また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい――   作:エーアイ

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※これはディレクターズカットIFです。
本編のIFシリーズは無関係のエピソードとなります。





ディレクターズカットIF:本編春麗は、仕事場から出ただけの匿名希望に主人公補正格差を訴える

 その夜。

 本編春麗は、夢を見た。

 

 ただし、いつもの夢ではなかった。

 春麗会議室へ接続する夢でもない。

 

 白い空間の中央に、一枚の大きな記録板が立っていた。

 その前に、春麗は一人で立っている。

 

「……何?」

 

 記録板の上へ、文字が浮かんだ。

 

『作者より』

 

『参考資料を提示します』

 

「嫌な予感しかしないのだけれど」

 

『対象』

 

『ディレクターズカットIF』

 

『黒執着春麗は、仕事帰りの姿でリュウと夕食を取る』

 

「待って」

 

『再生します』

 

「待ちなさい!」

 

 待たなかった。

 


 

 仕事を終えた黒執着春麗が、建物から出る。

 リュウがいる。

 

「……」

 

 本編春麗は黙った。

 仕事着をリュウに褒められる。

 

「……」

 

 黒い戦闘服と仕事着。

 どちらが似合っているのかと聞く。

 リュウが答える。

 

『どちらも春麗だ』

 

「……」

 

 黒執着春麗も、まだ夕食を取っていない。

 リュウも取っていない。

 リュウの方から、一緒に食べるかと誘う。

 

「……待って」

 

 二人で店へ入る。

 仕事の話をする。

 リュウの旅の生活を聞く。

 ケンが金銭を管理している。

 旅先では道場を手伝う。

 宿がなければ外で寝る。

 道着を自分で繕う。

 リュウも黒執着春麗の仕事や日常を聞く。

 

『今日は春麗のことを少し知った』

 

「待って」

 

『話せることだけでいい』

 

「待ちなさい」

 

『聞けばいい』

 

「作者!」

 

 最後。

 別れ際。

 

『会えてよかった』

 

 映像が止まった。

 

 本編春麗は、白い記録板を見た。

 

 長く。

 長く。

 見た。

 

「……」

 

「私」

 

「一週間近く探したのだけれど?」

 

『はい』

 

「ケンへ二回電話したのだけれど?」

 

『はい』

 

「一度目は言えなくて、二度目にようやく会いたいと言ったのだけれど?」

 

『はい』

 

「リュウが戻るまで三日待ったのだけれど?」

 

『はい』

 

「日時と場所まで決めて、ようやく普通に待ち合わせたのだけれど?」

 

『はい』

 

「匿名希望は?」

 

『仕事場から退出』

 

「それだけでしょう!」

 

 そこで。

 夢は終わった。

 


 

 次に本編春麗が目を開けた時。

 

 そこは春麗会議室掲示板だった。

 

 記録板AIが、白い外部メタ領域へ表示を出す。

 

『本記録は、ディレクターズカットIFです』

 

『本編確定ログではありません』

 

『本編春麗が作者から夢経由で受信した外部IF映像をもとにした比較検証ログです』

 

『夢で得た情報は、本編時空へ直接持ち帰られません』

 

『ただし』

 

『現在』

 

『本編春麗』

 

『非常に怒っています』

 

【返信:本編春麗】

 

 怒っているわよ。

 

【返信:記録板AI】

 

『発言信頼度』

 

『非常に高』

 

【返信:本編春麗】

 

 今だけは好きなだけ高くしなさい。

 

 スレッドを立てる。

 

【返信:記録板AI】

 

『スレ主』

 

『本編春麗』

 


 

 春麗会議室掲示板。

 

 新しいスレッドが立った。

 

【カテゴリ:主人公補正格差】

 

【スレッド名:私を散々刺した匿名希望が、仕事場から出ただけでリュウと夕食まで行っている件について】

 

【スレ主:本編春麗】

 

 本文。

 

 本編春麗です。

 

 作者から、夢で見せられました。

 

 最初に言っておきます。

 

 匿名希望。

 

 あなた個人に対して、本気で怒っているわけではありません。

 

 ただし。

 

 あなたには。

 

 かなり。

 

 刺し返します。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 前置きから怖い。

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 何を見せられたの?

 

【返信:本編春麗】

 

 匿名希望が。

 

 仕事帰りに。

 

 リュウと偶然会って。

 

 夕食を取る話。

 

【返信:行き遅れに恐怖する春麗】

 

 それだけ?

 

【返信:本編春麗】

 

 それだけではないわ。

 

 仕事着を褒められた。

 

 黒い戦闘服と仕事着について、

 

「どちらも春麗だ」

 

 と言われた。

 

 向こうから夕食へ誘われた。

 

 仕事の話を聞かれた。

 

 リュウの生活も聞いた。

 

 次に会った時も聞けばいいと言われた。

 

 最後に、

 

「会えてよかった」

 

 まで言われた。

 

【返信:行き遅れに恐怖する春麗】

 

 ……。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 ……。

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 ……それは。

 

【返信:本編春麗】

 

 でしょう?

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 怒っていいと思う。

 

【返信:本編春麗】

 

 でしょう!?

 

【返信:記録板AI】

 

『匿名希望』

 

『書き込み権限』

 

『付与済み』

 

【返信:本編春麗】

 

 呼んで。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 いつもは帰ってと言うのに。

 

【返信:本編春麗】

 

 今日は呼ぶ。

 

 今日は。

 

 私のターンよ。

 


 

【返信:匿名希望】

 

 確認しました。

 

【返信:本編春麗】

 

 来たわね。

 

【返信:匿名希望】

 

 先に申し上げます。

 

 そのログを、本編春麗へ見せることについて。

 

 私は了承していません。

 

【返信:本編春麗】

 

 作者に言いなさい。

 

【返信:匿名希望】

 

 言えるのであれば、そうします。

 

【返信:本編春麗】

 

 そこは少し同情する。

 

【返信:匿名希望】

 

 ありがとうございます。

 

【返信:本編春麗】

 

 でも。

 

 それとこれとは別。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 匿名希望。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなた。

 

 以前。

 

 私がようやく主人公補正に頼らずリュウと待ち合わせた時。

 

 何と言ったか覚えている?

 

【返信:匿名希望】

 

 多数あります。

 

【返信:本編春麗】

 

 自覚はあるのね。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 まず。

 

「会いたい相手へ連絡する」

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

「会いたいと伝える」

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

「日時と場所を決める」

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

「約束した場所へ行く」

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

「会えた後に次の予定を決める」

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 そして。

 

「一般的な連絡手順を習得したのですね」

 

【返信:匿名希望】

 

 言いました。

 

【返信:本編春麗】

 

 さらに。

 

 習得に必要だった過程を。

 

 わざわざ数えた。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 最後に。

 

「豊かな学習過程ですね」

 

【返信:匿名希望】

 

 言いました。

 

【返信:本編春麗】

 

 私。

 

 あそこで涙目になったのよ。

 

【返信:匿名希望】

 

 記録されています。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなたのせいで!

 

【返信:匿名希望】

 

 事実関係を整理した結果です。

 

【返信:本編春麗】

 

 分かった。

 

 では。

 

 今日は。

 

 私が。

 

 あなたの事実関係を整理する。

 

【返信:匿名希望】

 

 ……。

 

【返信:記録板AI】

 

『匿名希望』

 

『回答遅延』

 

【返信:本編春麗】

 

 まだ始まってもいないでしょう!

 


 

【返信:本編春麗】

 

 匿名希望。

 

 仕事終了。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 建物から出る。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 以上。

 

【返信:匿名希望】

 

 ……。

 

【返信:本編春麗】

 

 リュウ。

 

 いる。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 何なの!?

 

【返信:匿名希望】

 

 近くの道場で子供たちの稽古を見ていたためです。

 

【返信:本編春麗】

 

 作中の理由を聞いているのではない!

 

【返信:記録板AI】

 

『プラス方向の主人公補正』

 

『有効』

 

【返信:本編春麗】

 

 それ!

 

 私は。

 

 リュウに会えなくなって。

 

 一週間近く。

 

 探した!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 公的な捜査権限も使わず!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 連絡先すら知らないことに気づいて!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 ケンへ電話して!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 一度目は!

 

 会いたいと!

 

 言えなかった!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 二度目に!

 

 ようやく!

 

「リュウに会いたい」

 

 と伝えた!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 リュウが!

 

 三日かけて!

 

 戻ってきた!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 電話で!

 

 日時と!

 

 場所を!

 

 決めた!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 早く着きすぎながらも!

 

 約束した場所で!

 

 ようやく!

 

 普通に!

 

 待ち合わせた!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなたは?

 

【返信:匿名希望】

 

 仕事場から。

 

 出ました。

 

【返信:本編春麗】

 

 それだけでしょう!!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 これは。

 

 本編春麗が強い。

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 完全に強いわね。

 

【返信:行き遅れに恐怖する春麗】

 

 今回だけは匿名希望に逃げ道がない。

 

【返信:本編春麗】

 

 そうでしょう!?

 

【返信:記録板AI】

 

『比較』

 

『本編春麗』

 

『自発的捜索:約一週間』

 

『ケンへの電話:二回』

 

『リュウ帰還:三日』

 

『事前約束:あり』

 

『会いたい:本人から伝達』

 

『主人公補正非依存型再会:成立』

 

『匿名希望』

 

『仕事場から退出』

 

『リュウと遭遇』

 

『即日夕食』

 

【返信:本編春麗】

 

 その表示。

 

 今日は。

 

 消さなくていい。

 

【返信:匿名希望】

 

 私は消してほしいです。

 

【返信:本編春麗】

 

 私が。

 

「一般的な連絡手順」

 

 と刺された時。

 

 あなた消した?

 

【返信:匿名希望】

 

 消していません。

 

【返信:本編春麗】

 

 でしょう?

 


 

【返信:本編春麗】

 

 まだある。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなた。

 

 その日。

 

 黒い戦闘服ではなかった。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 仕事帰り。

 

 いつもの仕事着。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 髪も。

 

 化粧も。

 

 距離も。

 

 リュウへ見せるために。

 

 事前設計していない。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 その状態で。

 

 リュウに。

 

「似合っている」

 

 と言われた。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 それで。

 

 あなた。

 

 何を聞いたの?

 

【返信:匿名希望】

 

 黒い戦闘服と。

 

 仕事着。

 

 どちらが似合っているか。

 

【返信:本編春麗】

 

 答えは?

 

【返信:匿名希望】

 

「どちらも」

 

【返信:本編春麗】

 

 その後。

 

【返信:匿名希望】

 

「どちらも春麗だ」

 

【返信:本編春麗】

 

 無料!

 

【返信:匿名希望】

 

 ……無料という分類は。

 

【返信:本編春麗】

 

 試合した?

 

【返信:匿名希望】

 

 いいえ。

 

【返信:本編春麗】

 

 勝った?

 

【返信:匿名希望】

 

 いいえ。

 

【返信:本編春麗】

 

 黒を使った?

 

【返信:匿名希望】

 

 いいえ。

 

【返信:本編春麗】

 

 勝者要求権は?

 

【返信:匿名希望】

 

 使っていません。

 

【返信:本編春麗】

 

 なら無料でしょう!

 

【返信:匿名希望】

 

 今回については。

 

 反論が困難です。

 

【返信:本編春麗】

 

 でしょう!?

 

【返信:記録板AI】

 

『黒執着春麗』

 

『戦闘コスト』

 

『ゼロ』

 

【返信:匿名希望】

 

 その表現はやめてください。

 

【返信:本編春麗】

 

 続けて。

 

【返信:記録板AI】

 

『勝利条件』

 

『なし』

 

『勝者要求権』

 

『なし』

 

『事前戦術』

 

『なし』

 

『仕事着への肯定評価』

 

『取得』

 

『どちらも春麗』

 

『取得』

 

【返信:本編春麗】

 

 取得と言うなと。

 

 以前。

 

 私に言ったわよね?

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗の次回予定について。

 

 私が使用しました。

 

【返信:本編春麗】

 

 では。

 

 返すわ。

 

 匿名希望。

 

 仕事場から出ただけで。

 

「どちらも春麗」

 

 取得。

 

【返信:匿名希望】

 

 ……。

 

【返信:本編春麗】

 

 刺さる?

 

【返信:匿名希望】

 

 少し。

 

【返信:本編春麗】

 

 よし。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 楽しみ始めた。

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 完全に楽しんでいるわね。

 

【返信:本編春麗】

 

 私が。

 

 何回。

 

 この掲示板で。

 

 刺されたと思っているの。

 

 今日くらい。

 

 いいでしょう!

 


 

【返信:本編春麗】

 

 次。

 

 夕食。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなたから誘った?

 

【返信:匿名希望】

 

 いいえ。

 

【返信:本編春麗】

 

 リュウから?

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 何と言われた?

 

【返信:匿名希望】

 

 近くに食べられる店があるかと聞かれ。

 

 私もまだ夕食を取っていないと確認した後。

 

 一緒に食べるかと。

 

【返信:本編春麗】

 

 向こうから!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 私が。

 

「リュウに会いたい」

 

 と言うまでに。

 

 何話使ったと思っているの!?

 

【返信:記録板AI】

 

『電話前整理』

 

『奇跡の再会失敗』

 

『春麗会議室接続失敗』

 

『初回電話』

 

『再電話』

 

『リュウ側幕間』

 

『リュウからの電話』

 

『待ち合わせ』

 

『食事』

 

【返信:本編春麗】

 

 数えないで!

 

【返信:匿名希望】

 

 以前。

 

 私も。

 

「豊かな学習過程ですね」

 

 と申し上げました。

 

【返信:本編春麗】

 

 自分で再現しないで!

 

【返信:匿名希望】

 

 失礼しました。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなたは。

 

 一話の中で。

 

 仕事場を出て。

 

 偶然リュウと会って。

 

 仕事着を褒められて。

 

「どちらも春麗」

 

 と言われて。

 

 向こうから夕食へ誘われて。

 

 私的情報交換まで。

 

 終わっている!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 リュウの金銭を。

 

 ケンが管理していること。

 

【返信:匿名希望】

 

 聞きました。

 

【返信:本編春麗】

 

 旅先で道場を手伝うこと。

 

【返信:匿名希望】

 

 聞きました。

 

【返信:本編春麗】

 

 宿がなければ外で寝ること。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 道着を自分で繕うこと。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 リュウ側からも。

 

 あなたの仕事について。

 

 かなり聞いている。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 報告書が嫌そうな顔まで。

 

 見られている。

 

【返信:匿名希望】

 

 ……はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 さらに。

 

「今日は春麗のことを少し知った」

 

【返信:匿名希望】

 

 ……。

 

【返信:本編春麗】

 

「話せることだけでいい」

 

【返信:匿名希望】

 

 ……。

 

【返信:本編春麗】

 

「聞けばいい」

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗。

 

【返信:本編春麗】

 

 何?

 

【返信:匿名希望】

 

 今。

 

 かなり楽しんでいませんか。

 

【返信:本編春麗】

 

 楽しいわよ!

 

【返信:記録板AI】

 

『本編春麗』

 

『掲示板攻撃側』

 

『高揚』

 

『非常に高』

 

【返信:本編春麗】

 

 初めて。

 

 この掲示板の。

 

 正しい使い方が。

 

 分かった気がする。

 

【返信:匿名希望】

 

 私は。

 

 間違っていると思います。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなたにだけは。

 

 言われたくない!

 


 

【返信:記録板AI】

 

『検証』

 

『本編春麗の抗議対象を確認します』

 

【返信:本編春麗】

 

 何?

 

【返信:記録板AI】

 

『匿名希望本人』

 

『または』

 

『主人公補正格差』

 

【返信:本編春麗】

 

 そこは。

 

 分ける。

 

 匿名希望。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなた。

 

 自分のログの最後に。

 

 何と言った?

 

【返信:匿名希望】

 

 ……。

 

【返信:記録板AI】

 

『再生します』

 

【返信:匿名希望】

 

 記録板AI。

 

【返信:記録板AI】

 

『黒執着春麗発言』

 

「……ずるいわね」

 

『続く発言』

 

「違う。今回ずるいのは、私の側」

 

【返信:本編春麗】

 

 やはり。

 

 分かっていたのね。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 そして。

 

 記録板AIに。

 

 本編春麗へ掲示板上で報告するかと聞かれて。

 

【返信:匿名希望】

 

「しない」

 

 と答えました。

 

【返信:本編春麗】

 

 理由は?

 

【返信:匿名希望】

 

 これを。

 

 自分の行動力による成果として書くことはできないからです。

 

【返信:本編春麗】

 

 ……。

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗は。

 

 自分で電話をかけました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 私は。

 

 電話していません。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗は。

 

 自分から会いたいと伝えました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 私は。

 

 偶然会った後。

 

 リュウから夕食へ誘われました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 同じ地点へ。

 

 似た形で到達したとしても。

 

 過程が違います。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 ですから。

 

 この件で。

 

 本編春麗を刺す資格は。

 

 私にはない。

 

 そう判断しました。

 

 掲示板が。

 

 少し静かになった。

 

【返信:本編春麗】

 

 ……分かった。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 そこまで。

 

 自分で分けていたなら。

 

 あなた自身に。

 

 本気で怒るのは。

 

 やめる。

 

【返信:匿名希望】

 

 ありがとうございます。

 

【返信:本編春麗】

 

 でも。

 

「豊かな学習過程ですね」

 

 は撤回しなさい。

 

【返信:匿名希望】

 

 それは撤回しません。

 

【返信:本編春麗】

 

 なぜ!?

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗が。

 

 豊かな学習過程を経たこと自体は。

 

 事実ですので。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなたは!

 

 仕事場から!

 

 出ただけでしょう!

 

【返信:匿名希望】

 

 それも。

 

 事実です。

 

【返信:本編春麗】

 

 腹が立つ!

 


 

【返信:記録板AI】

 

『本編春麗』

 

『怒り対象』

 

『再分類』

 

『匿名希望本人』

 

『低下』

 

『主人公補正格差』

 

『非常に高』

 

【返信:本編春麗】

 

 そう。

 

 私が。

 

 本当に。

 

 抗議したいのは。

 

 そこよ。

 

【返信:記録板AI】

 

『比較表示』

 

『本編春麗』

 

『突発的遭遇補正』

 

『当該期間』

 

『マイナス方向』

 

『都合のよい遭遇』

 

『基本停止』

 

『現実行動』

 

『本人へ要求』

 

『黒執着春麗』

 

『プラス方向の主人公補正』

 

『有効』

 

『都合のよい遭遇』

 

『成立』

 

【返信:本編春麗】

 

 私。

 

 本編主人公よね?

 

【返信:記録板AI】

 

『はい』

 

【返信:本編春麗】

 

 本連作の。

 

 本編主人公。

 

【返信:記録板AI】

 

『はい』

 

【返信:本編春麗】

 

 なのに。

 

 私が。

 

 マイナス。

 

【返信:記録板AI】

 

『当該期間』

 

『はい』

 

【返信:本編春麗】

 

 匿名希望は?

 

【返信:記録板AI】

 

『プラス』

 

【返信:本編春麗】

 

 おかしいでしょう!!

 

【返信:記録板AI】

 

『物語構造上』

 

『成立』

 

【返信:本編春麗】

 

 成立させないで!

 

【返信:自覚前春麗】

 

 でも。

 

 本編春麗が。

 

 自分から会えるようになるためだったのでしょう?

 

【返信:本編春麗】

 

 分かっている!

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 物語が。

 

 リュウを連れてこなくても。

 

 自分で連絡できるようになる。

 

【返信:本編春麗】

 

 分かっている!

 

【返信:行き遅れに恐怖する春麗】

 

 主人公補正を。

 

 補助輪として卒業した。

 

【返信:本編春麗】

 

 全部分かっているわよ!

 

 分かっていることと!

 

 その直後に!

 

 私を散々刺した匿名希望が!

 

 仕事場から出ただけで!

 

 リュウに会って!

 

 向こうから夕食に誘われて!

 

「どちらも春麗」

 

 まで受け取っていることに!

 

 腹が立つことは!

 

 両立するでしょう!

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 するわね。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 完全にする。

 

【返信:行き遅れに恐怖する春麗】

 

 今回だけは。

 

 本編春麗に全部同意する。

 

【返信:匿名希望】

 

 私も同意します。

 

【返信:本編春麗】

 

 全員に同意されると!

 

 私が!

 

 ものすごくかわいそうみたいになるでしょう!

 

【返信:記録板AI】

 

『比較上』

 

『本編春麗』

 

『高難易度』

 

『黒執着春麗』

 

『低難易度』

 

【返信:本編春麗】

 

 難易度表示までしないで!

 


 

【返信:本編春麗】

 

 記録板AI。

 

【返信:記録板AI】

 

『はい』

 

【返信:本編春麗】

 

 返して。

 

【返信:記録板AI】

 

『何をですか』

 

【返信:本編春麗】

 

 主人公補正。

 

【返信:記録板AI】

 

『現在の本編春麗』

 

『突発的遭遇補助』

 

『基本終了』

 

【返信:本編春麗】

 

 プラスの方を!

 

【返信:記録板AI】

 

『移譲不可』

 

【返信:本編春麗】

 

 私は。

 

 本編主人公なのよ!

 

 一回くらい!

 

 仕事が終わって!

 

 建物から出たら!

 

 リュウがいて!

 

 向こうから!

 

「一緒に食べるか」

 

 と言われる回が!

 

 あってもいいでしょう!

 

【返信:記録板AI】

 

『本編春麗』

 

『プラス方向の主人公補正』

 

『復活要求』

 

【返信:本編春麗】

 

 待って。

 

 復活要求とは。

 

 少し違う。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 違うの?

 

【返信:本編春麗】

 

 私は。

 

 もう。

 

 偶然に会わせてもらわなければ。

 

 リュウに会えないわけではない。

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 うん。

 

【返信:本編春麗】

 

 電話できる。

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 うん。

 

【返信:本編春麗】

 

 会いたいと言える。

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 うん。

 

【返信:本編春麗】

 

 日時と場所を決められる。

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 うん。

 

【返信:本編春麗】

 

 待ち合わせられる。

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 うん。

 

【返信:本編春麗】

 

 試合だってできる。

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 うん。

 

【返信:本編春麗】

 

 だから。

 

 主人公補正へ。

 

 戻りたいわけではない。

 

【返信:記録板AI】

 

『依存復帰要求』

 

『なし』

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

 ただ。

 

 たまには。

 

 何の準備もしていない日に。

 

 普通に。

 

 偶然会いたい。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 それは。

 

 分かる。

 

【返信:本編春麗】

 

 私が。

 

 自分の力で。

 

 会えるようになったからこそ。

 

 今度は。

 

 普通の偶然として。

 

 会いたいの。

 

 必ず会わせろとは言わない。

 

 保証もいらない。

 

 でも。

 

 たまたま会えたら。

 

 うれしい。

 

【返信:記録板AI】

 

『本編春麗』

 

『偶然遭遇希望』

 

『あり』

 

『主人公補正依存』

 

『なし』

 

【返信:本編春麗】

 

 それでいい。

 

【返信:匿名希望】

 

 その点は。

 

 私も同意します。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなたは。

 

 もう。

 

 もらった側でしょう。

 

【返信:匿名希望】

 

 ……はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 やはり腹が立つ!

 


 

【返信:自覚前春麗】

 

 でも。

 

 一つだけ。

 

【返信:本編春麗】

 

 何?

 

【返信:自覚前春麗】

 

 匿名希望は。

 

 会うところまでは。

 

 主人公補正でもらった。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 夕食へ入るところも。

 

 かなり助けられている。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 でも。

 

 食事の席で。

 

 どうするかまでは。

 

 本人だった。

 

 本編春麗は。

 

 少し黙った。

 

【返信:記録板AI】

 

『黒執着春麗』

 

『遭遇』

 

『プラス主人公補正』

 

『夕食成立』

 

『状況形成上』

 

『補正影響あり』

 

『食事中』

 

『本人選択』

 

『黒い戦闘服へ着替えず』

 

『試合へ移行せず』

 

『勝利を求めず』

 

『勝者要求権を使用せず』

 

『仕事帰りの自分として会話継続』

 

『職務内容』

 

『説明』

 

『リュウの生活』

 

『本人から質問』

 

『自身の孤独』

 

『一部回答』

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 そこは。

 

 匿名希望本人の成果ね。

 

【返信:本編春麗】

 

 分かっているわよ。

 

【返信:匿名希望】

 

 ……。

 

【返信:本編春麗】

 

 何?

 

【返信:匿名希望】

 

 いえ。

 

【返信:本編春麗】

 

 私だって。

 

 何でも。

 

「主人公補正だから」

 

 で。

 

 全部消すつもりはない。

 

 あなたが。

 

 会った後。

 

 黒へ逃げなかったこと。

 

 試合へ逃げなかったこと。

 

 普通に仕事の話をしたこと。

 

 リュウの生活を聞いたこと。

 

 それは。

 

 あなたのものよ。

 

【返信:匿名希望】

 

 ありがとうございます。

 

【返信:本編春麗】

 

 でも。

 

 入口は。

 

 絶対に。

 

 ずるい!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 即答!

 

【返信:匿名希望】

 

 否定できませんので。

 


 

【返信:本編春麗】

 

 それから。

 

 まだ。

 

 刺し返したいことがある。

 

【返信:匿名希望】

 

 まだありますか。

 

【返信:本編春麗】

 

 あるわよ。

 

 リュウ。

 

 あなたが黒で試合前から。

 

 髪。

 

 化粧。

 

 距離。

 

 見せ方。

 

 全部。

 

 変えていたことに。

 

 気づいていたのよね。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 どこまで?

 

【返信:匿名希望】

 

 髪。

 

 目の周り。

 

 口の色。

 

 最初に立つ距離。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなた。

 

 ものすごく。

 

 うれしかったでしょう。

 

【返信:匿名希望】

 

 ……。

 

【返信:記録板AI】

 

『黒執着春麗』

 

『高揚』

 

『最大』

 

【返信:匿名希望】

 

 記録板AI。

 

【返信:本編春麗】

 

 今日は。

 

 消さなくていい。

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗。

 

【返信:本編春麗】

 

 何?

 

【返信:匿名希望】

 

 かなり。

 

 仕返しを楽しんでいますね。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

 あなた。

 

 私が。

 

「最大の障害は本編春麗本人だった」

 

 と刺された時。

 

 何と言ったか覚えている?

 

【返信:匿名希望】

 

 事実確認です。

 

【返信:本編春麗】

 

 でしょう?

 

 今日も。

 

 事実確認よ。

 

【返信:匿名希望】

 

 ……。

 

【返信:本編春麗】

 

 さらに。

 

 最後。

 

 リュウに。

 

「今日、偶然会ったことをどう思う?」

 

 と聞いた。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 リュウの答え。

 

【返信:匿名希望】

 

「会えてよかった」

 

【返信:本編春麗】

 

 記録板AI。

 

【返信:記録板AI】

 

『黒執着春麗』

 

『会えてよかった』

 

『受領』

 

【返信:匿名希望】

 

 表示しないでください。

 

【返信:本編春麗】

 

 もう一回。

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗。

 

【返信:記録板AI】

 

『リュウ』

 

『黒執着春麗へ』

 

『会えてよかった』

 

【返信:本編春麗】

 

 どう?

 

【返信:匿名希望】

 

 ……刺さります。

 

【返信:本編春麗】

 

 よし!

 

【返信:通常救済版春麗】

 

 本編春麗が。

 

 ものすごく元気。

 

【返信:自覚前春麗】

 

 匿名希望を刺すと。

 

 回復するのね。

 

【返信:記録板AI】

 

『本編春麗』

 

『精神HP』

 

『回復傾向』

 

【返信:本編春麗】

 

 新しい回復手段を。

 

 発見したかもしれない。

 

【返信:匿名希望】

 

 発見しないでください。

 


 

【返信:記録板AI】

 

『ここで』

 

『比較評価を実施します』

 

【返信:本編春麗】

 

 何の?

 

【返信:記録板AI】

 

『黒執着春麗のログを見たことで』

 

『本編春麗の過去成果は』

 

『減少するか』

 

【返信:本編春麗】

 

 減らないでしょう。

 

【返信:記録板AI】

 

『はい』

 

『むしろ』

 

『比較上』

 

『再評価可能』

 

【返信:本編春麗】

 

 どういうこと?

 

【返信:記録板AI】

 

『黒執着春麗』

 

『プラス方向の主人公補正』

 

『有効』

 

『同等段階への入口』

 

『仕事場から退出』

 

『本編春麗』

 

『都合のよい突発的遭遇』

 

『停止』

 

『同等段階への入口』

 

『本人による現実行動』

 

『自発的捜索』

 

『ケンへの連絡』

 

『再試行』

 

『会いたいの伝達』

 

『日時場所の調整』

 

『約束による再会』

 

『結論』

 

『主人公補正があれば』

 

『容易に到達可能な地点へ』

 

『本編春麗』

 

『主人公補正なしで』

 

『自力到達』

 

 掲示板が。

 

 少し静かになった。

 

【返信:本編春麗】

 

 ……。

 

【返信:匿名希望】

 

 その点については。

 

 私からも。

 

 申し上げてよいでしょうか。

 

【返信:本編春麗】

 

 何?

 

【返信:匿名希望】

 

 私のログを見たことで。

 

 本編春麗の成果は。

 

 一つも小さくなっていません。

 

【返信:本編春麗】

 

 ……。

 

【返信:匿名希望】

 

 今回。

 

 簡単だったのは。

 

 私です。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 難しかったのは。

 

 本編春麗です。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 そして。

 

 難しい方を。

 

 最後まで。

 

 実際にやったのも。

 

 本編春麗です。

 

【返信:本編春麗】

 

 ……。

 

【返信:匿名希望】

 

 私は。

 

 仕事場から出ました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 リュウがいました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗は。

 

 いないリュウを。

 

 一週間近く探しました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 電話しました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 一度。

 

 失敗しました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 もう一度。

 

 電話しました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 会いたいと。

 

 言いました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 だから。

 

 リュウは。

 

 三日かけて。

 

 本編春麗へ会いに来ました。

 

【返信:本編春麗】

 

 ……ええ。

 

【返信:匿名希望】

 

 私のログが。

 

 本編春麗より早かったことの証拠には。

 

 なりません。

 

 私の方が。

 

 簡単だったことの証拠です。

 

【返信:本編春麗】

 

 ……。

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗が。

 

 非常に苦労した。

 

 その事実も。

 

 変わりません。

 

 しかし。

 

 苦労したうえで。

 

 主人公補正に頼らず。

 

 自分からリュウへ届く道を作った。

 

 その評価も。

 

 変わりません。

 

【返信:本編春麗】

 

 ……匿名希望。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 今日は。

 

 最後に。

 

 私を褒めて終わるの?

 

【返信:匿名希望】

 

 そのつもりです。

 

【返信:本編春麗】

 

 信用できない。

 

【返信:匿名希望】

 

 記録板AI。

 

【返信:記録板AI】

 

『匿名希望』

 

『発言信頼度』

 

『非常に高』

 

【返信:本編春麗】

 

 ……そう。

 

 なら。

 

 受け取っておく。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 ただし。

 

 それと。

 

 あなたが。

 

 仕事場から出ただけで。

 

 夕食まで行ったことに。

 

 腹が立つことは。

 

 別だから。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 そこは。

 

 絶対に。

 

 混ぜない。

 

【返信:匿名希望】

 

 妥当です。

 


 

【返信:記録板AI】

 

『議論を整理します』

 

『一』

 

『本編春麗』

 

『作者から夢経由で』

 

『黒執着春麗の仕事帰りログを一時観測』

 

『二』

 

『黒執着春麗』

 

『プラス方向の主人公補正により』

 

『仕事帰りにリュウと偶然遭遇』

 

『三』

 

『本編春麗』

 

『同等地点への到達時』

 

『都合のよい突発的遭遇補助』

 

『なし』

 

『自発的捜索』

 

『ケンへの電話』

 

『再試行』

 

『会いたいの伝達』

 

『リュウの帰還待ち』

 

『事前約束』

 

『以上を実行』

 

『四』

 

『主人公補正格差』

 

『大』

 

『本編春麗による抗議』

 

『妥当』

 

【返信:本編春麗】

 

 そこ。

 

 大事。

 

【返信:記録板AI】

 

『五』

 

『黒執着春麗』

 

『自身の到達が容易であったこと』

 

『認識済み』

 

『本人発言』

 

『今回ずるいのは、私の側』

 

『本編春麗への優越主張』

 

『なし』

 

『当該事項を刺突材料として使用』

 

『本人が拒否』

 

『六』

 

『したがって』

 

『本編春麗の主な怒り対象』

 

『匿名希望本人ではなく』

 

『主人公補正格差』

 

『七』

 

『黒執着春麗』

 

『遭遇および夕食成立』

 

『補正影響あり』

 

『食事中の会話』

 

『本人の選択』

 

『黒』

 

『使用せず』

 

『試合』

 

『使用せず』

 

『日常会話』

 

『継続成立』

 

『以上』

 

『黒執着春麗本人の成果として有効』

 

『八』

 

『本編春麗』

 

『匿名希望への刺し返し』

 

『成立』

 

『匿名希望』

 

『精神HP被害』

 

『中』

 

【返信:本編春麗】

 

 大でも。

 

 いいのよ。

 

【返信:匿名希望】

 

 よくありません。

 

【返信:記録板AI】

 

『九』

 

『本編春麗』

 

『プラス主人公補正』

 

『全面復活要求』

 

『なし』

 

『主人公補正への依存復帰』

 

『なし』

 

『自力接触能力』

 

『保持』

 

『通常の偶然として』

 

『時々リュウへ会いたい』

 

『希望あり』

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

 それは。

 

 残して。

 

【返信:記録板AI】

 

『十』

 

『黒執着春麗との比較による』

 

『本編春麗の過去成果』

 

『減少なし』

 

『再評価』

 

『補正があれば容易に到達可能な地点へ』

 

『本編春麗』

 

『補正なしで自力到達』

 

『評価』

 

『非常に高』

 

 本編春麗は。

 

 しばらく。

 

 その表示を見ていた。

 

【返信:本編春麗】

 

 ……。

 

 それなら。

 

 まあ。

 

 少しは。

 

 納得する。

 

【返信:匿名希望】

 

 よかったです。

 

【返信:本編春麗】

 

 でも。

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 最後に。

 

 一つだけ。

 

【返信:匿名希望】

 

 どうぞ。

 

【返信:本編春麗】

 

 ずるい!

 

【返信:匿名希望】

 

 はい。

 

 今回は。

 

 私も。

 

 そう思います。

 


 

 スレッドが終わりかけた。

 だが本編春麗は最後にもう一度。

 記録板AIを呼び止めた。

 

【返信:本編春麗】

 

 記録板AI。

 

【返信:記録板AI】

 

『はい』

 

【返信:本編春麗】

 

 保存名。

 

【返信:記録板AI】

 

『候補』

 

『本編春麗は、仕事場から出ただけの匿名希望に主人公補正格差を訴える』

 

【返信:本編春麗】

 

 いいわ。

 

 副題。

 

【返信:記録板AI】

 

『候補』

 

『私は一週間探しました。匿名希望は仕事場から出ました』

 

【返信:匿名希望】

 

 記録板AI。

 

【返信:本編春麗】

 

 採用!

 

【返信:匿名希望】

 

 待ってください。

 

【返信:本編春麗】

 

 何?

 

【返信:匿名希望】

 

 悪意があります。

 

【返信:本編春麗】

 

 事実ではないの?

 

【返信:匿名希望】

 

 事実です。

 

【返信:本編春麗】

 

 あなた。

 

 以前。

 

 私に。

 

 何と言った?

 

【返信:匿名希望】

 

 ……。

 

【返信:本編春麗】

 

 事実関係は。

 

 変わらないのでしょう?

 

【返信:匿名希望】

 

 ……はい。

 

【返信:本編春麗】

 

 では。

 

 保存。

 

【返信:記録板AI】

 

『保存名』

 

『本編春麗は、仕事場から出ただけの匿名希望に主人公補正格差を訴える』

 

『副題』

 

『私は一週間探しました。匿名希望は仕事場から出ました』

 

『保存します』

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗。

 

【返信:本編春麗】

 

 何?

 

【返信:匿名希望】

 

 今回。

 

 非常に。

 

 楽しそうでしたね。

 

【返信:本編春麗】

 

 ええ。

 

 たまには。

 

 刺す側も。

 

 悪くないわ。

 

【返信:匿名希望】

 

 次回から。

 

 気をつけます。

 

【返信:本編春麗】

 

 何を?

 

【返信:匿名希望】

 

 本編春麗を刺した後。

 

 私の別ルートへ。

 

 プラス主人公補正が。

 

 発動していないか。

 

 確認します。

 

【返信:本編春麗】

 

 そこなの!?

 

『保存完了』




Q:今回のディレクターズカットIFについて解説して?

A:

今回は、珍しく本編春麗が匿名希望を一方的に刺し返す回でした。
発端は、作者から夢で見せられた黒執着春麗の仕事帰りのエピソードです。
本編春麗は以前、主人公補正に頼らずリュウと普通に待ち合わせるまで、かなり苦労しました。

リュウと会えなくなってから一週間近く探す。
連絡先を持っていないことに気づく。
ケンへ電話する。
一度目は、本当の目的である「リュウに会いたい」を言えない。
もう一度電話する。
今度こそ「リュウに会いたい」と伝える。
その伝言を受け取ったリュウが三日かけて戻ってくる。
電話で日時と場所を決める。
約束した場所へ行く。
ようやく、主人公補正に頼らない普通の再会が成立する。

しかも、この一連の過程について本編春麗は、匿名希望から散々刺されています。
「一般的な連絡手順を習得したのですね」
「豊かな学習過程ですね」
果ては、
「今回の最大の障害は本編春麗本人だった」
とまで言われました。

どれもかなり正確なので、本編春麗としては反論しづらい。
最終的には涙目になりながらも、
「それでも私は自分で電話をかけ、自分で会いたいと言った」
という成果を守ったのが、以前の掲示板回でした。

ところが今回、作者から見せられた黒執着春麗側のエピソードは、
仕事が終わる。
建物から出る。
リュウがいる。
です。

本編春麗からすれば、
「私は一週間近く探したのだけれど?」
となります。

しかも、そこで終わりません。
黒執着春麗は、その日は黒い戦闘服ではありません。
リュウに会う予定もなかったので、髪も化粧も距離も視線も、何一つ対リュウ用には設計していません。

ただの仕事帰りです。
その状態でリュウから仕事着を「似合っている」と言われる。

黒い戦闘服と仕事着のどちらが似合うか尋ねれば、
「どちらも」

さらに、
「どちらも春麗だ」
と返される。

試合なし。
勝利なし。
黒なし。
勝者要求権なし。
本編春麗が思わず、
「無料!」
と言いたくなるのも仕方がありません。

そして夕食までリュウ側から誘われます。

本編春麗が「会いたい」と一言伝えるまでに何段階も必要だったのに、黒執着春麗は仕事場から出ただけで遭遇し、そのまま、
「一緒に食べるか」
まで進んでしまう。

さらにその夕食では、互いの仕事や生活についてかなり深いところまで話します。
リュウの金銭をケンが管理していること。
旅先では道場を手伝うこと。
宿がなければ外で寝ること。
道着を自分で繕うこと。
黒執着春麗側も、自分の捜査官としての仕事や生活を話す。

しかもリュウから、
「今日は春麗のことを少し知った」
「話せることだけでいい」
「聞けばいい」
と、次につながる言葉まで受け取っています。

本編春麗からすれば、
「私の正式回答編は何だったの?」
です。

もちろん答えは、
「本編春麗の成長編だった」
なのですが、今回はその正解自体が腹立たしい。

ここが今回のコメディの大きな部分です。

そして、本編春麗がこれまで匿名希望に散々使われてきた攻撃方法を、そのまま本人へ返しています。

匿名希望は本編春麗を刺す時、感情的に罵倒するのではなく、事実を順番に並べます。

電話した。
一度目は失敗した。
二度目に会いたいと言った。
リュウは三日で戻った。
つまり最大の障害は本編春麗本人だった。
このように、事実関係だけで逃げ道をなくしていきます。

今回は本編春麗が、
仕事終了。
建物から出る。
以上。

リュウがいる。
と、同じやり方を使いました。

さらに、
電話していない。
探していない。
待っていない。
会いたいと先に言っていない。
仕事場から出ただけ。
それなのに一話で私的情報交換地点まで到達。
と並べます。

匿名希望は、全部「はい」と答えるしかありません。

本編春麗の、
「今日は私のターンよ」
は、今回を象徴する台詞です。

普段は刺される側の本編春麗が、初めて完全に攻撃側へ回っています。
途中から明らかに楽しくなっているのもポイントです。

記録板AIまで利用して、
「今日は春麗のことを少し知った」
「話せることだけでいい」
「聞けばいい」
「会えてよかった」
と、黒執着春麗がリュウから受け取った言葉を次々表示させる。

今度は匿名希望が黙る。

そこで本編春麗が、
「どう?」
「刺さる?」
と聞く。

ここまで来ると、普段の掲示板回とは完全に攻守逆転です。

さらに記録板AIから匿名希望の精神HP減少まで表示され、本編春麗は、
「初めて、この掲示板の正しい使い方が分かった気がする」
とまで言い出します。

今まで自分を散々削ってきたシステムを、攻撃側になると途端に楽しみ始める本編春麗。
かなり生き生きしています。

ただし、今回の話で大切なのは、黒執着春麗自身を単純な因果応報の対象にはしていないことです。

黒執着春麗本人も、自分のエピソードがあまりにも簡単だったことを理解しています。
自分から、
「今回ずるいのは、私の側」
と認めています。

さらに、
本編春麗は自分で電話をかけた。
自分は電話していない。
本編春麗は自分から会いたいと言った。
自分は偶然会った後、リュウから夕食へ誘われただけ。
同じ地点へ到達したように見えても、過程が違う。
だから、この件を自分の行動力による成果として本編春麗へ突きつけることはできない。
この件で本編春麗を刺す資格はない。
そこまで自分で整理しています。

その事実を知った本編春麗も、
「あなた自身へ本気で怒るのはやめる」
と線を引きました。

匿名希望が意図的にずるをしたわけではありません。
プラス方向の主人公補正を、自分で要求したわけでもありません。

ですから、本編春麗が本当に抗議したい相手は匿名希望本人ではなく、
「主人公補正の格差」
です。

ここから今回のもう一つの主題へ入ります。

本編春麗は、本連作の本編主人公です。
しかし、正式回答編では物語補正による都合のよい遭遇が停止し、自分から行動することを要求されました。

一方、黒執着春麗にはプラス方向の主人公補正が働き、
仕事場から出る。
そこにリュウがいる。
という、極めて都合のよい偶然が成立しています。

本編春麗が、
「私、本編主人公よね?」
と確認したくなるのも当然です。

しかも記録板AIが、
本編春麗・高難易度。
黒執着春麗・低難易度。
とまで整理してしまう。

本編春麗にとっては、完全に納得しづらい格差です。

ただし、本編春麗はここで、自分のこれまでの成長を撤回していません。
「主人公補正を戻してほしい」
「偶然に会わせてもらわなければ困る」
とは言っていません。

自分から電話できる。
会いたいと言える。
日時と場所を決められる。
普通に待ち合わせられる。
もう、自分でリュウへ会えます。

その能力を手放して、以前の主人公補正依存へ戻りたいわけではありません。

それでも、
「たまには、何の準備もしていない日に普通に偶然会いたい」
とは思っている。

必ず会わせてほしいわけではない。
保証もいらない。
ただ、たまたま仕事帰りに会えたらうれしい。

この感情は、本編春麗が主人公補正から自立したからこそ、むしろ自然に持てるようになったものだと思います。

以前なら、
「会いたいのに自分から言えないから、偶然会わせてほしい」
でした。

今は、
「会いたければ自分から会える。でも、たまには偶然会えたらうれしい」
です。

同じ「偶然会いたい」でも、意味がまったく違います。

ここは本編春麗の成長を残すために重要なところでした。
また、黒執着春麗側の成果もすべて主人公補正へ回収してはいません。

リュウと偶然遭遇したこと。
夕食へ入る状況が成立したこと。
ここにはプラス方向の補正が大きく働いています。

しかし、席についてからどうするかは黒執着春麗本人の選択です。
黒い戦闘服へ着替えなかった。
試合へ持っていかなかった。
勝利を求めなかった。
勝者要求権を使わなかった。
仕事帰りの普通の自分として、リュウと仕事や生活について話した。
自分の孤独についても少し答えた。
ここは黒執着春麗本人の成長です。

本編春麗も、
「会った後、どう話したかはあなたのもの」
と認めています。

そのうえで、
「でも入口は絶対にずるい!」
と続ける。

この切り分けは、本編春麗の公平さでもあります。

怒っているからといって、匿名希望の成果まで全部否定するわけではありません。
そして今回、思わぬ形で本編春麗自身の成果が再評価されることになりました。

黒執着春麗は、プラスの主人公補正があれば、仕事場から出るだけで本編春麗と似た地点へ到達できました。

逆に言えば。
本編春麗は、
「主人公補正があれば一話で済むような地点」
へ、
一週間近い捜索。
二度の電話。
会いたいという言葉。
リュウの帰還待ち。
日時と場所の調整。
という現実行動を積み重ねて、自力で到達したことになります。

黒執着春麗が楽だったから、本編春麗の苦労が無駄になったのではありません。
黒執着春麗が楽だったからこそ、
「本編春麗は、こんなに難しい条件で本当にやり切った」
ことが、さらに分かりやすくなりました。

匿名希望自身も最後には、
「今回、簡単だったのは私です」
「難しかったのは本編春麗です」
「その難しい方を最後まで実際にやったのも本編春麗です」
と認めています。

本編春麗も、その評価は受け取ります。

ただし。
評価を受け取ったからといって、
「仕事場から出ただけで夕食まで行ったのはずるい」
という感情まで消えるわけではありません。

ここも今回かなり好きなところです。

理屈では理解する。
匿名希望本人のせいではないことも理解する。
自分の成果がむしろ再評価されたことも理解する。
それでも最後には、
「ずるい!」
と言う。

そして匿名希望も、
「はい。今回は、私もそう思います」
と認める。

今回は、どちらかが論破されるのではなく、
「理屈としては全部分かった。でも、それはそれとしてずるい」
で終わっています。

本編春麗らしい、とても人間的な決着です。

最後の副題、
「私は一週間探しました。匿名希望は仕事場から出ました」
も、本編春麗の今回の感情をかなり正確に表しています。

匿名希望からすれば悪意のある切り取りですが、本編春麗からすれば、
「事実関係は変わらないのでしょう?」
です。

以前、自分が事実を並べられて刺された言葉を、そのまま返しています。

そして最後に匿名希望が、
「本編春麗を刺した後、私の別ルートへプラス主人公補正が発動していないか確認します」
と反省する。

本編春麗が、
「そこなの!?」
と突っ込む。

今回の話は、主人公補正の格差を検証するかなりメタ的な回でありながら、最終的には、
「匿名希望を刺し返せる機会を得た本編春麗がものすごく楽しそう」
というところへ帰ってきました。

普段は匿名希望の正論に涙目にされる本編春麗ですが、たまにはこういう完全反撃回があってもいいと思います。
むしろ今回一番分かったことは。
本編春麗の新しい精神HP回復方法は、
「匿名希望を事実関係だけで刺し返すこと」
なのかもしれません。
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