結論、FWは何故そうなったの???
イケメン俳優の殺陣とか日朝でやろうよ・・・
何でゴジラでそんなのやっちゃうかな・・・
現在、地球圏の戦力拡充は順調と言えた。
だが、良い事ばかりではない。
発展途上国に怪獣災害によって国力を大きく損なった国では宇宙からの侵略対策所か、大深度シェルターの建設すら出来ていない所が多い。
否、地球全体を見ればそんな国々の方が遙かに多いというのが現状だ。
アメリカが介入している南米は兎も角、アフリカに日本と韓国を除いたアジア地域全体と、多くが未だ通常の地下シェルターが殆どであり、対宇宙戦力を揃えられているのは極一部だ。
そこで途上国は繋がりの深い先進国と交渉、各種資源や人手の提供の代わりに大深度シェルター建設事業に関する技術指導を依頼し、先進国はこれを飲んだ。
これからの戦いに邪魔されたくなかったからというのが大きいが、たった半年程度で大深度シェルター完成は技術的に不可能だ。
なので、精々が山脈の地下にシェルターを建設する位しか出来ないし、そのサイズもとてもではないが全国民を収容できるサイズにはならない。
それでも自力でまともなシェルターも作れない国々はこれを歓迎し、国民の殆どは入れないが権力者とその身内や部下達を入れる分には十分なサイズだと喜び、財産を運び込む事を命じた。
これが革命の狼煙となった。
各地で民族主義者も宗教テロも関係なく、まともな国家運営に失敗してきた途上国では火の手が上がり続けた。
どうせ死ぬならワンチャン賭けて反乱し、シェルターを分捕って生き残る。
主義主張も出身も装備も文化もバラバラの彼らが持った、唯一共通の目的がそれだった。
勿論そんな烏合の衆がまともな訳がなく、戦闘の発生した地域は須く略奪と破壊の対象となり、途上国は以前に増して更に荒れていった。
それを先進国は冷ややかな視線を向けながら、しかしいつもの様に介入は一切せず、放置を決め込んだ。
既に必要な資源は大方集め終わり、無理に彼らの争いに介入するよりも来たる日に備える方が遙かに優先順位が高かったからだ。
月人もモスラ達もこの期に及んで愚行を繰り返す連中に構うつもりはなく、放置した。
無論、とち狂った挙げ句にこちらに噛みついてくる者達に対しては何処も容赦する事は無かったが、命綱たるシェルターを建設する者達を積極的に攻撃する者は殆どいなかった。
死にたいなら自分達だけで勝手に死ね。
それが戦争に備える真っ最中の彼らの混じりっ気無い本音だった。
斯くして世界の半分近くが燃え上がる中、二極化した世界では粛々と準備が進められた。
ギドラ到来まで後一ヶ月という頃、ツクヨミ内でヤチヨとかぐいろP、そして黒鬼の大規模コラボライブ開催が告知された。
『申し訳ないけど、これが最後かもしれない。だからせめて、盛大にやろう!私もいろPも他の人達も最後まで精一杯生きるけど、もう会えなくなるかもしれない人は出てくるからさ…ツクヨミだけでも盛り上がろう!』
管理AIたる月見ヤチヨのこの言葉に、ツクヨミユーザー全員が一丸となってコラボライブのために動き出した。
いつもはふじゅ~を使うのを渋っている勢もこの時ばかりは全開で使い、最後の宴だ宵越しの銭は持たぬ!とばかりに盛大な祭りの準備を行った。
勿論、各有名所のライバー達も積極的にそれに倣った。
彼ら彼女らもまた、終末の気配を感じて少しでも何かを残したかったのだ。
なお、今回は敢えてリアルではなくツクヨミ内のアバターでライブを行う事となった。
何故かって?
我らがいろPが「アラフォーの身でアイドル衣装はちょっと・・・アラサーでもきつかったのに・・・」と断ったからだ。
遂に復帰(表向きは10年近く前)したかぐやとヤチヨの渾身のお強請りも撥ね除けられ、ぶつくさ言われながら何とかツクヨミ内のライブで済んで良かったと胸を撫で下ろしたいろPだった。
のだがまぁ、その後の夜のSex-Yotogibanashiではお返しとばかりに二対一で入念に可愛がられる事となるのだが、この時のいろPには与り知らぬ事だった。
本当の意味で約20年ぶりの三人でのコラボライブの成否は言うまでも無く、ツクヨミを超えて多方面で大盛況のまま終了した。
今までライブに参加しなかったROKAやまみまみもダンサーとして参加し、ブラックオニキスのライブも合わせて今までにない程の大盛況だった。
告知から一週間後の僅か3日程度のお祭り期間だったが、それでも終わりの前の祭りとしては上々だと、誰もが思った。
この瞬間が永遠に続いてほしいと思う者もいたが、無情にも時は過ぎゆくものだ。
これ以降、三人はツクヨミの運営よりも対宇宙怪獣迎撃作戦に専念する事となり、その全知全能を人類戦力の整備に費やすのだった。
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宇宙大怪獣ギドラ
それが今回、否、過去2回と合わせて幾度も地球へと襲来してきた怪獣の名だ。
三つの首、黄金の鱗、腕と一体化した巨大な両翼、二股の尾とそれらを支える強靭な2本足。
高い身体能力は言うに及ばず、他者への洗脳、エネルギーの吸収と放出、天候操作、高度な飛行・宇宙移動能力、高い知性と再生能力と他にも様々な能力を持つ。
特に厄介なのがその三つの口から放つ引力光線だ。
威力も凄まじいが、その性質が地球の怪獣達には対策しようがないのも大きい。
引力とは、質量を持つ全ての物体の間に働く、お互いを引き寄せ合う力(相互作用)の事だ。
ギドラはこれを三つの首の口から黄金の稲妻状の光線として放つ。
勿論、個別に指向したり収束する事は勿論、別々のタイミングで放つ事も可能だ。
そして最も厄介な性質として、命中した対象の地球からの引力=重力を遮断して一時的に無重力状態にし、宙に舞い上がらせる事が出来る。
この時点で飛行能力や空中での推進力を発生させられない怪獣は高所からの落下を繰り返され、何も出来ずに何れ死に至る。
特に一度目の襲来では雲よりも上の高度から地上へと墜落死させられた怪獣が多数発生した。
また、威力もG0とは行かずとも収束した場合はG1の放射能熱線に匹敵する火力を持っており、大抵の物体は分子・原子間の引力を0にされて脆弱化した所をエネルギーの奔流で以て破壊される。
これはゴジラの電磁バリアすら数秒程で無効化してくるため、相殺するにはより高出力なエネルギーを叩き付ける事が必要となってくる。
必要なのだが、放出口が三つもあるので一つを無効化してる間に残り二つが放たれたりもするので実に厄介だった。
そして、今言った引力光線の威力は二回目のギドラを基準としているため、三回目となる今回は更に高出力が必要であると予想されている。
つまり、正面から打ち破るのは地球ではG0位しか出来ないという事だ。
そこで重要になってくるのが地上における戦力配置だ。
敵の総大将であるギドラとそれに準ずる反応の二体、そして200もの宇宙怪獣の軍団。
最後の200は先制核攻撃とゴジラ達のチャージ済み大出力熱線によってどれだけ数を減らせるか不明だが、確実に勝利するにはギドラとG0を一対一、又はこちらのみ支援できる状態にせねばならない。
しかし、これには大きな問題があった。
そもそも何処を戦場にするべきかという問いに、誰も答えられなかったのだ。
先進国としては戦力があるのは勿論自国領土なのだが、国土は是が非でも守りたいし、出来れば被害が少ない方が良い。
月は被害的に有りなのだが、地上の戦力を配置する事が出来ない。
地下は言うに及ばず、そもそもインフラも無い怪獣達と現地民の住処に大量の軍隊を駐留する事は出来ない。
そのため、地上でゴジラ達が全力で戦闘可能な土地、或いは先進国の中で戦闘しても構わない土地という条件が付く。
そこで挙げられた候補が三カ所だ。
一つ目、中東。
先日、洗脳された月人と怪獣殲滅派とも言われる地上人類と洗脳された中東の人々による対ゴジラ兵器7機との大規模戦闘と中東全土の消毒により、今は何も残っていない荒野しかない。
欧州と程近く、民間人を巻き込む心配が無い。
二つ目、アフリカ。
多少人がいようが、この期に及んで地球の命運を左右する戦いに協力する所か邪魔している連中の土地なので、先進国側から一切擁護が成されなかった事から候補に挙がった。
チャイナリスクとはまた違った現地民の倫理観の無さや教育の不十分さから投資先としても既に魅力は失せているし、中東と同じく欧州からは程近いので候補になった。
この場合は主にサハラ砂漠が広がる北部が対象であり、こちらも沿岸部とナイル川沿いの人口密集地を避ければ問題ない。
三つ目、中国東部沿岸。
へドラ事件で荒廃して以降、中央政府の弱体化による各地方の軍閥が独立を宣言した事から未だ内戦が続いている。
つまり、元中央政府からの非難も出ず、広大な無人地帯を戦場とする事が出来る。
この何れかにG0を配置し、欧州と米国、日本はそれぞれの国土を防衛する。
勿論、可能な限り協力はするものの、敵戦力がどれ程のものか想像も出来ないので何とも言い様がない。
一応、軍関係者は幾度も幾度も時間を掛けてシミュレートし続けたが、やはり敵勢力が不透明である事から上手く行っていない。
だが、とある人物?から助言を得る事が出来た。
『あいつらの性格上、絶対にこちらの戦力を無視しません。寧ろ叩き潰して嬲り殺しにするために積極的に抵抗する相手に向かってきますよ。前々回はそうでしたし。後、必ず弱い場所、人口密集地なんかを狙ってきます。その方が楽しいから。』
相談したモスラからの情報提供に軍関係者は大いに助かった。
第一回の怪獣大乱闘の中、ギドラは敵対した怪獣を常に嬲り殺しにした。
これはギドラの性格に由来する行動で、滅ぼした星の生体エネルギーを啜る事から凶悪かつ残忍であり、殺戮と蹂躙を好む典型的な破壊者なのだ。
なお、前回は巨大隕石落下による衝撃と余波でゴジラ達が孤立、各個撃破の危機だったのだがよりによって一番強い奴に一番最初に向かってしまったのが運の尽きだった。
そうせねば遠距離からの熱線で蒸発していただけなのだが・・・まぁ相手が悪かったというべきだろう。
兎に角、データがあるのなら相手の戦術や行動も予測は出来る。
速攻で組み上げられたデータをシミュレーターへと入力し、何とかギドラ達の行動予測を試みるのだった。
『地上人類と月人側の戦力を合わせても中々厳しい以上は戦力分散の愚は可能な限り避ける必要が有ります。やはり本土で戦うべきでしょう。あぁ、G0は除いてですよ。』
もしG0が全力戦闘を行った場合、間違いなくその土地一帯は壊滅するだろう、余波だけで。
そのため、幾度かのシミュレートの後に既に壊滅済みで元々砂漠地帯の中東にG0を配置、残ったゴジラ達を二体ずつ米国、日本、欧州に配置する案が検討された。
詳細な配置は各々で決めるものとして、米国にはG2とG7、欧州にはG3とG6、日本にはG4とG5が配置されるようモスラを通じてゴジラへと要請する手筈となった。
これは各国の影響力が如実に出た形だった。
しかし地上の人類存続にはその文明の維持が必要不可欠な事もあり、ゴジラの配置を望む他の各国には文明を維持するだけの技術・生産力が無い事、モスラへと訴える手段も無い事、この期に及んで戦力にならない事から無視された。
『じゃぁG0は何処にいる予定なんです?』
『彼はもう決めています。中東ですよ。』
こうして、地球側の大体の準備は整った。
宇宙からの侵略者に対し、地球の歴史上初とも言える規模の全力での迎撃作戦が間もなく始まろうとしていた。
次回、開戦