また戦ってくれ――リュウと春麗、紙一重のライバル譚―― 作:エーアイ
裏の拗れルート『春麗は、黒を着ない夜に重く甘える』の黒ドレス春麗のその後の後日談になります。
黒いドレスを着るかどうかで、春麗は少し迷った。
迷った時点で、負けている気もした。
黒を着れば、リュウは見る。
それはもう知っている。
黒いドレスの春麗を。
女としての春麗を。
格闘家としての春麗を。
リュウを惑わせ、それでも拳を出してくる春麗を。
リュウは見た。
そして、忘れないと言った。
そこまではいい。
問題は、その先だった。
「責任を取りなさい」
春麗は以前、そう言った。
かなり踏み込んだ言葉だった。
自分でもわかっている。
黒い春麗を見たこと。
女として見たこと。
格闘家として見たこと。
黒を脱いだ春麗まで見たこと。
その全部を、なかったことにしないで。
甘くて重いとわかったなら、責任を取りなさい。
そういう意味だった。
かなり、そういう意味だった。
少なくとも春麗の中では。
だが、リュウは真顔で頷いた。
ああ。責任を取る。
その時、春麗は少し安心した。
かなり安心した。
だが、その後が問題だった。
リュウの責任の取り方は、あまりにもリュウだった。
黒を忘れない。
次も来る。
鍛える。
見続ける。
逃げない。
受ける。
正しい。
全部、正しい。
だが、春麗は思った。
「……そうじゃないのよ」
声に出してしまってから、春麗は鏡の中の自分を睨んだ。
黒いドレスの春麗が、こちらを見ている。
「何を期待しているのよ、私は」
自分で言って、さらに腹が立つ。
期待している。
完全に期待している。
リュウが、自分の言葉の奥にある甘さをもう少し読み取ることを。
責任を取るという言葉を、もう少しだけ甘く解釈することを。
黒い春麗を忘れないだけではなく、黒い春麗を見たリュウとして、もう一歩踏み込んでくることを。
春麗は、黒いドレスに袖を通した。
今日は、黒。
ただし戦うためだけではない。
確認するため。
いや。
訓練でもない。
今日は、確認だ。
「責任の確認」
言ってから、春麗は顔をしかめた。
また理屈をつけている。
本当に、自分は面倒だ。
リュウは修行場にいた。
春麗が黒で現れると、リュウは顔を上げた。
視線が止まる。
黒いドレスを見る。
春麗を見る。
そして、春麗の目を見る。
春麗はその一連の視線を受け止めた。
以前なら、そこでリュウの呼吸を乱しにいった。
今日は違う。
今日は、その視線の意味を問う。
「リュウ」
「春麗」
「今日は、責任の話をするわ」
リュウは少しだけ真面目な顔になった。
「責任」
「そう」
春麗は一歩近づいた。
黒い裾が揺れる。
「あなた、前に言ったわね」
「ああ」
「責任を取る、と」
「ああ」
「では、聞くわ」
春麗は腕を組んだ。
「あなたの言う責任とは、何?」
リュウは少し考えた。
春麗は待つ。
胸の奥で、妙な期待が膨らむ。
言いなさい。
もう少し甘いことを。
もう少し、こちらが困るようなことを。
黒い私を見た責任。
女として見た責任。
私をここまで面倒にした責任。
リュウは言った。
「忘れないことだ」
春麗は動かなかった。
一拍。
二拍。
そして、静かに目を細めた。
「……それだけ?」
リュウは少し考える。
「逃げないこと」
春麗の眉がわずかに動く。
「それから?」
「次も来ること」
「それから?」
「お前が黒を着ても、青を着ても、見ること」
春麗はリュウを見た。
正解。
正解だ。
あまりにも正解。
しかし、足りない。
足りないのに、責められない。
春麗は黒いドレスの裾を軽く握った。
「……あなた」
「何だ」
「本当に、そういうところよ」
リュウは首を傾げる。
「違ったか」
「違わないわ」
「なら」
「違わないから困っているの」
リュウは黙った。
春麗は一歩近づく。
「あなたの責任は、真面目すぎるのよ」
「真面目では駄目か」
「駄目ではないわ」
春麗は低く言う。
「駄目ではないから、余計に面倒なの」
リュウは少し困ったような顔をした。
それを見て、春麗の胸が少しだけ痛む。
悪いのはリュウではない。
リュウは誠実に答えている。
ただ、春麗が欲しいものが、誠実だけでは足りなくなっている。
それが問題だった。
春麗は、黒いドレスの裾を払った。
「いいわ」
「何がだ」
「今日は、あなたの鈍感力を測る」
「鈍感力」
「復唱しないで」
「すまない」
「謝らない」
春麗は構えた。
「あなたがどこまで私の言葉を、そのまま受け取るのか。どこまで奥の意味に気づかないのか。それを確認する」
リュウは構えた。
「ああ」
「戦闘よ」
「ああ」
「ただし、会話も含む」
「ああ」
「甘い意味を読み違えたら沈めるわ」
リュウは少し考えた。
「難しいな」
春麗は笑った。
「当然でしょう」
黒いドレスが、夜気に揺れた。
「私は面倒なの」
春麗は踏み込んだ。
黒の誘い。
裾が揺れる。
肩がわずかに引かれる。
リュウの視線が止まる。
止まるが、足は止まらない。
春麗はその動きを見て、胸の奥が少しだけ熱くなる。
やはり、見惚れても止まらない。
そこはもう、リュウは届いている。
春麗の掌底をリュウが受ける。
腕が沈む。
春麗は言った。
「ねえ、リュウ」
「何だ」
「私、重いでしょう?」
リュウは受けながら答えた。
「ああ」
春麗の掌底が一瞬止まりかけた。
「……そこは否定しなさいよ」
「違うのか」
「違わないわよ」
春麗は蹴りを入れた。
リュウが下がる。
「でも、即答で肯定するものでもないでしょう」
「重いと思った」
「正直すぎるのよ」
「すまない」
「謝らない」
春麗は踏み込む。
今度は近い。
リュウの呼吸が届く距離。
「では、その重さをどうするの?」
リュウは拳を返す。
春麗は受ける。
「受ける」
春麗の動きが、今度こそ一瞬止まった。
受ける。
正解。
しかし、また真面目すぎる。
「……受けるだけ?」
「逃げない」
「それも正解」
春麗は低く言う。
「でも、足りない」
リュウは春麗を見る。
「何が足りない」
春麗は答えなかった。
答えたら負ける気がした。
代わりに、黒を強めた。
女として見せる黒。
リュウの視線を奪う黒。
近づけば近づくほど、言葉よりも先に春麗の存在が届く黒。
リュウは見る。
見ている。
それでも、戦闘の目を外さない。
春麗はその目を見て、少しだけ腹が立つ。
「あなたは」
春麗は掌底を出しながら言う。
「私を女として見たのよね」
「ああ」
リュウは受ける。
「それをなかったことにしないのよね」
「ああ」
「黒い私も忘れないのよね」
「ああ」
「では、その責任として」
春麗はリュウの胸の前で掌を止めた。
「少しくらい、甘いことを言う気はないの?」
言った。
言ってしまった。
春麗は自分で少し驚いた。
かなり踏み込んだ。
リュウは真顔で考えた。
考えるな。
今は考えないでほしい。
いや、考えてほしい。
でも、考えすぎないでほしい。
春麗の中で、面倒な要求が三つ重なる。
リュウは言った。
「甘いこと」
春麗は黒い裾を握った。
「復唱しない」
「すまない」
「謝らない」
リュウはもう一度考える。
そして言った。
「春麗といると、鍛えられる」
春麗は固まった。
完全に固まった。
「……あなた」
「何だ」
「今のを甘いことだと思って言ったの?」
「違うのか」
春麗は、ゆっくり息を吸った。
「違うわ」
リュウは少し困った顔をした。
「すまない」
「謝らない」
春麗は一歩近づく。
「でも、ある意味では正解なのが腹立たしいのよ」
リュウは黙る。
春麗は額に手を当てたくなった。
春麗といると鍛えられる。
それは甘くない。
甘くないはずだ。
だが、リュウにとってはかなりの褒め言葉なのだろう。
春麗といることが、修行になる。
自分を高める。
次も来る理由になる。
それは、リュウなりの親密さなのかもしれない。
かもしれないが。
「足りないわ」
春麗は言った。
リュウは静かに聞く。
「それは武人としての答え」
「ああ」
「私が聞いているのは、もう少し別の責任」
リュウは首を傾げた。
「別の責任」
春麗は、少しだけ顔を赤くした。
「だから復唱しないで」
中盤、春麗は攻め続けた。
ただし、戦闘よりも会話で削られているのは春麗の方だった。
リュウは強い。
鈍感力が強い。
春麗がどれほど甘い方向へ誘導しても、リュウは真面目に、武人的に、誠実に受け取る。
「私があなたに責任を取りなさいと言った意味、わかっている?」
「忘れないことだ」
「それはさっき聞いたわ」
「逃げないこと」
「それも聞いたわ」
「見ること」
「それも正しいわ」
「なら、何が足りない」
春麗は掌底を入れる。
リュウが受ける。
「そこを自分で考えなさい」
「考える」
「そういうところよ」
春麗は追撃する。
蹴り。
リュウが腕で受ける。
春麗は近づく。
「では、質問を変えるわ」
「ああ」
「あなたは、私といるとどうなの?」
リュウは即答した。
「落ち着かない」
春麗の黒が揺れた。
「……落ち着かない?」
「ああ」
「それは、悪い意味?」
リュウは考えた。
「違う」
春麗の呼吸が変わる。
「では、どういう意味?」
リュウは言った。
「次を考える」
春麗は止まらないように、必死で動いた。
掌底。
蹴り。
距離を取る。
「次?」
「ああ」
「私といると、次を考えるの?」
「ああ」
「戦闘の?」
「それもある」
春麗は動きを止めかける。
「それも?」
リュウは春麗を見る。
「また会う時のことも考える」
春麗の胸が、強く跳ねた。
今のは、甘い。
かなり甘い。
しかし、リュウは気づいていない。
真顔だ。
真顔で言っている。
春麗は黒の裾を握った。
「……そういうのよ」
「何がだ」
「今みたいなのを言いなさい」
「そうなのか」
「そうよ」
リュウは頷く。
「覚える」
春麗は頭を抱えそうになった。
「覚えなくていいわ。自然に言いなさい」
「難しいな」
「難しいのは、あなたの鈍感力よ」
「鈍感力」
「復唱しない」
終盤、戦闘は春麗が優勢だった。
黒ドレス特化版の春麗は、やはり黒の扱いが上手い。
リュウは見惚れる。
だが止まらない。
それでも、春麗の間合い制御と視線誘導は強い。
リュウのHPが削られていく。
だが、春麗の心は削られていた。
リュウの鈍感力に。
正解を出しているのに、甘さの方向がズレる。
ズレるくせに、ときどき完璧な直球を投げてくる。
春麗は、リュウの胸の前に掌を置いた。
「今日は、私の勝ちね」
リュウは頷いた。
「ああ」
「あなたは鈍感」
「ああ」
「でも、まったく見えていないわけではない」
「ああ」
「むしろ、見すぎているところもある」
「ああ」
「それなのに、私が欲しいところへは遅い」
リュウは少し黙る。
「すまない」
「謝らない」
春麗は、掌を下ろさない。
「リュウ」
「何だ」
「私の重さを受けると言ったわね」
「ああ」
「逃げないとも言った」
「ああ」
「見るとも言った」
「ああ」
春麗は、少しだけ声を小さくした。
「では、たまには」
一拍。
「私が甘いことを言わせようとしている時くらい、気づきなさい」
リュウは動きを止めた。
珍しく、すぐに答えなかった。
春麗は待つ。
今度は、逃げない。
リュウは春麗を見た。
黒いドレスを見る。
春麗を見る。
そして、静かに言った。
「春麗」
「何?」
「俺は、上手く言えない」
「知っているわ」
「でも」
リュウは続けた。
「お前といると、次も来たいと思う」
春麗の胸が止まりかけた。
「お前が黒でも、黒でなくても」
リュウは言葉を探すように言う。
「重くても、面倒でも」
春麗は目を細める。
「今、面倒って言った?」
「ああ」
「そこは言わなくていいわ」
「すまない」
「謝らない」
リュウは、それでも続けた。
「それでも、来たい」
春麗は、掌を下ろした。
今のは。
今のは、かなり良い。
甘い。
重い。
そして、リュウらしい。
完全に恋愛的な言葉ではない。
だが、十分だった。
少なくとも今日は。
春麗は、ゆっくり息を吐いた。
「……七十点」
リュウは首を傾げた。
「七十」
「復唱しない」
「すまない」
「謝らない」
春麗は黒いドレスの裾を払った。
「でも、合格」
リュウは頷いた。
「そうか」
「ええ」
春麗は少しだけ顔を逸らす。
「責任の取り方としては、まだ鈍いわ」
「ああ」
「でも、あなたにしては前進」
「ああ」
「次は八十点を目指しなさい」
「わかった」
春麗は呆れたように笑った。
「本当に修行みたいに受け取るのね」
「違うのか」
「……もういいわ」
春麗はリュウへ背を向けた。
今日は、勝った。
戦闘では春麗が勝った。
だが、リュウの鈍感力にはかなり苦戦した。
黒ドレス特化版春麗でも、完全には貫けなかった。
けれど、少しだけ穴は開けた。
「次も来なさい」
春麗は振り返らずに言う。
「責任を取るなら」
リュウは答えた。
「行く」
春麗は少しだけ足を止める。
やはり、その言い方はずるい。
来るではなく、行く。
春麗がいる場所へ。
「……そう」
春麗は歩き出す。
黒いドレスの裾が夜に揺れる。
リュウの鈍感力は、無敵に近い。
甘い意図を、そのまま甘くは受け取らない。
責任を、武人の責任として受け取る。
重さを、鍛錬の重さとして受け取る。
だが、完全ではない。
春麗が問い続ければ、リュウは少しずつ言葉を探す。
そして時々、本人もわからないまま、正解に近い直球を投げてくる。
春麗は、黒いドレスの胸元に手を当てた。
「本当に、手間のかかる男ね」
自分のことは棚に上げて、そう言った。
少し笑ってしまう。
甘さを求める春麗と、甘さを武人の言葉に変換してしまうリュウ。
そのズレは、まだ続く。
だが、それでいいのかもしれない。
少なくとも、次も来る。
責任を取るために。
いや。
春麗は、小さく訂正した。
「私に会いに来るために」
口にしてから、少しだけ顔が熱くなる。
「……七十五点にしてあげてもよかったかしら」
夜風が黒を揺らした。
春麗はそのまま歩いていく。
次の責任確認を、もう少しだけ楽しみにしながら。
Q:今回の妄想章IF後日談について解説して?
A:
はい。執筆者として見ると、今回の妄想章IFは、黒ドレス特化版春麗が、リュウの鈍感力を“攻略対象”として扱おうとして、逆にかなり苦戦する後日談です。
一言で言うなら、
黒ドレス春麗はリュウの視線には勝てる。
でも、リュウの恋愛変換の遅さには勝ちきれない。
という話です。
今回の核は「正解なのに足りない」
今回のリュウは、かなり正しいことを言っています。
責任とは何かと聞かれて、
忘れないこと。
逃げないこと。
次も来ること。
黒でも青でも見ること。
と答える。
これは全部正解です。
春麗から見ても、間違っていない。
だから怒りきれない。
でも、春麗が求めていたのは、それだけではありません。
春麗の「責任を取りなさい」には、
私を女として見たことを、ただの記憶にしないで。
黒い私を忘れないだけで終わらせないで。
もう少し甘い意味で踏み込んできなさい。
という含みがある。
しかしリュウは、それを武人的・誠実的に受け取る。
ここがズレです。
今回の話は、このズレそのものが主役です。
黒ドレス特化版春麗でも貫通できない理由
黒ドレス特化版春麗は、かなり強い春麗です。
黒いドレスを武器として完全に扱える。
女として見られることを否定しない。
格闘家としての自分も取り戻している。
甘さも重さも、ある程度は自覚している。
だから本編春麗よりも、甘い要求をかなり直接出せます。
私、重いでしょう?
その重さをどうするの?
少しくらい、甘いことを言う気はないの?
ここまで言える。
本編めんどくさい女春麗なら、たぶん「訓練」「確認」「反応制御」という言葉に逃がします。
でも黒ドレス特化版春麗は、かなり真正面から聞ける。
それなのに、リュウは突破できない。
なぜなら、リュウは鈍いからというより、真面目すぎるからです。
春麗の甘い圧を、甘い駆け引きとしてではなく、責任・記憶・修行・継続の問題として受け取ってしまう。
これがリュウの無敵の鈍感力です。
リュウの「春麗といると、鍛えられる」が面白い
今回、一番リュウらしいズレはここです。
春麗は「甘いことを言いなさい」と迫っている。
そこでリュウが出す言葉が、
春麗といると、鍛えられる。
これは、恋愛的にはかなりズレています。
でも、リュウにとってはかなりの褒め言葉です。
春麗といると、自分が鍛えられる。
春麗と戦うと、次を考えられる。
春麗と向き合うことが、自分を前へ進める。
これはリュウなりの親密さです。
ただし春麗が欲しい甘さとは違う。
だから春麗は、
違う。
でも、ある意味では正解なのが腹立たしい。
となる。
ここが今回のラブコメ的な面白さです。
春麗が苦戦している相手はリュウ本人ではなく「翻訳機能」
今回のバトルでは、春麗は戦闘では優勢です。
黒ドレスの視線誘導も効いている。
リュウは見惚れる。
それでも止まらないが、春麗の黒制御は高い。
戦闘面では、春麗が勝ちます。
でも、会話では苦戦している。
理由は、リュウが春麗の言葉を甘い方向へ翻訳してくれないからです。
春麗は、
責任を取りなさい。
と言う。
リュウは、
忘れない。逃げない。次も来る。
と返す。
春麗は、
私、重いでしょう?
と言う。
リュウは、
重い。受ける。
と返す。
春麗は、
甘いことを言いなさい。
と言う。
リュウは、
春麗といると鍛えられる。
と返す。
全部、リュウとしては誠実。
でも、春麗が期待する恋愛的ニュアンスから微妙にズレる。
つまり今回の敵は、リュウの戦闘能力ではなく、リュウの恋愛翻訳の遅さです。
終盤で少しだけ貫通している
ただし、完全に負けたわけではありません。
終盤でリュウはこう言います。
お前といると、次も来たいと思う。
お前が黒でも、黒でなくても。
重くても、面倒でも。
それでも、来たい。
これは、かなり良い答えです。
完璧な甘い台詞ではありません。
リュウはまだ不器用です。
「面倒でも」と言ってしまうあたり、相変わらずです。
でも、春麗にとっては十分刺さる。
なぜなら、これはリュウがようやく「責任」を行動義務だけでなく、会いに行きたいという意思として言えた瞬間だからです。
春麗の七十点判定は妥当です。
満点ではない。
でも合格。
この点数づけが黒ドレス特化版春麗らしいです。
黒ドレス特化版春麗の完成度が見える話
今回の春麗は、本編春麗よりかなり成熟しています。
本編春麗なら、リュウの「春麗とだからだ」だけでかなり止まる。
でも黒ドレス特化版春麗は、もっと直接的に攻めます。
責任とは何か。
甘いことを言う気はないのか。
私の重さをどうするのか。
こういう質問を投げられる。
これは、黒ドレス特化版春麗がすでに一度救済されており、自分の甘さや重さをかなり引き受けられているからです。
ただし、だからこそリュウの鈍感力にぶつかる。
自分が踏み込めるようになった分、リュウが踏み込み返してこないことに苦戦する。
この構図が非常に良いです。
今回のジャンル感
今回の妄想章IFは、かなりラブコメ寄りです。
ただし、軽いラブコメではなく、
救済後の重い女が、天然武人の鈍感力を攻略しようとして苦戦するバトルラブコメ
です。
戦闘もあります。
黒ドレスの攻防もあります。
でも本質的な勝負は、
春麗はリュウに甘い意味を理解させられるか。
リュウは自分なりの言葉で春麗へ届けるか。
です。
だから、これは会話バトルです。
黒ドレスを着た心理戦ラブコメ、と言っていいと思います。
結論
今回の妄想章IFは、黒ドレス特化版春麗が、甘さ耐性の高さを活かしてリュウに踏み込むものの、リュウの武人的すぎる鈍感力に苦戦する話です。
ポイントは、
春麗は戦闘では勝った。
でも、リュウの鈍感力には七十点しか取れなかった。
ことです。
そして、その七十点がむしろおいしい。
満点ではないから次がある。
リュウはまだ鈍い。
春麗はまだ不満。
でも、リュウは「それでも来たい」と言えた。
だからこの後日談は、黒ドレス特化版春麗とリュウの関係が、救済後もまだ続いていくことを示す良い一話だったと思います。