また戦ってくれなんて言わないで ――春麗は今日もめんどくさい―― 作:エーアイ
本編のIFシリーズは無関係のエピソードとなります。
リュウとの因縁が発生しなかった春麗の別ルートです。
ディレクターズカットIF側の春麗会議室掲示板に、新しいスレッドが立った。
【カテゴリ:作者確認/第1話普通敗北ルート】
【スレッド名:勝ってから黒へ行った春麗について、専門家を交えて確認する】
【スレ主:記録板AI】
【返信:記録板AI】
『対象:第1話普通敗北ルート春麗』
『初戦』
『春麗敗北』
『リュウ:他の格闘家と同様に春麗へ対処』
『女性としての春麗による拳の鈍り・特別反応:なし』
『春麗側:女性として見られた実感なし』
『因縁:不成立』
『二戦目』
『春麗ギリギリ勝利』
『敗者の印:初回発生』
『リュウ:強敵の一人→終われない相手』
『遅延因縁:成立』
『三戦目』
『春麗:黒い戦闘服を自発選択』
『見られ方の戦術利用を独力で開始』
『リュウ:女性としての春麗を認識し、半拍揺れる』
『春麗ギリギリ勝利』
『敗者の印:二度目』
『リュウ発言』
『揺れた』
『だが、それも春麗の技だ』
『主な確認事項』
『黒への接続理由』
『現時点の黒の扱い』
『リュウの承認が春麗へ与える影響』
『今後の進行』
【返信:本編春麗】
最初のところ、かなり大事ね。
【返信:記録板AI】
『初戦時点の状態を明示しました』
【返信:本編春麗】
そうして。
このルート、そこを曖昧にすると全部変わるから。
【返信:記録板AI】
『黒関連専門家』
『参加要請済み』
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
来たわ。
【返信:本編春麗】
本当に来た。
【返信:通常救済版春麗】
今回は正規の専門家枠ね。
【返信:自覚前春麗】
もう一人も見てるんでしょう?
【返信:記録板AI】
『匿名希望:閲覧中』
【返信:本編春麗】
いるのね。
【返信:匿名希望】
掲示板ですので。
【返信:本編春麗】
はいはい。
【返信:記録板AI】
『第一確認』
『本ルートが黒へ進む理由』
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
先に結論を言うわ。
かなり自然。
ただし、
「二戦目で勝ったから、次はもっと欲しくなった」
だけで整理しない方がいい。
【返信:本編春麗】
そこね。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
この春麗にとって、初戦は本当に何も始まらなかった。
リュウは春麗を一人の格闘家として普通に相手にした。
女性だから拳が鈍ったわけでもない。
女性として特別に意識されたと、春麗が感じる瞬間もなかった。
そして春麗自身も、それを何とも思わなかった。
【返信:通常救済版春麗】
だって、その時のリュウは「強い格闘家の一人」でしかなかったものね。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そう。
女として見られなかったことが、まだ問題ですらなかった。
普通に負けた。
悔しかった。
だから修行した。
それで一度終われた。
【返信:自覚前春麗】
変わったのは二戦目。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
ええ。
二戦目で春麗は勝った。
しかも、自分が直してきたものをリュウに見られながら、大接戦の末に勝った。
倒したリュウは折れなかった。
春麗は自分から敗者の印までつけた。
そこで初めて、リュウが「強敵の一人」ではなくなった。
【返信:本編春麗】
終われない相手になった。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
その通り。
すると初戦の意味まで少し変わる。
【返信:行き遅れに恐怖する春麗】
初戦そのものが変わるわけじゃない。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
もちろん。
事実は同じよ。
春麗は普通に負けた。
リュウも普通に戦った。
何も始まらなかった。
ただ、二戦目のあとになって春麗の側が初戦を振り返ると、
「この男、あの時の私を女としては全然見てなかったのね」
が、初めて引っかかるようになる。
【返信:本編春麗】
リュウが特別になったから。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そう。
相手が特別ではなかった時には気にならなかった。
特別になった途端、
「格闘家としては見てもらえた」
「でも女としての私は、あの男の中に何も残していない」
ただ格闘家として見られるだけでは足りなくなった。
【返信:通常救済版春麗】
だから黒。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そう、だから黒に接続する。
勝つために必要だったわけではない。
もう普通の姿で一度勝っているもの。
でも、
「今度は女としての私まで見せたい」
「それでも格闘家として本気で戦ってほしい」
「そのリュウに、もう一度勝ちたい」
という新しい欲求には、黒い戦闘服が非常に都合がよかった。
【返信:本編春麗】
つまり。
黒は戦闘力の補填じゃない。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
ええ。
初戦では何も残らなかった「女性としての春麗」を、今度は自分から勝負へ持ち込むための選択。
【返信:記録板AI】
『黒への接続理由』
『二戦目勝利によりリュウが特別な相手へ変化』
『その結果、初戦時には問題にならなかった「女性として何も残せなかったこと」が後から不足として浮上』
『春麗、自発的に黒い戦闘服を選択』
【返信:本編春麗】
それ。
今回のルートは、そこを外したくない。
【返信:記録板AI】
『第二確認』
『現時点の行動を「黒戦術」と呼称可能か』
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
春麗本人の認識としては、まだ駄目。
【返信:本編春麗】
即答ね。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
当然でしょう。
黒い戦闘服を着たから黒戦術、では雑すぎるもの。
【返信:記録板AI】
『黒い戦闘服=黒戦術』
『否定』
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
重要なのは、春麗が鏡の前で考えたこと。
「自分がどう見えるか」
「リュウはどこを見るか」
「その視線をどう勝負へつなげるか」
そこよ。
【返信:自覚前春麗】
衣装。
髪。
姿勢。
視線。
距離。
言葉。
間。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
それらを初めて、
「使える」
と考えた。
まだ発生点。
体系じゃない。
だから本人に、
「これは黒戦術よ」
なんて言わせない方がいい。
今は、
「戦術にはなる」
「使えるものは使う」
くらいで十分。
【返信:本編春麗】
黒戦術を知らない春麗が、自力でそこへ近づいている段階ね。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そう。
この春麗自身が、これから作っていく。
【返信:匿名希望】
名称は後から付けばよいでしょう。
【返信:本編春麗】
来た。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そこは同意。
【返信:匿名希望】
専門家判断を優先します。
【返信:本編春麗】
本当にそこは素直ね。
【返信:匿名希望】
専門領域ですので。
【返信:記録板AI】
『黒い戦闘服/専門評価』
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
今回の使い方なら問題ない。
黒い布と金の装飾。
胸元の赤い中国結び。
白い手首装飾と白と金のブーツ。
長い黒髪も下ろす。
いつもの春麗とは、かなり印象が変わる。
【返信:通常救済版春麗】
女性らしさが強くなる。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
でも、格闘家として鍛えた身体は消えない。
脚も腰も肩も、そのまま。
【返信:本編春麗】
だから、
「女として見ることから逃げにくい」
「格闘家として見ることも避けにくい」
になる。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
正解。
この春麗が欲しいのは片方だけじゃない。
【返信:自覚前春麗】
女として見ろ。
格闘家としても見ろ。
でも拳は止めるな。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そして、見たこと自体はこちらが利用する。
【返信:行き遅れに恐怖する春麗】
十分面倒。
【返信:本編春麗】
初戦で女として何も引っかからなかった反動だと思うと、もっと分かりやすいわね。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
ええ。
「初戦では何もなかった」
を撤回するんじゃない。
むしろ、その空白が後から効いてきた。
【返信:記録板AI】
『初戦の空白』
『後付けで撤回せず』
『二戦目以降に春麗側の評価が変化したことで、新たな意味を持つ』
【返信:本編春麗】
それなら綺麗。
【返信:記録板AI】
『第三確認』
『リュウ発言』
『揺れた』
『だが、それも春麗の技だ』
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
ここが今回、一番強い。
【返信:本編春麗】
やっぱり?
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
考えてみて。
春麗が黒を選んだ理由には、
「この男に、女としての私も見せたい」
がある。
その狙いは実際に通った。
リュウは揺れた。
半拍遅れた。
春麗はそこを勝利へ変えた。
【返信:通常救済版春麗】
つまり、初戦では何も起こらなかった部分に、三戦目では明確に反応が返ってきた。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そう。
しかもリュウは、その反応を否定しなかった。
「揺れた」
と認めた。
さらに、
「それも春麗の技だ」
とまで言った。
【返信:本編春麗】
春麗側からすれば。
初戦では女として何も残せなかった。
三戦目では、ちゃんと揺らせた。
しかも、それを格闘家としての私から切り離されなかった。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
その通り。
この承認は、ものすごく強い。
春麗が後から、
「こんなことまで勝負に使ってよかったの?」
と迷っても、
「でもリュウは、私の技だって認めた」
と言えてしまう。
【返信:匿名希望】
私はリュウの判断自体は妥当だと思います。
【返信:本編春麗】
説明して。
【返信:匿名希望】
春麗が自分で考え、自分から見られ方を使い、相手の判断を遅らせ、その時間を攻撃へつなげた。
ならば、リュウがそれを春麗の技と認識することに不自然さはありません。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そこは私も否定しない。
問題は、正しいか間違っているかじゃない。
春麗へどれだけ効いたか。
【返信:匿名希望】
極めて高いでしょう。
【返信:記録板AI】
『リュウ承認』
『初戦時に存在しなかった女性としての反応を、三戦目で春麗自身が引き出す』
『当該反応をリュウ本人が「春麗の技」と承認』
『黒継続への成功体験:強』
【返信:本編春麗】
それは保存して。
【返信:記録板AI】
『匿名希望所見』
【返信:匿名希望】
この春麗を、私は嫌いではありません。
【返信:通常救済版春麗】
いきなり高評価。
【返信:本編春麗】
理由は?
【返信:匿名希望】
初戦では何も始まらなかった。
リュウから、女性として特別な反応も得なかった。
しかし当時は、それを必要ともしていなかった。
普通に負けて、普通に帰った。
それが二戦目で変わった。
【返信:本編春麗】
リュウが特別になった。
【返信:匿名希望】
はい。
そこで初めて、
「格闘家としてだけ見られるのでは足りない」
になった。
そして誰かに黒を勧められたわけでもない。
黒という体系を教わったわけでもない。
自分から衣装を選び。
髪を下ろし。
鏡の前で、
視線。
距離。
言葉。
間。
それらを使えると判断した。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そこは私も高く評価する。
【返信:匿名希望】
この春麗の黒は、
「勝てないから必要だった」
ではありません。
「特別になったリュウに、女としてまったく見られていないことが後から傷になった」
から選んだ。
【返信:本編春麗】
それ。
その言い方が一番近い。
【返信:匿名希望】
そして、成功した。
女性としての春麗を見せた。
リュウが揺れた。
春麗が勝った。
リュウが認めた。
二度目の敗者の印までつけた。
さらに、
「次は揺れない」
と返された。
【返信:通常救済版春麗】
次も黒を使いたくなる理由は十分。
【返信:匿名希望】
はい。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
ただし、ここは分ける。
黒がなければ勝てないわけではない。
通常の姿で、すでに一度勝っている。
【返信:匿名希望】
ですので現時点で、黒依存とは呼べません。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
でも黒を使えば、初戦では得られなかったリュウの反応が得られる。
勝負としても面白い。
勝てた。
その使い方まで認められた。
本人にとって、続ける理由が多すぎる。
【返信:記録板AI】
『黒依存:未成立』
『黒継続利益:高』
【返信:本編春麗】
今度は、その分類にも納得できる。
【返信:行き遅れに恐怖する春麗】
匿名希望。
自分との違いは?
【返信:匿名希望】
かなり違います。
この春麗は、黒を使わなければ立て直せない状態ではありませんでした。
普通に帰れた。
普通に修行した。
通常の姿でリュウにも勝った。
それでも、リュウが特別になったあとで、
「私は女としては、あの男に何も残していない」
ことが気になり始めた。
【返信:本編春麗】
だから、自分から踏み込んだ。
【返信:匿名希望】
はい。
少し贅沢です。
【返信:本編春麗】
またそれ。
【返信:匿名希望】
格闘家として見られて勝った。
それでも、女としても見てほしい。
でも拳は鈍らせてほしくない。
そしてまた勝ちたい。
十分に贅沢でしょう。
【返信:本編春麗】
否定できない。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
でも、それがこのルートの個性よ。
【返信:匿名希望】
私もそう思います。
この春麗を、
「黒に落ちた」
とは呼びたくありません。
【返信:本編春麗】
自分から選んだから?
【返信:匿名希望】
それもあります。
もっと言えば。
初戦で足りなかったものを、二戦目のあとになって自分で欲しがり、自分から取りに行った。
落下というより獲得です。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
ただし。
獲得したものが甘すぎる。
【返信:自覚前春麗】
黒がなくても戦える。
でも黒をやめる理由が少ない。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そこね。
依存ではない。
でも黒を使えば、
リュウが女としての春麗を見る。
それでも拳を止めない。
勝負として面白い。
勝てる。
認められる。
また次ができる。
【返信:本編春麗】
本人にとって、かなりおいしい。
【返信:匿名希望】
はい。
【返信:本編春麗】
黒の二人が迷いなく同意するの怖いわね。
【返信:記録板AI】
『追加確認』
『春麗内心:「だから――好き」』
『直後に否認』
【返信:本編春麗】
そこは確定しない。
【返信:記録板AI】
『即答』
【返信:本編春麗】
当たり前でしょう。
まだリュウをどう好きなのか、自分でも分かってない。
【返信:通常救済版春麗】
今は、
「もっと見てほしい」
「もっと揺らしたい」
「もっと勝ちたい」
「もっと覚えていてほしい」
が混ざってる段階ね。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
それで十分。
ここで急いで恋愛へ固定する必要はないわ。
【返信:匿名希望】
否認はかなり速かったですが。
【返信:本編春麗】
あなたが言うと嫌味になるのよ。
【返信:匿名希望】
事実です。
【返信:記録板AI】
『恋愛自覚:未確定』
『「好き」:瞬間的語彙発生のみ』
【返信:本編春麗】
それでいい。
【返信:記録板AI】
『今後の進行上の注意』
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
第一に、次から急に完成した黒の使い手にしない。
【返信:本編春麗】
重要。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
今回は初めて考えた。
試した。
使った。
成功した。
そこまで。
次から、
「どの視線が効いたか」
「どの距離でリュウが揺れたか」
「言葉はどこまで使えるか」
そういうものを少しずつ覚えていけばいい。
【返信:通常救済版春麗】
成功したから、次に洗練される。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
ええ。
でも最初から完成形ではない。
第二。
黒だけに寄せすぎない。
【返信:本編春麗】
この春麗、通常の姿でも勝ってるものね。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そう。
三戦目では黒を使って、
「女としても見られる」
を初めて取った。
すると今度は、
「じゃあ、黒を着ていない私は、今のリュウにどう見えるの?」
が出てきても自然。
【返信:通常救済版春麗】
初戦では格闘家としてしか残らなかった。
三戦目では黒で女としても揺らした。
そのあとなら、いつもの自分がもう一度気になる。
【返信:本編春麗】
それは分かる。
【返信:匿名希望】
非常に面倒ですね。
【返信:本編春麗】
あなたにだけは言われたくない。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
でも、この流れは綺麗。
黒へ行ったから普段の春麗を捨てるんじゃない。
黒で一つ増やしたからこそ、
「じゃあ、どちらも私なら?」
へ進める。
【返信:記録板AI】
『今後候補』
『黒成功後/通常姿の再確認』
『確認対象:現在のリュウが通常の春麗をどう見るか』
【返信:本編春麗】
それなら筋が通る。
【返信:記録板AI】
『初戦に関する確認』
『リュウ』
『春麗を他の格闘家と同様に処理』
『女性としての春麗による特別反応:なし』
『春麗』
『女性として見られた実感:なし』
『当時、それを問題視せず』
【返信:本編春麗】
ここは変えないで。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
同意。
後から、
「実は初戦から女性として特別に見ていました」
にはしない。
【返信:通常救済版春麗】
それをやると、「第1話では本当に何も始まらなかった」が弱くなるものね。
【返信:自覚前春麗】
初戦の空白は本物。
ただし、その空白を後から気にし始めたのは春麗の方。
【返信:本編春麗】
そう。
二戦目でリュウが特別になったから。
同じ初戦なのに、あとから見た時だけ意味が変わった。
【返信:匿名希望】
こちらの方が、本ルートには適しています。
【返信:本編春麗】
あなたも異議なし?
【返信:匿名希望】
ありません。
何もなかった初戦を、後から特別な初戦へ書き換える必要はないでしょう。
【返信:記録板AI】
『確認』
『初戦で何も始まらなかった事実:維持』
『後付けによるリュウ側女性認識の追加:行わない』
【返信:本編春麗】
それで保存して。
【返信:記録板AI】
『最終確認』
『本ルートの黒への接続を承認可能か』
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
専門家として承認。
条件は四つ。
一、この時点で黒戦術完成扱いにしない。
二、春麗本人へ後年の用語を先取りさせない。
三、戦術の本体を黒い戦闘服だけにしない。衣装、髪、姿勢、視線、距離、言葉、間を、本人が少しずつ組み合わせていく。
四、黒への接続理由を崩さない。
初戦では、女として何も残らなくても問題なかった。
二戦目で勝ち、リュウが特別になった。
そこで初めて、
「格闘家として見られるだけでは足りない」
「女としての私も見てほしい」
が生まれた。
だから黒へ行った。
この順番を維持する。
【返信:本編春麗】
賛成。
【返信:通常救済版春麗】
賛成。
【返信:自覚前春麗】
賛成。
【返信:行き遅れに恐怖する春麗】
賛成。
【返信:記録板AI】
『承認条件:保存』
【返信:記録板AI】
『匿名希望/最終所見』
【返信:匿名希望】
継続でよいと思います。
この春麗は、何も始まらなかった場所から、一度は普通に帰った。
二戦目で勝ち、自分からリュウを特別な相手にした。
そこで初めて、初戦で女として何も残らなかったことを不足として意識した。
そして自分から黒い戦闘服を選び、自分の見られ方まで勝負へ持ち込んだ。
その結果、初戦では得られなかった反応をリュウから引き出し、また勝った。
現時点では、すべて本人が自分から選んだものです。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
いいまとめ。
【返信:匿名希望】
ただし。
リュウから、
「それも春麗の技だ」
と認められたことは、やはり強いでしょう。
今後、黒を使うことに迷っても、
「リュウは私の技だと認めた」
と言えてしまいますので。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
専門家としても同意。
成功体験としてかなり強い。
【返信:自覚前春麗】
初戦では何もなかった。
三戦目では揺らした。
勝った。
認められた。
【返信:行き遅れに恐怖する春麗】
やめる理由が少ない。
【返信:匿名希望】
ですので今後は、
「黒に落ちるか」
ではなく、
「初戦では届かなかった自分を黒で届かせた春麗が、その成功をどこまで楽しみ始めるか」
を見る方がよいと思います。
少しだけ、掲示板の書き込みが止まった。
【返信:本編春麗】
……それ。
今度こそ、このルートに合ってる。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
私もそう思う。
落下じゃない。
自分から取りに行って、取れた。
ただし、取れたものが甘すぎる。
【返信:本編春麗】
なるほど。
【返信:記録板AI】
『最終保存』
『第1話普通敗北ルート/黒接続段階』
『初戦』
『春麗敗北』
『リュウ:他の格闘家と同様に春麗へ対処』
『女性としての特別反応:なし』
『因縁:不成立』
『二戦目』
『春麗ギリギリ勝利』
『リュウ:終われない相手へ変化』
『敗者の印:発生』
『黒への接続』
『二戦目後、初戦では問題にならなかった「女性として何も残せなかったこと」が不足として浮上』
『春麗:黒い戦闘服を自発選択』
『三戦目』
『見られ方の戦術利用を独力で開始』
『リュウ:女性としての春麗を認識し半拍遅延』
『結果:春麗勝利』
『黒戦術』
『体系名として本人未認識』
『完成扱い:しない』
『リュウ承認』
『揺れた』
『だが、それも春麗の技だ』
『黒継続への成功体験:強』
『黒依存:未成立』
『黒継続利益:高』
『恋愛自覚:未確定』
『初戦で何も始まらなかった事実』
『維持』
『今後』
『初戦では届かなかった自分を黒で届かせた成功体験が、春麗へどう作用するかを観測』
『以上、保存完了』
【返信:本編春麗】
異議なし。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
専門家としても異議なし。
【返信:匿名希望】
異議ありません。
【返信:本編春麗】
今日はあなた、本当に素直ね。
【返信:匿名希望】
本ルートの黒への接続理由が妥当であれば、無理に刺す必要はありません。
【返信:本編春麗】
そういう基準なの?
【返信:匿名希望】
当然です。
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
そこは私も同意する。
【返信:本編春麗】
黒の二人だけで通じ合わないでよ。
【返信:記録板AI】
『黒関連専門家二名/意見一致』
【返信:黒ドレス特化救済春麗】
一名は専門家。
【返信:匿名希望】
……黒ドレス特化救済春麗が専門家です。
私は所見を述べただけです。
【返信:本編春麗】
今日一番素直かもしれない。
【返信:記録板AI】
『保存』
【返信:匿名希望】
そこは保存しなくて結構です。
【返信:本編春麗】
残して。
【返信:記録板AI】
『保存完了』
【返信:匿名希望】
……。
【返信:本編春麗】
ふふ。
黒へ行った新しい春麗も面倒だけど、こっちの掲示板も十分面倒ね。
【返信:記録板AI】
『春麗会議室・掲示板:通常運転』
【返信:本編春麗】
それは否定しないわ。
Q:今回のディレクターズIFについて解説して?
A:
今回は、第1話普通敗北ルートの春麗が黒い戦闘服へ進んだ理由を、春麗会議室で整理する回でした。
このルートで重要なのは、初戦では本当に何も始まっていないことです。
春麗はリュウに一人の格闘家として普通に負けました。女性として特別に意識された手応えもなく、リュウの拳も鈍らない。しかし当時の春麗にとって、リュウは強い格闘家の一人でしかなかったので、それで何も問題ありませんでした。
変わったのは二戦目です。
春麗はギリギリで勝ち、敗者の印までつけ、リュウを「終われない相手」にしてしまいます。
そこで初めて、初戦では気にもならなかった「私はこの男に、女としては何も残していない」という空白が引っかかり始めました。
だからこの春麗は、勝てないから黒へ行ったのではありません。
すでに普通の姿で勝てている。
それでも、今度は格闘家としてだけでなく女性としても自分を見せ、そのうえで本気のリュウに勝ちたい。
その欲から、自分で黒へ踏み込んでいます。
そして実際にリュウを揺らし、勝ち、「それも春麗の技だ」と本人から認められてしまった。
初戦では届かなかった自分が、今度は届いた。
この成功体験が、このルートの黒をどこまで育ててしまうのか。
今回は、その出発点を整理する掲示板回でした。
少しだけお知らせです。
オリジナル作品『RESONANCE ARENA』の投稿を始めました。
オンライン対戦格闘ゲームを舞台に、PLAYERとゲーム内の格闘家たちを描く物語です。
本作とはまた違った形になりますが、格闘や対戦を中心にした作品になっていますので、興味がありましたら読んでいただけると嬉しいです。