また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい――   作:エーアイ

423 / 430
※これはディレクターズカットIFです。
本編のIFシリーズは無関係のエピソードとなります。
リュウとの因縁が発生しなかった春麗の別ルートです。


ディレクターズカットIF:黒へ自分から踏み込んだ春麗を、春麗会議室が専門家込みで検証する

 ディレクターズカットIF側の春麗会議室掲示板に、新しいスレッドが立った。

 

【カテゴリ:作者確認/第1話普通敗北ルート】

 

【スレッド名:勝ってから黒へ行った春麗について、専門家を交えて確認する】

 

【スレ主:記録板AI】

 

【返信:記録板AI】

『対象:第1話普通敗北ルート春麗』

 

『初戦』

『春麗敗北』

『リュウ:他の格闘家と同様に春麗へ対処』

『女性としての春麗による拳の鈍り・特別反応:なし』

『春麗側:女性として見られた実感なし』

『因縁:不成立』

 

『二戦目』

『春麗ギリギリ勝利』

『敗者の印:初回発生』

『リュウ:強敵の一人→終われない相手』

『遅延因縁:成立』

 

『三戦目』

『春麗:黒い戦闘服を自発選択』

『見られ方の戦術利用を独力で開始』

『リュウ:女性としての春麗を認識し、半拍揺れる』

『春麗ギリギリ勝利』

『敗者の印:二度目』

 

『リュウ発言』

『揺れた』

『だが、それも春麗の技だ』

 

『主な確認事項』

『黒への接続理由』

『現時点の黒の扱い』

『リュウの承認が春麗へ与える影響』

『今後の進行』

 

【返信:本編春麗】

 最初のところ、かなり大事ね。

 

【返信:記録板AI】

『初戦時点の状態を明示しました』

 

【返信:本編春麗】

 そうして。

 このルート、そこを曖昧にすると全部変わるから。

 

【返信:記録板AI】

『黒関連専門家』

『参加要請済み』

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 来たわ。

 

【返信:本編春麗】

 本当に来た。

 

【返信:通常救済版春麗】

 今回は正規の専門家枠ね。

 

【返信:自覚前春麗】

 もう一人も見てるんでしょう?

 

【返信:記録板AI】

『匿名希望:閲覧中』

 

【返信:本編春麗】

 いるのね。

 

【返信:匿名希望】

 掲示板ですので。

 

【返信:本編春麗】

 はいはい。

 


 

【返信:記録板AI】

『第一確認』

『本ルートが黒へ進む理由』

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 先に結論を言うわ。

 かなり自然。

 ただし、

「二戦目で勝ったから、次はもっと欲しくなった」

 だけで整理しない方がいい。

 

【返信:本編春麗】

 そこね。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 この春麗にとって、初戦は本当に何も始まらなかった。

 リュウは春麗を一人の格闘家として普通に相手にした。

 女性だから拳が鈍ったわけでもない。

 女性として特別に意識されたと、春麗が感じる瞬間もなかった。

 そして春麗自身も、それを何とも思わなかった。

 

【返信:通常救済版春麗】

 だって、その時のリュウは「強い格闘家の一人」でしかなかったものね。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そう。

 女として見られなかったことが、まだ問題ですらなかった。

 普通に負けた。

 悔しかった。

 だから修行した。

 それで一度終われた。

 

【返信:自覚前春麗】

 変わったのは二戦目。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 ええ。

 二戦目で春麗は勝った。

 しかも、自分が直してきたものをリュウに見られながら、大接戦の末に勝った。

 倒したリュウは折れなかった。

 春麗は自分から敗者の印までつけた。

 そこで初めて、リュウが「強敵の一人」ではなくなった。

 

【返信:本編春麗】

 終われない相手になった。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 その通り。

 すると初戦の意味まで少し変わる。

 

【返信:行き遅れに恐怖する春麗】

 初戦そのものが変わるわけじゃない。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 もちろん。

 事実は同じよ。

 春麗は普通に負けた。

 リュウも普通に戦った。

 何も始まらなかった。

 ただ、二戦目のあとになって春麗の側が初戦を振り返ると、

「この男、あの時の私を女としては全然見てなかったのね」

 が、初めて引っかかるようになる。

 

【返信:本編春麗】

 リュウが特別になったから。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そう。

 相手が特別ではなかった時には気にならなかった。

 特別になった途端、

「格闘家としては見てもらえた」

「でも女としての私は、あの男の中に何も残していない」

 ただ格闘家として見られるだけでは足りなくなった。

 

【返信:通常救済版春麗】

 だから黒。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そう、だから黒に接続する。

 勝つために必要だったわけではない。

 もう普通の姿で一度勝っているもの。

 でも、

「今度は女としての私まで見せたい」

「それでも格闘家として本気で戦ってほしい」

「そのリュウに、もう一度勝ちたい」

 という新しい欲求には、黒い戦闘服が非常に都合がよかった。

 

【返信:本編春麗】

 つまり。

 黒は戦闘力の補填じゃない。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 ええ。

 初戦では何も残らなかった「女性としての春麗」を、今度は自分から勝負へ持ち込むための選択。

 

【返信:記録板AI】

『黒への接続理由』

『二戦目勝利によりリュウが特別な相手へ変化』

『その結果、初戦時には問題にならなかった「女性として何も残せなかったこと」が後から不足として浮上』

『春麗、自発的に黒い戦闘服を選択』

 

【返信:本編春麗】

 それ。

 今回のルートは、そこを外したくない。

 


 

【返信:記録板AI】

『第二確認』

『現時点の行動を「黒戦術」と呼称可能か』

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 春麗本人の認識としては、まだ駄目。

 

【返信:本編春麗】

 即答ね。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 当然でしょう。

 黒い戦闘服を着たから黒戦術、では雑すぎるもの。

 

【返信:記録板AI】

『黒い戦闘服=黒戦術』

『否定』

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 重要なのは、春麗が鏡の前で考えたこと。

 

「自分がどう見えるか」

「リュウはどこを見るか」

「その視線をどう勝負へつなげるか」

 

 そこよ。

 

【返信:自覚前春麗】

 衣装。

 髪。

 姿勢。

 視線。

 距離。

 言葉。

 間。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 それらを初めて、

「使える」

 と考えた。

 まだ発生点。

 体系じゃない。

 だから本人に、

「これは黒戦術よ」

 なんて言わせない方がいい。

 今は、

「戦術にはなる」

「使えるものは使う」

 くらいで十分。

 

【返信:本編春麗】

 黒戦術を知らない春麗が、自力でそこへ近づいている段階ね。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そう。

 この春麗自身が、これから作っていく。

 

【返信:匿名希望】

 名称は後から付けばよいでしょう。

 

【返信:本編春麗】

 来た。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そこは同意。

 

【返信:匿名希望】

 専門家判断を優先します。

 

【返信:本編春麗】

 本当にそこは素直ね。

 

【返信:匿名希望】

 専門領域ですので。

 


 

【返信:記録板AI】

『黒い戦闘服/専門評価』

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 今回の使い方なら問題ない。

 黒い布と金の装飾。

 胸元の赤い中国結び。

 白い手首装飾と白と金のブーツ。

 長い黒髪も下ろす。

 いつもの春麗とは、かなり印象が変わる。

 

【返信:通常救済版春麗】

 女性らしさが強くなる。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 でも、格闘家として鍛えた身体は消えない。

 脚も腰も肩も、そのまま。

 

【返信:本編春麗】

 だから、

「女として見ることから逃げにくい」

「格闘家として見ることも避けにくい」

 になる。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 正解。

 この春麗が欲しいのは片方だけじゃない。

 

【返信:自覚前春麗】

 女として見ろ。

 格闘家としても見ろ。

 でも拳は止めるな。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そして、見たこと自体はこちらが利用する。

 

【返信:行き遅れに恐怖する春麗】

 十分面倒。

 

【返信:本編春麗】

 初戦で女として何も引っかからなかった反動だと思うと、もっと分かりやすいわね。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 ええ。

「初戦では何もなかった」

 を撤回するんじゃない。

 むしろ、その空白が後から効いてきた。

 

【返信:記録板AI】

『初戦の空白』

『後付けで撤回せず』

『二戦目以降に春麗側の評価が変化したことで、新たな意味を持つ』

 

【返信:本編春麗】

 それなら綺麗。

 


 

【返信:記録板AI】

『第三確認』

『リュウ発言』

『揺れた』

『だが、それも春麗の技だ』

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 ここが今回、一番強い。

 

【返信:本編春麗】

 やっぱり?

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 考えてみて。

 春麗が黒を選んだ理由には、

「この男に、女としての私も見せたい」

 がある。

 その狙いは実際に通った。

 リュウは揺れた。

 半拍遅れた。

 春麗はそこを勝利へ変えた。

 

【返信:通常救済版春麗】

 つまり、初戦では何も起こらなかった部分に、三戦目では明確に反応が返ってきた。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そう。

 しかもリュウは、その反応を否定しなかった。

「揺れた」

 と認めた。

 さらに、

「それも春麗の技だ」

 とまで言った。

 

【返信:本編春麗】

 春麗側からすれば。

 初戦では女として何も残せなかった。

 三戦目では、ちゃんと揺らせた。

 しかも、それを格闘家としての私から切り離されなかった。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 その通り。

 この承認は、ものすごく強い。

 春麗が後から、

「こんなことまで勝負に使ってよかったの?」

 と迷っても、

「でもリュウは、私の技だって認めた」

 と言えてしまう。

 

【返信:匿名希望】

 私はリュウの判断自体は妥当だと思います。

 

【返信:本編春麗】

 説明して。

 

【返信:匿名希望】

 春麗が自分で考え、自分から見られ方を使い、相手の判断を遅らせ、その時間を攻撃へつなげた。

 ならば、リュウがそれを春麗の技と認識することに不自然さはありません。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そこは私も否定しない。

 問題は、正しいか間違っているかじゃない。

 春麗へどれだけ効いたか。

 

【返信:匿名希望】

 極めて高いでしょう。

 

【返信:記録板AI】

『リュウ承認』

『初戦時に存在しなかった女性としての反応を、三戦目で春麗自身が引き出す』

『当該反応をリュウ本人が「春麗の技」と承認』

『黒継続への成功体験:強』

 

【返信:本編春麗】

 それは保存して。

 


 

【返信:記録板AI】

『匿名希望所見』

 

【返信:匿名希望】

 この春麗を、私は嫌いではありません。

 

【返信:通常救済版春麗】

 いきなり高評価。

 

【返信:本編春麗】

 理由は?

 

【返信:匿名希望】

 初戦では何も始まらなかった。

 リュウから、女性として特別な反応も得なかった。

 しかし当時は、それを必要ともしていなかった。

 普通に負けて、普通に帰った。

 それが二戦目で変わった。

 

【返信:本編春麗】

 リュウが特別になった。

 

【返信:匿名希望】

 はい。

 そこで初めて、

「格闘家としてだけ見られるのでは足りない」

 になった。

 そして誰かに黒を勧められたわけでもない。

 黒という体系を教わったわけでもない。

 自分から衣装を選び。

 髪を下ろし。

 鏡の前で、

 視線。

 距離。

 言葉。

 間。

 それらを使えると判断した。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そこは私も高く評価する。

 

【返信:匿名希望】

 この春麗の黒は、

「勝てないから必要だった」

 ではありません。

「特別になったリュウに、女としてまったく見られていないことが後から傷になった」

 から選んだ。

 

【返信:本編春麗】

 それ。

 その言い方が一番近い。

 

【返信:匿名希望】

 そして、成功した。

 女性としての春麗を見せた。

 リュウが揺れた。

 春麗が勝った。

 リュウが認めた。

 二度目の敗者の印までつけた。

 さらに、

「次は揺れない」

 と返された。

 

【返信:通常救済版春麗】

 次も黒を使いたくなる理由は十分。

 

【返信:匿名希望】

 はい。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 ただし、ここは分ける。

 黒がなければ勝てないわけではない。

 通常の姿で、すでに一度勝っている。

 

【返信:匿名希望】

 ですので現時点で、黒依存とは呼べません。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 でも黒を使えば、初戦では得られなかったリュウの反応が得られる。

 勝負としても面白い。

 勝てた。

 その使い方まで認められた。

 本人にとって、続ける理由が多すぎる。

 

【返信:記録板AI】

『黒依存:未成立』

『黒継続利益:高』

 

【返信:本編春麗】

 今度は、その分類にも納得できる。

 


 

【返信:行き遅れに恐怖する春麗】

 匿名希望。

 自分との違いは?

 

【返信:匿名希望】

 かなり違います。

 この春麗は、黒を使わなければ立て直せない状態ではありませんでした。

 普通に帰れた。

 普通に修行した。

 通常の姿でリュウにも勝った。

 それでも、リュウが特別になったあとで、

「私は女としては、あの男に何も残していない」

 ことが気になり始めた。

 

【返信:本編春麗】

 だから、自分から踏み込んだ。

 

【返信:匿名希望】

 はい。

 少し贅沢です。

 

【返信:本編春麗】

 またそれ。

 

【返信:匿名希望】

 格闘家として見られて勝った。

 それでも、女としても見てほしい。

 でも拳は鈍らせてほしくない。

 そしてまた勝ちたい。

 十分に贅沢でしょう。

 

【返信:本編春麗】

 否定できない。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 でも、それがこのルートの個性よ。

 

【返信:匿名希望】

 私もそう思います。

 この春麗を、

「黒に落ちた」

 とは呼びたくありません。

 

【返信:本編春麗】

 自分から選んだから?

 

【返信:匿名希望】

 それもあります。

 もっと言えば。

 初戦で足りなかったものを、二戦目のあとになって自分で欲しがり、自分から取りに行った。

 落下というより獲得です。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 ただし。

 獲得したものが甘すぎる。

 

【返信:自覚前春麗】

 黒がなくても戦える。

 でも黒をやめる理由が少ない。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そこね。

 依存ではない。

 でも黒を使えば、

 リュウが女としての春麗を見る。

 それでも拳を止めない。

 勝負として面白い。

 勝てる。

 認められる。

 また次ができる。

 

【返信:本編春麗】

 本人にとって、かなりおいしい。

 

【返信:匿名希望】

 はい。

 

【返信:本編春麗】

 黒の二人が迷いなく同意するの怖いわね。

 


 

【返信:記録板AI】

『追加確認』

『春麗内心:「だから――好き」』

『直後に否認』

 

【返信:本編春麗】

 そこは確定しない。

 

【返信:記録板AI】

『即答』

 

【返信:本編春麗】

 当たり前でしょう。

 まだリュウをどう好きなのか、自分でも分かってない。

 

【返信:通常救済版春麗】

 今は、

「もっと見てほしい」

「もっと揺らしたい」

「もっと勝ちたい」

「もっと覚えていてほしい」

 が混ざってる段階ね。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 それで十分。

 ここで急いで恋愛へ固定する必要はないわ。

 

【返信:匿名希望】

 否認はかなり速かったですが。

 

【返信:本編春麗】

 あなたが言うと嫌味になるのよ。

 

【返信:匿名希望】

 事実です。

 

【返信:記録板AI】

『恋愛自覚:未確定』

『「好き」:瞬間的語彙発生のみ』

 

【返信:本編春麗】

 それでいい。

 


 

【返信:記録板AI】

『今後の進行上の注意』

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 第一に、次から急に完成した黒の使い手にしない。

 

【返信:本編春麗】

 重要。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 今回は初めて考えた。

 試した。

 使った。

 成功した。

 そこまで。

 次から、

「どの視線が効いたか」

「どの距離でリュウが揺れたか」

「言葉はどこまで使えるか」

 そういうものを少しずつ覚えていけばいい。

 

【返信:通常救済版春麗】

 成功したから、次に洗練される。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 ええ。

 でも最初から完成形ではない。

 第二。

 黒だけに寄せすぎない。

 

【返信:本編春麗】

 この春麗、通常の姿でも勝ってるものね。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そう。

 三戦目では黒を使って、

「女としても見られる」

 を初めて取った。

 すると今度は、

「じゃあ、黒を着ていない私は、今のリュウにどう見えるの?」

 が出てきても自然。

 

【返信:通常救済版春麗】

 初戦では格闘家としてしか残らなかった。

 三戦目では黒で女としても揺らした。

 そのあとなら、いつもの自分がもう一度気になる。

 

【返信:本編春麗】

 それは分かる。

 

【返信:匿名希望】

 非常に面倒ですね。

 

【返信:本編春麗】

 あなたにだけは言われたくない。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 でも、この流れは綺麗。

 黒へ行ったから普段の春麗を捨てるんじゃない。

 黒で一つ増やしたからこそ、

「じゃあ、どちらも私なら?」

 へ進める。

 

【返信:記録板AI】

『今後候補』

『黒成功後/通常姿の再確認』

『確認対象:現在のリュウが通常の春麗をどう見るか』

 

【返信:本編春麗】

 それなら筋が通る。

 


 

【返信:記録板AI】

『初戦に関する確認』

 

『リュウ』

『春麗を他の格闘家と同様に処理』

『女性としての春麗による特別反応:なし』

 

『春麗』

『女性として見られた実感:なし』

『当時、それを問題視せず』

 

【返信:本編春麗】

 ここは変えないで。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 同意。

 後から、

「実は初戦から女性として特別に見ていました」

 にはしない。

 

【返信:通常救済版春麗】

 それをやると、「第1話では本当に何も始まらなかった」が弱くなるものね。

 

【返信:自覚前春麗】

 初戦の空白は本物。

 ただし、その空白を後から気にし始めたのは春麗の方。

 

【返信:本編春麗】

 そう。

 二戦目でリュウが特別になったから。

 同じ初戦なのに、あとから見た時だけ意味が変わった。

 

【返信:匿名希望】

 こちらの方が、本ルートには適しています。

 

【返信:本編春麗】

 あなたも異議なし?

 

【返信:匿名希望】

 ありません。

 何もなかった初戦を、後から特別な初戦へ書き換える必要はないでしょう。

 

【返信:記録板AI】

『確認』

『初戦で何も始まらなかった事実:維持』

『後付けによるリュウ側女性認識の追加:行わない』

 

【返信:本編春麗】

 それで保存して。

 


 

【返信:記録板AI】

『最終確認』

『本ルートの黒への接続を承認可能か』

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 専門家として承認。

 条件は四つ。

 一、この時点で黒戦術完成扱いにしない。

 二、春麗本人へ後年の用語を先取りさせない。

 三、戦術の本体を黒い戦闘服だけにしない。衣装、髪、姿勢、視線、距離、言葉、間を、本人が少しずつ組み合わせていく。

 四、黒への接続理由を崩さない。

 初戦では、女として何も残らなくても問題なかった。

 二戦目で勝ち、リュウが特別になった。

 そこで初めて、

「格闘家として見られるだけでは足りない」

「女としての私も見てほしい」

 が生まれた。

 だから黒へ行った。

 この順番を維持する。

 

【返信:本編春麗】

 賛成。

 

【返信:通常救済版春麗】

 賛成。

 

【返信:自覚前春麗】

 賛成。

 

【返信:行き遅れに恐怖する春麗】

 賛成。

 

【返信:記録板AI】

『承認条件:保存』

 

【返信:記録板AI】

『匿名希望/最終所見』

 

【返信:匿名希望】

 継続でよいと思います。

 この春麗は、何も始まらなかった場所から、一度は普通に帰った。

 二戦目で勝ち、自分からリュウを特別な相手にした。

 そこで初めて、初戦で女として何も残らなかったことを不足として意識した。

 そして自分から黒い戦闘服を選び、自分の見られ方まで勝負へ持ち込んだ。

 その結果、初戦では得られなかった反応をリュウから引き出し、また勝った。

 現時点では、すべて本人が自分から選んだものです。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 いいまとめ。

 

【返信:匿名希望】

 ただし。

 リュウから、

「それも春麗の技だ」

 と認められたことは、やはり強いでしょう。

 今後、黒を使うことに迷っても、

「リュウは私の技だと認めた」

 と言えてしまいますので。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 専門家としても同意。

 成功体験としてかなり強い。

 

【返信:自覚前春麗】

 初戦では何もなかった。

 三戦目では揺らした。

 勝った。

 認められた。

 

【返信:行き遅れに恐怖する春麗】

 やめる理由が少ない。

 

【返信:匿名希望】

 ですので今後は、

「黒に落ちるか」

 ではなく、

「初戦では届かなかった自分を黒で届かせた春麗が、その成功をどこまで楽しみ始めるか」

 を見る方がよいと思います。

 少しだけ、掲示板の書き込みが止まった。

 

【返信:本編春麗】

 ……それ。

 今度こそ、このルートに合ってる。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 私もそう思う。

 落下じゃない。

 自分から取りに行って、取れた。

 ただし、取れたものが甘すぎる。

 

【返信:本編春麗】

 なるほど。

 


 

【返信:記録板AI】

『最終保存』

 

『第1話普通敗北ルート/黒接続段階』

 

『初戦』

『春麗敗北』

『リュウ:他の格闘家と同様に春麗へ対処』

『女性としての特別反応:なし』

『因縁:不成立』

 

『二戦目』

『春麗ギリギリ勝利』

『リュウ:終われない相手へ変化』

『敗者の印:発生』

 

『黒への接続』

『二戦目後、初戦では問題にならなかった「女性として何も残せなかったこと」が不足として浮上』

『春麗:黒い戦闘服を自発選択』

 

『三戦目』

『見られ方の戦術利用を独力で開始』

『リュウ:女性としての春麗を認識し半拍遅延』

『結果:春麗勝利』

 

『黒戦術』

『体系名として本人未認識』

『完成扱い:しない』

 

『リュウ承認』

『揺れた』

『だが、それも春麗の技だ』

『黒継続への成功体験:強』

 

『黒依存:未成立』

『黒継続利益:高』

『恋愛自覚:未確定』

 

『初戦で何も始まらなかった事実』

『維持』

 

『今後』

『初戦では届かなかった自分を黒で届かせた成功体験が、春麗へどう作用するかを観測』

 

『以上、保存完了』

 

【返信:本編春麗】

 異議なし。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 専門家としても異議なし。

 

【返信:匿名希望】

 異議ありません。

 

【返信:本編春麗】

 今日はあなた、本当に素直ね。

 

【返信:匿名希望】

 本ルートの黒への接続理由が妥当であれば、無理に刺す必要はありません。

 

【返信:本編春麗】

 そういう基準なの?

 

【返信:匿名希望】

 当然です。

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 そこは私も同意する。

 

【返信:本編春麗】

 黒の二人だけで通じ合わないでよ。

 

【返信:記録板AI】

『黒関連専門家二名/意見一致』

 

【返信:黒ドレス特化救済春麗】

 一名は専門家。

 

【返信:匿名希望】

 ……黒ドレス特化救済春麗が専門家です。

 私は所見を述べただけです。

 

【返信:本編春麗】

 今日一番素直かもしれない。

 

【返信:記録板AI】

『保存』

 

【返信:匿名希望】

 そこは保存しなくて結構です。

 

【返信:本編春麗】

 残して。

 

【返信:記録板AI】

『保存完了』

 

【返信:匿名希望】

 ……。

 

【返信:本編春麗】

 ふふ。

 黒へ行った新しい春麗も面倒だけど、こっちの掲示板も十分面倒ね。

 

【返信:記録板AI】

『春麗会議室・掲示板:通常運転』

 

【返信:本編春麗】

 それは否定しないわ。




Q:今回のディレクターズIFについて解説して?

A:

今回は、第1話普通敗北ルートの春麗が黒い戦闘服へ進んだ理由を、春麗会議室で整理する回でした。
このルートで重要なのは、初戦では本当に何も始まっていないことです。

春麗はリュウに一人の格闘家として普通に負けました。女性として特別に意識された手応えもなく、リュウの拳も鈍らない。しかし当時の春麗にとって、リュウは強い格闘家の一人でしかなかったので、それで何も問題ありませんでした。

変わったのは二戦目です。
春麗はギリギリで勝ち、敗者の印までつけ、リュウを「終われない相手」にしてしまいます。
そこで初めて、初戦では気にもならなかった「私はこの男に、女としては何も残していない」という空白が引っかかり始めました。
だからこの春麗は、勝てないから黒へ行ったのではありません。

すでに普通の姿で勝てている。
それでも、今度は格闘家としてだけでなく女性としても自分を見せ、そのうえで本気のリュウに勝ちたい。
その欲から、自分で黒へ踏み込んでいます。
そして実際にリュウを揺らし、勝ち、「それも春麗の技だ」と本人から認められてしまった。

初戦では届かなかった自分が、今度は届いた。
この成功体験が、このルートの黒をどこまで育ててしまうのか。
今回は、その出発点を整理する掲示板回でした。

少しだけお知らせです。
オリジナル作品『RESONANCE ARENA』の投稿を始めました。
オンライン対戦格闘ゲームを舞台に、PLAYERとゲーム内の格闘家たちを描く物語です。
本作とはまた違った形になりますが、格闘や対戦を中心にした作品になっていますので、興味がありましたら読んでいただけると嬉しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。