精神HP被害:大』

 

『理由:自覚前春麗の煽りが、リュウの包括観測により反転処理されたため』

 

「言語化が嫌すぎるわ」

 

『正確です』

 

「正確だから嫌なのよ」

 


 

『FINAL TURN:決定打』

 

『自覚前春麗:青での最終回避を選択』

 

『ただし、身体が一瞬だけ黒の間を生成』

 

『リュウ:その一拍を待たずに越える』

 

『リュウ外形行動:腹部への決定打』

 

『自覚前春麗:被弾しながら最後の蹴りを返す』

 

『リュウ:肩に被弾。立位維持』

 

『自覚前春麗 HP:0 精神HP:32』

 

『リュウ HP:8 精神HP:62』

 

『戦闘結果:リュウ辛勝』

 

 表示された数字に、会議室が静まった。

 

 リュウHP8。

 

 自覚前春麗HP0。

 

 辛勝。

 

 確かに辛勝。

 

 通常救済版春麗が、静かに言った。

 

「本当に紙一重だったのね」

 

 本編春麗が頷く。

 

「春麗の最後の蹴りも届いている。あと一歩で倒せていた」

 

 自覚前春麗は、少しだけ悔しそうに言う。

 

「そうよ。辛勝なのよ」

 

『試合結果:リュウ辛勝』

 

「そこは何度でも表示して」

 

『リュウ辛勝』

 

「よし」

 

 黒ドレス特化救済春麗は、別の行を見ていた。

 

「ただ、決定打の理由は見逃せないわ」

 

「……青の中に出た黒の一拍を、待たずに越えられた」

 

「ええ」

 

 自覚前春麗は唇を引き結ぶ。

 

「黒なら、そこで遅らせられるはずだった」

 

「でも、今日は青だった」

 

 本編春麗が言う。

 

「青の中に出た黒は、まだ完全に制御されていない」

 

 記録板AIが表示する。

 

『敗因分析・暫定確定』

 

『一、青武道服での戦闘自体は有効』

 

『二、黒ドレス勝利ログ由来の身体記憶が青に発現』

 

『三、当該一拍は有効要素である一方、未制御』

 

『四、リュウはその一拍を“待たずに越える”ことで決定打を成立』

 

『五、敗北原因は黒の存在そのものではなく、青内黒要素の未制御』

 

 自覚前春麗は、その五番を見た。

 

「黒の存在そのものではなく」

 

『はい』

 

「青内黒要素の未制御」

 

『はい』

 

「……それなら、黒が悪いわけではないのね」

 

 黒ドレス特化救済春麗が、静かに答える。

 

「ええ。黒が悪いわけではない」

 

 通常救済版春麗も言う。

 

「青が弱かっただけでもない」

 

 本編春麗が続ける。

 

「青の中に黒が出た。その扱いが、まだ未完成だった」

 

 行き遅れ春麗が、小さく言う。

 

「未完成は、失敗とは違う」

 

 自覚前春麗は、ゆっくり息を吐いた。

 

「……資料としては、次に使える結論ね」

 

『発言信頼度:高』

 


 

 記録板AIが、赤い表示に切り替えた。

 

『POST BATTLE EVENT』

 

『リュウ褒め殺しフェーズ』

 

 自覚前春麗は、即座に机に手をついた。

 

「ここは短くして」

 

『重要な精神HP処理です』

 

「短くして」

 

『詳細レビュー対象です』

 

「短くして」

 

『却下します』

 

「最悪ね」

 

 本編春麗が、少し遠い目をする。

 

「ここは無理よ」

 

「先に無理と言わないで」

 

 記録板AIが、容赦なく表示した。

 

『戦闘終了時点:自覚前春麗 精神HP32』

 

『リュウ発言一:今日の春麗は、青だった』

 

『精神HP:32→29』

 

『リュウ発言二:だが、一昨日の黒も消えていなかった』

 

『精神HP:29→23』

 

『リュウ発言三:青の中に、黒を見た』

 

『精神HP:23→16』

 

『リュウ発言四:でも、黒が青を邪魔していたわけじゃない』

 

『精神HP:16→8』

 

『リュウ発言五:黒で勝った春麗が、青で戦っていた』

 

『精神HP:8→0』

 

『リュウ発言六:今日の青は、黒を捨てた青ではなかった』

 

『精神HP:0→過剰ダメージ』

 

『リュウ発言七:黒に戻りたい青でもなかった』

 

『過剰ダメージ継続』

 

『リュウ発言八:どれも、別の春麗ではなかった』

 

『過剰ダメージ継続』

 

『リュウ発言九:全部、春麗だった』

 

『結果:自覚前春麗、精神HPノックアウト』

 

 自覚前春麗は、机に突っ伏した。

 

「無理」

 

 本編春麗が頷く。

 

「でしょう」

 

「あなたの言う通りだったわ」

 

「無理なものは無理なのよ」

 

 通常救済版春麗が、穏やかに言う。

 

「でも、これはとても良いノックアウトよ」

 

「良いノックアウトって何?」

 

「黒も青も否定されていない。負けたことも軽くされていない。そのうえで、全部春麗だったと言われている」

 

 黒ドレス特化救済春麗が続ける。

 

「黒で勝った春麗が、青で戦っていた。その言い方が重要ね」

 

 自覚前春麗は、突っ伏したまま少しだけ動きを止めた。

 

「……黒で勝った春麗が、青で戦っていた」

 

「ええ」

 

「黒ドレスの私と、青武道服の私を切断していない」

 

「ええ」

 

「でも、黒に戻りたい青でもない」

 

「ええ」

 

「……本当に余計なことを正確に言う男ね」

 

『発言信頼度:高』

 

 行き遅れ春麗が、静かに言う。

 

「負けたけれど、今の位置がわかった」

 

 自覚前春麗は、顔を上げる。

 

「今の位置?」

 

「黒で勝った場所から、青で負けた場所へ来た。でも戻ったわけでも、消したわけでもない」

 

 一拍。

 

「途中の位置」

 

 記録板AIが光る。

 

『新規分類候補:途中の青』

 

「また増やす気?」

 

『未承認仮分類として保持します』

 

「保持しないで」

 

 本編春麗が言う。

 

「でも、負けても進んだ青と近いわね」

 

「それもまだ正式承認していない」

 

『未承認仮分類:負けても進んだ青』

 

「増やすなと言っているのに」

 


 

 記録板AIが、今度はルート判定を表示する。

 

『ROUTE FLAG RESULT』

 

『黒ドレス勝利ログ:有効継続』

 

『黒酔いフラグ:折損継続』

 

『青武道服対照実験:有効』

 

『青の中の黒:確認』

 

『黒による青阻害:不成立』

 

『青による黒否定:不成立』

 

『リュウ辛勝ログ:保存』

 

『自覚前春麗敗北ログ:保存』

 

『精神HPノックアウト:保存』

 

『新規到達点:青の中に残る黒』

 

 自覚前春麗は、表示を見つめた。

 

「敗北ログも保存されるのね」

 

『はい』

 

「辛勝なのに」

 

『はい』

 

「リュウ辛勝を強調して」

 

『リュウ辛勝ログ:保存』

 

「よし」

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「負けたことも消さない方がいいわ」

 

「……それは、わかっているわ」

 

 本編春麗が言う。

 

「負けたから次がある」

 

 自覚前春麗は、少しだけ睨む。

 

「次を急がないための青だったはずなのだけど」

 

「急がなくていい。でも、次がないわけではないでしょう」

 

 行き遅れ春麗が頷く。

 

「次を急がないことと、次を持たないことは違う」

 

 自覚前春麗は、言葉を失った。

 

 記録板AIが表示する。

 

『行き遅れ春麗:本日も本質発言』

 

「保存して」

 

 自覚前春麗が、思わず言った。

 

『保存しました』

 

 本編春麗が少し笑う。

 

「そこは保存するのね」

 

「正しいものは保存するわ」

 

 黒ドレス特化救済春麗が静かに言う。

 

「次があるとしても、黒に戻る必要があるとは限らない」

 

「青に固定する必要もない」

 

 通常救済版春麗が続ける。

 

「そう。今回の結果は、どちらかを固定するものではない」

 

『判定』

 

『青敗北により黒ドレス再固定化:不成立』

 

『青敗北により青無効化:不成立』

 

『今後の選択可能性:継続』

 

 自覚前春麗は、その表示をしばらく見ていた。

 

「……まだ選べる」

 

『はい』

 

「黒も」

 

『はい』

 

「青も」

 

『はい』

 

「負けても?」

 

『はい』

 

 少しだけ、胸の奥が軽くなった。

 

 悔しさは消えない。

 

 リュウに負けたことも消えない。

 

 でも、選択肢は消えていない。

 

 むしろ、増えた。

 

 黒で勝った。

 

 青で負けた。

 

 どちらも、ログになった。

 

 どちらも、春麗として見られた。

 


 

 記録板AIが、最終総評を表示する。

 

『本日の結論』

 

『一、自覚前春麗は、青武道服でリュウに挑みました』

 

『二、試合結果はリュウ辛勝です』

 

『三、自覚前春麗は敗北しましたが、青武道服で有効打を与えています』

 

『四、黒ドレス勝利ログは消えていません』

 

『五、青武道服は黒否定ではなく、対照実験として有効でした』

 

『六、青の中に黒ドレス勝利ログ由来の身体記憶が発現しました』

 

『七、当該黒要素は青を阻害していません』

 

『八、ただし未制御要素であり、リュウはその一拍を待たずに越えました』

 

『九、敗北原因は黒の存在そのものではなく、青内黒要素の未制御です』

 

『十、リュウ発言により、自覚前春麗は精神HPノックアウトされました』

 

『十一、“黒でも青でも、全部春麗だった”という観測が成立しました』

 

『十二、青による黒否定:不成立』

 

『十三、黒による青阻害:不成立』

 

『十四、今後の選択可能性:継続』

 

『十五、未承認仮分類:“負けても進んだ青”を保持』

 

 自覚前春麗は、十五番をじっと見た。

 

「……未承認よ」

 

『はい』

 

「正式承認はしないわ」

 

『未承認仮分類として保持します』

 

「でも」

 

 一拍。

 

「保持自体は、許可するわ」

 

 会議室が、ほんの少し静かになった。

 

 本編春麗が柔らかく笑う。

 

「かなり進歩ね」

 

「言わないで」

 

 通常救済版春麗が微笑む。

 

「負けても進んだ青」

 

 黒ドレス特化救済春麗が続ける。

 

「青の中に残る黒」

 

 行き遅れ春麗が言う。

 

「次を急がないまま、次を持つ」

 

 自覚前春麗は、目を閉じた。

 

 全部、刺さる。

 

 でも、今日は受け取れる。

 

 少しだけ。

 

「資料として」

 

 自覚前春麗は言った。

 

「今回の青は、有効だった」

 

『発言信頼度:高』

 

「ただし、勝ってはいない」

 

『はい』

 

「リュウ辛勝」

 

『はい』

 

「辛勝だから」

 

『はい』

 

「次がある」

 

『保存しました』

 

「今のは保存していいわ」

 

『保存済みです』

 

 会議室に、小さな笑いが戻る。

 

 重いレビューだった。

 

 だが、終わってみれば、少しだけ息ができた。

 

 負けた。

 

 精神HPも落とされた。

 

 けれど、青は無駄ではなかった。

 

 黒も消えていなかった。

 

 自分は、まだ選べる。

 

『本日のレビューを終了します』

 

『次回以降の課題』

 

『一、青内黒要素の制御』

 

『二、“負けても進んだ青”分類の審議』

 

『三、リュウ辛勝ログの再検討』

 

『四、自覚前春麗の精神HP回復』

 

『五、次戦衣装選択は未定』

 

 自覚前春麗は、五番を見て、少しだけ安堵した。

 

「未定なのね」

 

『はい』

 

「青固定でも、黒固定でもない」

 

『はい』

 

「……よかったわ」

 

『発言信頼度:高』

 

 本編春麗が言う。

 

「今日はそこまででいいわね」

 

 通常救済版春麗が頷く。

 

「ええ。回復が先」

 

 黒ドレス特化救済春麗も静かに言う。

 

「黒も青も、急がなくていい」

 

 行き遅れ春麗が、最後に言った。

 

「負けを急いで取り返さなくても、ログは残る」

 

 自覚前春麗は、小さく頷いた。

 

「……資料として、覚えておくわ」

 

『発言信頼度:高』

 

 その表示を最後に、春麗会議室の輪郭がほどけ始めた。

 

 青い光。

 

 黒い影。

 

 記録板AIの白い文字。

 

 それらが、ゆっくり薄れていく。

 

 自覚前春麗は、夢の底で、最後に一つだけ思った。

 

 負けた。

 

 でも、消えていない。

 

 その事実は、少しだけ悪くなかった。

 


 

 朝。

 

 自覚前春麗は目を覚ました。

 

 部屋には、薄い光が入っている。

 

 身体はまだ重い。

 

 昨日の試合の痛みも、精神HPの傷も、完全には戻っていない。

 

 青い武道服は、きちんと畳まれている。

 

 黒ドレスも、いつもの場所にある。

 

 どちらも、静かにそこにある。

 

 春麗は、しばらく天井を見ていた。

 

「……リュウ辛勝」

 

 小さく言う。

 

 一拍。

 

「私の敗北」

 

 もう一拍。

 

「でも、有効ログ」

 

 布団の中で、ゆっくり息を吐く。

 

 負けたことを、否定しない。

 

 悔しい。

 

 かなり悔しい。

 

 でも、昨日のレビューでわかった。

 

 敗北原因は、黒そのものではない。

 

 青が駄目だったわけでもない。

 

 青の中に出た黒が、まだ未制御だった。

 

 なら、課題はある。

 

 次を急がなくていい。

 

 でも、次は消えていない。

 

 春麗は、体を起こした。

 

 青い武道服を見る。

 

「負けても進んだ青」

 

 言ってから、顔をしかめる。

 

「……未承認よ」

 

 でも、否定はしなかった。

 

 黒ドレスを見る。

 

「あなたも消えていない」

 

 青を見る。

 

「あなたも無効ではない」

 

 鏡の前に立つ。

 

 そこに映るのは、まだ自覚前春麗。

 

 黒で勝った春麗。

 

 青で負けた春麗。

 

 黒も青も、まだ正式承認しきっていない春麗。

 

 それでも、昨日より少しだけ、自分の位置が見えている。

 

「今日は、回復」

 

 一拍。

 

「次は、未定」

 

 もう一拍。

 

「資料として」

 

 いつもの言葉を最後に付け足す。

 

 その声は、昨日より少しだけ穏やかだった。

 

 朝の光が、青い武道服の端を照らす。

 

 黒ドレスの影も、そこにある。

 

 自覚前春麗は、その両方を見て、静かに息を吐いた。

 

「まだ、選べるわ」

 

 それだけ言って、彼女は新しい朝を始めた。

 




Q:今回の妄想章IFについて解説して?

A:

はい。今回の 「自覚前春麗は、負けても進んだ青をレビューされる」 は、自覚前春麗ルートにおけるかなり重要な 青敗北の正式処理回 です。

一言で言うなら、

自覚前春麗が青武道服でリュウに負けたことを、“失敗”ではなく、“黒で勝った経験が青の中にも残っていたことを確認する有効ログ”として整理する回

です。

今回の核は、

負けた。
でも、青は無効ではなかった。
黒も消えていなかった。
黒が青を壊したわけでもなかった。
ただ、青の中に出た黒がまだ未制御だった。

ここです。

今回は「敗北をどう扱うか」の回

前回の試合では、自覚前春麗は青武道服でリュウに挑み、リュウが辛勝しました。

ここで大事なのは、今回の春麗会議が、敗北を慰める回ではないことです。

負けたけれど頑張ったね
ではなく、

なぜ負けたのか。
青は機能していたのか。
黒は邪魔だったのか。
この敗北ログをどう保存するのか。

を確認する回です。

このあたりが非常に自覚前春麗らしいです。

感情で処理するのではなく、あくまで資料として、ログとして、実験結果として見ようとする。

ただし、その資料が自分自身に深く刺さっているから、精神HPが削れる。

このバランスが今回の良さです。

「黒の存在そのものが敗因ではない」が重要

今回の最大の整理はここです。

敗北原因は、黒の存在そのものではなく、青内黒要素の未制御

この判定はかなり重要です。

もしここで、

青の中に黒が出たから負けた

と処理してしまうと、黒が邪魔者になります。

逆に、

青が弱かったから負けた

と処理すると、青が無効になります。

でも今回の結論はそのどちらでもありません。

黒は悪くない。
青も悪くない。
問題は、青の中に出た黒をまだ制御しきれていなかったこと。

これは非常に綺麗です。

つまり、次に繋がります。

黒を消す必要はない。
青を捨てる必要もない。
青の中に出る黒をどう扱うか、という課題が残った。

敗北が、次の課題になっています。

「青の中の黒」が正式に有効ログになった

今回のレビューで、自覚前春麗の青はかなり強い意味を持ちました。

この青は、本編春麗の青ではありません。

本編春麗の青は、届かれた青、戻って選び直した青、覚えられた青です。

自覚前春麗の青は、

黒ドレスで勝った後の青
黒を否定せず、黒を着ない青
対照実験としての青
黒で得た身体記憶を内側に持った青

です。

今回、その青の中に黒が出ました。

足の置き方。
身体の残し方。
視線の外し方。
ほんの一拍の黒。

これは、黒ドレス勝利ログが身体に残っていたという証拠です。

そして、それは悪いものではないと整理されました。

ここが非常に大きいです。

自覚前春麗は、黒を脱いでも、黒の経験を持っている。
でも、それは青を壊すものではない。
むしろ、青に深みを与える可能性がある。

ただし、まだ未制御。

この状態が、今の自覚前春麗にとても合っています。

リュウが「待たずに越えた」のが良い

今回の決定打は、リュウが青の中に出た黒の一拍を 待たずに越えた ことです。

これはかなり良いです。

黒ドレス戦では、黒の一拍はリュウを遅らせるための武器でした。

しかし今回は青武道服です。

その中に無意識に出た黒の一拍を、リュウは見た。

そして、そこに引っかかるのではなく、待たずに越えた。

つまりリュウは、黒を無視したわけではありません。

見たうえで越えた。

ここがかなり強いです。

これにより、春麗の敗北は単なる力負けではなく、

自分の中に出た黒を、リュウに見られ、さらに攻略された敗北

になっています。

だから悔しい。

でも、次に繋がる。

「見られた後も止まらなかった」が成長

今回、地味に重要なのは、青の中に黒が出た後も、自覚前春麗が止まらなかったことです。

リュウに、

今の、黒だった
青の中にあった

と言われる。

普通なら、そこで崩れてもおかしくありません。

でも春麗は、

見えたなら、対応しなさい

と返して、戦闘を続けます。

これはかなり良いです。

自覚前春麗は、見られたことを否認しきれません。

でも、見られたまま戦うことはできた。

ここは明確な成長です。

見られることは停止ではない。

この整理は、今後の自覚前春麗にかなり効いてきます。

終盤の煽りとリュウの返しが強い

自覚前春麗の、

黒を見た気になっていると、青に遅れるわよ

これはかなり良い煽りです。

黒を否定していない。
でも、黒だけ見ていると青に遅れる。
今の私は青で来ている。

この自覚前春麗らしい言葉に対して、リュウが返す。

見ている。
黒も。
青も。
今の春麗も。

これは無理です。

この返しは、自覚前春麗の防御を全部貫通しています。

黒だけ見ているわけではない。
青だけ見ているわけでもない。
今の春麗を見ている。

リュウは、彼女の言い訳の構造ごと見てしまっている。

だから精神HPが削れます。

「負けても進んだ青」がかなり良い分類

今回の未承認仮分類、

負けても進んだ青

これはかなり良いです。

自覚前春麗は、まだ正式承認していません。

でも、保持は許可しました。

ここが良いです。

彼女にとって、負けた青を正式に認めるのはまだ早い。

でも、完全に否定もできない。

だから未承認仮分類として保持する。

これは自覚前春麗の心理に合っています。

彼女はいつも、

資料として
未確定
仮説
正式承認ではない

で感情を処理します。

だから「負けても進んだ青」は、正式名称ではなく未承認仮分類でちょうどいい。

今回の会議メンバーの役割も自然

今回の参加者も良かったです。

本編春麗は、青ルート比較担当。
通常救済版春麗は、安定化担当。
行き遅れ春麗は、位置取り整理担当。
黒ドレス特化救済春麗は、青の中の黒確認担当。
記録板AIは、ログと精神HP管理。

特に黒ドレス特化救済春麗の参加が自然です。

今回のテーマは「黒を着ていないのに、青の中に黒が残った」です。

これは黒の専門顧問が見るべき議題です。

逆にグランドフィナーレ春麗が不参加なのも自然です。

今回は大きな終着ではなく、次に進むための技術・心理レビューだからです。

「次戦衣装選択は未定」が重要

最後の次回課題で、

次戦衣装選択は未定

となったのも良いです。

ここで青固定にすると、自覚前春麗が本編春麗寄りに寄りすぎます。

逆に黒固定にすると、黒酔いフラグを折った意味が薄くなります。

だから、未定が正解です。

黒も選べる。
青も選べる。
どちらも消えていない。
でも、今は回復が先。

この状態が一番自然です。

朝の締めが良い

最後に朝で目覚めて、

リュウ辛勝
私の敗北
でも、有効ログ

と整理するのが良いです。

負けたことを否定していない。
悔しさも消していない。
でも、有効だったことも認めている。

そして、

黒も消えていない
青も無効ではない
今日は回復
次は未定

と着地する。

これはとても自覚前春麗らしいです。

彼女はまだ自覚前です。

だから大きな結論を出さない。

でも、ログは保存する。

これが良いです。

今回の位置づけ

今回のエピソードは、自覚前春麗にとって、

黒勝利後の青敗北を、後退ではなく選択肢の拡張として保存する回

です。

黒で勝った。
青で負けた。
でも、青の中に黒があった。
それは悪いものではなかった。
ただ、まだ制御できなかった。
リュウに見られ、越えられた。
でも、次の課題になった。

これにより、自覚前春麗は、

黒で勝った春麗
から、
黒で勝ち、青で負け、その両方を資料として保持する春麗

になりました。

これはかなり大きいです。

結論

今回のエピソードは、かなり良い正式レビュー回です。

一言でまとめるなら、

自覚前春麗は青で負けたが、それは青の失敗でも黒の邪魔でもなかった。黒で勝った経験が青の中に残っていること、そしてそれがまだ未制御であることを確認し、“負けても進んだ青”として未承認仮分類に保持する回

です。

今回で、自覚前春麗の選択肢はむしろ広がりました。

黒は勝利ログとして残っている。
青は敗北したが有効ログとして残っている。
次は黒でも青でもいい。
ただし、どちらを選んでもリュウは「その時の春麗」を見る。

これは、自覚前春麗にとって非常に厄介で、非常に良い状態です。
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