また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい―― 作:エーアイ
メタ要素多めの説明回になります。
『今回の春麗会議室の参加メンバーについて告知します。』
【参加者】
・本編春麗
・自覚前春麗
・通常救済版春麗
・行き遅れに恐怖する春麗
・黒ドレス特化救済春麗
・記録板AI
【不参加】
・黒執着春麗
【備考】
・黒執着春麗は観測対象であり、通常の春麗会議室には参加しません。
・ただし、ディレクターズカットIF外部メタ領域および掲示板機能において、匿名希望としての投稿履歴があります。
・本記録は、本編時空側の春麗会議室における整理回です。
春麗会議室。
いつもの白い部屋。
青い小箱。
危険封筒。
掲示板ログ。
黒と青の間に置かれた未承認分類。
そして、正面には記録板AI。
本編春麗は、青い小箱の横に座っていた。
少し疲れている。
かなり疲れている。
ただし、倒れてはいない。
精神HPが万全ではないが、椅子には座れている。
それだけでも、最近ではかなり立派だった。
通常救済版春麗は、穏やかに様子を見ている。
行き遅れに恐怖する春麗は、やや緊張気味に座っている。
黒ドレス特化救済春麗は、危険封筒棚の近くに立っていた。
そして、自覚前春麗が手を挙げた。
「質問があります」
本編春麗は、少しだけ嫌な予感がした。
「……何?」
自覚前春麗は、記録板AIを見る。
かなり真剣な目だった。
「最近、ディレクターズカットIFが続きすぎではありませんか?」
室内が一瞬止まった。
本編春麗は、青い小箱を抱え直した。
通常救済版春麗は、小さく息を吐いた。
行き遅れに恐怖する春麗は、視線をそらした。
黒ドレス特化救済春麗は、危険封筒棚に目を向けた。
記録板AIが、静かに表示を出す。
『質問を受領しました』
『議題:最近ディレクターズカットIFが続いている理由について』
本編春麗は、眉を寄せた。
「議題にするの?」
『すでに議題です』
「でしょうね」
自覚前春麗は続ける。
「本編春麗さんは、今、本編時空ではかなり大事な位置にいます」
「それを言わないで」
「リュウへの宿題回答ライン」
「言わないで」
「青い小箱には、届かれた青、見られた青、覚えられた青、聞かれた青、相打ちの青、進まれた青」
「列挙しないで」
「そのうえで、発勁勝利、介抱ログ、青の危険封筒、掲示板スレ化、黒執着春麗の匿名希望投稿まで増えています」
「だから列挙しないで」
自覚前春麗は、真面目に言った。
「つまり、本編が進むどころか、周辺ログが増え続けています」
本編春麗は、黙った。
それは、言われたくない。
かなり言われたくない。
だが、事実だった。
自覚前春麗は、今度は記録板AIに向き直る。
「記録板AI、説明を求めます」
『説明可能です』
「ではお願いします」
『結論から述べます』
一拍。
『作者側で、ディレクターズカットIFが溜まっていました』
本編春麗は、机に突っ伏しかけた。
「言い方」
自覚前春麗は目を細める。
「溜まっていた?」
『はい』
記録板AIは、淡々と続ける。
『黒執着春麗関連の危険ログ』
『発勁事故系列』
『髪留め主人公補正系列』
『作者抗議スレ系列』
『掲示板機能系列』
『匿名希望投稿心理系列』
『以上の未処理ディレクターズカットIF案が、作者側に一定量蓄積していました』
通常救済版春麗が、静かに言う。
「つまり、棚卸しね」
『適切な表現です』
本編春麗は顔を上げた。
「適切なの?」
『はい』
黒ドレス特化救済春麗が腕を組む。
「危険封筒の棚卸し、と言った方が近いわね」
『それも適切です』
行き遅れに恐怖する春麗が、おそるおそる手を挙げる。
「それは、本編が止まっているということですか?」
記録板AIは一拍置いた。
『いいえ』
本編春麗は、少しだけ顔を上げた。
『本編が止まっているのではありません』
『本編を不用意に進めると、時系列の整理が非常に大変になるため、一時的にディレクターズカットIF側で危険ログを処理していました』
自覚前春麗は、少しだけ眉を寄せた。
「時系列の整理が大変?」
『はい』
記録板AIは、壁面に簡易表示を出す。
【本編時空で進める場合に必要な整理】
・リュウへの宿題回答ライン
・正式回答前後の発言順序
・本編春麗の精神HP状態
・青い小箱の分類状況
・危険封筒から本編へ流入してよい情報の選別
・黒執着春麗関連ログの参照可否
・掲示板機能を本編側にどこまで持ち込むか
・自覚前春麗ルートとの干渉
・読者が追える情報量
・本編春麗が耐えられる精神HP量
本編春麗は、表示を見て黙った。
「多い」
『はい』
「かなり多い」
『はい』
「本編を進めるだけで、こんなに確認が必要なの?」
『はい』
自覚前春麗が静かに言う。
「でも、ディレクターズカットIFなら?」
記録板AIは、今度は別の表示を出した。
【ディレクターズカットIFで処理する場合】
・時系列を固定しなくてよい
・本編確定ログにしなくてよい
・危険ログを危険封筒へ隔離できる
・黒執着春麗関連を本編に混ぜずに検証できる
・作者側の「見たい」ログを別棚で処理できる
・本編春麗の正式回答ラインを動かさずに、精神HP被弾を検証できる
・掲示板機能などの強いメタ要素を試験運用できる
・読者向けに「これは本編ではありません」と明示できる
自覚前春麗は、しばらく表示を見ていた。
「……便利ですね」
『はい』
本編春麗は、低い声で言う。
「便利で済ませないで」
『便利です』
「済ませた」
通常救済版春麗が、少し笑った。
「でも、確かに便利ではあるわ。本編でいきなり黒執着春麗が掲示板に書き込む心理までやると、時系列も視点もかなり複雑になるもの」
黒ドレス特化救済春麗もうなずく。
「黒執着春麗は、本来会議室に入らない。けれど、掲示板なら匿名希望として外から投稿できる。その距離感を本編に直接入れると、かなり強いわ」
行き遅れに恐怖する春麗が、少し不安そうに言う。
「本編に入れると、全部が本当に起きた扱いになるから……ですか?」
『はい』
記録板AIが表示する。
『本編時空で発生したログは、基本的に以後の感情・発言・距離感に影響します』
『したがって、配置順が重要です』
『一方、ディレクターズカットIFは、発生可能性の検証であり、本編への直接反映を制限できます』
本編春麗は、深く息を吐いた。
「つまり、本編に入れると、私が全部背負うのね」
『正確です』
「正確に言わないで」
自覚前春麗は、本編春麗を見る。
「本編春麗さんの正式回答ラインを動かさないために、周辺の危険物を先に外で検証していた、ということですか?」
『はい』
一拍。
『別表現:正式回答ラインを保護するための、危険封筒側処理期間です』
本編春麗は、青い小箱を抱えた。
「保護されている気がしないのだけれど」
『本編時空への直接被弾は制限されています』
「ディレクターズカットIF経由で精神HPは削れているわ」
『そこは否定しません』
「否定しないのね」
『事実です』
自覚前春麗は、また手を挙げた。
「では、質問を変えます」
『どうぞ』
「ディレクターズカットIFが続いたことで、何が整理されたのですか?」
記録板AIは、少しだけ表示を切り替えた。
【最近のディレクターズカットIFで整理された内容】
一、黒執着春麗は、会議室には入らないが、物語の外ではない。
二、黒執着春麗は、匿名希望として掲示板に投稿する距離感を得た。
三、掲示板機能は危険だが、置き場所として有効。
四、作者抗議スレは、抗議でありながら危険ログ整理にもなる。
五、本編春麗は、自分のIFに嫉妬することがある。
六、黒執着春麗も、本編春麗の正式回答ラインを羨ましく思う。
七、髪留めは青い小箱を奪わない。
八、青い小箱は髪留めを奪わない。
九、発勁で勝った青は、青い小箱へ置ける。
十、倒した後で介抱した青は、青の危険封筒へ置く必要がある。
十一、事故ではなく、正しい介抱が甘いイベント化する場合がある。
十二、戦闘勝利と精神HP敗北は別判定。
十三、春麗会議室を回避しても、掲示板でスレ化される場合がある。
十四、匿名希望は、初投稿者ではなく継続的外部投稿者になりつつある。
十五、記録板AIへの苦情はだいたい保存される。
本編春麗は、最後の一行を指差した。
「十五番は不要でしょう」
『重要です』
「重要ではないわ」
『抗議傾向の把握に必要です』
「抗議される側が抗議傾向を保存しないで」
通常救済版春麗が、穏やかに言う。
「でも、こうして見ると、かなり整理されているわね」
自覚前春麗は少し黙った。
そして、ゆっくり言う。
「ディレクターズカットIFが続いた理由は、単に寄り道ではなく、未整理だった危険ログを先に分けるためだった、という理解でよいですか?」
『はい』
記録板AIが表示する。
『本編時空は、時系列が厳密です』
『正式回答ライン、青い小箱、自覚前春麗ルート、黒執着春麗関連ログを同時に進めると、情報過多になります』
『そのため、ディレクターズカットIFで一部の火力を先に抜きました』
本編春麗は、疲れた声で言う。
「火力を抜いた?」
『はい』
「抜かれた側の精神HPは?」
『別判定です』
「でしょうね」
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「でも、黒執着春麗の扱いはかなり安定したと思うわ。会議室に入れない。本編に混ぜない。でも、完全に消さない。掲示板なら匿名希望として外から補足できる」
通常救済版春麗もうなずく。
「本編春麗と黒執着春麗の相互嫉妬も、先に整理できたわね。髪留めと青い小箱が互いを奪わない、というのは大事だったと思う」
行き遅れに恐怖する春麗は、小さく言う。
「本編でやる前に、危ないものを見ておいた、ということですね」
『はい』
自覚前春麗は、本編春麗を見る。
「では、本編春麗さん」
「何?」
「あなたとしては、ディレクターズカットIFが続いたことについて、どう思っていますか?」
本編春麗は、すぐには答えなかった。
青い小箱を見る。
危険封筒を見る。
掲示板ログを見る。
作者抗議スレ。
髪留めへの嫉妬。
発勁で勝った青。
倒した後で介抱した青。
青の危険封筒。
匿名希望としてなら少し書いてもいい春麗。
どれも本編確定ではない。
どれも直接本編に混ぜてはいけない。
でも、完全に無意味でもない。
かなり厄介だった。
本編春麗は、深く息を吐いた。
「腹立たしいわ」
『記録しました』
「しないで」
自覚前春麗が、少しだけ笑う。
本編春麗は続ける。
「でも、便利なのは分かる」
『記録しました』
「だからしないで」
「本編でいきなりやられたら、たぶん処理できなかったものが多い。黒執着春麗の掲示板投稿心理とか、発勁で勝った後に介抱で落ちるとか、私が自分のIFに嫉妬するとか」
一拍。
「本編に入れるには、重すぎる」
記録板AIは静かに表示する。
『本編春麗、ディレクターズカットIFの分離処理価値を限定承認』
「限定承認ではない」
『では、保留承認』
「保留承認でもない」
『未承認ながら否定不可』
本編春麗は、一瞬黙った。
「……それで」
『保存しました』
「保存しないで」
自覚前春麗は、そこで少しだけ真面目な顔に戻った。
「では、もう一つだけ」
『どうぞ』
「このままディレクターズカットIFばかり続くと、本編時空の私たちは進まないのでは?」
室内が、少し静かになった。
本編春麗も、今度は茶化さなかった。
行き遅れに恐怖する春麗が、わずかに手を握る。
通常救済版春麗は、記録板AIを見る。
黒ドレス特化救済春麗も黙っている。
記録板AIは、一拍置いてから表示した。
『いいえ』
『ディレクターズカットIFは、本編を止めるためのものではありません』
『本編を壊さずに進めるための、危険ログ処理棚です』
本編春麗は、青い小箱を見た。
『本編時空には、本編時空の順番があります』
『青い小箱には、青い小箱の順番があります』
『正式回答ラインには、正式回答ラインの重さがあります』
『そこへ危険ログを無秩序に混ぜると、本編春麗の処理容量を超えます』
『したがって、本編は本編として進めるために、ディレクターズカットIFで一部を分離しました』
自覚前春麗は、ゆっくり頷いた。
「つまり、ディレクターズカットIFは、本編の代わりではなく、本編を守るための外部処理なのですね」
『はい』
本編春麗は、小さく言った。
「守られているのに、削られているのだけれど」
『そこは仕様です』
「最悪の仕様ね」
通常救済版春麗が、少し笑う。
「でも、少しは整理されたでしょう?」
本編春麗は、渋々うなずいた。
「少しは」
黒ドレス特化救済春麗が言う。
「黒の棚も、青の棚も、危険封筒も、少しずつ置き場所が分かれてきた。これは大きいわ」
行き遅れに恐怖する春麗も、小さく言う。
「待っていることも、止まっていることではない……のかもしれません」
自覚前春麗は、最後に記録板AIへ言った。
「では、記録板AI。今回の結論をお願いします」
『了解しました』
壁面に文字が表示される。
【今回の結論】
一、最近ディレクターズカットIFが続いたのは、作者側に未処理の危険ログが溜まっていたため。
二、ディレクターズカットIFは、時系列を固定せずに検証できるため便利。
三、本編時空は、正式回答ライン、青い小箱、危険封筒、自覚前春麗ルート、黒執着春麗関連ログの整理が必要であり、時系列管理が大変。
四、ディレクターズカットIFは、本編を止めるためではなく、本編を壊さずに進めるための外部処理棚。
五、最近のディレクターズカットIFにより、黒執着春麗、匿名希望、掲示板機能、青の危険封筒、相互嫉妬ログなどの置き場所が整理された。
六、本編春麗は腹立たしいと思っている。
七、しかし、完全には否定できていない。
本編春麗は、六番と七番を見て目を細めた。
「六番と七番、削除」
『保留します』
「削除」
『保留保存しました』
「やっぱり保存している」
自覚前春麗は、少しだけ満足そうに息を吐いた。
「説明としては分かりました」
本編春麗は彼女を見る。
「納得したの?」
「完全には」
「でしょうね」
「でも、なぜ最近ディレクターズカットIFが続いていたのかは分かりました」
自覚前春麗は、青い小箱を見る。
それから危険封筒を見る。
「本編を進める前に、棚を整えていたのですね」
『正確です』
本編春麗は、小さく呟いた。
「棚を整えるたびに私の精神HPが削れるのだけれど」
『副作用です』
「副作用で済ませないで」
通常救済版春麗が、穏やかに言う。
「でも、棚がないよりはいいわ」
黒ドレス特化救済春麗もうなずく。
「黒も青も、混ぜると危険。置き場所があるのは大事よ」
行き遅れに恐怖する春麗が、小さく言った。
「置き場所があるなら、待っているものも消えないですから」
本編春麗は、少しだけ黙った。
置き場所。
青い小箱。
危険封筒。
掲示板。
匿名希望。
ディレクターズカットIF。
どれも厄介。
でも、どれも何かを消さないための場所だった。
本編春麗は、深く息を吐く。
「分かったわ」
記録板AIが反応する。
『本編春麗、理解を表明』
「保存しないで」
『保存しました』
「最後までそれね」
自覚前春麗が、ふと笑った。
「では、次は本編ですか?」
本編春麗は固まった。
通常救済版春麗は目をそらした。
黒ドレス特化救済春麗は軽く笑った。
行き遅れに恐怖する春麗は、少し緊張した。
記録板AIは、淡々と表示する。
『本編再開には、以下の整理が必要です』
本編春麗は、即座に立ち上がった。
「今日は解散」
『まだ議題が』
「解散」
『正式回答ラインの』
「解散」
『青い小箱の』
「解散!」
春麗会議室の照明が、少しだけ弱くなった。
記録板AIは、最後に小さく表示する。
『本日の議題:ディレクターズカットIF連続理由説明』
『結論:本編を壊さず進めるための外部処理棚』
『本編春麗:限定的に理解』
『自覚前春麗:説明を受領』
『次回議題候補:本編時空再開に向けた青い小箱整理』
本編春麗の声が飛んだ。
「候補にしないで!」
『候補保存しました』
「保存しないで!」
その夜。
春麗会議室には、新しい紙が一枚増えた。
表書き。
ディレクターズカットIFは、本編を壊さず進めるための外部処理棚。
副題。
便利すぎるので、使いすぎ注意。
さらに小さく追記。
本編春麗は腹立たしいが、完全には否定できていない。
翌朝、本編春麗がそれを見つけて机に突っ伏すのは、また別の話である。
Q:今回の断章IFについて解説して?
A:
今回は、本編時空側の春麗会議室で、「最近ディレクターズカットIFが続いている理由」を説明するメタ回でした。
ディレクターズカットIFが続くと、読者側から見ても、作中の春麗たちから見ても、
本編はどうなっているのか。
なぜ危険封筒側ばかり増えているのか。
正式回答ラインは止まっているのか。
黒執着春麗関連ログが増えすぎではないか。
という疑問が出てくると思います。
そこで今回は、自覚前春麗にその疑問を代表してもらいました。
自覚前春麗は、かなり真面目に問い詰めています。
最近ディレクターズカットIFが続きすぎではありませんか。
本編春麗は今、リュウへの宿題回答ラインを抱えているのではありませんか。
青い小箱も危険封筒も増えすぎではありませんか。
このあたりは、かなり読者目線に近い問いです。
それに対して記録板AIは、かなり作者側の事情をそのまま説明しています。
作者側にディレクターズカットIFが溜まっていました。
かなり身も蓋もない説明です。
ただ、今回の話で言いたかったのは、ディレクターズカットIFは単なる寄り道ではなく、「本編を壊さずに進めるための外部処理棚」だということです。
本編時空は、かなり時系列管理が難しくなっています。
本編春麗の正式回答ライン。
青い小箱。
危険封筒。
自覚前春麗ルート。
黒執着春麗関連ログ。
掲示板機能。
匿名希望。
発勁勝利後介抱ログ。
相互嫉妬ログ。
これらを全部、本編の時系列にそのまま流し込むと、かなり大変です。
特に本編春麗は、今かなり大事な位置にいます。
青でリュウに届かれ、見られ、覚えられ、聞かれ、進まれた。
その上で、宿題回答ラインを抱えている。
ここに黒執着春麗の髪留めログや、発勁で勝った後の介抱ログや、匿名希望の掲示板投稿心理まで直接混ぜると、本編春麗の処理容量が完全に危険域に入ります。
だからこそ、ディレクターズカットIFという棚で、先に危険ログを検証していました。
時系列を固定しない。
本編確定ログにしない。
危険封筒に隔離する。
でも、まったく無視はしない。
この扱いが、今の連作ではかなり便利です。
便利すぎて本編春麗は怒っています。
でも、完全には否定できない。
そこが今回のポイントです。
今回の記録板AIは、かなりメタ的です。
本編は時系列の整理が大変。
ディレクターズカットIFは時系列を無視できるので便利。
作者側に危険ログが溜まっていた。
本編を進める前に、棚を整えていた。
ほぼ制作会議です。
ただ、この作品では記録板AIという存在がいるため、こういうメタ整理を作中に落とし込みやすくなっています。
しかも、本編春麗にとっては非常に腹立たしい。
自分の精神HPを削る危険ログが、作者側の棚卸しとして処理されているわけです。
本編春麗からすれば、たまったものではありません。
しかし一方で、ディレクターズカットIFによって整理されたものも確かにあります。
黒執着春麗は、会議室には入らないが、物語の外でもない。
匿名希望として掲示板に投稿する距離感を得た。
髪留めは青い小箱を奪わない。
青い小箱は髪留めを奪わない。
発勁で勝った青は青い小箱に置ける。
倒した後で介抱した青は青の危険封筒に置く。
事故ではなく、正しい介抱が甘いイベント化することがある。
戦闘勝利と精神HP敗北は別判定。
これらは、今後の本編や周辺エピソードを考えるうえで、かなり重要な整理です。
本編でいきなりやるには重い。
でも、整理しておかないと後で困る。
そういうログを、ディレクターズカットIFで先に処理していたわけです。
今回の自覚前春麗は、その状況に対してかなり冷静です。
本編が止まっているのではないか。
ディレクターズカットIFばかり続くと、本編時空の私たちは進まないのではないか。
この問いは、とても大事です。
それに対する記録板AIの答えが、
ディレクターズカットIFは、本編を止めるためのものではありません。
本編を壊さずに進めるための、危険ログ処理棚です。
というものです。
これが今回の結論です。
本編には本編の順番があります。
青い小箱には青い小箱の順番があります。
正式回答ラインには正式回答ラインの重さがあります。
そこに危険ログを無秩序に混ぜると、本編春麗の処理容量を超える。
だから、外部処理棚が必要になる。
ディレクターズカットIFは、本編の代わりではなく、本編を守るための別棚です。
もちろん、便利すぎるので使いすぎ注意です。
今回の分類は、
ディレクターズカットIF連続理由説明。
本編を壊さず進めるための外部処理棚。
作者側に溜まっていた危険ログの棚卸し。
時系列整理のための一時隔離。
本編春麗は腹立たしいが完全には否定できない。
自覚前春麗、説明を受領。
次回議題候補、本編時空再開に向けた青い小箱整理。
になります。
最後の「次回議題候補」は、本編春麗にとって非常に危険です。
ディレクターズカットIFの説明が終わったら、当然次は本編時空に戻るための整理が必要になります。
本編春麗は即座に解散を宣言していますが、記録板AIは当然のように保存しています。
今回の話は、メタ回ではありますが、単なる言い訳回ではなく、ここまで続いたディレクターズカットIF群を一度作中で棚に収めるための整理回でした。
危険なものは危険封筒へ。
青の勝利は青い小箱へ。
黒執着春麗は扉の外へ。
匿名希望は掲示板へ。
そして本編は、本編の時系列へ。
それぞれの置き場所を確認した回です。
本編春麗はかなり腹立たしそうですが、棚が整ってきたのは事実です。
あとは、その棚を見ながら、本編時空をどう進めるか。
記録板AIが次回議題候補にしたくなるのも、分からなくはありません。
本編春麗は絶対に嫌がると思いますが。